
[ ブランド戦略 ]
【保存版】リブランディングを成功させる6つのポイント
リブランディングは、企業が新たな方向性を示し、ブランドの価値を再定義するための重要な戦略です。しかし、成功させるためには慎重な計画と実行が必要です。単にロゴやデザインを変更するだけではなく、ブランド全体のメッセージや顧客との関係を見直し、時代や市場の変化に対応することが求められます。リブランディングが適切に行われれば、競争優位性を高め、新たなターゲット層の獲得や既存顧客の再エンゲージメントに繋がります。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、リブランディングを成功に導くための6つのポイントを紹介し、企業がどのようにして効果的にブランドの再構築を行い、成長を促進できるかについて詳しく解説します。。
CONTENTS | 目次
■ リブランディングの必要性とは

【 企業の方向転換や成長フェーズの変化 】
企業は成長や環境の変化に合わせて、事業や組織のあり方を少しずつ変えていきます。創業当初はスピードや挑戦を重視していた企業も、安定や信頼が求められる段階に入ると、ブランドの見せ方を見直す必要が出てきます。こうした変化を伝えきれないままだと、外部からの理解にズレが生じてしまいます。リブランディングは、そうした「今の姿」と「今後の方向性」を整理し、ブランドを現在に合う形に整えるための手段です。過去を否定することではなく、成長に合わせて自然に姿を変えていくための大切なプロセスです。
[ 次のような場面で必要になることが多いです ]
● 経営戦略の転換(新事業の立ち上げや事業領域の拡大など)
● 組織体制や文化の変化(リーダー交代や価値観の多様化など)
● 既存ブランドの老朽化や現状とのギャップの拡大
【 市場や顧客の価値観の変化 】
時代とともに、顧客が大切にする価値観も変わっていきます。かつては価格や機能性が重視されていたものが、今では共感や信頼、社会的な意義が重視されるようになっています。企業がどんな考えで社会と関わっているかが、選ばれる理由のひとつになっているのです。リブランディングは、こうした変化をしっかり受け止めて、ブランドの考え方や表現を新しい時代に合う形へ更新する取り組みです。顧客との関係性をもう一度見直し、「このブランドが自分に合っている」と感じてもらうための再設計と言えます。
[ 対応のポイントは次のようなところにあります ]
● 価値観の多様化(環境・多様性・サステナビリティへの意識の高まり)
● 世代交代(Z世代やミレニアル層への理解とアプローチ)
● モノ消費からコト消費、そして共感消費への移行
【 競合との差別化強化 】
競合が増え、サービスの内容や品質だけでは差がつきにくくなっています。そうした中で大切になるのは、「何を提供するか」よりも「どんな考えでそれを届けているか」という部分です。リブランディングは、独自性をもう一度掘り下げ、他社とは違う“意味”を伝えるための手段です。単にデザインやロゴを変えることではなく、ブランドの“軸”を明確にし、顧客にとっての信頼や共感を深めることが目的です。差別化は機能ではなく「存在理由」から生まれるもの。そこを整理することで、ブランドは再び強くなります。
[ 見直しのポイントは次のような点です ]
● 市場の中でのポジションを再定義する
● 企業としての物語や理念をより深く伝える
● デザイン・言葉・体験の一貫性を整える
【 デジタル化・グローバル化への対応 】
SNSやオンラインが主な接点になった今、ブランドの見え方はこれまで以上にスピード感をもって広がります。どの国の人が見ても、どのデバイスから見ても、一貫した印象を与えられることが大切です。そのために、ブランドの構造自体をデジタルやグローバル環境に合わせて見直すことが必要です。リブランディングは、デジタル時代にふさわしい「見え方」「伝わり方」「体験の作り方」を整えるチャンスです。情報があふれる中で、どんな環境でも“そのブランドらしさ”が伝わる状態をつくることがゴールです。
[ そのためのポイントは以下の通りです ]
● SNSやWebを含めたデジタル接点での一貫した体験設計
● 国や文化を超えて伝わる普遍的なブランド表現
● データを活用してブランドを継続的に改善する仕組みづくり
■ リブランディングを成功させるポイント

1. 目先を追わず将来への投資と捉えること
リブランディングを成功させるうえで大切なのは、「今の流行に合わせること」や「売上をすぐに伸ばすこと」を目的にしないことです。リブランディングは短期的な施策ではなく、将来への投資として考える姿勢が欠かせません。ブランドを整えるというのは、デザインを変えること以上に、これからの企業のあり方を形にしていくことだからです。目の前のトレンドを追うだけでは、数年後にはまた同じ課題が出てきます。重要なのは、「この先、どんなブランドでありたいか」という未来の姿を起点に、そこへ向かうための基盤を整えることです。今の延長ではなく、長期的なブランドの方向性を描くことで、判断基準がぶれなくなります。また、リブランディングは費用ではなく、信頼や共感といった“無形の価値”を育てるための投資と考えることがポイントです。見た目を変えることよりも、「なぜ変えるのか」「どんな思いを残すのか」を丁寧に整理することで、ブランドが長く愛される土台ができます。

2. 好調な時にリブランディングは実行すること
リブランディングは、業績が落ち込んだときの「起死回生策」として行うものだと考えられがちですが、実はブランドが好調なときこそ行うべき取り組みです。順調な時期は、企業の内外に余裕があり、未来を見据えた判断ができるタイミングでもあります。ブランドが支持されている今だからこそ、「なぜ選ばれているのか」「どんな価値をこれからも届けたいのか」を見直すことで、勢いを持ったまま次のステージへ進む準備ができます。逆に、業績が悪化してからのリブランディングは、短期的な回復を目的にしがちで、ブランドの本質を見誤るリスクが高くなります。好調なうちに未来を見据えて動くことは、ブランドを“守る”だけでなく“育てる”ことにつながります。リブランディングは変化を先取りする行為であり、現状維持に甘んじない意思の表れでもあります。市場や顧客の期待は常に動いています。だからこそ、調子の良い今こそが、次の時代に向けてブランドを更新し、より強くするための最適なタイミングなのです。

3. 過去にとらわれず常に進化し続けていくこと
リブランディングを成功させるためには、過去の実績や成功体験にとらわれず、常に進化し続ける姿勢が欠かせません。ブランドは生き物のように、社会や顧客の変化に合わせて少しずつ形を変えていくものです。かつての成功は大切な財産ですが、それに固執してしまうと、新しい時代の価値観やニーズに応えられなくなります。変化を恐れず、自らをアップデートし続けることが、ブランドの鮮度と信頼を保つ鍵になります。進化とは、過去を捨てることではなく、積み重ねてきた本質をもとに新しい表現や方法を取り入れることです。たとえば、創業当時から大切にしている理念や想いは残しつつ、デザインやコミュニケーションを今の時代に合う形に磨き直す。そうした柔軟な姿勢が、ブランドを長く愛される存在に育てていきます。リブランディングは一度きりのプロジェクトではなく、常に進化を続けるための考え方そのものです。変化を受け入れ、未来に向けて更新し続けることが、ブランドを強くしなやかに保つ一番の方法です。

4. データや仮説よりもビジョンを重視すること
リブランディングを成功させるうえで重要なのは、データや仮説に頼りすぎず、ビジョンを軸に判断することです。もちろん市場データや顧客調査は大切ですが、それだけでは本質的なブランドの方向性は見えてきません。データは過去や現在を映すものにすぎず、未来をつくるのは「どんな社会を実現したいか」「自分たちは何者でありたいか」という明確なビジョンです。ブランドが進むべき方向を決めるのは、数字ではなく意志です。もし数値や分析結果に引っ張られすぎると、他社と似たようなブランドになりやすく、本来の個性を失ってしまいます。リブランディングの目的は、統計的に“正しい”選択をすることではなく、“自分たちらしい”選択をすることです。ビジョンが明確であれば、データもそれを支える根拠として活かすことができます。逆に、ビジョンが曖昧なままでは、どんなデータを集めても判断軸がぶれてしまいます。ブランドに一貫した魅力を持たせるためには、数字より先に「何を信じ、どこへ向かうのか」という想いを定義することが欠かせません。

5. 強いリーダーシップを発揮すること
リブランディングを成功に導くには、組織の中で強いリーダーシップを発揮することが欠かせません。ブランドの再構築は、単なるデザイン変更やキャンペーンではなく、企業の価値観や方向性そのものを見直す大きなプロセスです。そのため、トップやプロジェクトリーダーが明確な意思を持ち、全体を一つの方向に導く力が求められます。ブランドの定義は抽象的になりやすく、関わる人の意見も多様です。だからこそ、最終的に「何を大切にするか」「どこを目指すのか」を決断できるリーダーの存在が重要になります。強いリーダーシップとは、独断的であることではなく、ビジョンを語り、人を巻き込み、納得感をつくり出す力のことです。現場の声や専門家の意見を受け止めながらも、最終的にブランドの芯をぶらさずに判断できる人がいることで、リブランディングは前に進みます。方向性が曖昧なまま進めてしまうと、デザインやメッセージがバラつき、一貫性を欠いた結果になりがちです。明確な意志とリーダーシップがあることで、組織全体がブランドの未来に向かって一体となるのです。

6. 目先の利益や表層ばかりを追わないこと
リブランディングで最も避けたいのは、短期的な利益や見た目の変化だけを目的にしてしまうことです。売上の回復や注目を集めることに意識が偏ると、ブランドの本質が置き去りになります。ロゴやデザインを新しくしても、根底にある理念やビジョンが変わっていなければ、すぐに元の印象に戻ってしまうものです。ブランドは“見せ方”ではなく“在り方”でつくられます。だからこそ、数字やトレンドよりも、「自分たちは何を信じ、どんな価値を社会に提供したいのか」を軸に考えることが大切です。目先の結果を追うリブランディングは、短期間では効果を感じやすいかもしれませんが、長期的にはブランド価値をすり減らすリスクがあります。重要なのは、今の成果よりも、5年後10年後にどんな評価を得ていたいかという視点を持つことです。デザインや広告はあくまで手段であり、目的ではありません。リブランディングの本質は、ブランドの内側から整え、持続的な信頼と共感を育てること。目先ではなく、本質を見据える姿勢こそが、ブランドを長く強く育てていく力になります。
■ リブランディングの成功事例

【 Burberry | リブランディング成功事例 】
バーバリーは、150年以上の歴史を持つ英国のラグジュアリーブランドです。トレンチコートやノバチェック柄、騎馬騎士(エクイストリアンナイト)ロゴなど、長い年月をかけて築かれた独自性があります。しかし2000年代に入ると、ライセンス商品の乱立や大量販売によってブランドの高級感が薄れ、“誰にでも手に入るブランド”という印象が広まりました。そこでバーバリーは、自らの原点を見つめ直し、ラグジュアリーブランドとしての価値を再構築するリブランディングに踏み切りました。その結果、伝統を守りながらも現代的な感性を取り入れ、世界的な高級ブランドとしての地位を再び確立することに成功しました。
[ 成功ポイント ]
● ヘリテージの再活用とモダンへの転換
バーバリーは、英国的な伝統や機能美というブランドの核を守りながら、それを現代的にアップデートしました。創業者トーマス・バーバリーの頭文字を用いた「TBモノグラム」の導入や、ロゴデザインの刷新など、過去の遺産を未来志向の形に再構築しています。また、近年はアーカイブモチーフである騎馬騎士ロゴを復活させるなど、“伝統と革新の融合”を明確に打ち出しています。その結果、ブランドの新しい方向性がより明確になりました。
● ブランドの統一性とプレミアム化
ライセンス事業の拡大でブランドイメージが拡散していましたが、リブランディング後は自社主導での企画・生産に切り替え、世界規模でのVIの一貫性を徹底しました。ロゴ、モノグラム、店舗デザイン、広告ビジュアルなどすべてを統一し、どの国でも“同じバーバリー体験”を提供。さらに価格や販売戦略を整理し、ブランドの希少性と信頼性を取り戻しています。結果としてブランド力が飛躍的に向上しました。
● 感情・文化への訴求と革新のバランス
バーバリーは「格調高さ」だけでなく、「共感」や「文化的価値」を重視する方向に転換しました。広告やキャンペーンでは英国の音楽、アート、若者文化を取り入れ、伝統の中にある新しさを表現。SNSやデジタル施策を通じて、若い世代との接点も拡大しました。その結果、ブランドは「古い高級ブランド」ではなく「今を生きるラグジュアリー」として再認識されるようになりました。世界的にも高く評価されています。
[ まとめ ]
バーバリーのリブランディングは、単なるロゴ変更やデザイン刷新ではなく、「自社の価値を再定義し、体験全体を統合する」という包括的なプロセスでした。過去の遺産を大切にしながらも、時代の変化に合わせてブランドを更新し続けたことで、“伝統と革新が共存するブランド”として世界的な支持を取り戻しました。これは、一貫したVI展開と明確なブランドビジョンが、グローバルでの価値向上に直結することを示す代表的な成功事例といえます。今後も進化を続けるブランドの好例です。
[ 出典 ] Burberry公式サイトより
[ 出典 ] 伊勢丹・新宿店より

【 McDonald’s | リブランディング成功事例 】
マクドナルドは、世界100ヵ国以上に展開するファストフードの象徴的ブランドです。創業以来の「手軽さ・早さ・安さ」で世界を席巻しましたが、2000年代後半には健康志向の高まりやジャンクフード批判、競合ブランドの台頭によって“安価で不健康なチェーン”というイメージが強まりました。ブランドの魅力が薄れ、若年層やファミリー層の離反が進行。そこでマクドナルドは、食の安心・クオリティ・共感を軸に据えたリブランディングを実施し、「安さ」ではなく「体験価値」で選ばれるブランドへの転換を図りました。その結果、グローバルでブランドイメージを刷新し、再び愛される存在へと進化しました。
[ 成功ポイント ]
● ブランド哲学の再構築と“クオリティ”の再定義
マクドナルドは「誰もが笑顔になれる時間を提供する」という原点に立ち返りながら、食材の品質と調理の透明性を前面に打ち出しました。サプライチェーンの可視化、健康的なメニューの拡充、「Made for You」方式の導入など、品質の高さを訴求。また、赤と黄色のビジュアルアイデンティティを残しつつも、トーンを落とした上品なカラーリングや洗練された店舗デザインへと刷新し、ブランドの“信頼と温かみ”を両立させています。
● 顧客体験中心のブランド統合
リブランディング後、マクドナルドは店舗・デジタル・広告の全てを一貫したブランド体験として再設計しました。店舗ではWi-Fiやデジタルキオスク、モバイルオーダーなどを導入し、利便性と快適性を向上。アプリを通じたロイヤリティプログラム「My McDonald’s Rewards」で顧客体験をデータドリブンに最適化しました。さらに、世界共通のトーン&マナーを統一することで、どの国でも“同じマクドナルドの温度感”を感じられるブランドへと進化しています。
● 感情・文化への共鳴とデジタル時代への最適化
マクドナルドは「ハンバーガーを売る企業」から「ポジティブな時間を提供するブランド」へと軸足を移しました。キャンペーンでは「I’m lovin’ it」を中心に、日常の小さな幸せやユーモア、カルチャーを取り入れた表現を展開。SNSではユーザーとの対話を重視し、ミームやポップカルチャーと融合することで、若年層との距離を縮めました。結果として、グローバル規模で「共感されるブランド」へと生まれ変わり、企業イメージの再構築に成功しています。
[ まとめ ]
マクドナルドのリブランディングは、“安さの象徴”から“体験価値の象徴”へのシフトでした。単なるメニュー刷新や広告変更ではなく、ブランド哲学・顧客体験・ビジュアル・カルチャーまでを包括的に再設計。結果として、「親しみやすく、信頼でき、今を感じるブランド」として再評価されました。これは、グローバルブランドが社会変化に対応しながらも自らのDNAを再定義する好例であり、時代に合わせて“人々の心を再び掴む”ことができた代表的な成功事例といえます。
[ 出典 ] McDonald’s公式サイトより
[ 出典 ] Food & Wineより

【 Domino’s Pizza | リブランディング成功事例 】
Domino’s Pizzaは、2000年代後半にブランドイメージの大きな危機に直面しました。消費者から「味が落ちた」「他社と差がない」といった厳しい評価を受け、さらに不祥事による信頼低下も重なり、ブランドの存在価値が揺らいでいました。そこで同社は、単なる広告の刷新ではなく、商品そのもの・体験設計・ブランドポジショニングを包括的に見直すリブランディングを実施。その結果、顧客との信頼関係を再構築し、世界有数のフードブランドとして復活を遂げました。業界の再評価にもつながりました。
[ 成功ポイント ]
● 率直な自己認識と本質からの刷新
Domino’sは、まず自社の課題を正直に認めることから始めました。「味が悪い」という消費者の声を広告で公表し、自らの弱点をさらけ出した上で、レシピを全面的に改良。生地・ソース・チーズを一新し、製品の質そのものを上げるという“中身からのリブランディング”を行いました。ブランドイメージを変える前に、提供価値そのものを変えた点が大きな成功要因となりました。顧客の信頼を再び得ました。
● デジタル体験とビジュアルの統合
リブランディングと同時に、注文から配達までのプロセスをデジタルで最適化。アプリ注文、GPS追跡、SNS連携などを導入し、体験の一貫性を高めました。これに合わせて、ロゴやパッケージ、ユニフォームなどのデザインも刷新。従来の「ピザボックス中心の印象」から、シンプルでモダンな赤と青のVIに統一し、ブランド全体が“テクノロジーを活かしたスマートなピザブランド”へと進化しました。
● ブランドポジショニングの再定義
Domino’sは、単なる宅配ピザチェーンではなく、「テクノロジーで美味しい体験を届けるブランド」として自らの立ち位置を再定義しました。新しいロゴでは「Pizza」の文字を外し、青と赤のドミノマークのみを採用。これにより、ピザ以外の領域にも広がる柔軟なブランドとしての可能性を示しました。こうした明確な方向性と一貫したデザイン戦略が、ブランド再生の鍵となりました。
[ まとめ ]
Domino’sのリブランディングは、デザインを変えるだけの“表層的なリニューアル”ではなく、ブランドの根本価値を再構築する実践的な変革でした。率直な姿勢で顧客の声を受け止め、体験とデザインを一体化させ、企業としての方向性を明確に打ち出したことが成功の理由です。結果としてDomino’sは、危機的状況から“デジタル時代の象徴的ブランド”へと進化し、リブランディングの理想的な成功事例として広く評価されています。その歩みは今も業界の手本となっています。
[ 出典 ] Domino’s Pizza公式サイトより
[ 出典 ] LOVE THE WORKより

【 Polaroid | リブランディング成功事例 】
ポラロイドは、1948年に世界初のインスタントカメラを発明したブランドとして知られ、20世紀を代表する“イノベーション企業”でした。しかしデジタルカメラやスマートフォンの普及により、主力事業は急速に衰退。2008年には破産申請を行うまでにブランド力を失いました。“過去のブランド”と見なされる中、ポラロイドは「アナログの温かさ」と「現代のデジタル文化」を融合させるリブランディングを敢行。結果、ノスタルジーを超えた“新しい体験価値ブランド”として再生を果たしました。
[ 成功ポイント ]
● ブランドの原点回帰と“アナログの再定義”
ポラロイドは、かつての「その場で写真が出る」という革新性を再解釈し、「スローで触れられる写真体験」という新たな価値軸を打ち出しました。プロダクト面ではフィルムカメラ「Polaroid Now」やハイブリッドモデル「Polaroid Go」を発表し、デジタル世代にも響く“リアルな手触り”を提案。ロゴやパッケージは、クラシックなレインボーストライプを継承しつつ、よりモダンでミニマルなデザインに刷新し、伝統のDNAを現代的に表現しました。
● 世界観と体験の統合によるブランド再構築
リブランディングの中核には、“撮る・現像する・飾る”という体験全体の再設計がありました。オンラインストアやアプリ、ポラロイドラボ(スマホ写真をフィルム化する装置)を通じて、アナログとデジタルの境界を超えるブランド体験を創出。世界中のポップアップストアやコラボレーションを展開し、ライフスタイルブランドとしての存在感を高めました。製品だけでなく体験を売る姿勢が、ブランドの新しい方向性を明確に示しています。
● 文化的共感とZ世代へのリーチ
ポラロイドは広告やキャンペーンで“即時性よりも感情の深さ”を訴求しました。SNSでは無機質なデジタル写真とは対照的に、「不完全さの美しさ」や「時間の余白」をテーマに発信。アーティストやファッションブランドとのコラボを通じてカルチャーの文脈に溶け込み、Z世代を中心に再び“クールなブランド”として認識されました。ポラロイドは単なるカメラメーカーではなく、自己表現と感性を刺激する文化的アイコンへと進化しています。
[ まとめ ]
ポラロイドのリブランディングは、過去の遺産に頼る復古ではなく、“アナログの意味を再定義する”挑戦でした。かつての革新精神を現代的な文脈で蘇らせ、体験設計・デザイン・文化発信を一体化することで、ブランドの本質的価値を再構築。結果として「懐かしさ」と「新しさ」が共存する独自のポジションを確立しました。これは、衰退ブランドがアイデンティティを再発見し、時代と共鳴することで再生する理想的な成功事例といえます。
[ 出典 ] Polaroid公式サイトより
[ 出典 ] CENT Japanより

【 Volvo | リブランディング成功事例 】
Volvoは、「安全」「品質」「環境」という伝統的な価値を持つ北欧の自動車ブランドとして知られています。しかし、技術革新や電動化、デジタル化が進む中で、単なる“安全な車”という枠を超えたブランド像の再構築が求められました。そこで同社は、2010年代以降、ブランドの核を守りながらも、デザインや体験を通じて「人と未来に寄り添うプレミアムブランド」へと進化させるリブランディングを実施。視覚的アイデンティティの刷新と、体験価値の統一を通じて、Volvoは再び世界中で支持を得るブランドへと生まれ変わりました。今では北欧デザインの象徴としても注目されています。
[ 成功ポイント ]
● ブランド価値の再定義と感情価値の強化
Volvoは長年「安全性」を最も重要な価値としてきましたが、リブランディングではそこに“感情”と“デザイン”の要素を加えました。北欧らしいシンプルで温かみのある「スカンジナビアン・デザイン」を全面に押し出し、安全という機能価値に“心の豊かさ”や“信頼感”を融合。これにより、「堅実な車」から「人生を豊かにするパートナー」へとブランドの意味を拡張しました。新たな共感を生み出しました。
● ビジュアル・アイデンティティの刷新と統一化
ロゴデザインは、ブランドの象徴である鉄のマークをフラット化し、デジタル時代に合う洗練された印象に一新。余計な装飾を省き、現代的で柔軟な印象を与えるデザインへと進化しました。また、店舗デザインや展示空間、広告など、あらゆる接点で「シンプルで誠実な北欧ブランド」としての世界観を統一。白・グレー・ブルーを基調としたカラーリングで、上品で静かな印象を全体に貫いています。
● 未来志向のブランド体験の構築
リブランディングは見た目の変化にとどまらず、体験設計にも及びました。電動化やサブスクリプション型販売、オンライン購入など、次世代の顧客体験を積極的に導入。さらに、広告では「家族」「時間」「人とのつながり」をテーマにしたストーリーテリングを展開し、Volvoが提供する価値を“安全”から“心の安心”へと進化させました。こうした施策がブランドの信頼性をさらに高めました。
[ まとめ ]
Volvoのリブランディングは、伝統的価値の上に未来志向のブランド像を築いた成功事例です。長く培ってきた「安全」という信頼の基盤を守りつつ、デザインや感情価値を加えることで、ブランドを“人のためのラグジュアリー”として再定義しました。ロゴやカラーなどのVI刷新に加え、顧客体験全体を通じた一貫性を確立したことで、Volvoは成熟市場においても新しい存在意義を生み出すことに成功しています。これは、「変えないもの」と「変えるべきもの」を見極めたリブランディングの理想形と言えるでしょう。
[ 出典 ] VOLVO公式サイトより
[ 出典 ] 日本自動車輸入組合より

【 Instagram | リブランディング成功事例 】
Instagramは、2010年に「写真共有アプリ」として誕生し、シンプルで美しいUIと“フィルター文化”によって急成長しました。しかし、SNS市場の成熟とTikTokなどの新興勢力の台頭により、“おしゃれな写真アプリ”というイメージは次第に時代遅れとなり、ユーザーの関心が低下。視覚表現の多様化やコミュニティの変化に対応するため、Instagramは大規模なリブランディングを実施しました。その結果、単なる写真共有サービスから、“クリエイティビティとつながりのプラットフォーム”へと進化を遂げました。
[ 成功ポイント ]
● ブランドコアの再定義と“多様な表現の場”への転換
Instagramは、自らのブランドコアを「写真」から「表現とつながり」に拡張しました。写真・動画・リール・ライブ配信・ショッピングといった多機能を統合し、ユーザーが「自分を表現できる場」として進化。リブランディングの象徴として、2016年にはアプリロゴをカメラアイコンからグラデーションカラーのシンボルへ刷新。従来の“レトロ感”を捨て、デジタル世代の感性に寄り添うモダンなビジュアルへと生まれ変わりました。このビジュアル転換が、ブランドの再成長を印象づけました。
● 一貫したビジュアルアイデンティティと体験設計
リブランディング後のInstagramは、UI・広告・トーン&マナーを含むすべての接点で一貫性を強化。鮮やかなグラデーションとシンプルな構成を基調とし、“ポジティブでクリエイティブな空気感”を徹底的に演出しました。また、アルゴリズムの改善とともに、個人クリエイターやブランドが活躍できるエコシステムを整備。これにより、ユーザーが発信するすべての体験が「Instagramらしさ」を感じさせる統一的な世界観の中で展開されるようになりました。
● 文化・世代への共感と社会的意義の拡張
Instagramは“共感されるブランド”を目指し、機能開発だけでなく文化的メッセージの発信にも注力しました。「#InstaGood」や「#CreateDontHate」などのキャンペーンを通じて、ポジティブな自己表現や多様性を推進。Z世代やクリエイターとのコラボレーションを強化し、ソーシャルジャスティスやサステナビリティといった社会テーマにも積極的に関わることで、単なるSNSを超えた文化的プラットフォームとしての存在感を確立しました。
[ まとめ ]
Instagramのリブランディングは、“機能の変化”ではなく“意味の変化”を中心に据えた再構築でした。かつての「美しい写真を共有するアプリ」から、「人と人、文化と文化をつなぐ創造的な空間」へとブランドを再定義。ビジュアル、体験、文化、社会的価値を統合することで、急速に変化するデジタル社会の中でも共感を維持し続けています。これは、時代とともに進化しながらも“ブランドの本質”を失わないリブランディングの成功事例といえます。
[ 出典 ] Meta/Instagram公式サイトより
[ 出典 ] Laterより

【 UPS | リブランディング成功事例 】
UPS(United Parcel Service)は、1907年に創業した世界最大級の物流企業です。長年にわたり「信頼性」と「効率性」を軸に成長してきましたが、2000年代以降、AmazonなどのEC企業や新興物流サービスとの競争激化、環境負荷への批判に直面。旧来の“配送業者”という印象から脱却し、“ビジネスを前進させるパートナー”として再定義する必要がありました。UPSはこの課題に対し、ビジュアル・体験・メッセージを包括的に刷新し、ブランドの存在意義を再構築しました。その結果、機能的価値から情緒的価値へと進化し、グローバルブランドとしての影響力を再び強めています。
[ 成功ポイント ]
● コアバリューの再定義とブランドアイデンティティの刷新
UPSは、自社のミッションを「物流サービス」から「人とビジネスをつなぐ原動力」へと拡張しました。2014年のブランドスローガン「United Problem Solvers」は、その象徴的なメッセージです。これは「配送会社」ではなく「課題解決企業」としての立ち位置を明確にするもの。従来の茶色と金のカラーパレットを維持しながらも、ロゴ・フォント・トーンを洗練し、より現代的でダイナミックな印象へアップデート。クラシックな信頼感とモダンな機動力を両立させています。
● 体験価値の向上とデジタル変革の統合
リブランディングの中核には、顧客体験の再設計がありました。UPSはテクノロジーを活用して、配送の「便利さ」と「可視性」を強化。モバイルアプリやトラッキングシステムの進化により、ユーザーが配送をリアルタイムでコントロールできるようにしました。また、デジタル広告やSNSを通じて、複雑な物流を“シンプルでスマートな体験”として伝えることで、従来の業界イメージを刷新。BtoB・BtoC双方で“UPSなら安心して任せられる”という感覚を再び強固にしています。
● 社会的メッセージとブランドストーリーテリング
UPSは、サステナビリティや多様性への取り組みをブランドメッセージの中心に据えました。再生可能エネルギーを活用した配送ネットワークの拡大や、女性・マイノリティ経営者を支援するプログラム「Women Exporters Program」などを通じて、企業の社会的責任を明確に発信。広告キャンペーンでは、実際の顧客ストーリーを紹介し、「世界中の小さなビジネスを支えるUPS」というヒューマンな側面を打ち出しています。結果として、物流の“裏方”ではなく、“挑戦を支えるブランド”としてのポジションを確立しました。
[ まとめ ]
UPSのリブランディングは、単なるビジュアル刷新ではなく、“ブランドの意味”を再構築する戦略的プロセスでした。配送業からソリューション提供業へ、機能的価値から感情的価値へと転換し、信頼・革新・共感を軸に再成長を実現。伝統的な企業が時代の変化に対応しながらも、自らのDNAを進化させる模範的な成功事例といえます。UPSは今や「荷物を運ぶ企業」ではなく、「世界を前進させるブランド」として、新たな世代にも共鳴を生み出し続けています。
[ 出典 ] UPS公式サイトより
■ リブランディングの成功要因

1. 明確なビジョンと目的を設定する
リブランディングを成功させるための第一歩は、「なぜそれを行うのか」を明確に定義することです。デザインを変える、印象を刷新する――といった表層的な目的だけでは、時間が経つほどに一貫性を失ってしまいます。重要なのは、企業の進むべき方向や存在意義を再確認し、「何を変え、何を守るのか」という軸を定めることです。ここでいうビジョンとは、単にスローガンやコンセプトを指すものではなく、企業がどんな未来を目指し、社会や顧客にどう貢献していくのかという“物語の根幹”です。このビジョンが社内外で共有されることで、全ての意思決定に一貫した基準が生まれます。リブランディングは短期的な販促施策ではなく、中長期のブランド投資であり、企業の未来を形づくるプロジェクトです。目先の反応や流行に流されず、「この先10年、ブランドがどうあるべきか」を見据えて目的を設計することが、全体を導く羅針盤となります。明確なビジョンを起点にしたリブランディングほど、外見ではなく内面から強く根を張り、長期的な信頼を生むブランドへと成長していくのです。
2. 現状分析と課題の可視化
リブランディングは「変えること」から始まるのではなく、「現状を正しく理解すること」から始まります。まず、自社のブランドが今どのように見られているのかを、客観的な視点で把握する必要があります。経営層の理想像と、顧客が抱く実際の印象にギャップがある場合、そのズレこそが課題の本質です。市場動向、競合との比較、顧客調査、SNSでの言及など、定量・定性の両面からブランドの現状を分析し、どこが強みで、どこが時代に合っていないのかを明確にすることが重要です。このフェーズでありがちな失敗は、「なんとなく古く感じるから変える」といった感覚的な判断。そうではなく、データやヒアリングに基づいて“何を変えるべきで、何を残すべきか”を見極めることがリブランディングの質を左右します。課題を可視化することで、社内全体が同じ問題意識を共有でき、判断基準がブレにくくなります。つまり、現状分析は単なる調査ではなく、“変革を成功に導くための共通理解づくり”でもあるのです。
➤ 詳細記事:ブランディングにリサーチと分析が重要な理由とは?
3. デザインより体験を設計する
リブランディングというと、ロゴや色などのデザイン変更を思い浮かべる人が多いですが、真のブランド変革は「体験の設計」から始まります。顧客がブランドに触れるすべての接点――店舗、Webサイト、SNS、商品パッケージ、社員の接客――それぞれが統一された体験を提供してこそ、ブランド価値は伝わります。デザインはその体験を支える“表現手段”であり、目的ではありません。見た目だけを変えても、接客の姿勢や言葉のトーン、提供プロセスが変わらなければ、ブランドの印象はすぐに薄れてしまいます。リブランディングを機に、ブランドの本質を体験としてどう表現するかを考えることが重要です。たとえば、顧客が初めて商品を知る瞬間から購入、使用、アフターサポートに至るまでの流れを“ストーリー”として設計する。デザインはそのストーリーを視覚的に補強する役割を担います。結果として、「ロゴを見ただけで、体験が思い浮かぶブランド」こそが、強いブランドの理想形です。
4. 一貫性のあるVIの構築
ブランドの世界観を正しく伝えるためには、どの接点でも“同じ印象”を感じられることが重要です。そのために欠かせないのが、VI(ビジュアル・アイデンティティ)の一貫性です。ロゴ、カラー、タイポグラフィ、写真、映像、トーン&マナーこれらをバラバラに扱うのではなく、ひとつの軸を持って整理することで、ブランドの存在感が明確になります。一貫性とは「同じデザインを使うこと」ではなく、「同じ意図を伝えること」です。例えば、あるブランドが“誠実さ”を重視しているなら、フォントや配色、写真の光の当て方までもがその印象に沿って設計されるべきです。視覚的な統一は、顧客にとっての信頼や安心感を生み、企業の姿勢を無言で語る力を持っています。また、VIは社内外のクリエイティブ制作における判断基準にもなり、組織全体でブランドを守る仕組みとして機能します。リブランディングの本質は、この「世界観の一貫性」をどれだけ丁寧に積み上げられるかにかかっています。
➤ 詳細記事:VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは何か?効果と成功事例
■ 弊社のリブランディング開発実績

【 LANDPIA 】
LANDPIAは、不動産の有効利用を通じて活力ある経済社会の実現に貢献するブランドです。日本には、まだまだ未開拓の土地や、価値を見出されていない土地が多く残されています。それらを発見、有効活用することで、社会全体が潤う仕組みを作ることを掲げています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | LANDPIAより

【 RENEWABLE JAPAN 】
すべての人を、エネルギーの主人公に。主人公という言葉には、同じ時代を生きる一人ひとりにエネルギーづくりの主体となって活躍していただける社会を実現したいというブランドの想いを込めています。そして、共にエネルギーについて考え行動し、社会の創生に寄与していく企業ブランドの姿勢を表しています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | RENEWABLE JAPANより

【 I’ROM GROUP 】
希望と安⼼に満ちた健やかな未来を、すべての⼈へ。アイロムグループは「憂いなき未来のために。」のブランドプロミスのもと、人々の未来が希望と安心そして健康で満ちあふれたものとなるように先端医療事業、SMO事業、CRO事業、メディカルサポート事業の4つの事業でブランドを展開しています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | I’ROM GROUPより

【 NIHONN MOBILITY SERVICE 】
NIHONN OIL SERVICEからNIHONN MOBILITY SERVICEへの社名変更に伴うコーポレートアイディンティティ開発。新ブランドのコンセプトは、「新しい移動と技術の進化。モノを超えたサービスとしてのあり方。」モビリティには無限の可能性があることを表現しています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | NIHONN MOBILITY SERVICEより

■ リブランディングに関するよくある質問
リブランディングの現場では、「何を変え、何を残すべきか」で迷う企業が多いと感じます。私自身の支援経験を通じて見えた、成功と失敗を分けるポイントを紹介します。
【 よくある質問① 】
Q :リブランディングって本当に「コスト」じゃなく「未来への投資」ですか?
A :その通りです。目先の費用と捉えるのではなく、ブランド認知の向上、新規・既存顧客への訴求力強化、デザインの耐用性などを踏まえた「未来への投資」と捉えるべき施策です。
【 よくある質問② 】
Q :一貫性を保ちつつリブランディングするにはどうすればいいですか?
A :ブランドの核(Why)は変えずに、How・Whatを刷新するのが根幹です。核となる理念や価値観を維持しつつ、それを伝える方法や表現を現代に即した形に更新することが鍵です。
【 よくある質問③ 】
Q :リブランディングを進める上で、どんな準備が必要ですか?
A :経営層のコミットメントと推進体制の構築、徹底した現状分析からブランドの核の再定義、既存資産の活用と差別化ポイントの明確化が不可欠です。
【 よくある質問④ 】
Q :どうやって社内と社外に新ブランドを浸透させればいいですか?
A :社内向けにはプロジェクトチームによる巻き込みと共通認識の醸成、外部には広報戦略を通じたブランドメッセージの周知が重要です。コミュニケーション設計の徹底が成功を左右します。
【 よくある質問⑤ 】
Q :成果をどう評価すればいいですか?効果は短期で出ますか?
A :リブランディングは長期的視点での課題です。認知やブランド浸透の変化は段階的に評価し、継続的なモニタリングと改善体制を設けることが重要になります。

■ リブランディングのためのチェックリスト
リブランディングを数多く支援して感じるのは、「刷新」よりも「再定義」が鍵だということ。ここでは、実務経験から導いた成功のためのチェック項目を整理しました。
【 ブランドイメージに関するチェック 】
□ 最後にブランドのロゴやビジュアルを見直したのは5年以上前である。
□ サイトや販促物のデザインが「古い」と社内外から言われたことがある。
□ ブランドのストーリーや理念が時代や顧客層とズレていると感じている。
【 ターゲットと市場に関するチェック 】
□ 創業当時と現在で主な顧客層が大きく変化している。
□ 顧客から「御社って何を一番得意としているの?」とよく聞かれる。
□ ブランドの伝えている価値が実際の顧客ニーズと合っていないと感じる。
【 競合との差別化に関するチェック 】
□ 自社と競合他社のWebサイトや広告の見た目・メッセージが似てきている。
□ 自社の強み・独自性を短く一言で説明できない。
□ 競合ブランドと比較されたときに「選ばれる理由」が曖昧になっている。

■ まとめ
リブランディングは単なる見た目の変更ではなく、企業の未来設計として捉えるべき長期的な投資です。成功には6つのポイントが不可欠です。まず、経営の追い風があるうちに着手することで適切な判断と資源投入が可能になります。また、過去の成功や慣習に縛られず、常に進化する姿勢が大切です。そして、データや市場トレンドだけに振り回されるのではなく、何よりも企業の信念を体現する明確なビジョンを重視する必要があります。さらに、リブランディングは投資と位置づけ、新規顧客の開拓や既存顧客への再アプローチの機会として活用してください。このプロセスは、ブランドの現状を浮き彫りにし、社内の一体感を高め、将来にわたる魅力と競争力の源泉を築く重要な契機となります。

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

【 ご質問、お打合せ希望など、お気軽にお問合わせください。】
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