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[ ブランディングデザイン ]

CI(コーポレートアイデンティティ)戦略とデザイン開発

日常生活の中で、すぐに思い出せる企業は、いつも同じことを語り商品やサービス、WEBサイトなども同じ世界観で統一されています。これは一体どういうことなのでしょうか?その理由であるCI(コーポレートアイデンティティ)についてご説明させていただきます。CI(コーポレートアイデンティティ)は、名前のとおり「企業の同一性や独自性」の意味で、企業の個性や特徴を明確にし、イメージの統一を図る戦略のことを指します。理念やシンボル、コーポレートカラーなど、企業を表現するものはCI(コーポレートアイデンティティ)の中に含まれます。


CI(コーポレートアイデンティティ)とは

[ 画像引用 ] Paul Rand公式サイトより> https://www.paulrand.design
       IBM100年の軌跡より> https://www.ibm.com/ibm/history/ibm100/jp/ja/stories/

CI(コーポレートアイデンティティ)の概念

CI(コーポレートアイデンティティ)とは、企業のビジョンや特性・独自性を明確にし、顧客だけでなくあらゆるステークホルダーに対して理解浸透させるための経営戦略です。企業名、ブランド名、シンボル・ロゴ、コーポレートカラー、スローガン、各種ステーショナリーなどの基本的な要素によって構成されます。CI(コーポレートアイデンティティ)の概念は、1930年代にアメリカで生まれました。代表的なCI(コーポレートアイデンティティ)としてはIBMが知られています。IBMのロゴは、長きにわたって「International Business Machines」という正式名称が使用されてきました。その後、企業名の略称3文字である「IBM」となり、事業内容とともにシンプルなロゴに変更され、現在の象徴的な8本ラインののロゴデザインが生まれました。

CI(コーポレートアイデンティティ)本来の目的

CI(コーポレートアイデンティティ)は、シンボルやロゴデザインのことだと勘違いされがちですが、本来は企業理念や企業使命、企業価値の社内外に向けての理解と浸透が大きな目的です。なぜなら、長期的な企業価値の向上や自社のブランディングにおいて、とても有効な手法であり戦略だからです。CI(コーポレートアイデンティティ)は長期的な使用が一般的ですが、M&Aによる企業統合や事業再編のタイミングで刷新されることも少なくありません。

CI(コーポレートアイデンティティ)の戦略とは

[ 画像引用 ] slamxhype.comより> https://slamxhype.com/streetwear-fashion-houses/

CI(コーポレートアイデンティティ)は、企業がもつ特徴や独自性をわかりやすく表現し、社会やステークホルダーに理解浸透させるための戦略です。数多くの企業がCI(コーポレートアイデンティティ)を導入しています。

[ ブランディングと差別化 ]

CI(コーポレートアイデンティティ)の重要な存在であるシンボルやロゴマークは、企業名や商品名、イメージカラー、コンセプトやスローガンなど企業の独自性を打ち出すための要素を必要とします。そして、企業そのものをブランド化することで競合他社との差別化をはかります。企業ブランディングは、消費者にその企業が提供する商品やサービス、具体的な社会活動をいち早く想起させ、企業の社会的責任と存在意義を浸透させることができます。

[ 企業価値の向上 ]

CI(コーポレートアイデンティティ)は消費者をはじめ、あらゆるステークホルダーに大きな影響を与えます。CI(コーポレートアイデンティティ)によって、生み出された企業イメージは投資家の資金投下の判断材料にも活用され、企業価値の向上にも期待できます。また、企業に所属する従業員が持つべき考え方や行動の指針としても機能します。従業員に企業は社会に対してどうあるべきかを考えさせ、さまざまな意思決定においての基準となります。

[ ブランドコミュニケーション ]

必要な情報を自ら取りに行く情報化社会において、一方的に企業から消費者に向けて情報を発信するマーケティングは終わりつつあります。企業活動への世間一般の目が厳しくなっている現代だからこそ、CI(コーポレートアイデンティティ)を明確にし、企業イメージを社会に発信していくことが、顧客やステークホルダー、社会との繋がりの強化に繋がります。CI(コーポレートアイデンティティ)は、企業イメージを伝えるための優れた手段でもあります。

[ 価値観の変化と拡散スピード ]

CI(コーポレートアイデンティティ)は企業の独自性を強調し、競合他社との差別化を担う目的があるため、ステークホルダーへの認知向上に重要な役割を果たします。特に企業の考え方やあり方のインパクトが大きいBtoC企業にとって、CI(コーポレートアイデンティティ)は消費者へのイメージ向上に大きな影響があります。そして、企業の考え方やあり方、行動指針を見直すことで社員に対して再認識をさせる目的もあります。また、多様な価値観が広がり、SNSやインターネットの普及による情報の拡散スピードが高まる時代だからこそ、企業の姿勢、考え方をいち早く伝える手段として、CI(コーポレートアイデンティティ)の重要性が増しています。

CI(コーポレートアイデンティティ)におけるデザインシステム開発

CI(コーポレートアイデンティティ)と聞くと「シンボルマーク」「ロゴデザイン」を最初に考える人も多いと思いますが、CI(コーポレートアイデンティティ)に含まれる要素は多岐にわたり幅も広く専門家の中でも定義には差があります。一般的に次のようなものがCI(コーポレートアイデンティティ)を構成する要素とされています。

[ デザイン開発のプロセス ]

● デザインコンセプトや方向性の確認
● イメージやトーン&マナーの設定
● ラインナップやアイテムの整理
● 数量やコストの確認と調整
● 制作会社や印刷会社などの選定

伝えたいイメージについて、例えば「親しみ・対応力」といったキーワードや方向性、写真などのビジュアルを使ったイメージボードからアプローチします。デザインについては、まずラインナップを整理し必要なアイテムをリスト化します。その後、ブランドカラーや指定書体を選定し、個々のステーショナリーや会社案内などに展開していきます。

デザイン・システムの基本要素

[ ベーシック・デザイン ]

● コーポレートシンボル・ロゴタイプ(視覚伝達の基本となる要素)
● 正式社名ロゴタイプ(正式和文社名と正式英文社名のロゴタイプ)
● タイプフェイス(広告やWEBなどで使用する際の指定書体)
● コーポレート・カラー(企業を象徴するブランドカラー)
● コーポレート・ステートメント(企業の理念や思想を表現した言葉)
● サブグラフィック・エレメント(コーポレートロゴを補完する図形)

ベーシックデザインの展開アイテム

[ アプリケーション・デザイン ]

● ステーショナリー(名刺・封筒・便箋などの事務用品のデザイン)
● ビジネスフォーム(入館証・ネックホルダーなどのデザイン)
● 各種印刷物(会社案内、商品カタログ、広告チラシなどのデザイン)
● WEBサイト(公式サイト、ブランドサイト、採用サイトなどのデザイン)
● プロダクト(製品デザイン・ネーミング・ロゴのデザイン)
● サービス(サービスデザイン・ネーミング・ロゴのデザイン)
● パッケージ(製品を保護するパッケージデザイン)
● サイン計画(パネル・広告看板・標識・案内表示などのデザイン)
● ユニフォーム(制服・帽子・腕章・名札・ワッペンなどのデザイン)
● 環境・店舗(オフィス・工場など施設の内外観などのデザイン)
● 輸送用機器(営業車両・輸送車両・船舶・航空機などのデザイン)

CIガイドラインの整備と周知

[ CIガイドライン ]

CI(コーポレート・アイデンティティ)は、時代の流れに応じて、アップデートしていくことも必要です。そのため、新しく作成したCI(コーポレート・アイデンティティ)やデザイン変更されたロゴマークに違和感を持つ従業員や顧客も一定数存在します。これらの課題を解決するためにも、CI(コーポレート・アイデンティティ)の浸透は、長期的に発信し続けていくことが必要です。CI(コーポレート・アイデンティティ)は、経営陣を含む全従業員が自社の社会的責任や存在価値を見直すきっかけにもなります。そのため、CI(コーポレート・アイデンティティ)の浸透における施策や発信方法の運用ルールを慎重に整備し、周知に粘り強く取り組んでいく姿勢と覚悟が求められます。

まとめ

CI(コーポレートアイデンティティ)とはシンボルやロゴデザインのことだけではなく、企業が発信するもの全てがCI(コーポレートアイデンティティ)になり得ます。全てのアウトプットにおいて企業イメージを統一し発信すればブランディングの強固な基盤となり、ユーザーにとってもどんな企業なのかを理解しやすくなります。CI(コーポレートアイデンティティ)をあまり意識したことが無かったという場合は、自社が発信している1つ1つの展開アイテムに対して、企業イメージと乖離していないかを確認してみることも必要です。

【 おすすめ記事 】 CI(コーポレート・アイデンティティ)の意味や目的と開発について
https://chibico.co.jp/blog/branding-design/ci-corporate-identity-018/

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