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[ ブランディングデザイン ]

ロゴデザイン開発の定番フォント10選と展開事例

有名ブランドのロゴデザインの多くはロゴタイプのみ(文字のみ)のシンプルなデザインがとても多いのが現状です。シンプルなロゴデザインでありながらもブランドを象徴する圧倒的な存在感を確立しています。その理由は、文字のウエイト(太さ)や文字間に対して徹底的にこだわって開発しているからです。では、これらのブランドロゴには、一体どのようなフォントが使用されているのでしょうか?気にはなるが知らない方も多いのではないでしょうか?この記事では実際に有名ブランドがロゴとして使用しているフォントと照らし合わせながらご紹介させていただきます。


ロゴデザイン開発の定番フォントとは?

世界でも名の知れた定番フォントは至る所で見かけます。ロゴデザイン開発の現場において使用頻度が高い人気の欧文フォントには、それぞれ著名な制作者がいて深い歴史があります。ロゴデザインは、使用するフォントによっ大きくイメージが変わります。ここでは定番フォントの特徴や具体的な開発事例についてご説明させていただきます。

欧文フォントのつくりと名称について

● アセンダライン(iなどの最上部に位置する基本ライン)
● キャップライン(大文字の最上部に位置する基本ライン)
● ミーンライン(小文字の最上部に位置する基本ライン)
● ベースライン(全ての文字の基本ライン)
● ディセンダライン(gなどのベースラインより下の基本ライン)

欧文フォントはベースラインという水平のラインに揃えられて設計されています。大文字と小文字、文字によって高さに違いがあるため、ベースラインに基いてアセンダライン、キャップライン、ミーンライン、ディセンダラインが揃えられています。文字によって天地の高さに差があるため、行間も注意しなければいけません。また、フォント幅は文字や種類によって変わります。そのため字面間に不均等な空白が生じ、カーニングが必要となります。

欧文フォントの分類について

フォントはセリフ(ひげ)と呼ばれる飾りのある「セリフ体」と、飾りのない「サンセリフ体」の2種類に大きく分類されます。セリフ体/明朝体は文字が細く、読み手に負担を与えないのが最大の特長です。読みやすさを重視したい場合は、こちらを選択するといいでしょう。長文での使用にも向いています。一方でサンセリフ体/ゴシック体は視認性を重視する場合には有効です。重要な単語や見出しなど、文字を目立たせたい場合などにはに向いています。

セリフ体(明朝体)

欧文フォントは、先端の装飾の有無で「セリフ体」と「サンセリフ体」に分けられます。セリフとは文字の先端にある小さな飾りのことで、セリフを持つフォントのことをセリフ体といいます。和文フォントの明朝体と同様、縦線・横線の幅が異なりメリハリのある作りです。セリフ体は装飾性が高く古風なイメージから、伝統的でクラシカルな雰囲気を演出したい場合に使用されています。また、定番フォントであるTimes New RomanやGaramondは可読性に優れており、長文でも目が疲れにくい特徴から多くの新聞で採用されています。

サンセリフ体(ゴシック体)

サンセリフ体は先端に装飾がないタイプのフォントのことです。サンセリフは「sans-serif」と書き、フランス語で「セリフがない」という意味になります。セリフ体とは違い、縦線・横線の太さもほぼ均等です。サンセリフ体は、シンプルで新鮮なイメージ、親しみやすくカジュアルな印象にしたい場合に使用します。Helveticaはサンセリフ体のなかでも、特に定番といわれるフォントです。Futuraは、フォルクスワーゲンやルイ・ヴィトンのロゴデザイン等にも使用されています。近年の傾向としては、モバイルデバイスでの視認性が高いことから、リブランディングするハイブランドの新ロゴデザインに、サンセリフを採用する事例が増えてきています。

定番フォント10選と展開事例

① Helvetica

Helvetica(ヘルベチカ)は、1957年にスイス人タイプフェイスデザイナーのマクス・ミーディンガーとエドゥアルト・ホフマンが発表したサンセリフのローマ字書体です。簡素で落ち着いた書体でありながら説得力に富む力強さが特長で、用途を選ばない幅広い汎用性があります。現在、最も使用されている書体の一つとなっているほか、出版や広告の業界では必要不可欠な書体として知られています。今日ではフォントとして誰でも手軽に利用でき、Macintoshでは OS に付属する標準フォントの一つとなり、iOSではシステムフォントです。ヘルベチカの名称は、ラテン語で「スイス」を意味するHelvetiaの形容詞形でHelvetica(ヘルウェティカ / ヘルヴェティカ)に由来します。つまり、ヘルベチカとは「スイスの」を意味するのです。

[ 引用 ] wikiペディアより > https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘルベチカ

【 特徴とは 】

Helvetica(ヘルベチカ)の最大の特徴は「分かりやすい」ことです。とにかく万人に対して読みやすく、そしてシンプルな美しさを兼ね備えています。デザイン自体には癖もなく何にでも合わせることができます。このような特徴から、ロゴデザインの限らず、世界中の空港や駅にも数多く使用されています。

② Futura

Futura(フーツラ) は、1923年にドイツのバウハウスにおいて非常勤講師として勤めたパウル・レナーによって発表されたラテン文字のサンセリフ体書体です。futuraとはラテン語で「未来」の意。カタカナ表記には他に「フツラ」「フツーラ」「フトゥーラ」などが見られます。いわゆるジオメトリック・サンセリフの一種で、幾何学的な造形が特徴的です。現在でもよく用いられているサンセリフのひとつで、フォルクスワーゲンやルイ・ヴィトンのブランドロゴ等にも使用されています。なお、この書体が「ナチスを連想させるため、使う文化圏には注意を払った方がよい」と日本で言われることがありますが、それは全くの誤りであり、欧米諸国をはじめ世界中で普通に使用されています。

[ 引用 ] wikiペディアより > https://ja.wikipedia.org/wiki/フーツラ

【 特徴とは 】

現在も世界中の数多くのデザイナーが好んで使用しています。丸みを帯びた幾何学的なフォルムは非常に視認性が高く、丸みを帯びているため可愛い印象をあたえます。また、文字自体が垂直対象にデザインされていることで、現代的でスマートな印象があり、時代に左右されない普遍性を感じさせます。

③ DIN

DINは、ドイツ生まれのフォントです。もともとは、工業用に作られたフォントで、工業における型番記載等のフォントをこの「DIN」に統一することを目的としていたそうです。なので「DIN」というのは「ドイツ工業規格(Deutsches Institut für Normung)」の略称であり、「Deutsches Institut für Normung」が「DIN」の正式名称になるわけです。ドイツ規格協会は、ドイツの国家標準化団体であり、ISO加盟機関である。DINは、ベルリンに本部を置く登記社団です。DINは、現在約3万のDIN規格を制定しており、ほぼ全ての技術分野をカバーしています。

[ 引用 ] wikiペディアより > https://ja.wikipedia.org/wiki/ドイツ規格協会

【 特徴とは 】

視認性が高く海外では公共の場で広く使用されているフォントです。空港サイン、道路標識などで使用されています。また、ユニクロのブランドロゴがDINをベースにデザインされたことも有名です。とても視認性が高いため値段表示などでも日頃目にすることも多いフォントです。

④ Frutiger

Frutiger(フルティガー)は、アドリアン・フルティガー (Adrian Frutiger) によってデザインされたサンセリフ体書体です。遠くから見たときの視認性に優れ、特に空港や駅などの案内用標識などに用いられるほか、印刷物でも幅広く利用されています。アドリアン・フルティガーがシャルル・ド・ゴール空港の案内標識をデザインする依頼を受けたのは1968年のことです。フルティガーは自身がかつて製作したユニバースを用いるのではなく、空港の標識に適した、遠くからでも読みやすいフォントを新たに作ることにした。このフォントは1976年、ライノタイプから Frutiger の名で一般向けに発売されました。2000年、Frutiger Next (フルティガー・ネクスト) をリリース。これはアルテ・ピナコテーク美術館のためにデザインされたもので、ウェイト数の増加やエックスハイトを高めるなどの改良が行われています。 なお、Frutiger Nextのイタリック体は機械的な傾斜体ではなく、新規にイタリック用にデザインされ、小文字の「a」などがいわゆる「一階建て」になっています。

[ 引用 ] wikiペディアより > https://ja.wikipedia.org/wiki/フルティガー

【 特徴とは 】

デザインの特徴としては堅実で信頼感を与えるフォントです。元々は、パリのシャルル・ド・ゴール空港のサイン用書体として1968年にアドリアン・フルティガーが開発しました。日本では東京メトロの駅構内サイトして使用されています。現在でもとても人気があり広告や印刷物においても幅広く使用されています。

⑤ Avenir

Avenir(アベニール)は、FrutigerやUniversなどの定番書体をデザインした、Adrian Frutiger氏による洗練されたモダンな書体です。デザインはFuturaとFrutigerを足して2で割ったようなイメージで、見やすさと美しさの両方を兼ね備えた書体です。また2004年には、ドイツのLinotypeで活躍されるタイプディレクターの小林章さんによってリメイクされたAvenir Nextが発売されました。大きな違いは、UltralightやCondensedの追加といった大幅なウェイトバリエーションの追加が挙げられます。また斜体が、単純に傾けただけのオブリーク体でしたが、斜めになってもデザイン上違和感が無いように微調整されたイタリック体になりました。

[ 引用 ] フォントブログより > https://blog.petitboys.com/archives/avenir.html

【 特徴とは 】

洗練されたシンプルなデザインのため、ロゴデザインやタイトルとして使用されることが多いです。有名な事例としてはスターバックスブランドの指定書体に採用されています。

⑥ Gotham

Gotham(ゴッサム)は世界的に有名なフォントメーカーHoefler & Co.(旧 Hoefler & Frere-Jones)によって2000年に制作された書体です。元々はアメリカのメンズファッション誌「GQ」に依頼されて制作された書体で、GQの独占使用権が切れた2002年に製品として公開されました。丸みを帯びた自然な幾何学的なフォルムと豊富なファミリーを持つ現代風な佇まいが特徴の書体です。2009年ごろのアメリカ大統領選挙でオバマ大統領の特設Webサイトやスローガンなどに大々的に使用され、一躍有名になりました。

[ 参考書籍 ] 欧文書体―その背景と使い方 : 小林 章 著 / 美術出版社

【 特徴とは 】

非常に力強く、インパクトがあり男性的な印象を兼ね備えた書体です。シンプルかつ鮮明な視認性でデザイン性も高いため、デザイナーに人気があるフォントの一つです。

⑦ Trajan

Trajanは長い歴史をもった、有名かつ格式の高いフォントです。始まりはなんと2,000年前にもさかのぼり、ルネサンスの人文主義者がこの書体に注目したことを契機に、長い歴史の中で何度も研究、複写されてきました。現在、僕らがパソコンで使っている「Trajan Pro」は1989年にAdobeの書体デザイナーであるCarol Twombly (キャロル・トンブリー)氏によって制作されたフォントです。

[ 参考書籍 ]欧文書体―その背景と使い方 : 小林 章 著 / 美術出版社

【 特徴とは 】

格式が高く、堂々とした優雅な印象がある書体です。古代ローマ帝国を統一したトラヤヌス皇帝のために制作されたものがベースとされています。大文字しかなく小文字はありません。皇帝のための書体が起源のため、格式が高い企業のブランドロゴなどに使用されています。

⑧ Copperplate Gothic

Copperplate Gothic(カッパープレートゴシック)は1901年にフレデリック・ウィリアム・ゴーディが開発しました。ゴージャスな印象を持ち、特徴としては一文字一文字がほぼ正方形のフェイスに収めることができます。装飾的でありながら、Trajan(トレイジャン)ほど格式を感じさせず、幅広のデザインはどこかかわいらしさも感じさせます。招待状や高級レストランなどでこのフォントは多く見られます。

[ 参考書籍 ] 欧文書体―その背景と使い方:小林 章 著/美術出版社

【 特徴とは 】

装飾的なデザインでありながら、極端な格式の高さを感じさせず、ワイドなフォルムのデザインから少し可愛らしい印象も感じさせます。そのため、高級食材ブランドのDEAN & DELUCAやKIHACHIのロゴの書体として使用されています。

⑨ Gillsans

Gill Sansはイギリスの著名な芸術家Eric Gill (エリック・ギル)によって1930年前後に造った実に誕生以来80年以上の歴史ある書体です。 フォント名は人の名前に由来します。Eric Gillは、書体デザイナーであり、かつグラフィックアーティスト、また彫刻家としても有名でした。もともとは建築を学んでおり、教会建築の専門家であるW.D.カロエ(W.D. Caroe)の下で建築を学びますが、研修が嫌になり辞めてしまいます。その後、中央美術工芸学校(Central School of Arts and Crafs)でカリグラフィーのクラスを受講します。 Gill Sansは、彼が受講していたクラスの先生Edward Johnstonがロンドン地下鉄のために造ったJohnston(フォント)から着想を得ています。Edward Johnstonとの出会いが、Gill Sansの誕生の大きなきっかけだと言えます。可読性が高いとして有名なGill Sansですが、彼自身も究極の可読性をもつサンセリフ体のフォント製作を試みていたそうです。

[ 参考書籍 ]
Jan Tschichold公益財団法人DNP文化新興財団
Penguin By Design: A Cover Story 1935 To 2005 Phill Baines

【 特徴とは 】

80年以上の歴史がある書体ですが、高級ブランドなどのロゴに使用されることが多いフォントです。家電メーカーのフィリップスやロールスロイスなどのブランドロゴに使用されることが有名です。彫刻家でもあったエリック・ギルがデザインしたので、骨格がはっきりしており彫刻的な印象もあります。

⑩ Bodoni

Bodoni(ボドニー)は、イタリアの印刷工、ジャンバッティスタ・ボドニ(Giambattista Bodoni,1740-1813) によってデザインされたラテン文字のセリフ体書体です。画の太さを均一に保つなど、幾何学的に構成されており、カリグラフィ的要素を排除しているのが特徴。広告デザインなどに人気が高い書体の一つです。

[ 引用 ] wikiペディアより > https://ja.wikipedia.org/wiki/ボドニ

【 特徴とは 】

現在のBodoniはフォントメーカーによって様々なタイプがあります。Vogueのロゴで使用されているDidot(ディド)と似たような趣があり、優雅でエレガントなイメージがあります。デザインの特徴として非常に強い印象がありますので、使用するシーンは限られてきそうですが、ファッション関係や、広告関係に広く使用されています。

まとめ

ロゴをデザインする場合に、既存のブランドロゴの中からイメージやコンセプトに近いものを探し出し、使用しているフォントを研究することも有効な方法です。そのブランドが何故そのフォントを選んだのか?どのような印象を与えたいのか?を理解することはとても重要です。ロゴをデザインする際に闇雲に取り掛かるのではなかなか良いアイデアも出てきません。是非、既存のブランドロゴのフォントを研究し、デザインしてみてください。

【 おすすめ記事 】 ロゴデザインに重要なフォント選びとは
https://chibico.co.jp/blog/branding-design/logodesign-font-042/

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