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クレドとは?その効果や制作手順と活用事例

[ ブランディングデザイン ]

クレドとは?その効果や制作手順と活用事例

クレドとは、企業や組織が大切にしている価値観や行動の指針を言葉にしたもので、社員一人ひとりが日々の仕事や判断の中で「何を大事にすべきか」を示すガイドのような存在です。クレドを持つ目的は、全員が共通の価値観をもとに行動することで、企業文化を育て、組織としての一体感や信頼感を高めていくことにあります。クレドがしっかり機能すると、社員のモチベーションや責任感が自然と高まり、顧客にも一貫したサービスやブランド体験を届けられるようになります。また、企業が変化や課題に向き合う際の判断基準としても役立ちます。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、クレドの役割や効果、そして企業成長との関わりについて、詳しく解説します。


■ クレドとは何か?

ラテン語で「私は信じる」の意味

クレド(Credo)は、ラテン語で「私は信じる」という意味を持つ言葉です。企業や組織が大切にしている価値観や信条、行動の指針をまとめたもので、社員一人ひとりが判断や行動をするときの軸になります。経営理念やビジョンを、日々の仕事や現場での行動にまで落とし込むための実践的な指針とも言えます。クレドは、日常の意思決定やお客様への対応、チームの関係づくりなどに影響を与える「行動の基準」として働きます。また、社員の意識をそろえたり、ブランドとしての体験を一貫させたりすることで、企業文化や組織の魅力を育てる役割も担います。多くの会社では、カードや冊子として共有されるほか、採用・研修・マネジメントなどの場面でも取り入れられ、組織づくりの土台として活かされています。

■ クレドが社員に与える5つの効果

クレドが会社に与える効果

1. 社員の行動基準が明確になる

クレドは、社員が日々の業務で「どう行動すればいいか」を示してくれる道しるべです。理念や価値観を具体的な言葉にすることで、迷いなく判断しやすくなります。特に多様なバックグラウンドを持つ人が集まる組織では、共通の基準があることで一貫性と安心感が生まれます。行動がそろうことで社内の信頼関係も自然と深まり、チームとしてのまとまりが強まり、より前向きな雰囲気が育っていきます。

[ ポイント ]

クレドは日常行動の指針となり迷いを減らす
判断基準が共有され、業務の一貫性が生まれる
組織全体に信頼と安定感が広がる

➤ 詳細記事 :【必見】行動指針の重要性と浸透させる方法

2. 組織の方向性が統一される

クレドは、組織の価値観を一つの方向にまとめていく力があります。理念を軸にした考え方が共有されることで、部署や個人の動きが揃いやすくなり、全体の推進力が高まります。経営層から現場まで、目的と価値観を同じ目線で共有できることが、強い組織をつくる大きな土台になります。社員一人ひとりが同じゴールを見て動けるようになると、ブレのない文化が育ち、組織全体に一体感が広がっていきます。

[ ポイント ]

理念を共通言語化し、方向性をそろえられる
組織全体が同じ目的に向かって動く
部門間の連携が円滑になり組織力が高まる

3. 理念が行動に結びつく

クレドは「理念を現場で生かす教科書」のような存在です。理念がスローガンで終わらず、日常の行動につながることで、組織に“生きた価値観”が根づいていきます。社員が理念を自分ごととして受け止め、行動に反映できるようになると、理念は現場で息づく文化として機能します。クレドを通して理念が実践に変わることで、企業の魅力や信頼性も自然に高まり、社内外に一貫したブランドイメージが築かれていきます。

詳細記事 :企業理念の重要性と浸透させるポイント

[ ポイント ]

理念を具体的な行動レベルに落とし込む
社員が理念を自分の言葉として理解できる
理念が日常に根づき文化として定着する

4. 社員の主体性が高まる

クレドは、社員が「自分で考えて行動する力」を育てるためにあります。上からの指示を待つだけでなく、価値観に基づいて判断できる環境が整うことで、主体的な行動が生まれやすくなります。自ら考えて動ける人が増えると、現場のスピードと自律性が高まり、組織全体の成長も加速します。こうした主体性の広がりは挑戦を後押しし、前向きに動ける文化を育て、組織に活気と創造性をもたらします。

[ ポイント ]

判断基準が明確になることで自立的に行動できる
上司の指示を待たずに主体的に動ける文化を育む
社員一人ひとりの成長意欲を引き出す

5. チームの一体感が強まる

クレドは、社員をつなぐ共通の“ことば”として働きます。全員が同じ価値観を共有することで、チーム内に信頼と安心感が生まれます。それぞれの判断が理念に基づいているため、協力が生まれやすくなります。一体感が自然に育つことで、チームとしての成果も高まりやすくなります。価値観が共有されると相互理解が深まり、助け合いや感謝の気持ちが循環する、あたたかい組織文化が形づくられていきます。

[ ポイント ]

クレドが共通言語となり相互理解が深まる
チームの方向性がそろい連携がスムーズになる
信頼関係が高まり組織の結束が強まる

■ クレドの制作手順

クレドの制作手順

1. 目的と位置づけを明確にする

クレドをつくるときの最初のステップは、「なぜつくるのか」をはっきりさせることです。経営理念を浸透させたいのか、社員の行動をそろえたいのか、あるいはブランド文化を育てたいのか。その目的を整理することで、クレドは単なる言葉の集まりではなく、組織を動かす“行動の指針”として機能します。目的があいまいなままでは、クレドは浸透しません。まずは組織全体が同じ認識を持つことが大切です。

[ ポイント ]

クレドを作る「目的」と「活用範囲」を明確にする
理念との関係性を整理し、位置づけを明らかにする
経営層と社員が同じ方向性を共有する

2. 経営理念・ビジョン・価値観を整理する

クレドは、企業の根幹にある理念やビジョンから生まれます。まずは経営理念、存在意義、ブランドの考え方などを整理し、共通する価値観を見つけ出すことが大切です。理念があいまいなままでは、クレドも形だけのものになってしまいます。経営層の想いを改めて確認し、企業として「何を大切にし、どんな未来を目指すのか」を言葉にする丁寧で誠実なプロセスが欠かせません。こうした姿勢が信頼を支えます。

[ ポイント ]

理念・ビジョン・ミッションのつながりを確認する
企業が大切にしてきた価値観を再定義する
経営者の想いを明確な言葉に落とし込む

詳細記事 :ブランドビジョンの開発目的と展開事例

3. 社員や現場の声をヒアリングする

クレドは“上から与えるもの”ではなく、“一緒につくるもの”です。現場の声や日常の行動事例を取り入れることで、社員が共感し、自分ごととして捉えやすくなります。リアルな価値観を反映することが、クレドを生きた指針にするポイントです。ヒアリングは個人・チーム・職種など幅広い層で行い、多様な視点を集めることが重要です。クレドに真実味が生まれ、より深く浸透します。そして継続性も高まります。

[ ポイント ]

現場の経験や考え方を言葉にする
共感できる言葉を中心にクレドを設計する
形式的でなく“現場発信”の内容を反映させる

4. コアメッセージを設計する

クレドの中心となるのが「コアメッセージ」です。理念を支える3〜5つの価値観(例:誠実・挑戦・信頼・共創など)を整理し、それを行動の柱として構築します。企業の人格や精神を表すメッセージを定めることで、社員が共通の基準で判断できるようになります。コアメッセージは、ブランドの想いを凝縮した“心の軸”であり、組織の方向性を支える中心点であり続けます。その存在感はさらに高まります。

[ ポイント ]

理念を支えるテーマを3〜5つに整理する
感覚に届くシンプルな言葉を使う
社員が判断基準として使える内容にする

5. わかりやすい言葉にまとめる

クレドは、誰もが理解できて日常で使えることが前提です。専門的すぎる表現や抽象的な言葉では浸透しません。シンプルで覚えやすく、共感できる言葉でまとめることが大切です。たとえば「挑戦を恐れない」「誠実に向き合う」など、行動をイメージしやすい表現にすることで、社員の中に定着していきます。言葉がわかりやすいほど、クレドは日々の判断や行動の中で自然と息づくようになります。

[ ポイント ]

シンプルで覚えやすい言葉を使う
感情と行動の両方に響く表現を選ぶ
すぐに実践できる行動言語にする

6. 経営層・社員との対話を重ねて検証する

クレドは一方的に作るものではなく、組織全体で磨き上げていくものです。経営層と社員が対話を重ねることで、納得感と共感が生まれます。ワークショップや意見交換を通じて、言葉のトーンや表現をすり合わせ、実際に使いやすい形へと整えていきます。この対話のプロセスこそが、クレドを浸透させる土台になります。対話を重ねることで組織の一体感も高まり、理念がよりリアルなものとして根づいていきます。

[ ポイント ]

経営層・現場双方の視点で内容を検討する
社内対話やワークショップを通じて共感を得る
修正を重ねて実践しやすい言葉に整える

7. デザイン・ツール化を行う

完成したクレドは、視覚的にも心に残る形で伝えることが大切です。クレドカードやポスター、イントラサイトなど、日常的に目に触れる形にすることで、自然と浸透していきます。デザインは単なる装飾ではなく、“理念を見える化する”手段です。見た瞬間に企業の想いが伝わるような、統一感と温かみのある表現が求められます。ビジュアルとしての一貫性があることで、社員の誇りや共感もより深く育まれていきます。

[ ポイント ]

クレドを日常的に目にする仕組みをつくる
デザインで企業らしさと理念を伝える
社内外で共有できる形式にする

8. 浸透・運用の仕組みを設計する

クレドは作って終わりではなく、「使われ続けること」に意味があります。研修や評価制度、表彰、採用など、日常の仕組みに組み込むことで、行動の基準として根づきます。また、リーダーが率先して体現することで、クレドの価値がより広がります。運用こそが、クレドを生きた文化にする鍵です。日々の行動に息づくことで、クレドは組織の成長エネルギーとなり続け、人を動かす力になります。

[ ポイント ]

教育・評価・採用など制度に組み込む
リーダーが率先して実践し背中で示す
社員が自然に使える環境を整える

9. 定期的に見直し・アップデートする

クレドは一度作って終わりではなく、時代や組織の変化に合わせて育てていくものです。年に一度の振り返りやアンケートで運用状況を確認し、必要に応じて見直します。変化を受け入れながら進化させることで、常に“今の組織に合う言葉”として息づき続けます。見直しのプロセスは、企業文化を再確認する良い機会にもなります。定期的な更新を通して、組織の価値観と未来への方向性を再定義できます。

[ ポイント ]

定期的に現場の声を反映して更新する
社会や市場の変化に合わせて見直す
クレドを進化させることで理念をより実践的にする

■ クレドの配布方法

クレドの配布方法

1. 新入社員研修で配布

新入社員研修の場でクレドを配布することで、入社時から企業の理念や行動指針を意識してもらうことができます。配布の際には、クレドが生まれた背景や目的、企業が大切にしている価値観を丁寧に伝え、理解を深めてもらうことが大切です。また、実際のエピソードや成功事例を紹介すると、クレドがどのように現場で生かされているかをイメージしやすくなります。新入社員が理念を自分のこととして感じられるようになると、仕事への姿勢や行動意識が高まり、早い段階で組織の一員としての自覚が育ちます。

2. 日常業務での携帯

クレドをいつでも思い出せるように、名刺サイズやカード型で配布して携帯できるようにする方法があります。カバンや名刺入れに入れて持ち歩けるサイズにすることで、必要な場面で手に取りやすくなります。デスクに置けるスタンド型カードや、壁に貼れるミニポスターとして活用するのも効果的です。こうしたツールとして身近に置くことで、社員が日常的にクレドを意識し、自分の行動を振り返る習慣が生まれます。結果として、理念が自然に行動へとつながりやすくなります。

3. 社内掲示板やデジタル掲示

クレドを社内掲示板やデジタルサイネージに掲示することで、社員がいつでも目にできる環境をつくります。出入り口や休憩スペース、デスク周りなど目に入りやすい場所に掲示することで、日常の中でクレドを意識する機会が増えます。デジタル掲示であれば、定期的に内容を更新して関心を保つこともできます。また、イントラネットやクラウド上にも掲載すれば、リモートワークの社員も含めて全員がアクセスできるようになります。こうした“見える化”は、理念の定着にとても効果的です。

4. 定期的な朝礼や会議で共有

クレドを定期的に共有することも、理念を浸透させるうえで有効です。朝礼や会議の冒頭でクレドを読み上げたり、実際の業務でクレドを生かした事例を紹介したりすることで、社員がクレドを日常の行動と結びつけて考えやすくなります。月次ミーティングなどで実践事例を話し合うのも効果的です。こうした場を通じて、社員はクレドの意義を改めて感じ、チームとしての一体感も高まります。定期的な共有が積み重なることで、理念が組織文化としてしっかり根づいていきます。さらに前向きになります。

5. 社員向けマニュアルやハンドブックに掲載

クレドを社員向けマニュアルやハンドブックに掲載しておくと、業務と企業理念を一体的に理解できるようになります。業務手順やルールの中にクレドが記載されていることで、社員は日常の中で理念を思い出し、自分の行動を見直すきっかけを得られます。また、業務内容と理念がどのように結びついているのかを具体的に理解できるようになるため、より実践的な形でクレドが生きるようになります。こうした工夫は、理念を自然に根づかせるうえでとても有効であり、企業文化の成熟にもつながります。

■ クレド活用の活用事例

ザ・リッツ・カールトンのゴールド スタンダード

[ 引用 ] ザ・リッツ・カールトンのゴールドスタンダード

ザ・リッツ・カールトン | ゴールド スタンダード

高級ホテルチェーン「リッツ・カールトン」は、世界でもトップクラスのサービス品質で知られています。その中心にあるのが、リッツ・カールトン・クレドの存在です。同社のクレドは「We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen(私たちは紳士淑女として、紳士淑女にサービスを提供する)」というシンプルで象徴的な一文に込められており、全社員の行動指針として深く根づいています。

毎日の「ラインアップ」ミーティングで、全社員がクレドやサービスバリューを確認・共有します。
新入社員研修では、クレドの背景にある哲学や事例を丁寧に学ぶプログラムを実施します。
顧客に感動を届けたエピソードは社内表彰制度と連動させ、成功事例として全社で共有します。

こうした継続的な教育と運用の仕組みによって、世界中どのホテルでも変わらない品質のサービス体験が提供されています。実際に、リッツ・カールトンは長年にわたり顧客満足度90%以上・再訪意向率80%以上という高い水準を維持しています。「サービスの質」そのものがブランドの象徴であり、クレドはブランド価値を体現する大切な基盤であり続け、企業文化の核として機能しています。

[ サービスの3ステップ ]

あたたかい挨拶
お客様が到着された際に、心のこもった挨拶で歓迎の気持ちを伝えます。
お名前でお呼びしニーズに応える
お客様のお名前を添えてお声がけし、個別のニーズを先読みして丁寧に対応します。
心を込めたお見送り
お帰りの際にもお名前を添えた挨拶で感謝を伝え、最後まであたたかい印象を残します。

[ 従業員への約束 ]

ザ・リッツ・カールトンでは、お客様へ約束したサービスを提供するうえで、紳士・淑女こそがもっとも大切な資源です。信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を原則とし、私たちは個人と会社のためになるよう持てる才能を育成し、最大限に伸ばします。多様性を尊重し、充実した生活を深め、個人のこころざしを実現し、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを高めることを大切にしています。リッツ・カールトンは、このような職場環境をはぐくみ、すべての人が誇りを持てる文化を築いていきます。

[ 活用事例のまとめ ]

ザ・リッツ・カールトンの「ゴールド・スタンダード」は、世界最高水準のホスピタリティを支える行動哲学であり、全社員の共通言語として機能しています。その中核となる「クレド」「サービスの3ステップ」「従業員の約束」は、すべての従業員が日々の業務で実践しています。特に特徴的なのは「エンパワーメント」の文化です。社員一人ひとりが自ら判断し、お客様に感動を届ける行動を取る権限を持っています。たとえば、お客様の小さな不便に気づいて自発的に対応する姿勢は、この指針の象徴です。これにより、単なるサービスではなく「心のこもった感動体験」を提供できるのです。

■ 弊社のクレド制作実績

株式会社チビコは、企業の理念や価値観を“伝わる言葉”として形にするクレド制作を数多く手がけてきました。組織の本質を丁寧に掘り下げ、現場で使われ続ける指針として機能するクレドを開発しています。

クレド開発実績1

[ MIZUNOクレド ]
株式会社ミズノは、四日市を拠点に、産業廃棄物の収集運搬・中間処理、資源リサイクルおよび環境コンサルティングを一貫して手掛ける企業です。廃棄物という社会課題を起点に「棄てる」を通じて価値を創造し、地域とともに未来を設計する姿勢を体現しています。

クレド開発実績2

[ NOSAWAクレド ]
株式会社野澤組(英名 NOSAWA & Co., LTD.)は、1869年創業・東京都千代田区有楽町に本社を置く総合貿易商社です。食品・畜産・機械・繊維・開発の5部門で「農場から食卓まで(Farm to Table)」を掲げ、世界から価値を国内へ、国内の文化を世界へ発信しています。

 詳細記事 : 株式会社チビコ・ブランディング実績一覧

FAQ-よくある質問

■ クレドに関するよくある質問

クレドは、組織の価値観や行動指針を示す重要なアイテムです。ここでは、クレドの意味から作成・浸透・活用のポイントまで、よくある質問にお答えします。

【 よくある質問① 】

Q :クレドとは何ですか?
A :クレドとは、企業や組織が大切にする価値観や行動の指針を明文化したもので、社員一人ひとりが意思決定や行動の際に基準にできる、日々の業務に根差したガイドラインです。

【 よくある質問② 】

Q :クレドを導入するメリットは何ですか?
A :全社員が共通の価値観に基づいて行動できることで、組織の一体感や信頼が高まり、モチベーション向上、迅速な意思決定、一貫したブランド体験の提供につながります。

【 よくある質問③ 】

Q :クレドはどうやって作成すれば良いですか?
A : まず目的と企業のビジョン・ミッションを明確化し、経営層や現場メンバーへのヒアリング、社内アンケートによる意見収集を経て原案をまとめ、共有とフィードバックを通じてブラッシュアップします。

【 よくある質問④ 】

Q :クレドを浸透させるための効果的な方法は?
A :クレドカードの配布、朝礼や研修での共有、社内報や会議での繰り返しの活用、評価制度・表彰制度への連携など、日常の業務に根付かせる工夫が浸透を加速します。

【 よくある質問⑤ 】

Q :クレドを持続的に活用するにはどうすればいいですか?
A :クレドは一度作って終わりではありません。定期的な社内アンケートや振り返り会などを通じて、「今も現場に響いているか」「形骸化していないか」を確認し、必要に応じて内容を改善・更新することが必要です。

checklist-チェックリスト

■ クレド開発前のチェックリスト

クレドをつくる前に、自社のブランドや理念がどれだけ整理され、共有されているかを確認しておくことが大切です。以下のチェックリストで現状を見直してみましょう。

【 ブランド基盤の明確性チェック 】

⬜︎ 企業の存在意義や提供価値が明確に定義されているか?
⬜︎ 顧客に伝えたいブランドの独自性が整理されているか?
⬜︎ 競合との差別化ポイントが具体的に説明できるか?

【 理念・ビジョン浸透度チェック 】

⬜︎ 企業理念やブランドビジョンが全社員に共有されているか?
⬜︎ 現状の事業戦略とブランドビジョンの方向性が一致しているか?
⬜︎ 社員の行動や意思決定がブランド理念と整合しているか?

【 ブランド体験・一貫性チェック 】

⬜︎ ブランドデザインやメッセージがすべての顧客接点で統一されているか?
⬜︎ ロゴやビジュアル要素がブランドイメージを正しく反映しているか?
⬜︎ 顧客体験(広告・Web・店舗・SNSなど)がブランドの価値と一貫しているか?

【 ガイドライン・運用体制チェック 】

⬜︎ CIガイドラインやブランドガイドラインが整備されているか?
⬜︎ 関係者へのガイドライン共有・教育が定期的に行われているか?
⬜︎ ブランド戦略やガイドラインを定期的に見直し、改善する体制があるか?

記事のまとめ

■ まとめ

クレドは、企業の理念や価値観を日々の行動につなげるための“道しるべ”です。社員が「どう動くべきか」を考えるときの軸になり、組織の一体感を育てる役割を持っています。つくるときは、目的をはっきりさせ、理念やビジョンを整理し、現場の声も取り入れながら、実際の働き方に合った内容にすることが大切です。また、難しい表現ではなく、誰もが共感できる言葉でまとめ、経営層と社員が対話を重ねて仕上げることで、自然と現場に浸透していきます。そして何より大切なのは、つくった後にどう活かすかです。研修や評価、朝礼、社内掲示などに組み込み、定期的に見直しを重ねることで、クレドは生きた文化として根づきます。クレドは“理念を伝える言葉”であると同時に、“組織を育てる仕組み”でもあります。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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