[ ブランディングデザイン ]
【必見】ブランドロゴとシンボルデザイン開発の7つのポイント
ブランドロゴとシンボルデザインは、企業や製品のアイデンティティを一目で伝える重要な要素です。ブランドロゴとシンボルデザインは、単なる視覚的なデザインにとどまらず、ブランドの価値や理念、メッセージを表現し、消費者に記憶されやすい印象を与える役割を果たします。成功するブランドロゴやシンボルデザインは、シンプルかつユニークで、時代を超えて親しまれるデザインが特徴です。しかし、効果的なロゴを開発するには、ターゲット市場の理解や、企業のビジョンと一致する一貫性を持ったデザインを構築することが不可欠です。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、ブランドロゴとシンボルデザインを開発する際に押さえるべきポイントを詳しく解説し、消費者に強く訴求するデザインの作り方について詳しく解説します。
■ ブランドロゴとシンボルデザイン
左 : スリーポインテッド・スター 右 : 正式名称(ブランド名)
ブランドと人々を結び付けるためにブランドロゴとシンボルデザインは重要な存在です。例えば取引をしたい人にとっては、事前にブランドのイメージを伝えることができます。そう言った意味でもブランドロゴとシンボルデザインは、イメージやメッセージを凝縮した企業の顔なのです。ブランドロゴとシンボルデザインが良くないことは、商品やサービスが伝わる前に悪いイメージを与えてしまうのです。それでは、ブランドロゴとシンボルデザインとは一体何なのでしょうか?シンボルとは、象徴的なマークとして古くは盾や紋章として使用されていました。ロゴとはロゴタイプを略したもので社名やブランドの名称をデザイン化したもので文字の延長線とも言えます。
[ 画像引用 ]Mercedes Benz公式サイトより
■ 優れたブランドロゴとシンボルデザインとは?
優れたブランドロゴとシンボルデザインは、ブランドのアイデンティティを象徴するための重要な要素です。ブランドロゴは、ブランド名やキャッチフレーズ、カラー、フォントなどを含んだシンボルマークのことであり、視覚的な印象を与えることで、顧客に認知されやすくなります。一方、シンボルデザインは、ブランドの特徴や理念を表現するための独自の形状やデザインを指します。シンボルデザインは、単体でのブランドイメージを強化することもでき、ブランドロゴと併用することで、ブランドの視認性を高めます。
優れたブランドロゴとシンボルデザインは、ブランドの認知度を高め、ブランドイメージを強化する上で重要な役割を担います。視覚的なデザインは、顧客の感情を喚起し、ブランドに対する好感度や親近感を生み出すことができます。また、優れたブランドロゴやシンボルデザインは、競合他社との差別化や、ブランドの特徴や強みをアピールする上でも効果的です。そのため、ブランドロゴやシンボルデザインのデザインには、ブランド戦略やブランドイメージを考慮した上で、丁寧なデザインプロセスが必要となります。
■ ブランドロゴとシンボルデザイン開発7つのポイント
【 開発ポイント1 】 感覚的であること
⚫︎独自性
ブランドロゴとシンボルデザインにおける独自性は、他のブランドとの差別化を図り、消費者に鮮明な印象を与えるための要素です。独自の形状やカラー、フォントを用いることで、ブランドの個性が際立ち、競合が多い市場でも目立ちやすくなります。また、オリジナリティが高いデザインは、消費者が一度見ただけで記憶に残りやすく、ブランド認知を効果的に促進します。
⚫︎信頼性
信頼性は、消費者に安心感を与える重要な要素です。ロゴやシンボルのデザインに堅実で安定感のある形やカラーにすることで、ブランドに対する信頼が向上します。信頼性の高いデザインは、消費者に対して企業が持続性や品質を重視しているというメッセージを伝え、長期的な顧客関係を築くための基盤となります。
⚫︎造形性
造形性とは、デザインが視覚的に調和していて美しさを備えていることです。バランスのとれた形状や構造は、視認性を高め、消費者にとっての印象も良くなります。シンプルで流れるようなデザインは視覚的に親しみやすく、ブランドのプロフェッショナル性や品質の高さを示すための大切な要素です。
⚫︎国際性
国際性は、グローバル市場に向けてデザインが文化や言語を超えて受け入れられるために重要です。シンボルやロゴは文化的な側面を配慮し、地域に関係なく認識しやすいデザインが求められます。国際性を考慮したデザインは、多様な背景を持つ消費者に響きやすく、ブランドが広範な市場に進出しやすくなります。
⚫︎先進性
先進性は、ブランドが革新性や未来志向であることをデザインで表現する要素です。現代的な要素を取り入れたり、トレンドを反映したスタイルを採用することで、ブランドが常に進化し、変化する消費者のニーズに応えている印象を与えます。先進的なデザインは、消費者にブランドがリーダーシップを持ち、新しい価値を提供していると感じさせる重要な要素です。
【 開発ポイント2 】 機能的であること
⚫︎視認性
視認性は、ブランドロゴやシンボルがどの距離や環境からも簡単に見て認識できる要素です。シンプルな形や明確な色彩を採用することで、印刷物からデジタルスクリーンまで、あらゆる場面で一貫して伝わります。視認性の高いデザインは、消費者が短時間でブランドを把握しやすく、ブランド認知を促進します。
⚫︎展開性
展開性は、デザインがさまざまな状況や形式で使用できる柔軟性を指します。ブランドロゴやシンボルは、広告や商品パッケージ、ウェブサイト、SNSなど多様な媒体に適応する必要があるため、拡大縮小や色の変更にも耐えられる設計が重要です。
⚫︎記憶性
記憶性は、消費者にブランドを強く印象づけ、記憶に残りやすくすることです。シンプルで個性が際立ったデザインにより、ブランドロゴやシンボルが認識されやすくなり、一度目にしただけでも記憶に残るようにします。
⚫︎普遍性
普遍性は、時代や流行に左右されない、長期間にわたって使用できるデザインのことです。時を経てもブランドのイメージが変わらないよう、シンプルでタイムレスなデザインが重要で、結果としてブランドの信頼性も強化されます。
⚫︎再現性
再現性は、デザインが異なる環境や素材で忠実に再現できるかを示します。紙、デジタルスクリーン、布などのさまざまな素材でも形や色が正確に再現されることで、一貫したブランドイメージを提供し、信頼感を高めます。
【 開発ポイント3 】 シンプルであること
レオナルド・ダ・ヴィンチは、”シンプルである事は究極の洗練だ”と言いました。デザインにおいてシンプルである事はある意味完成形です。ロゴデザインに関しても同じで、シンプルである方が見た人に覚えてもらいやすく、脳がそのロゴデザインを感覚に変換しやすくなります。何度も変更が施されているロゴの場合は、その度にどんどんシンプルになってきています。これにはきちんとした意味があります。デザイナーがロゴデザインを行なう際の間違いの1つが、グラデーションやシャドー、過剰な数の色を使ってしまう事です。これ以上ないぐらいに削ぎ落としシンプルな方が良いロゴデザインとされています。
[ 引用 ] Apple公式サイトより
[ 引用 ] マクドナルド公式サイトより
【 開発ポイント4 】 独自性があること
良いロゴデザインは、独自性が高く唯一無二の存在です。仮に模倣者が現れたところで、オリジナルの独自性は損なわれません。完成度の高いロゴデザインは、細部にまでこだわったオリジナルの書体でデザインし、ブランドカラーも厳選したもので表現することで独自性を打ち出しています。独自性の強いなオリジナルなロゴをデザインするなら、前例のないことに挑戦するべきです。
[ 引用 ] スターバックス公式サイトより
[ 引用 ] ランボルギーニ公式サイトより
【 開発ポイント5 】 普遍性があること
ロゴのデザインがころころ変わってしまっていてはユーザーが混乱してしまい、企業のブランドイメージも定着しにくくなります。一方で、昔から同じロゴデザインで消費者に愛されているブランドは、普遍的なイメージ構築に成功しています。トレンドを追いかけたデザインは時代と共に陳腐化しますが、基本に忠実で無駄を極力排除した洗練されたデザインは、何年経ってもその魅力が色あせる事は無く普遍的な存在であり続ける事が出来ます。
[ 引用 ] 日本グッドイヤータイヤ公式サイトより
[ 引用 ] 日本コカ・コーラ株式会社公式サイトより
【 開発ポイント6 】 可読性が高いこと
ロゴをデザインする時に最も気にしなければならないのが、それがどのように使用されるかという事です。名刺やWebサイトを始めとして各種広告、動画、ビルボード、新聞掲載、Tシャツ、ステッカー、カップケーキに至るまで、ロゴは様々なメディア上で利用される多面性を持ち合わせている必要があります。その為には過度な拡大や縮小、モノクロ低解像度での印刷にも耐えられる必要性があります。それを考えればロゴデザインは自ずとシンプルで構成要素の少ないものになるべきなのです。
[ 引用 ] CityBank公式サイトより
[ 引用 ] Fedex公式サイトより
【 開発ポイント7 】 再現性が高いこと
WEB・紙媒体、カラー・モノクロ、サイズの大小等に関わらず、再現できるロゴデザインになっているかがとても重要です。例えば、ロゴを小さく表示すると一部がつぶれてしまたり、印刷で再現できないような色を指定している場合には、どれだけ素敵でカッコいいロゴデザインであっても無意味なのです。エフェクト処理としてドロップシャドウやグラデーション等は、よく目にする手法ですが、適切に上手く使用しコントロールできなければ、文字の可読性や造形性、再現性を大いに損ねてしまします。影は薄め、ぼかし幅や影の移動量が僅かであっても立体的な効果は得られます。主役を脅かす派手な処理はなるべくさけ、控えめなデザイン表現を心掛けるべきです。
[ 引用 ] ソニー株式会社公式サイトより
[ 引用 ] ZARA公式サイトより
■ 企業がブランドロゴを開発し運用する目的
企業がブランドを認知してもらうためにはブランドロゴとシンボルデザインが必要です。デザイン開発や運用にはコストが掛かりますが、企業や商品、サービスのブランドイメージをアップさせるためにも欠かせないものであることは言うまでもありません。企業がブランドロゴとシンボルデザイン開発のために高額な費用をかけているのには理由があるのです。それはブランドロゴとシンボルデザイン正しく運用し展開することで、最終的に売上や集客アップにつながり、ビジネスとして大きな成果が得られるからなのです。
■ ブランドロゴはブランディングにおける重要なツール
人は情報の大半を目から得ます。人の目は文字よりも絵や写真などに無意識に引き寄せられる性質を持っており、目から入った絵や写真は右脳で処理されます。左脳が言語的、論理的なことを扱うのに対して、右脳は非言語的で直観的、感情的なことを扱います。目から入ったブランドロゴとシンボルデザインがかっこよかったり、好感のもてるデザインであると直感的に感じると、良いイメージが長期にわたって記憶されるのです。そして、物事を認識するスピードというのも重要なのです。シンボルやロゴなど分かりやすく視覚化されたものは、脳が瞬時に認識するのです。よく分からない知らないブランドよりも知っているブランドの方が商品やサービスなど選ぶ上でも強いアピールとなり、安心感を与えることができます。その結果として、好きなブランドのシンボルやロゴの入ったパッケージやショッピングバッグなどを持つだけで誇らしげな感覚や満足感を顧客に与えることにも繋がります。それがブランディングという考え方なのです。
■ まとめ
ブランディングの顔としてのブランドロゴとシンボルデザインの重要性がわかっていただけたのではないでしょうか。多くの有名企業やブランドが強く印象に残るデザインをしているのは、全てブランディングのためです。言葉だけ聞くと難しく感じ、何から始めて良いのかわかりづらいブランディングですが、まずは自分たちのブランドを象徴する顔としてのブランドロゴとシンボルデザインとは何が最適なのかを考えることなのです。
株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。
【 ご質問、お打合せ希望など、お気軽にお問合わせください。】
– ブランド戦略からデザイン開発まで –
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