[ ブランディングデザイン ] Aug 23, 2024

ロゴデザインでブランドを際立たせる方法

ロゴデザインは、ブランドの個性や価値を一瞬で伝える強力なツールです。市場には多くのブランドが存在する中、ロゴを通じて自社を際立たせることは、消費者に記憶され、信頼を築くために欠かせません。効果的なロゴは、シンプルでありながらユニークさを持ち、視覚的に魅力的なデザインが特徴です。さらに、色、フォント、形状などの要素を活用し、ブランドの核心となるメッセージを伝えることが求められます。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、競争の激しい市場において、ロゴデザインを通じてブランドを際立たせるための方法について、具体的なアプローチと成功のポイントについて詳しく解説します。

■ ロゴデザインの役割と重要性

【ロゴデザインとは？】

ロゴデザインとは、企業やブランド、製品のアイデンティティを視覚的に表現するためのシンボルやマークを作成するプロセスです。ロゴデザインは、色、形、フォントなどの要素を組み合わせて、ブランドの価値やメッセージを簡潔に伝える役割を果たします。認知度を高め、他社との差別化を図るために、ロゴデザインは非常に重要です。

[ 関連記事 ] ブランドロゴの開発ポイントとは

【ロゴデザインの重要性】

ロゴデザインは、ブランドアイデンティティの中核をなす要素の一つです。企業の価値観やビジョン、使命を視覚的に表現するものであり、ブランドの一貫性を保つために重要です。ロゴデザインが持つ視覚的な要素は、顧客の感情や記憶に強く影響を与え、ブランド認知度の向上に寄与します。

【成功するロゴデザインの要素】

成功するロゴデザインにはいくつかの共通要素があります。シンプルでありながらも、視覚的に強いインパクトを与えるデザインが求められます。また、ブランドのコアバリューを反映し、ターゲットオーディエンスに適切にアピールできることが重要です。さらに、時代を超えて通用する普遍性と、変わることのないブランドの特徴を表現することが求められます。

■ ブランドを際立たせるロゴデザインのステップ

【 1.ブランドのコアバリューの理解と反映】

ロゴデザインの第一歩は、ブランドのコアバリューを深く理解し、それをロゴデザインに反映させることです。企業が何を大切にし、何を提供するのかを明確にし、その本質を視覚的に表現します。このステップでは、企業のミッションやビジョン、ターゲット市場を徹底的に分析し、ロゴデザインに落とし込みます。

【 2.ターゲットオーディエンスを意識したデザイン】

ロゴデザインを行う際には、ターゲットオーディエンスを意識することが重要です。デザインは、ターゲットとなる顧客層に共感を呼び起こし、彼らに響くものでなければなりません。顧客の文化的背景や美的感覚、価値観を理解し、それに応じたデザインを作成することで、ブランドと顧客のつながりを強化します。

【 3.シンプルさと視覚的なインパクトのバランス】

優れたロゴは、シンプルさと視覚的なインパクトのバランスが取れているものです。過度に複雑なデザインは、伝えたいメッセージを曖昧にし、顧客に混乱を招く可能性があります。一方で、あまりにシンプルすぎると、ブランドの特徴を十分に伝えられないこともあります。シンプルでありながらも、ブランドのエッセンスを凝縮したデザインが求められます。

■ ロゴデザインの開発プロセス

【 1.リサーチとインスピレーションの収集】

ロゴデザインのプロセスは、まずリサーチとインスピレーションの収集から始まります。業界内外のトレンドを調査し、競合他社のロゴを分析することで、独自性を持ったデザインの方向性を見出します。また、ブランドの歴史や文化、顧客の声などを参考にし、インスピレーションを得てデザインに反映させます。

【 2.スケッチからデジタル化までの流れ】

リサーチが終わったら、次にスケッチを行い、アイデアを具体化します。手書きのスケッチで複数の案を作成し、その中から最も適したデザインを選びます。その後、デジタルツールを使ってロゴを仕上げていきます。ここでは、Adobe Illustratorなどの専門的なデザインソフトウェアが一般的に使用されます。

【 3.ロゴデザインのテストとフィードバック】

デジタル化が完了したら、ロゴデザインをテストします。社内や顧客のフィードバックを収集し、必要に応じて修正を加えます。ロゴがターゲットオーディエンスにどのように受け入れられるかを確認し、最終的なデザインを確定します。テストは、ブランドの一貫性とメッセージを確保するための重要なステップです。

■ ロゴデザインの変更事例

【 Starbucksのロゴデザイン】

Starbucksは2011年にロゴデザインを変更し、従来の緑色と黒色のロゴを、シンプルな緑色のロゴデザインに変更しました。新ロゴデザインは、”Siren”と呼ばれる二本足の人魚のアイコンに基づいています。この新ロゴデザインは、新しい店舗やメニューを導入することを目的として導入されました。また、ロゴデザインの変更に伴い、コーヒーカップや店内のインテリアも変更され、全体的にシンプルで清潔感のある印象になりました。ロゴデザインの変更は、ブランドの価値やイメージを維持するために必要でStarbucksの場合も、新しい店舗や新しい製品を展開する上で、より現代的で親しみやすいブランドイメージを作り出すことを目的として、ロゴデザイン変更が行われました。

[ 出典 ] スターバックス公式HPより

【 Mercariのロゴデザイン】

日本のオンラインマーケットプレイスであるMercariは、2019年にロゴデザイン変更を実施しました。旧ロゴデザインの赤いボックスを廃止し、新しいロゴデザインは白と青を基調としたシンプルなデザインとなりました。同時に軽快なタッチのものになりました。ロゴデザイン変更の理由は、グローバルでの事業展開を見据え、よりシンプルで認知されやすく、クリーンでモダンな印象を与えるデザインにすることでした。また、スマートフォンでの利用が増えている現代において、小さな画面でもクリアに表示されるデザインにすることも目的のひとつでした。

[ 出典 ] メルカリ公式HPより

【 Mastercardのロゴデザイン】

2019年1月にロゴデザインを変更しました。新しいロゴデザインは、従来のMastercardの文字と共に、赤と黄色の2つの円が重なり合うデザインとなりました。これは、Mastercardがクレジットカードのブランドとして知られるようになった1979年以来初めてのロゴデザイン変更でした。変更後のロゴデザインによって、シンプルかつ現代的なブランドのイメージを表現し、グローバル市場での競争力を高めることを目指しました。ロゴデザイン変更には、従業員や外部関係者への周知や説明の徹底、変更後のロゴデザインの適切な管理と評価などの注意点があります。Mastercardは、変更後のロゴデザインに対して、ブランドマネジメントの向上に取り組んでいます。

[ 出典 ] マスターカード公式HPより

■ ロゴデザインの成功事例

【 Appleのロゴデザイン】

[ ロゴデザインのシンボル化 ]
ミニマルな製品デザインと統一されたビジュアルアイデンティティで、Appleのブランドイメージを世界中に浸透させました。
[ 製品デザインとの一貫性 ]
ミニマルな製品デザインと統一されたビジュアルアイデンティティで、Appleのブランドイメージを世界中に浸透させました。

[ 出典 ] Apple公式HPより

【 Nikeのロゴデザイン】

[ スウッシュロゴ ]
簡潔で力強いスウッシュロゴは、スピードと動きを象徴し、スポーツブランドとしてのアイデンティティを確立しています。
[ Just Do It スローガン ]
Nikeのブランドメッセージを明確に伝えグローバルに共感を呼ぶスローガンで成功を収めました。

[ 出典 ] Nike公式HPより

【 Coca-Colaのロゴデザイン】

[ 一貫したロゴ使用 ]
100年以上にわたり、独特のカリグラフィースタイルのロゴデザインを使用し続けることで、強力なブランド認知度を維持。
[ 赤と白のカラー ]
赤と白のカラーをロゴデザインの中心に据え、商品パッケージから広告まで統一したデザインを展開し、消費者に親しみやすいイメージを構築。

[ 出典 ] コカコーラ公式HPより

【 Starbucksのロゴデザイン】

[ 人魚のロゴデザイン ]
シンボルとなる人魚のロゴデザインを中心に据え、店舗デザインからパッケージまで一貫したビジュアルアイデンティティを構築。
[ ブランド体験の強化 ]
ロゴデザインや店舗デザインと連携した「サードプレイス」戦略により、ブランド全体のイメージを強化し、顧客との深い結びつきを形成。

[ 出典 ] スターバックス公式HPより

【 FedExのロゴデザイン】

[ 隠れた矢印ロゴデザイン ]
ロゴデザイン内に隠された矢印が「速さと精度」を象徴し、CIとして企業の使命である迅速かつ正確な配送サービスを視覚的に表現。
[ 一貫したサービスブランド ]
ロゴデザインとデザインの一貫性を保つことで、信頼性と効率性を強調し、顧客からの信頼を獲得。

[ 出典 ] Fedex公式HPより

【 Disneyのロゴデザイン】

[ シンデレラ城のロゴデザイン ]
ディズニーのロゴデザインは、魔法や夢の世界を象徴し、テーマパークや映画など、すべてのブランドタッチポイントで使用されています。
[ ブランドの拡張 ]
ディズニーは一貫したCIを維持しつつ、さまざまなエンターテイメント分野にブランドを拡張し、成功を収めています。

[ 出典 ] Disney公式HPより

【 Lacosteのロゴデザイン】

[ ワニのロゴデザイン ]
テニスプレーヤーのルネ・ラコステに由来するワニのロゴデザインは、スポーツとファッションを融合した象徴として認知されています。
[ ポロシャツのアイコニックデザイン ]
ブランドの主力製品であるポロシャツに一貫してロゴを配置することで、ブランドアイデンティティを強固にしました。

[ 出典 ] ラコステ公式HPより

【 IKEAのロゴデザイン】

[ ブルーとイエローのロゴデザイン ]
スウェーデンの国旗からインスパイアされたカラーで、北欧のシンプルで機能的なデザインを象徴しています。
[ 製品カタログと店舗デザインの一貫性 ]
世界中で統一されたカタログデザインと店舗のレイアウトが、IKEAのブランドアイデンティティを確立しています。

[ 出典 ] イケア公式HPより

■ まとめ

ロゴデザインは、ブランドのアイデンティティを視覚的に表現するための重要な要素です。成功するロゴを作成するためには、ブランドのコアバリューを反映させ、ターゲットオーディエンスに響くデザインを追求することが求められます。シンプルでありながら視覚的なインパクトを持つデザインを目指し、適切なプロセスとツールを使用して、効果的なロゴを作り上げましょう。成功事例を参考にしながら、自社のロゴデザインに生かしていくことが、ブランドを際立たせる鍵となります。