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[ ブランディングデザイン ]

ロゴデザインに重要なフォントとリニューアル事例

ロゴデザインのイメージを決定づける重要な要素のひとつにフォントがあります。フォントの特徴や歴史を理解し、目的に応じたフォントを正しく選べばブランドのイメージを的確に表現し伝えることができます。では、FacebookやGoogleのような大企業がオリジナルフォントでロゴをデザインしているのかというと、必ずしもそうではありません。もちろんロゴデザインは他社との差別化や独自性を表現するために1からオリジナルでデザインすることも重要ですが、既存のフォントをカスタマイズしデザインしているケースが多いのです。


ロゴデザインに見るフォントの現状

これまでアパレルブランドのロゴといえば歴史のあるブランドであればあるほどセリフ体のロゴが多かったのですが、ここ数年で多くのブランドがサンセリフ体にリニューアルしています。その理由のひとつが「オンラインへの対応」だと考えられます。ジバンシィの元デザイナーで現在はバーバリーのデザイナーを務めるリカルド・ティッシは「現代的効用」としてサンセリフ体を支持しています。バーバリーのロゴはデザイナーのピーター・サヴィルにより一新されました。この件について『The Business of Fashion』は「清潔で読みやすくさまざまなメディアに対応できる。特にオンラインで機能する」と記載しています。また、オフホワイトのデザイナーで現在ルイ・ヴィトンのデザイナーを務めるヴァージル・アブローは「新しいルネッサンスの夜明け」と表現しこうした流れを評価しています。黒人デザイナーであるヴァージル・アブローは「インターネット、新しいメディアの登場で、これまでの歴史を再考されている」と述べている。セリフ体は「権威主義」のもので、人種差別的だという見方もあるのだという。

[ 引用 ] The Business of Fashionより > https://www.businessoffashion.com

フォントには「セリフ体」と「サンセリフ体」がある

フォントはセリフ(ひげ)と呼ばれる飾りがついている「セリフ体」と、飾りがついていない「サンセリフ体」の2種類に大きく分類されます。サンセリフ体の”サン”とは、フランス語で「ない」という意味で先端の飾りがないという意味です。セリフ体/明朝体は文字が細く、読み手に負担を与えないのが最大の特長です。読みやすさを重視したい場合は、こちらを選択するといいでしょう。一方でサンセリフ体/ゴシック体は視認性を重視する場合には有効です。例えば重要な単語や見出しなど、文字を目立たせたい場合などにはに向いています。

[ セルフ体の特徴 ]

「格調高い」「高級な」「伝統的な」といったイメージや印象があります。古代イタリアの石刻文字が起源ともいわれており、長文でも読みやすいという特徴があります。英字新聞などはセリフ体で構成されていることが多く、和文フォントでは明朝体がこれにあたります。

[ サンセリフ体の特徴 ]

「モダン」「カジュアル」「シンプル」といったイメージや印象があります。サンセリフ体は特に視認性に長けているのが特徴です。例えば、Appleの指定書体としてMyriad Proも一時期採用されていました。和文フォントではゴシック体ががこれにあたります。

ハイブランドに見るロゴデザインのリニューアル事例

ブランドのロゴは、そのブランドの個性や特徴を最も象徴しています。富裕層をターゲットとしているハイブランドにとって、プレミアム感やゴージャスなイメージを表すための重要な役割があります。また、長く愛され親しまれてきたロゴをリニューアルすることは、ブランドイメージを刷新することにもつながります。一見すると新旧のロゴが似通っているようにも感じますが、時代に合わせたリブランディングとして捉えると有効なのかも知れません。

[ BALENCIAGA ]

旧ロゴは白地に横長に伸びたフォルムなのに対して、新ロゴはグレー地に縦長なフォルムで、シンプルでより洗練されたデザインになっています。

[ CELINE ]

旧ロゴは「E」の文字の上に「’」特徴的なアクセントがありましたが、新ロゴはアクセントを削除し、文字間を狭めウエイトも重いデザインになっています。

[ BURBERRY ]

旧ロゴはセリフ体で馬のシンボルが目立ちます。新ロゴは馬のシンボルを削除し、シンプルなサンセリフ体で視認性の高いデザインになっています。

ブランドとしての独自性とは

ブランドにとって独自性はとても重要なはずです。このように似たようなロゴばかりでいいのでしょうか?上記のロゴ一覧で比較してみると、どれも似たようなフォントに見えます。海外の考え方は「フォントは完成されたもの」であり、選んだフォントをそのまま使うことも多いため、似たようなロゴが存在しているようです。

視認性重視のロゴデザインの現状

ハイブランドがなぜブランドのロゴをリニューアルするのか?それは時代とともに移りゆくメディアが関係しています。今までは消費者が情報を得る手段として「紙」が主流でした。そして紙面で見るフォントとしては、「セリフ体が視認性が高く、ロゴも伝わりやすかったので多く使用されてきました。しかし、現在の情報を得る手段は「モバイル」が主流です。スマートフォンで小さな表記でも視認性が高いのが「サンセリフ体」だからです。実際、新しいブランドや人気のブランドはシンプルなサンセリフ体のロゴが多いのも事実なのです。

動画時代に対応するためのロゴデザイン

YouTubeなどは解像度の関係でセリフ体のひげ部分などはつぶれて消えてしまいます。例えば動画のサムネイルにサンセリフ体や明朝体を使用しているのを見たことがありますか?また、動画のテロップ、映画の字幕なども細い文字は映像と同化しやすかったりするため、太く可読性の高いフォントが求められます。その結果、サンセリフ体(ゴシック体)などが人気になったのも当然なのでしょう。こうしたフォントの時流はいつの時代も起こることなのです。

まとめ

ロゴデザインとフォントの関係はとても重要でイメージに大きく作用します。しかし、現在はイメージばかりを優先するのではなく、表示環境を考慮し「視認性」や「再現性」を重視する傾向も理解できます。どちらか一方を優先するのではなくバランスと調和のとれたロゴデザインの開発が一層求められるのでしょう。

【 おすすめ記事 】 ロゴデザイン開発の定番フォント10選と展開事例
https://chibico.co.jp/blog/branding-design/logodesign-font-044/

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