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[ ブランド戦略 ]

100年以上続くブランドの特徴と理由とは

企業の平均寿命は一般的に30年と言われている中で、創業から100年以上も続けるのは簡単なことではありません。しかし、日本は長寿企業大国と言われているほど、創業100年超えの企業が世界に比べて圧倒的に多い国なのです。なんと全国に約2万6,000社。比較的小規模な企業が多い中で、誰もが知る大企業も少なくありません。今回は、100年企業がどのようにしてブランドを守り続け、変革しているのかを事例とともにご紹介いたします。


■ 長く続くブランドの特徴

[特徴①]企業理念が言語化されていること

長く続く企業は、その企業ならではの理念が言語として明確に示されています。言語化することで、働く人が変わっても変わらない企業の指針や軸となります。このことで、社員が一丸となり同じベクトルで仕事ができます。

[特徴②]常識にとらわれない発想を持つこと

既存の常識や枠に囚われない斬新なアイデアを出したり、出てきた発想を潰してしまわないよう心がけ自分の考えている事を「当たり前」と思わないこと。正義や常識は時代とともに変化すると認識すること。

[特徴③]成長意欲と学び続ける姿勢があること

学ぶという意欲には、「学びたい」という気持ちと、「目標を達成するために粘り強く学ぶ」という成長意欲が含まれています。成長し続けることでブランド力が磨かれ継続できるのです。

創業100年企業の国別ランキング

左図:創業100年以上の企業数と比率   右図:創業200年以上の企業数と比率

世界で最も100年企業が多いのは日本で3万3076社。世界の創業100年以上の企業の総数、8万66社の41.3%を占めた。さらに創業200年まで絞ると1位は変わらず日本の1340社だが、比率は2051社中65.0%まで上昇する。

■ 長寿企業になりやすい業種

図:創業100年以上業種別比率(日本)

100年企業で最も多かった業種は製造業の26.0%。これに小売業(23.5%)、卸業(22.3%)が続く。日本の企業の全体の割合と比較しても、その比率が高いのが分かる。

【 引用 】 周年事業ラボより

■ 長く続くブランドの理由と事例

イノベーション型

新たな技術やアイデアを集約し、革新的な商品・サービス、またはビジネスモデルを開発するタイプ。

[ 事例① ] 虎屋ブランド/伝統と革新の経営

[ 創業 ]1501年室町時代 [ 和菓子 ]御所の御用をつとめてきた

[ グローバル展開 ]和菓子を通じて日本文化の発信 [ 新規事業 ]和でも洋でもない新しいお菓子の提案

【 引用 】 虎屋グループサイトより

経営理念の徹底

室町時代後期に京都で創業し、約480年以上の歴史を持つ和菓子の老舗「虎屋」。その主力商品といえば羊羹です。「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」、この経営理念の実現に向け、古くからの伝統の味を守り続けています。しかし、伝統を守るだけではありません。今の時代の人にもおいしいと言ってもらうために、変化することをいとわないのです。

新しいお菓子の世界を提案

その一つの取り組みが「TORAYA CAFÉ」です。TORAYA CAFÉのコンセプトは「『とらや』のあんを使って自由で新しいお菓子の世界の提案する」というもの。現在、都内4店舗を展開しています。さらに、「ようかんを世界に」というスローガンをもとに、海外への取り組みも行っています。すでに30年以上も前からパリに出店しています。

【 引用 】 虎屋の五世紀(伝統と革新の経営)

[ 事例② ] MAZDAブランド/挑み続けるルーツ

[ 創業 ]1920年広島市 [ CORK ]1920年、東洋コルク工業株式会社設立

[ MX-30 ]創業の原点のコルクを採用 [ SKYACTIV TECHNOLOGY ]ゼロからの革新

【 引用 】 マツダ企業サイト

チャレンジ精神

マツダには広島の土地、人々の影響が色濃く反映されています。その代表的なものが不屈のチャレンジ精神。戦後、壊滅的な打撃を被った広島は驚異的な復興を遂げますが、このゼロから立ち直る屈強な精神、チャレンジしていく姿勢は、広島の企業であるマツダにも受け継がれています。誰もが無理だと思うこと、難しいということに敢えて挑む。どんな困難や大きな壁に当たっても、決して諦めずに夢を追いかける。それが広島の、そしてマツダの精神です。新しい技術は、挑戦からしか生まれない。マツダはそんな信念を持って、クルマをつくり続けています。

常識を打ち破る意志

マツダのチャレンジ精神を表しているその姿勢のひとつが「Defy Convention」。常識を打ち破る姿勢です。皆がやっていることをやって、普通のクルマをつくるだけでは物足りない。本質を追求するためには人と違うやり方もいとわず、まだ誰も見たことのないクルマをつくりたい。マツダはそう考えます。このような姿勢は、技術的な領域のみならず、企画から生産現場まで会社全体に行き渡っています。どんなに難しくとも、未知の領域に挑戦することで、マツダはここまで成長することができたのだと考えています。

【 引用 】 マツダ企業サイト

ストーリー型

ロングセラーの商品や長く続いている企業はストーリーを大切にしています。

[ 事例③ ] SAINT JAMES/ブランドストーリー

セントジェームスの歴史

フランス北部ノルマンディー地方にあるSAINTJAMES市。その町の名を冠したセントジェームス社は、今もネームタグに刻まれている通り1889年に創設されました。産業革命後の19世紀の半ば、それまでアトリエでの手仕事であった紡績、染糸業は、当時のセントジェームス市長であったレオン・ルガレ氏によって工業化され、地域の主要産業となる繊維業の一端を築きました。モン・サンミッシェルの干潟の牧草で育った羊からとれる良質の羊毛は、地元の漁師や船乗りたちの大切な仕事着であるマリンセーターを生み出し、実用性を備えた現在のセントジェームスのシャツの原型となっています。20世紀に入ってからも事業は急成長し、社名も現在のトリコ・セントジェームス‘TRICOT SAINT JAMES’と改められました。マリンスポーツやカジュアルウェアとしてさらなる発展を遂げましたが、伝統的な手法によるものづくりの精神は変わることなく現在まで引き継がれています。ブランド発祥の地であり地元に根ざす精神を表すモン・サンミッシェル、海の暮らしから生まれたことを表現する“Né de la mer”の言葉、そしてフランスを象徴するカラーとブランドの象徴であるボーダーをイメージして表現されています。

ブランドポリシー

SAINTJAMESのブランドロゴには「Né de la mer」という言葉が添えられています。フランス語で「海から生まれた」の意味のこの言葉は、セントジェームスの製品が自然と共存するノルマンディーの海の暮らしから生まれたということを表しています。セントジェームスのブルーはノルマンディーの海の色、そしてロゴマークにはこの地の歴史的遺産であるモン・サンミッシェルがデザインされています。セントジェームスのシンボル的存在、OUESSANT(ウェッソン)に代表されるコットンボーダーシャツは、100年以上にも及ぶ伝統を守り続け、その流行に左右されない不朽のスタイルと高い品質は世界中の人々に愛されています。フランス本社工場では上質な素材を厳選、伝統的な手法と近代的な管理システムのもとに製造され、常に一定の高い品質を保っています。モン・サンミッシェルのロゴマークはその品質の証し、そしてトップブランドとしての誇りとい
えるのです。

ボーダーシャツのルーツ

セントジェームス市があるパス・ノルマンディー県は、古くは18世紀からイギリスとの交易が盛んな地でした。荒海を航海する船乗り達にとって、雨風から身を守ってくれる暖かくじょうぶな仕事着のセーターは大切な必需品であり、視界の悪い海上でも見分けがつきやすい赤・青・白のトリコロールやボーダー模様はいつしかマリンセーターの原型になりました。無地は船長、ボーダーは船員用と区別され、後にフランス海軍の若い水兵達がコットンボーダーTシャツを制服として着用するようになり、現在のセントジェームスの「NAVAL(ナヴァル)」にその名を残しています。定番シャツの定番シャツの「OUESSANT(ウェッソン)」 や「PIRIAC(ピリアック)」はノルマンディー沖の特に波の荒い海域にある島々の名前に由来しています。

【 引用 】セントジェームス公式サイトより

[ 事例④ ] MOLESKINブランド

モレスキンの歴史

Moleskineは2世紀の間、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、パブロ・ピカソ、アーネスト・ヘミングウェイなどの芸術家や思想家に愛されてきた伝説的ノートブックの相続人であり継承者です。丸い角を持つ黒のシンプルな長方形、ノートを束ねるゴムバンド、そして内側のマチ付きポケット: 無名だけれどもそれだけで完成された品は、小さなフランスの製本業者によって一世紀以上もの間作られ、世界中の革命的芸術家や作家が訪れて購入した、パリの文房具店に納品されていました。旅のお供にぴったりな大きさの頼れる存在。このノートブックは、有名な絵画や人気小説が世に出る前の貴重なスケッチ、走り書き、ストーリーやアイデアを記録してきたのです。

チャトウィンの物語

このノートブックは、ブルース・チャトウィン のお気に入りで、彼がこのノートブックを「モレスキン」と呼んでいました。しかし、1980年代半ばに、このノートブックは次第に少なくなり、そしてついに完全に消えてしまいました。チャトウィンは著書「ソングライン」の中で、小さな黒いノートブックについて語っています。1986年、フランスのトゥールにある、家族経営の小さな製造業者が倒産してしまった。”Le vrai moleskinen’est plus,”(本物のモレスキンはもう存在しない) : これは彼がいつもノートブックを購入していた、ランシエンヌ・コメディ通りの文房具店の店主が残した言葉です。チャトウィンは、オーストラリア旅行に備え、手に入る全てのノートブックを購入しましたが、それでも十分ではありませんでした。

Moleskineノートブック

1997年、ミラノの小さな出版社が伝説のノートブックを甦らせ、特別な伝統を継承するためにこの名前を選びました。Moleskine®は、チャトウィンの足跡をたどり、現代の新しい携帯技術を補完する為に欠かせない存在となるべく旅を再開。世の中の動きを垣間みて、詳細に記録、貴重な経験を紙に刻みながら。モレスキン・ノートブックは、アイデアやフィーリングを電池のように溜め込み、そのエネルギーを少しずつ解き放つ。

【 引用 】モレスキン公式サイトより

まとめ

老舗ブランドのブランド戦略は様々です。有名ブランドは知名度が高いから売れる。と言う人もいますが成長理由はそれだけではありません。それぞれのブランドにあったブランド戦略を考え抜き、地道な努力を続けているからこそ、競合に勝ち続けることができるのです。1年先も読めない経済の中、その予測をするのは容易ではありません。しかし、どんな状況下においても生き残るためには、他社にはない独自の戦略を立案し、着実に実績を重ねていくことのできる企業だけなのです。

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