
[ ブランディングデザイン ]
クレドの必要性と効果とは何か?
インナーブランディングとは、企業が社員に対してブランドの方向性や目指すべき姿、理念などを共有し理解・浸透させるための啓蒙活動のことです。逆に消費者などに対して企業のブランドを外に向けて啓蒙するアウターブランディングと共に、ブランド戦略として重要な考え方のひとつなのです。今回は、このインナーブランディングにとって必要不可欠なツールであるクレドについてご説明させていただきます。
■ クレドとは何か?
クレドとはラテン語で志・信条・約束を意味する言葉
ブランディングにおいては「経営理念」を表わす言葉として定着しています。経営理念は、どの企業にもあるものですが、それを社内・社外に上手く浸透させ、経営の武器として活用している企業は意外と少ないはずです。また、どんなに経営理念が素晴しくても、社員をはじめステークホルダーである顧客、株主、取引先などに伝わらなければ何の意味もありません。そこで、既存の企業理念の本質をそのままに、自社の存在意義、仕事への誇り、社会に貢献している意識を盛り込み、新しい経営の価値観を形にしたツールが「クレド」なのです。
■ クレドの必要性と効果

クレドの8つの効果
● 経営理念に基づいた経営をすることができる
● 経営者と同じ視点で意思決定できる社員が育成できる
● 権限委譲が進み、経営者が現場を離れても動く組織ができる
● ブランドイメージが向上し、他社との競争力がつく
● 自社の価値観に共感する、優れた人材が集まるようになる
● 共通の目的を持つことで、チームワークが良くなる
● 顧客志向の組織文化ができ、社風が良くなる
● 仕事の目的が明確になり、社員の働き方が向上する
■ クレドがもたらす効果
● 仕事への誇りと働きがいの向上
● 社員の団結力と結束力の向上
■ クレドを活用して成功している企業
ザ・リッツ・カールトン/ゴールド スタンダード
https://www.ritzcarlton.com/jp/hotels/japan/tokyo#ホテル
[ 企業理念・ゴールドスタンダード ]
ゴールドスタンダードはザ・リッツ・カールトンホテル カンパニー L.L.Cの根幹を成しています。当ホテルの価値観と理念が結集された「企業理念」であるゴールドスタンダードには次の項目があります。
[ クレド ]
ザ・リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。ザ・リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。
[ モットー ]
ザ・リッツ・カールトンホテルカンパニーL.L.C.では「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です 」をモットーとしています。この言葉には、すべてのスタッフが常に最高レベルのサービスを提供するという当ホテルの姿勢が表れています。
■ サービスの3ステップ
① あたたかい、心からのごあいさつを。
② お客様をお名前でお呼びします。一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします。
③ 感じのよいお見送りを。さようならのごあいさつは心をこめて。お客様のお名前をそえます。
■ サービスバリューズ
● 私は、強い人間関係を築き、
生涯のリッツ・カールトン・ゲストを獲得します。
● 私は、お客様の願望やニーズには、言葉にされるものも、
されないものも、常におこたえします。
● 私には、ユニークな、思い出に残る、
パーソナルな経験をお客様にもたらすため、
エンパワーメントが与えられています。
● 私は、「成功への要因」を達成し、
ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを
作るという自分の役割を理解します。
● 私は、お客様のザ・リッツ・カールトンでの経験に
イノベーションをもたらし、
よりよいものにする機会を常に求めます。
● 私は、お客様の問題を自分のものとして受け止め、
直ちに解決します。
● 私は、お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、
チームワークとラテラル・サービスを
実践する職場環境を築きます。
● 私には、絶えず学び、成長する機会があります。
● 私は、自分に関係する仕事のプランニングに参画します。
● 私は、自分のプロフェッショナルな身だしなみ、
言葉づかい、ふるまいに誇りを持ちます。
● 私は、お客様、職場の仲間、
そして会社の機密情報および資産について、
プライバシーとセキュリティを守ります。
● 私には、妥協のない清潔さを保ち、
安全で事故のない環境を築く責任があります。
■ 従業員への約束
ザ・リッツ・カールトンではお客様へお約束したサービスを提供する上で、紳士・淑女こそがもっとも大切な資源です。 信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を原則とし、私たちは、個人と会社のためになるよう持てる才能を育成し、最大限に伸ばします。 多様性を尊重し、充実した生活を深め、個人のこころざしを実現し、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを高める…ザ・リッツ・カールトンは、このような職場環境をはぐくみます。
■ まとめ
クレドは、作っただけで満足してはダメなのです。しっかりと社員全員に理解、浸透させないといけないなと何の意味もありません。その取り組みの1つとして、社員全員でクレドの項目で実行できた事、実行できなかった事を共有することも重要です。そのためには、クレドの読み合わせなども効果があります。こうした取り組みをすることで社員1人1人が楽しく前向きに仕事が出来るればインナーブランドは成功なのです。
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