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VIビジュアルアイデンティティとは何か効果と成功事例

[ ブランディングデザイン ]

VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは何か?効果と成功事例

VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは、企業やブランドの考え方、価値観、個性を、ロゴやカラー、書体、写真、グラフィックなどの視覚表現によって一貫して伝えるための仕組みです。

単に「デザインを統一すること」ではありません。企業がどのような存在であり、何を大切にしているのかというブランドの本質を、言葉だけではなく、見た瞬間に感じ取れる状態へ変換することがVIの役割です。例えば、WEBサイトでは先進的に見えるのに、営業資料では古い印象を与える。採用サイトでは親しみやすいのに、会社案内では堅く見える。このように接点ごとに表現が異なると、顧客が受け取るブランドイメージも不安定になります。VIを整備することで、ロゴ、カラー、書体、写真、レイアウトなどに共通する考え方が生まれ、WEBサイト、名刺、営業資料、広告、商品、店舗など、どの接点でも「そのブランドらしさ」を感じられるようになります。

本記事では、ブランド戦略からVI、WEBサイトまでを一貫して手掛けてきたCHIBICOのブランディングディレクターである筆者が実務経験をもとに、VIの意味、CIとの違い、構成要素、企業にとっての役割や効果、そして良いVIをつくるために重要な考え方を分かりやすく解説します。


■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは?

VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは?

[ 画像引用 ] Toyota Brand公式サイトより

ブランドの「らしさ」を視覚的に定義し伝えること

VIは「Visual Identity」の略です。
簡潔に言えば、ブランドの考え方や個性を、視覚的に識別できる形へ変える仕組みです。

企業には、それぞれ異なる理念や価値観があります。革新を重視する企業もあれば、信頼性を大切にする企業もあります。親しみやすさを強みにするブランドもあれば、高い専門性や品質を価値とするブランドもあります。しかし、こうした違いは言葉だけでは瞬時に伝えることができません。

ロゴデザイン:ブランドの思想や個性を象徴する視覚的な核をつくる
ブランドカラー:ブランド固有の印象や世界観を色によって定着させる
フォント:文字の表情を通じてブランドらしいトーンを統一する
写真:光や構図、色調によってブランドの空気感や価値を伝える
イラストレーション:独自のタッチや表現によってブランドの個性を強める
グラフィック:図形やパターンを用いてブランド独自の表現体系をつくる
空間デザイン:店舗やオフィスなどの空間でブランド体験を具体化する
広告デザイン:ブランドの世界観を保ちながらメッセージを効果的に伝える
その他:アイコンや映像、モーションなど各接点の視覚表現を統一する

こうした視覚要素を組み合わせ、ブランド固有の表現へ変換します。重要なのは、それぞれを単独でデザインすることではありません。すべての要素に共通する「ブランドらしさ」を定義し、一つの考え方のもとで運用することがVIです。

詳細記事:CIとVIの違いや目的と成功事例

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)の目的

VI(ビジュアル・アイデンティティ)の目的

1. 統一された印象による信頼の獲得

VIを導入すると、ブランドの見た目が整い、自然と信頼感のある印象が生まれます。ロゴや色、トーンが揃うことで「きちんとしている」「安心できそう」と感じてもらいやすくなり、ブランドの信頼性を高めます。特に新規顧客との最初の接点では、視覚の一貫性が信頼を左右する大きな要素です。統一されたビジュアルは企業の姿勢をそのまま映し出し、ブランド価値を支える基盤になります。

[ ポイント ]

一貫したデザインが信頼を形成
ブランドの印象を安定化
初見時の信頼獲得につながる

詳細記事:一貫性のあるブランドメッセージの作り方

2. 記憶に残るブランドイメージの形成

VIによって視覚的な特徴が定まると、見るたびに同じ印象が積み重なり、ブランドが記憶に残りやすくなります。顧客は無意識のうちに色や形、フォントからブランドを思い出すようになり、混同されにくくなります。こうした繰り返しの体験が「そのブランドらしさ」を強め、認知や想起の向上につながります。

[ ポイント ]

視覚的特徴が記憶に残る
繰り返し接触で想起率が上がる
ブランドの識別力を強化

詳細記事:ブランド認知度を高める3つの方法

3. ブランドの価値伝達力を高める

VIは、ブランドが大切にしている価値観や姿勢を視覚的に伝える手段でもあります。理念をデザインに落とし込むことで、顧客は言葉より早くブランドの方向性を感じ取れます。ビジュアルがメッセージと揃っていることで説得力が増し、ブランドへの理解も自然と深まっていきます。

[ ポイント ]

価値観や理念を視覚で伝達
言葉に頼らず理解を促せる
メッセージの信頼性が高まる

4. 社内外の意識を統一する

VIは外に向けた印象づくりだけでなく、社内の足並みをそろえるためにも役立ちます。ガイドラインを共有することで、社員や外部パートナーが同じ基準で制作・発信できるようになり、ブランド体験の質が安定します。組織全体で「ブランドらしさ」を共有できることは、長期的な成長にもつながります。

[ ポイント ]

社内外で共通の理解を育てる
制作物の質をそろえやすい
ブランド運用の効率化

5. 長期的なブランド資産の構築

一貫したVIは、時間をかけてブランドを資産として積み上げる役割を持ちます。ロゴやカラーを継続的に使うことで記憶に残りやすくなり、安心感や愛着として蓄積されていきます。短期的な流行に流されず、継続して運用することで、強く安定したブランドが育ちます。

[ ポイント ]

継続運用で価値を積み上げる
流行に左右されない強さを育てる
信頼を生むブランド資産を形成する

詳細記事:ブランドエクスペリエンスの重要性と成功事例

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)の効果

VI(ビジュアル・アイデンティティ)の効果

1. ブランドの一貫性を保つこと

VIは、ブランドのビジュアル要素を統一し、一貫性を保つための仕組みです。ロゴや色、フォントなどをそろえることで、どの接点でも同じ印象を届けられるようになります。これによって信頼が生まれ、ブランドも明確になります。逆に統一が取れていないと印象が揺らぎ、信頼を損ねることにもつながります。共通のデザインルールは社内外での理解を深めるきっかけにもなり、長く信頼を育てていく土台になります。

[ ポイント ]

ロゴ・カラー・フォントなどの統一化
信頼性と安心感の確立
社内外でのブランド理解の共有

詳細記事:一貫性のあるブランドメッセージの作り方

2. ブランド認知を高めること

人は視覚情報を素早く記憶します。VIは「ひと目でわかる」状態をつくることで、ブランド認知を強めます。ロゴやカラーが繰り返し目に入ることで自然と記憶に残り、広告・店舗・SNSなどどの場所でも同じブランドとして思い出してもらいやすくなります。統一された視覚表現は、認知から想起へ、そして信頼へとつながるプロセスを支える大切な役割を持っていて、長期的な効果も期待できます。

[ ポイント ]

一目で識別できるデザイン設計
多様な接点での一貫した露出
認知から想起へつながる記憶形成

詳細記事:ブランド認知度を高める3つの方法

3. ブランドの世界観を伝える

VIは、ブランドの理念や価値観を視覚で表現する手段です。誠実さを大切にするなら落ち着いたトーンに、革新性を伝えたいなら大胆なデザインにするなど、世界観を視覚の言語で伝えます。デザインは飾りではなく、ブランドのストーリーを感じ取ってもらうための大事な要素です。世界観に共感する人が増えることで、ブランドの人格が見えてきて、関係性もゆっくり育っていきます。

[ ポイント ]

世界観や価値観をデザインで表現
感情に訴えるトーン設計
ブランドの人格と共感を形成

4. 差別化を図ること

市場の中でブランドを際立たせるのもVIの役割です。独自の色使いや構図、ビジュアルルールを持つことで、他との違いが視覚的に明確になります。その個性は「選ばれる理由」をつくり、模倣されにくいブランド資産にもなります。デザインの独自性は商品やサービスの価値を引き立てるだけでなく、ブランドの存在意義をわかりやすく示し、価格競争に巻き込まれにくくする効果もあります。

[ ポイント ]

独自性のあるビジュアル構築
ブランドの強みを視覚的に強調
模倣されにくい差別化資産の形成

5. ブランド体験を築くこと

VIは、ブランドに触れるすべての体験を整えるための仕組みです。ウェブ、SNS、パッケージなど、どこで触れても同じ世界観を感じられることが重要です。この一貫した体験が、信頼や愛着につながります。デザインを通して価値を自然に感じ取ってもらえることで、体験の質が高まり、長く続く関係を築けます。こうした体験の積み重ねが、ブランドを生活の中に少しずつ根づかせ、人間味や温度を育てていきます。

[ ポイント ]

すべての接点で統一された体験を提供
デザインを通じた感情的な共鳴
体験から信頼・愛着への発展

詳細記事:ブランドエクスペリエンスの重要性と成功事例

視覚による情報の判断

視覚による情報の判断

人間の五感による情報知覚の割合を分析すると、視覚が87%を占め、聴覚7%、嗅覚2%と続きます。この数字は、私たちが日常の判断をどれだけ視覚に頼っているかを端的に示しています。つまり、ブランドコミュニケーションにおいて視覚的な要素が重要視されるのは当然のことで、その効果にはしっかりした根拠があると言えます。

[ 出典 ] 真鍋眼科・真鍋産婦人科サイトより

1. カラー(色)

カラーは、人の心理に強く働きかける要素です。たとえば青は信頼や落ち着きを、赤は情熱や緊急性を、緑は安心感や自然との調和をイメージさせます。こうした色の持つ印象を踏まえて選ぶことで、ブランドの方向性や伝えたいメッセージをより自然に届けられます。また、色の組み合わせ方によっても印象は大きく変わるため、全体の調和やコントラストも大切なポイントになります。

詳細記事:ブランドカラーとは?設定方法とロゴの配色について

2. フォルム(形)

フォルムは、視覚的なメッセージをシンプルかつ分かりやすく伝える力があります。丸みのある形は親しみやすさや柔らかさを、直線的で角のある形は力強さや真面目な印象を与えます。ロゴやアイコンのデザインに形の特徴をうまく取り入れることで、ブランドの個性や意図がより伝わりやすくなります。さらに、形の比率やバランスも印象づけに影響するため、慎重な設計が求められます。

3. 配置とレイアウト

配置やレイアウトは、情報をどう見せるかを左右する重要な要素です。視線の流れを考えながら配置を工夫することで、見てもらいたい情報に自然と注意を向けてもらえます。たとえば重要な要素を中央に置いたり、コントラストを活かしてメリハリをつけたりすることで、理解しやすく効果的なデザインになります。これにより、全体の一貫性と伝わりやすさがさらに向上します。

4. 動き

動きやアニメーションは視線を引きつけるのにとても有効です。WEBサイトや広告で動きのある要素を使うと、情報がより印象に残りやすくなります。また、動きの速度やリズムを工夫することで、感情的な共感や体験としての心地よさも生まれます。必要以上に派手にしなくても、適切な動きが加わるだけで表現の幅は大きく広がり、伝えたい意図もより自然に届きやすくなります。

■ CHIBICOが考えるVI(ビジュアル・アイデンティティ)開発

デザインの主な構成要素

私たちは、VI(ビジュアル・アイデンティティ)を
「ロゴやカラーを統一するためだけのデザイン」とは考えていません。

企業やブランドには、理念、価値観、事業の強み、企業文化、顧客に提供する価値、これから目指す未来など、さまざまな「目に見えないもの」があります。VIの役割は、それらをロゴ、カラー、書体、写真、グラフィックなどの視覚表現へ変換し、ブランドに触れた人が直感的に「そのブランドらしさ」を感じられる状態をつくることです。だからこそ、CHIBICOのVI開発は、いきなりロゴをデザインすることから始めません。まず、企業や事業の背景を理解し、何を大切にしているのか。どのような価値を提供しているのか。競合と何が違うのか。誰に、どのような存在として認識されたいのか。これからどのようなブランドを目指すのか。をブランド戦略として整理します。

BRAND STRATEGY|ブランドの考え方
      ⬇︎
DESIGN CONCEPT|視覚表現の方向性
      ⬇︎
VISUAL IDENTITY |ロゴ・カラー・書体・写真・グラフィック
      ⬇︎
COMMUNICATION |WEB・広告・商品・空間・その他

上記のような流れで、目に見えないブランドの価値を、具体的なブランド体験へ落とし込んでいきます。また、VIを刷新する場合も、すべてを新しくすることが正解とは限りません。長年使われてきたロゴやブランドカラー、特徴的な形や表現には、顧客からの認知や信頼、社員の愛着など、時間をかけて蓄積されたブランド資産があります。

KEEP |未来にも残すもの
CHANGE|現在に合わせて変えるもの
NEW |これからのブランドに加えるもの

そのため、上記の3つを見極めながら、過去の価値を継承し、未来のブランドへ進化させていくことを大切にしています。さらに、良いVIは「すべてを同じデザインにすること」でもありません。WEBサイト、名刺、会社案内、商品、パッケージ、店舗、SNSなど、それぞれの接点には異なる役割があります。ブランドとしての一貫性を保ちながら、媒体や状況に応じて柔軟に展開できることが重要です。

さらに、良いVIは「すべてを同じデザインにすること」でもありません。WEBサイト、名刺、会社案内、商品、パッケージ、店舗、SNSなど、それぞれの接点には異なる役割があります。ブランドとしての一貫性を保ちながら、媒体や状況に応じて柔軟に展開できることが重要です。

CONSISTENCY|一貫性
FLEXIBILITY |柔軟性

VIに特に必要なのは、この2つの両立です。

ルールが厳しすぎれば表現が固定化され、自由すぎればブランドらしさが失われます。共通する思想とデザインの原則を持ちながら、多様な表現へ展開できる視覚システムを構築することが、長く機能するVIにつながります。CHIBICOが目指しているのは、単に美しいデザインや印象的なロゴをつくることではありません。ブランドの思想とデザインをつなぎ、どの接点に触れても自然に「このブランドらしい」と感じられる状態をつくること。そして、そのVIが企業や事業の成長とともに使われ続け、時間をかけて認知や信頼というブランド資産へ変わっていくこと。そこまでを見据えて設計することが、私たちが考えるVI(ビジュアル・アイデンティティ)開発です。

■ CHIBICOが手掛けたVI(ビジュアル・アイデンティティ)開発実績

VIは、企業やブランドが持つ理念や価値、個性を視覚的に伝えるための重要な仕組みです。ここでは、CHIBICOが手掛けた実際のプロジェクトから、ブランドの考え方をどのようにVIへ落とし込み、一貫したブランド体験へつなげたのかをご紹介します。

JAPANITUREのVI(ビジュアル・アイデンティティ)開発実績

[ JAPANITURE|日本の美意識を、世界に伝える家具ブランドとして可視化 ]

日本の家具が持つ技術、美意識、ものづくりの精神を一つのブランド価値に統合し、
海外市場でも伝わるVIとして再構築しました。

JAPANITUREは、日本の家具メーカーが持つ優れた技術や美意識を、海外市場へ発信するために開発した家具ブランドです。「JAPAN」と「FURNITURE」を組み合わせた名称には、日本独自の家具文化を新しい価値として世界へ届けるという意志を込めています。ブランドコンセプトは「日出ずる国の家具」。日本の伝統だけに依存するのではなく、現代的なデザインやものづくりの技術と融合させ、新しい日本家具の価値として再定義しました。

VIでは、その思想を一貫したブランド体験へつなげるため、ブランドシンボル、ロゴタイプ、ブランドステートメント、ロゴガイドラインをはじめ、名刺、封筒、WEBサイト、広告、ポスター、トートバッグなどを展開しています。異なる媒体や海外のさまざまな接点でも、同じブランドとして認識できる視覚体系を構築しました。

このプロジェクトのポイントは、単に日本らしいデザインをつくったことではありません。日本の家具が持つ伝統、技術、美意識を一つのブランド価値として整理し、海外市場でも直感的に理解できるVIへ変換したことにあります。複数の企業や商品を一つの世界観で束ね、新しい市場価値をつくるうえで、VIが共通言語として機能する一つの例といえます。

[ 詳細 ] chobico WORKS | JAPANITUREより

MONOCOTOのVI(ビジュアル・アイデンティティ)開発実績

[ MONOCOTO|「モノ」から「コト」へ、事業の新しい価値をブランドとして視覚化 ]

商品そのものではなく、その先に生まれる体験や関係性まで価値として捉え、
新しいサービスの意味をVIによって分かりやすく可視化しました。

MONOCOTOは、リアルソーシングを特徴とするソーシャルマニュファクチュアリングサービスとして開発したブランドです。モノが溢れ、単に商品をつくるだけでは価値を生み出しにくくなる中で、「モノの先にあるコトの価値」に着目。商品そのものではなく、それを使う楽しさや経験、人とのコミュニケーションまで含めて提供するサービスとして事業の意味を再定義しました。

その考え方をブランドとして明確に伝えるため、ブランド戦略、ブランドコンセプトからネーミング、ブランドシンボルまでを一貫して開発。さらにWEBサイト、サービスガイド、ロゴガイドラインへ展開し、新しいサービスの思想と仕組みを視覚と言葉の両面から理解できるブランド体系を構築しました。

このプロジェクトのポイントは、単に新しいサービスのロゴをつくったことではありません。「何をつくるサービスなのか」ではなく、「その先にどのような体験や価値を生み出すのか」をブランドとして定義したことにあります。形のない新規サービスや新しい事業モデルほど、VIによって価値を分かりやすく可視化することが重要になる一つの例です。

[ 詳細 ] chobico WORKS | MONOCOTOより

ASBO STAY HOTELのVI(ビジュアル・アイデンティティ)開発実績

[ ASBO STAY HOTEL|自然の中で過ごす時間を、ブランド体験として視覚化 ]

沖縄の自然、海辺で過ごす時間、心身が解放される感覚を
ブランド体験として整理し、ホテルの世界観をVIへ落とし込みました。

ASBO STAY HOTELは、沖縄県金武町の豊かな自然が残る東海岸に位置する、全室オーシャンビューのリゾートホテルです。澄んだ空気や海辺の風景に触れながら、都市の日常から離れ、心と身体を解放していく滞在そのものをホテルの価値として捉えました。施設や設備の特徴だけではなく、その場所で過ごすことで得られる感覚や時間まで含めてブランドとして表現することがテーマとなりました。

VIでは、ホテルが持つ自然との一体感や開放感をブランドの世界観へ落とし込み、ブランドコンセプト、ブランドロゴ、ロゴガイドライン、WEBサイトを一貫して開発しています。ロゴ単体でブランドを表現するのではなく、写真やWEBサイトを含めた複数の接点を通じて、ホテルで体験する空気感まで感じられる視覚表現を構築しました。

このプロジェクトのポイントは、単にリゾートホテルらしいデザインをつくったことではありません。自然、場所、滞在時間という目に見えにくい体験価値を、一貫したブランドの世界観として可視化したことにあります。ホテルや店舗など、人が空間そのものを体験するブランドでは、VIがロゴからWEB、写真、空間へつながることで、ブランドの印象をより強く形成できる一つの例です。

[ 詳細 ] chobico WORKS | ASBO STAY HOTELより

DOME ATHLETE HOUSEのVI(ビジュアル・アイデンティティ)開発実績

[ DOME ATHLETE HOUSE|科学性と専門性を、アスリートを導くブランドとして視覚化 ]

科学的知見と専門性、アスリートの可能性を引き出す使命を統合し、
高い信頼性と力強さを感じるVIとして一貫して表現しました。

DOME ATHLETE HOUSEは、最新の専門的かつ科学的な情報をもとに、日本のトップアスリートをソフト面から支えるパフォーマンス開発機関です。単なるトレーニング施設ではなく、専門的な知見と環境を通じてアスリートの可能性を引き出し、日本のスポーツ全体を世界トップレベルへ高めていくことを目指すブランドとして位置づけられています。

VIでは、その高い専門性、科学性、アスリートを支える力強さを一つのブランドイメージとして統合するため、ブランドシンボル、ロゴタイプ、ロゴガイドラインを開発。さらに名刺、ステッカー、タオル、ペーパーカップ、WEBサイト、サービスガイドなど、多様な接点へ展開し、施設からコミュニケーションまで一貫したブランド体験を構築しました。

このプロジェクトのポイントは、単にスポーツらしい力強いデザインをつくったことではありません。高度な専門性や科学的アプローチ、アスリートの成長を支えるブランドの使命を、一つのVIとして統合したことにあります。専門性の高い事業ほど、機能を説明するだけでは価値が伝わりにくいため、その思想や姿勢まで視覚化することがVIの重要な役割になります。

[ 詳細 ] chobico WORKS |DOME ATHLETE HOUSEより

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)の成功事例

AppleのVI(ビジュアル・アイデンティティ)成功事例

Apple | VIの成功事例

シンプルでスタイリッシュなデザインで高い評価を得ています。

AppleのVI(ビジュアル・アイデンティティ)は、象徴的な「リンゴ」のロゴに集約されています。このシンプルな黒のシルエットは、同社の革新性や美意識を自然に物語り、今では世界中で認知されるブランドシンボルとなりました。Appleの特徴は、どの接点でも一貫した体験をつくる姿勢にあります。製品のUI、パッケージ、広告、店舗デザインまで統一したビジュアルを徹底することで、揺るぎないブランドイメージを築いてきました。特定のカラーやフォント、デザインスタイルを丁寧に使い続けることで視覚的な認知度を高め、製品やサービスそのものをブランドとして強く印象づけています。こうした積み重ねが、Appleの大きな支持とエコシステムの形成につながっており、VIが市場価値向上に直結する好例といえるでしょう。

[ VIにおける成功ポイント ]

シンプルでミニマルなデザイン
Appleのデザインは余計な装飾を排し、製品から広告までミニマルさを徹底。無駄のない佇まいがAppleらしさを印象づけ、洗練された印象を自然に伝えています。

象徴的なロゴ
リンゴマークは文字がなくても認識されるほどの存在で、すべての製品に一貫して使われています。シンプルながら強い個性を持ち、見るだけでブランドの世界観を思い出してもらえる力があります。

モノトーンとホワイトスペースの活用
広告や製品の表現で余白とモノトーンを多く使い、製品そのものを引き立てながら、清潔感とプロらしさを感じさせています。こうした設計がAppleらしい雰囲気を自然につくり出しています。

ユニークなフォントとタイポグラフィ
独自フォント「San Francisco」によって、高い視認性と美しさを両立し、どのデジタル環境でも統一した表情をつくっています。その結果、細部まで一貫した体験が保たれます。

製品に合わせたパッケージデザイン
パッケージもシンプルで上品な仕上がりで、開封体験そのものがAppleらしさを伝える設計になっています。細部まで一貫したデザインが、購入の瞬間からブランド体験を心地よく積み重ねていきます。

店舗デザインとの統一感
Apple Storeはどの店舗でも同じ空気感を感じられるよう丁寧に整えられていて、訪れた瞬間からAppleらしい体験が自然と始まる設計になっています。

広告のトーンとビジュアル
広告は言葉を抑えつつ製品のデザインや機能を端的に見せ、Appleらしい佇まいをそのまま伝えています。その静かなトーンが製品の魅力をより際立たせ、ブランド全体の世界観とも自然に調和しています。

[ 出典 ] アップル公式サイトより

Coca-ColaのVI(ビジュアル・アイデンティティ)成功事例

Coca-Cola | VIの成功事例 】

赤と白の配色や独自のロゴ、キャッチフレーズが特徴的です

Coca-ColaのVI(ビジュアル・アイデンティティ)は、象徴的なスクリプトロゴが中心にあります。流れるような筆記体はブランドの長い歴史を想起させつつ、今の時代にも馴染む柔らかさを持っています。また、赤と白の強いコントラストは視覚的なインパクトが強く、世界中で瞬時に認識されるブランドカラーとして定着しています。これらの色やロゴは広告、パッケージ、販促物まで一貫して使われ、どの国でも同じ体験を提供する基盤になっています。さらに「Taste the Feeling」に代表されるメッセージは、人の気持ちに寄り添うトーンで、ブランドが大切にしてきた価値をわかりやすく伝えています。こうした積み重ねにより、Coca-Colaは世代や文化を超えて受け入れられる存在となり、普遍的なブランドとしての地位を築いてきました。一貫したVIの運用が、ブランド価値の向上に直結することを示す代表的な事例といえます。

[ VIにおける成功ポイント ]

象徴的なロゴと筆記体のデザイン
独自の筆記体ロゴは長年ほとんど変わらず使われ続けており、Coca-Colaの伝統や信頼感を自然に伝えています。長い歴史の中で積み重ねられた印象がそのまま現在のブランド価値にもつながっています。

赤と白のブランドカラー
ブランドを象徴する赤と白は、どの媒体でも一貫して使われ、強い認知につながっています。赤は活気や楽しさを感じさせ、Coca-Colaの世界観を支える色として大きな役割を果たしています。

独自のコンツアーボトル
くびれのある独特のボトル形状は、見ても触ってもすぐにCoca-Colaとわかるほどの個性を持っています。視覚と触覚の両方でブランド体験を成立させる特徴的なデザインです。

ハピネステーマの視覚表現
広告では「ハピネス」や「共有」をテーマにしたビジュアルが多く、楽しさや爽やかさが直感的に伝わる表現で統一されています。こうした一貫性が、ブランドへの親しみをさらに高めています。

統一されたフォント
広告やパッケージで使われるフォントも親しみやすいトーンで統一されており、ブランド全体のまとまりを自然につくり出す役割を担っています。また、媒体が変わっても同じ雰囲気で伝わるため、印象のブレを抑える効果もあります。

一貫したビジュアルストーリーテリング
ブランドのストーリーを視覚で伝える手法が統一されており、世界観をわかりやすく共有できるよう設計されています。さらに、どの国や媒体でも同じトーンで伝わるよう工夫され、ブランド体験に一貫性を持たせています。

グローバルで統一されたデザインとローカライズのバランス
世界中で同じブランドイメージを保ちながら、各国の文化に合わせて表現を調整することで、幅広い地域で親しまれています。その柔軟さがCoca-Colaらしさを支えています。

[ 出典 ] コカ・コーラ公式サイトより

AirbnbのVI(ビジュアル・アイデンティティ)成功事例

Airbnbの | VIの成功事例 】

シンプルで親しみやすいデザインが特徴的です。

AirbnbのVI(ビジュアル・アイデンティティ)は、そのロゴタイプとシンボルに明確に表れています。小文字で構成された丸みのあるフォントと、家の屋根を思わせる三角形のシンボルは、親しみやすさを感じさせながら、「人と場所をつなぐ」というブランド理念を視覚的に表現しています。また、Airbnbは写真のクオリティを非常に重視しており、世界中の宿泊施設を魅力的に見せるための高品質な写真が、広告やWEB上で一貫して使われています。こうしたシンプルで温度感のあるVI展開によって、Airbnbは独自の宿泊体験を提供するブランドとして位置づけられ、グローバルでの支持を着実に広げています。理念に基づいたVIの構築が、新しいビジネスモデルの価値向上に直結する好例といえるでしょう。

[ VIにおける成功ポイント ]

Béloシンボルの導入
2014年に「Bélo」と呼ばれるシンボルを導入し、「人」「場所」「愛」「A」をを表現。Airbnbが掲げる「どこにでも居場所がある」という理念を、わかりやすく視覚化したものになっています。

親しみやすさを感じさせるロゴとフォント
ロゴと専用フォントは、柔らかなラインとシンプルな造形で親しみやすさを意識した設計です。視認性が高く、どのデバイスでも同じ印象を保てるため、ユーザーに一貫したブランド体験を届けられます。

一貫したカラーとトーン
Airbnbはやわらかく落ち着いた色調を使用し、安心感やあたたかさを感じられるトーンを維持しています。特にピンクやサンドカラーが象徴的で、ユーザーに心地よい印象を与えています。

ビジュアルでのコミュニティ重視の表現
広告やWEBでは、実際のホストやゲストの写真が多く使われ、ユーザー同士のつながりを自然に伝えています。宿泊サービスだけでなく、「体験を共有する場」であるというメッセージが視覚的に伝わります。

地域ごとに柔軟に対応したデザイン
グローバルなVIを保ちながら、各地域の文化や習慣に寄り添うローカライズも行われています。世界共通のブランド価値を維持しつつ、どの地域でも親しみやすい表現に調整されています。

シンプルでユーザーフレンドリーなUI/UX
Webサイトやアプリは、迷わず操作できるようシンプルに設計されています。余計な装飾を排し、スムーズに使える体験を優先することで、ブランド全体の印象をより良いものにしています。

ホストのためのビジュアルガイドライン
Airbnbはホスト向けにもガイドラインを提供し、写真表現やコミュニケーションの基準を整えています。これにより、全体としてばらつきの少ないブランド体験が保たれています。

[ 出典 ] エアビーエンドビー公式サイトより

FedExのVI(ビジュアル・アイデンティティ)成功事例

FedEx | VIの成功事例 】

シンプルで認識性の高いロゴとデザインが特徴的です。

FedExのVI(ビジュアル・アイデンティティ)は、その戦略的なロゴデザインに特徴が表れています。紫を基調としたシンプルな構成の中に、“E”と“X”の間に矢印を仕込んだデザインは、スピードと正確性といった企業が大切にしている価値を視覚的に示しています。このロゴは輸送車両や航空機にも一貫して使われ、紫のコーポレートカラーと組み合わせることで、サービスの迅速さや確実性が自然と伝わるよう工夫されています。こうした統一されたVI展開によって、FedExは高品質な輸送サービスを提供する企業として広く認知されてきました。ロゴに込められた視覚的な仕掛けも、ブランドの本質をわかりやすく伝える役割を果たし、グローバルな市場で信頼を獲得する後押しとなっています。

[ VIにおける成功ポイント ]

象徴的なロゴデザインと隠れた矢印
FedExのロゴは“E”と“X”の間に矢印が隠されており、「速さ」や「前進」を表す仕掛けが施されています。ミニマルな構成ながら、ブランドの特徴をしっかり伝えるデザインです。

サービスごとのカラー区分
ロゴの「Ex」の色がサービス別に異なり、Expressはオレンジ、Groundは緑など、どのサービスかがひと目で判断できます。利用者にとってもわかりやすい設計です。

一貫性のあるフォントとタイポグラフィ
視認性の高いフォントとシンプルなレイアウトが採用され、広告・WEB・パッケージなどあらゆる媒体で統一感が保たれています。安心感につながる要素になっています。

ビジュアルとメッセージのシンプルさ
「The World on Time」のように、短く明快なスローガンを用いることで、FedExが重視する“迅速で正確な配送”という価値をわかりやすく伝えています。

車両や航空機へのブランディング
トラックや航空機にはロゴとブランドカラーを配置し、遠目からでもひと目でわかる視認性を確保しています。街中や空港で自然と目に入り、移動しながらブランドを認知してもらえる仕組みになっています。

社員の制服や配送センターのデザイン
社員の制服や施設のデザインにもVIが反映されており、顧客が接するあらゆる場面で同じ印象を感じられるよう整えられています。こうした統一は安心感にもつながり、サービス全体の信頼性を支えています。

グローバル展開とローカライズのバランス
世界共通のVIを維持しながら、地域ごとの差異にも配慮しています。どこにいてもFedExらしさを感じられつつ、地域のニーズに合わせた柔軟さも持たせています。

[ 出典 ] フェデックス公式サイトより

FAQよくある質問

■ VI(ビジュアル・アイデンティティ)開発に関するよくある質問

Q1. VIとCIの違いは何ですか?

CIは企業の理念、価値観、存在意義などを含め、「企業として何者なのか」を定義する考え方です。

VIは、その考え方をロゴ、カラー、書体、写真などの視覚要素へ変換し、人に伝わる形にする仕組みです。CIがブランドの内面だとすれば、VIはそれを視覚化した表現と考えることができます。

Q2. VIとロゴデザインは同じですか?

同じではありません。

ロゴはVIを構成する重要な要素の一つですが、VIにはカラー、書体、写真、グラフィック、レイアウトなども含まれます。ロゴだけではなく、それらを一つの思想で統合した視覚システム全体がVIです。

Q3. VIにはどこまでのデザインが含まれますか?

もちろんなります。

・ロゴ
・ブランドカラー
・書体
・写真
・グラフィック
・レイアウト
・アイコン

基本要素として上記の様なものがあります。さらに、それらをWEBサイト、名刺、会社案内、広告、店舗、商品、パッケージなどへ展開することもVI運用の一部です。ブランドや事業によって必要な範囲は異なります。

Q4. VIを変更するタイミングはいつですか?

事業領域が変わった。企業理念やブランド戦略を刷新した。現在のデザインが企業の実態に合わなくなった。媒体ごとの表現がばらばらになった。デジタル環境への対応が難しくなった。といった場合は、VIを見直すタイミングです。

ただし、「古く感じる」という理由だけですべてを変える必要はありません。既存のブランド資産を確認し、残すものと変えるものを整理することが重要です。

Q5. VI開発には必ずロゴ変更が必要ですか?

● 必要ありません。

現在のロゴに高い認知やブランド資産があり、今後の戦略とも整合しているのであれば、ロゴを残したままカラー、書体、写真、グラフィック、WEB表現などを整理することもできます。重要なのは、何を新しくするかではなく、現在のVIのどこに課題があるかを判断することです。

Q6. ブランドガイドラインは必要ですか?

● VIを継続的に運用する場合は必要です。

社内外の多くの人がブランド制作に関わるほど、ロゴやカラーだけでなく、写真、書体、レイアウトなどの基準を共有する必要があります。ガイドラインは表現を制限するためではなく、ブランドらしさを保ちながら適切に展開するための共通ルールです。

Q7. VIの効果はどのように測定しますか?

● VIの目的に応じて指標を設定します。

・ブランド認知
・指名検索
・WEBサイトでのブランド評価
・顧客調査
・問い合わせ内容
・ブランド想起
・社員のブランド理解度
・制作物の運用効率

上記のようなものがなどがあります。VI単独の効果を一つの数字だけで測定することは難しいため、開発目的に応じて複数の指標を確認します。

checklistチェックリスト

■ VIが必要か確認する7つのチェックポイント

現在のブランドについて、次の項目を確認してみてください。

⬜︎ ロゴ、カラー、書体などの表現は統一されていますか?
⬜︎ ブランドの考え方がデザインから伝わりますか?
⬜︎ 競合と並んだとき、自社らしさを感じられますか?
⬜︎ WEBサイトと営業資料で同じブランドに見えますか?
⬜︎ ロゴ以外にもブランドを識別できる要素がありますか?
⬜︎ 社員や外部パートナーが同じ基準で制作できますか?
⬜︎ 5年後、10年後も使えるVIになっていますか?

複数の項目に課題がある場合は、ロゴ単体ではなく、VI全体の見直しを検討する価値があります。

記事のまとめ

■ まとめ

VI(ビジュアル・アイデンティティ)は、ブランドの価値や理念をロゴ、色、フォント、写真表現などの視覚要素を通じて伝えるための仕組みです。単なるデザインの統一ではなく、直感的にブランドらしさを感じてもらい、認知や信頼を育てる役割があります。視覚情報が判断の87%を占めるという事実からも、その重要性は明らかです。統一されたVIは印象を深め、差別化や長期的なファンづくりにもつながります。また、社内外の関係者と共通認識を持つことで、一貫したブランド体験を支える土台にもなります。Apple、Coca-Cola、Airbnb、FedExなどの事例が示すように、明快で統一されたビジュアルはブランド価値の向上に大きく貢献します。VIは、ブランド戦略の中で欠かせない要素といえるでしょう。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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