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VIビジュアルアイデンティティの目的と開発事例とは

[ ブランディングデザイン ]

VI(ビジュアル・アイデンティティ)の目的や開発手順と構成

VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは、企業やブランドが視覚的にアイデンティティを表現し、消費者に伝えるための手法です。ロゴやカラー、フォント、パッケージデザインといった視覚的な要素が、企業の理念や価値観を一貫して表現することで、ブランドの認知度を高め、信頼性を向上させます。VI(ビジュアル・アイデンティティ)の目的は、企業の個性を視覚的に差別化し、消費者に強い印象を与えることにあります。効果的なVIは、ブランドのメッセージを明確に伝え、市場での競争力を高めます。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、VIの具体的な目的と、ブランドの開発の成功事例を紹介し、どのようにVIが企業の成長に貢献するかについて詳しく解説します。


■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは

VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは

VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは、企業やブランドが持つビジュアル面におけるアイデンティティのことを指します。つまり、企業やブランドのロゴ、カラースキーム、フォント、デザインなど、ビジュアルに表現される要素全般がVIの範疇に含まれます。VI(ビジュアル・アイデンティティ)は、企業やブランドのイメージを形成するために非常に重要な役割を果たしており、ビジュアル的な認知度や視覚的な一貫性を高めることによって、消費者に強い印象を与えることができます。VI(ビジュアル・アイデンティティ)を正しく構築することで、企業やブランドの知名度や信頼性を向上させ、市場競争において優位な位置を確立することができます。VI(ビジュアル・アイデンティティ)は、企業やブランドのアイデンティティを明確に表現するために欠かせない要素であり、戦略的に構築することが重要です。

[ 画像引用 ] Creative Soupより

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)の目的

VI(ビジュアル・アイデンティティ)の目的

VI(ビジュアル・アイデンティティ)の目的は、企業やブランドのアイデンティティを視覚的に表現し、消費者にアピールすることです。VI(ビジュアル・アイデンティティ)は、ロゴデザイン、カラーパレット、フォント、写真やイラストなど、視覚的な要素を統一的にデザインすることで、ブランドの一貫性と認知度を高めます。また、ブランドの差別化を図るために、競合他社との違いを視覚的に表現することもできます。さらに、消費者に信頼感や親近感を与え、ロイヤルティを高めることもできます。VI(ビジュアル・アイデンティティ)は、ブランディング戦略の中で重要な役割を果たし、企業やブランドのイメージを構築するために欠かせない要素の一つです。

【 ブランド認知度の向上 】

VI(ビジュアル・アイデンティティ)を統一することで、消費者がブランドを瞬時に認識できるようになります。ロゴ、カラー、フォントなどの視覚的要素が統一されていると、どの接点でも同じブランドイメージが伝わりやすくなります。視覚的な要素は、消費者の記憶に残りやすいため、ブランドを目にする機会が増えると認知度が高まり、競争市場でのブランドの存在感も向上します。

▶︎ 関連記事:ブランド認知度を高める3つの方法

ブランドの差別化

VI(ビジュアル・アイデンティティ)は競合との差別化を図るための重要なツールです。視覚的に他ブランドとは異なる個性や価値観を表現することで、消費者にとって際立ったブランド印象を与えられます。たとえば、ユニークなロゴやカラースキームは、消費者の関心を引き、独自の位置付けとして認識されやすくなります。こうした差別化により、ブランドの競争力が強化されます。

ブランドイメージの統一

VI(ビジュアル・アイデンティティ)により、すべての媒体やタッチポイントで統一されたブランドイメージを提供できます。ロゴやカラー、フォントを統一することで、ブランドの価値やメッセージがぶれることなく消費者に伝わります。この一貫性により、ブランドは信頼されやすく、企業のプロフェッショナルさが強調されるため、顧客との関係も深まります。

▶︎ 関連記事:ブランドイメージを高めるビジュアルデザインの重要性

消費者の信頼感を醸成

一貫したVI(ビジュアル・アイデンティティ)は、消費者に安心感を与え、ブランドに対する信頼感を高めます。統一されたデザイン要素が使用されていることで、消費者に「信頼できるブランド」という印象を与えられ、製品やサービスの品質も保たれているように感じられます。信頼感はブランドロイヤルティを高め、長期的なファンやリピーターの増加にも繋がります。

ブランド価値の向上

VI(ビジュアル・アイデンティティ)は、ブランドの価値や理念を視覚的に表現し、消費者に強く訴えかけます。高級感、親しみやすさ、革新性など、ブランドの個性を視覚的に伝えることで、消費者の共感を呼び、ブランド自体の価値が高まります。結果として、ブランド価値の向上は消費者の支持や信頼を増し、市場での地位を強固にします。

▶︎ 関連記事:ブランド価値とは?高める方法と活用方法

【 企業内外でのコミュニケーションの円滑化

VI(ビジュアル・アイデンティティ)のガイドラインを整備することで、社内外の関係者がブランドのデザインやメッセージを正確に理解し、統一されたイメージを共有できるようになります。これにより、広告やプロモーション活動、店舗デザインなど、すべての場面でブランドイメージを一致させやすくなり、効果的なコミュニケーションが可能になります。

【 長期的なブランドロイヤルティの確立 】

視覚的な統一性を保つことで、消費者にブランドの記憶が定着しやすくなり、ブランドへの愛着が育まれます。一貫したブランド体験を提供することで、消費者との信頼関係が深まり、ブランドロイヤルティが高まります。この信頼感は、競合が多い市場でもブランドを選び続けてもらうための基盤となり、長期的な成長を支えます。

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)の開発手順

VI(ビジュアル・アイデンティティ)の開発手順

1. 目的の明確化

VI(ビジュアル・アイデンティティ)開発の最初のステップは、目的を明確にすることです。企業やブランドがどのようなイメージを消費者に伝えたいのか、どのような価値観やメッセージを強調したいのかを整理します。この目的が明確であるほど、VIのデザインが一貫性を持ち、ブランドの個性がより効果的に表現されます。例えば、高級感を求めるブランドなら、洗練された色調やシンプルなデザインを、親しみやすさを強調するブランドなら明るく柔らかいデザインが適しています。目的を最初に明確化することで、デザイン開発の方向性が定まり、以降のプロセスがスムーズになります。

2. 調査と分析

市場や競合ブランドのVI(ビジュアル・アイデンティティ)を調査し、ブランドの特徴が最大限に活きるようなデザイン方針を分析します。消費者が何を求め、どのようなイメージを抱くのかを理解することで、ブランドの独自性を際立たせるVIの開発が可能となります。また、競合ブランドと差別化を図るために、業界のトレンドやデザインの傾向を調査することも重要です。こうした調査と分析によって、ブランドのターゲット層や市場ニーズに合った視覚的アプローチが導き出され、デザイン開発における具体的なアイデアや方向性が明確になります。

▶︎ 関連記事:ブランディングにリサーチと分析が重要な理由とは?

3. デザイン開発

調査と分析を踏まえ、実際のVI(ビジュアル・アイデンティティ)デザインを開発します。ロゴ、カラー、フォント、グラフィック要素、レイアウトなど、あらゆる視覚的要素を一貫して設計することで、ブランドのイメージを効果的に表現します。デザイン開発では、ブランドのメッセージが視覚的に伝わりやすく、ターゲット層に共感を得られるデザインを重視します。また、デザイン案を複数作成し、関係者からのフィードバックをもとに修正を加えていくことで、ブランドイメージに最も適したVIが完成します。

▶︎ 関連記事:ブランディングデザインとは何か?目的や重要性と成功事例

4. ガイドライン作成

完成したVI(ビジュアル・アイデンティティ)を一貫して運用するため、ガイドラインを作成します。ガイドラインには、ロゴの使い方、カラーコード、フォントの指定、レイアウトのルールなどが細かく記載されており、広告、ウェブサイト、印刷物、店舗デザインなど、すべての媒体で統一感のあるデザインが適用されるよう管理します。ガイドラインはデザイナーやパートナー企業にとって指針となり、誤用やデザインのばらつきを防ぎ、ブランドの一貫性が長期間維持されることを保証します。

▶︎ 詳細記事:ロゴガイドラインの目的や構成と開発事例
▶︎ 詳細記事:ブランドガイドラインの「作り方」と「成功事例」

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)の構成要素

シンボルマーク・ロゴタイプ

1. シンボルマーク・ロゴタイプ

シンボルマークやロゴタイプは、ブランドの象徴的な視覚要素であり、第一印象を決定づけるものです。単なるマークではなく、ブランドの理念や価値観を凝縮した記号であり、顧客が瞬時に識別できる重要な役割を持ちます。正しい形状・比率・使用ルールを徹底することで、一貫したブランド体験を提供します。

▶︎ 関連記事:ブランドロゴとシンボルデザイン開発の7つのポイント

ブランドカラー

2. ブランドカラー

カラーは感情や印象に直接影響を与える強力な要素です。ブランドカラーは、企業の世界観や性格を端的に表現し、視覚的な統一感を高めます。加えて、補助色や配色比率を定めることで、展開する媒体や状況に応じた柔軟な運用が可能になります。色彩心理や文化的背景を考慮することも欠かせません。

▶︎ 関連記事:ブランドカラーとは?設定方法とロゴの配色について
[ 画像引用 ] Brand Colors公式サイトより

フォント(書体)

3. フォント(書体)

フォントは、言葉をブランドらしく表現するための基盤です。選定する書体は、ブランドのトーンや性格を的確に伝え、読みやすさと個性を両立させる必要があります。見出し用・本文用・補助的使用など用途ごとの指定を設け、文字間や行間のルールも統一することで、表現の美しさと一貫性を担保します。

▶︎ 関連記事:ロゴデザイン開発の定番フォント10選と展開事例

イメージや写真

4. イメージや写真

写真やイメージは、ブランドの世界観や価値観を感覚的に伝える重要な要素です。被写体の選び方や光、色調、構図などで印象は大きく変わります。単なる装飾ではなく「ブランドらしさ」を表現する手段として機能させることが重要です。そのためトーン&マナーを定義し、人物・風景・物撮りなどにルールを設け、一貫性を保つことが求められます。

▶︎ 関連記事:トーン&マナーとは?目的と成功事例
[ 出典 ] Audi Styleguideより

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)の成功事例

STARBUCKSのVI(ロゴ、ブランドカラー)

【 STARBUCKS | VIの成功事例

[ LOGO|ロゴ ]

STARBUCKSのロゴは、円と中央にあるサイレンのシンボルが特徴的です。2011年にはロゴから「STARBUCKS COFFEE」の文字を外し、シンボルのみで表現するデザインに変更。シンプルながらもブランド認識度が高く、世界中の消費者に愛されています。サイレンのシンボルは独特な魅力を持ち、STARBUCKSが提供する「一息つける場所」としてのブランドイメージを強調します。

[ BRAND COLOR|ブランドカラー ]

STARBUCKSのブランドカラーは、深い緑色と白の組み合わせです。緑は「自然」「安心感」「成長」を象徴し、顧客にリラックスできるイメージを提供します。また、店内やパッケージ、広告などあらゆる場面でブランドカラーを一貫して使用することで、STARBUCKSのブランドイメージがより強固に視覚的に伝わり、消費者に認識されやすくなっています。

STARBUCKSのVI(書体、写真)

[ TYPOGRAPHY|書体 ]

STARBUCKSは、読みやすく親しみやすいサンセリフ体を採用し、シンプルでモダンなデザインを反映しています。文字がデザイン全体に調和し、落ち着いた雰囲気を演出。特にメニューや広告で使用するフォントにも統一性があり、どの店舗でも一貫性を持たせることで、視覚的に認識されやすいブランド体験を提供しています。

[ PHOTOGRAPHY|写真 ]

STARBUCKSの写真は、温かみがあり、自然光を活かしたカジュアルなスタイルが特徴です。製品や店内の雰囲気、顧客の楽しむ姿を捉えた写真を使うことで、ブランドの「リラックスした空間」や「体験」を表現しています。このような写真は、広告やSNSなどのメディアでブランドの一貫したイメージを視覚的に伝える役割を果たしています。

STARBUCKSのVI(ガイドライン)

[ GUIDELINES|ガイドライン ]

STARBUCKSはブランドガイドラインを設け、ロゴの配置、ブランドカラーの使用、フォント、写真のスタイルなど、デザインのすべての要素において一貫性を保つよう管理しています。このガイドラインにより、すべての店舗や広告においてブランドのアイデンティティが統一され、消費者に安心感と信頼感を与えるブランド体験が実現されています。

[ 引用 ] Starbucks Creative Expression より

TOYOTAのVI(ビジュアル・アイデンティティ)

【 TOYOTA | VIの成功事例 】

[ Visual Identity System ]

トヨタビジュアル・アイデンティティ・システム(VIS)は、トヨタブランドとその製品の両方のコミュニケーションを統一された一貫した方法で導くための包括的なツールです。VI(ビジュアル・アイデンティティ)を構成するさまざまなデザイン要素に関する情報とガイダンスを見つけることができます。

[ 一貫性を通じて認識を構築する ]

正確で統一されたブランド表現を維持することで、トヨタブランドとその製品を一貫して提示することで、市場での認知度とブランドへのロイヤルティを促進します。認知度や評価が高ければ高いほど、顧客が当社の製品やサービスを選ぶ可能性が高くなります。

[ デザインの構成要素 ] 

トヨタのビジュアル・アイデンティティ・システム(VIS)の中心にあるのは、TOYOTAロゴです。ステージングプラットフォームに配置されることで、視認性が向上しブランドと製品を統一するのに役立ちます。タイポグラフィは、すべてのコミュニケーションにおいて一貫したブランドを伝えるための強力で統一的な要素を提供します。高い可読性とモバイルデバイスに対応するためにカスタムデザインされた「トヨタ・タイプ」は、近づきやすく、人間味があり、技術的に高度で、細部にまでこだわりがある、特徴的で現代的なサンセリフ体です。レイアウトフレームワークは、ビジュアル・アイデンティティ・システム(VIS)の要素を統一し、アンカーブランドキューによってすべてが読みやすく、明確にトヨタであることを保証します。

[ 出典 ] TOYOTAより

SPRITEのVI(ビジュアル・アイデンティティ)

【 SPRITE | VIの成功事例 】

[ スプライトとは ] 

1961年のアメリカ合衆国のコカ・コーラ社が、レモンライム風味の飲料「7 Up」に対抗するために、元気を意味する Spirit と妖精を意味するSpriteから「スプライト」と名付けて発売した。コカ・コーラと異なりカフェインの含有なし。190以上の国々で販売されている。

[ リブランディング ] 

リブランディングは、ターナー・ダックワースがCoca-Cola社のデザインチームと協力して行いました。ターナー・ダックワースは、Coca-Cola社にとって当然のような選択で同社は以前にもSpriteに取り組んでおり、ブランドの素晴らしい理解を既に得ていました。

[ リデザイン ] 

Spriteのリデザインは、全てのタッチポイントを包括し、「明確さ」を中心に展開されました。以前のビジュアルエクイティは、不明瞭なブランドメッセージを伝えているように見え、シンプルにする必要があったと考えられます。明確さは、ビジュアル・アイデンティティだけでなく、ストラテジーやメッセージングにも表れています。 彼らの最新の夏のプロモーションキャンペーンである「Heat Happens」(shit happensへのオマージュ)は、彼らの新しいビジュアル・アイデンティティ・システムを展開しました。リデザインはすでに昨年展開されており、2023年初頭にも継続されます。

[ 出典 ] Bootcampより
[ 出典 ] ターナー・ダックワース社とは

OLYMPICのVI(ビジュアル・アイデンティティ)

【 OLYMPIC | VIの成功事例 】

[ オリンピックブランドの進化 ] 

新しいデザインシステムは現在、数十の内部および外部のIOCチャネルとプロジェクト、およびパートナーのプラットフォームで使用されており、パリ2024年までに完全なブランド展開が期待されています。今日では、IOC本部とローザンヌのオリンピック博物館、マドリードのオリンピック放送サービスとオリンピックチャンネルサービスのオフィスで、進化したアイデンティティの要素を直接体験することができます。Olympics.comやオリンピックアプリなどのデジタルチャンネルは現在、進化したアイデンティティに合わせ、新しい、よりインパクトのある方法で視聴者とつながるために、完全なブランドオーバーホールを受けています。オリンピックと並んで、ユースオリンピックの将来のすべてのエディションは、進化したブランドアイデンティティも特徴とします。

[ 新しい進化が始まる ] 

新しいブランド要素も将来的にリリースされる予定です。今後数ヶ月で、オリンピックスポーツとユニバーサルピクトグラムの新しいセットがデビューし、オリンピックのアイデンティティのための言語ニュートラル、ジェンダーニュートラルなアイコンシステムを提供します。新しいイラストは、アーティストや創造的な才能との継続的なエンゲージメントを可能にしながら、現在のブランド資産を豊かにし、更新するために徐々に追加されます。進化したブランドアイデンティティは、IOCと国際的なアーティスト、タイポグラファー、デザイナーのチームと協力して、Hulse&Durrellによって作成されました。

[ 出典 ] International Olympic Committeより
[ 出典 ] Hulse&Durrell社とは

■ AIがもたらすVI(ビジュアル・アイデンティティ)開発の未来

VI(ビジュアル・アイデンティティ)の世界は、いま大きな変革期を迎えています。その中心にあるのが、AI(人工知能)の進化です。AIは単なるツールではなく、ブランドの「個性」を際立たせるための新たなパートナーとして、これまでにない可能性を切り開いています。

【 AIロゴジェネレーターの急成長と市場拡大 】

ここ数年で、AIを活用したロゴジェネレーターが世界的に普及し、ブランド開発の在り方を根本から変えつつあります。

2024年:市場規模 約4.8億ドル
2025年:市場規模 約5.9億ドル(予測)
2029年:市場規模 約13.5億ドル(予測)

この急成長の背景には、高速性・低コスト・高精度というAI特有のメリットがあります。従来なら数週間かかっていたロゴ開発が、AIを活用すればわずか数分から数時間で実現可能です。また、低コストでありながら、データドリブンな分析に基づいた高度なデザイン案を提案できる点も、ブランド戦略における大きな変革要因です。

[ 引用 ] RESCEARCH ANDMARKETSより
[ 引用 ] market.usより
[ 引用 ] POWRより

【 中小企業やスタートアップに訪れるプロレベルのVI時代 】

かつては、大手企業だけが潤沢なリソースを投じて構築できた「プロフェッショナルなVI」。しかしAIの進化により、中小企業やスタートアップでも、ブランドの理念に沿った高度なビジュアル・アイデンティティを手に入れられる時代が到来しました。

トレンドや競合を分析した上で、適切なロゴ・カラー・フォントを提示
ターゲット顧客の嗜好を反映したパーソナライズ設計
ブランドイメージを複数の媒体(SNS・Web・印刷物)で統一展開

例えば、AIは上記のような領域で力を発揮します。これにより、企業規模に関係なくブランドの世界観を一貫して伝えられるようになります。

【 人とAIの「協働」による新しいブランド開発 】

重要なのは、AIが人間のクリエイティビティを置き換える存在ではないという点です。むしろ、AIはデータ解析と効率化の領域で圧倒的な強みを発揮し、人間はその結果をもとにブランドの価値観や物語を紡ぐという「役割分担」がこれからの主流になります。

AIの役割 :トレンド分析、顧客データ解析、デザイン案の大量生成
人間の役割:ブランドストーリーの構築、感情的な文脈の設定

この「AI × 人間」のハイブリッドアプローチにより、従来では不可能だった超パーソナルで、一貫性があり、顧客体験と直結したVIを実現できます。

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)の弊社開発実績

弊社では、多様な業種・規模のクライアント様に対して、ブランド戦略、ロゴデザイン開発、ブランドステートメント策定、名刺・封筒・Webサイトなどのデザイン開発を一貫して手がけています。ネーミングやパッケージ、サインデザインなども包括的に開発しブランドの統一感と差別化を実現しています。

[ JAPANITURE ]
日本発の家具ブランド「JAPANITURE」の海外展開」。JAPANITUREとは、JAPANとFURNITUREの造語に由来し、ブランドコンセプトは「日出ずる国の家具」。日本の伝統と革新的でモダンなデザイン家具を海外に広く発信し新規マーケットを開拓することを目的とするブランドです。

[ 詳細 ] chobico WORKS | JAPANITUREより

[ MONOCOTO ]
MONOCOTOは、リアルソーシングを特徴とするソーシャルマニュファクチュアリングサービスです。モノが溢れ余る社会において「モノの先にあるコトの価値」が求められています。単にモノを作るという発想から、その先にあるモノを使う楽しみや経験、人とのコミュニケーションを提案するブランドです。

[ 詳細 ] chobico WORKS | MONOCOTOより

[ ASBO STAY HOTEL ]
ASBO STAY HOTELは、沖縄県金武町の豊かな自然が残る東海岸に佇む、全室オーシャンビューのリゾートホテル。澄みわたった空気と、清らかな海辺。五感のすべてに響いてくるのは、大自然からのメッセージ。精神と身体を解放することの素晴らしさを知ることのできるホテルです。

[ 詳細 ] chobico WORKS | ASBO STAY HOTELより

[ DOME ATHLETE HOUSE ]
ドームアスリートハウスは、最新の専門的かつ科学的な情報を提供し、日本のトップアスリートをソフト面から支える、世界最高水準のパフォーマンス開発機関です。日本のスポーツ全体を世界トップレベルへと引き上げ、活性化させることで豊かで活気のある社会づくりに貢献していくことを掲げるブランドです。

[ 詳細 ] chobico WORKS |DOME ATHLETE HOUSEより

FAQよくある質問

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)開発に関するよくある質問

[ よくある質問① ]

Q :VIとCIの違いは何ですか?
A :CIは企業理念や価値観、VIはロゴやカラーなど視覚で伝える表現です。視覚でCIを具体化します。

[ よくある質問② ]

Q :VIの目的とは何ですか?
A :ブランド認知、差別化、統一感など、多面的なブランド強化を視覚的に実現することが目的です。

[ よくある質問③ ]

Q :VI開発の手順はどう進めれば良いですか?
A :目的の明確化 → 調査・分析 → デザイン開発 → ガイドライン整備の順で構築するのが効果的です。

[ よくある質問④ ]

Q :成功事例から学べるポイントは何ですか?
A :スターバックスやトヨタなどの事例からロゴ、統一された配色、写真の徹底が学べます。

[ よくある質問⑤ ]

Q :ガイドラインはなぜ必要ですか?
A :ガイドラインは、一貫性を保った表現を管理するための“運用の要”です。

checklistチェックリスト

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)に関するチェックリスト

[ VIの目的と効果を問うチェック ]

⬜︎ VIを通じて企業の個性と理念が視覚的に明確に表現されているか?
⬜︎ 視覚的一貫性がすべての接点で保たれ、一目で識別可能なブランドイメージになっているか?
⬜︎ 他社との差別化に寄与するユニークなデザイン要素が含まれているか?
⬜︎ VIがブランド価値やメッセージの視覚化として機能し、ロイヤルティ向上に寄与しているか?
⬜︎ VI規定(ロゴ/カラー/フォントなど)が整備され、社内外に共有されているか?
⬜︎ VI導入により、社内外ステークホルダーとのコミュニケーションが統一されているか?

[ VI開発プロセスに関するチェック ]

⬜︎ VI開発の目的が明確に設定され、それがすべてのデザイン要素に反映されているか?
⬜︎ 市場や競合、ターゲット分析に基づいた調査・戦略的設計が行われているか?
⬜︎ 複数案の制作と関係者からのフィードバックを経て、最適なVI案が選定されているか?
⬜︎ VIに基づいた詳細ガイドライン(使用ルール、背景、レイアウトなど)が体系的に作成されているか?

記事のまとめ

■ まとめ

VI(ビジュアル・アイデンティティ)は、ロゴ、カラー、フォント、写真といった視覚要素を通じて、企業やブランドの理念・価値観を一貫して伝える仕組みです。その目的は、ブランド認知の向上、視覚による差別化、統一されたブランド体験の提供、そして消費者に安心感や信頼感を与えることにあります。これにより、市場での競争力が高まり、ブランド価値の強化につながります。VIを構築する際は、「何を伝えたいか」を明確にし、市場や競合を調査することで独自性を明らかにし、複数案の検討とフィードバックを通じて完成度を高めるプロセスが重要です。戦略的に開発されたVIは、ブランドの未来を支える礎となり、持続的な成長につながる不可欠な核となります。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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