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シンボルデザインとロゴデザインの種類と名称について

[ ブランディングデザイン ]

シンボルデザインとロゴデザインの種類と名称について

シンボルデザインとロゴデザインは、企業やブランドのアイデンティティを視覚的に表現する上で最も重要な要素です。これらのデザインは、消費者にブランドの印象を強く伝え、他社との差別化を図るために欠かせません。シンボルデザインとロゴデザインにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる役割や目的を持っています。例えば、文字を中心にしたワードマークや、図形を重視したシンボルマーク、文字とシンボルを組み合わせたコンビネーションマークなどがあります。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、これらシンボルデザインとロゴデザインの種類と名称について詳しく解説していきます。


■ シンボルデザインとロゴデザインの種類と名称

シンボルデザインとロゴデザインには、それぞれブランドの個性や認知度を高める役割があります。シンボルデザインはアイコンやエンブレムなどの形で、ブランドの特徴やメッセージを簡潔に象徴し、視覚的なインパクトを与えます。NIKEの「スウッシュ」やAPPLEの「リンゴ」マークのように、抽象的で覚えやすいシンボルが、瞬時にブランドを認識させ、文化や言語の違いを超えて伝わります。一方、ロゴデザインは、ブランド名そのものを表すワードマークや頭文字を用いたレターマークが一般的です。例えば、コカ・コーラのワードマークは独自のフォントと色でブランドの個性を表現し、HPやLVなどのレターマークは簡潔にブランド名を想起させます。シンボルデザインとロゴデザインは、視覚的な一貫性を保ちつつ、消費者の記憶に残るアイデンティティを確立する役割を担っています。

シンボルデザイン

1. シンボルデザイン

シンボルデザインとは、企業やブランドを象徴する図形やアイコンを中心にデザインされたロゴの一種です。文字を使わず、視覚的なシンボルのみで構成されるため、一目でブランドの特徴や価値を伝える役割を果たします。例えば、AppleのリンゴマークやNikeのスウッシュは、シンプルながらも強力なブランドイメージを築いています。シンボルデザインの魅力は、言語に依存せず、グローバルに認知されやすい点にあります。また、図形自体が感情やメッセージを表現するため、消費者に強い印象を残しやすく、記憶にも残りやすいのが特徴です。

印象に残りやすくインパクトがある

シンボルデザインは、簡潔でわかりやすい形状が特徴で、一目で認識されやすく印象に残る点が強みです。シンボルの抽象的かつ視覚的なインパクトは、文字を使わずともブランドの個性を表現し、短時間でブランドの特徴や価値を消費者に伝えることができます。Appleのリンゴマークやナイキのスウッシュマークのように、シンボルデザインが消費者の記憶に強く残り、ブランドへの親近感を促進します。

信頼性と安心が高まる

シンボルデザインは、長期間にわたり一貫して使用されることで、消費者の間に信頼感と安心感を生み出します。統一されたシンボルは、ブランドが安定して成長している印象を与え、企業が信頼できる存在であると認識させる効果もあります。長く認識されるシンボルは、消費者にとって安心感をもたらし、リピート率や顧客の忠誠心を高める一助となります。

[ 引用 ] AT&T公式サイトより
[ 引用 ] スターバックス公式サイトより
[ 引用 ] Apple公式サイトより
[ 引用 ] ロレックス公式サイトより

ワードマーク

2. ワードマーク

ワードマークとは、企業名やブランド名そのものを独自の書体やデザインで表現したロゴタイプの一種です。文字のみを使用して、視覚的にブランドの個性やメッセージを伝えるのが特徴で、名前自体がブランドのアイコンとなります。代表的な例として、GoogleやCoca-Cola、Disneyなどがあります。ワードマークの強みは、ブランド名を強調しながら、そのデザインによって視覚的にも印象に残りやすい点にあります。書体の選定や配置、色彩などのデザイン要素を工夫することで、ブランドの特長やメッセージ性を反映させ、消費者に一貫したイメージを与えることができます。ワードマークは、名前そのものにブランド認知度を集中させたい場合に適したロゴデザインです。

サイズや環境における視認性が高い

ワードマークはブランド名をシンプルに文字で表現するため、様々なサイズや環境に適応しやすく、視認性が高いのが特徴です。ロゴが小さなアイコンに使われる場合でもブランド名を直接読み取れるため、情報が伝わりやすく、ブランド認識を維持できます。また、印刷物やデジタルスクリーンなど、多様なメディアにおいても一貫性が保たれ、視覚的な影響を最大限に発揮できます。

名前を覚えてもらえる

ワードマークはブランド名そのものをデザインに取り入れているため、消費者に名前を直接覚えてもらいやすい利点があります。文字がブランドの一部としてデザインに溶け込み、視覚的な記憶と共に名前を認識させる効果が生まれます。視覚的インパクトにより、消費者はロゴを通してブランド名を直感的に覚えることができ、ブランドの知名度向上につながります。

[ 引用 ] ソニー株式会社公式サイトより
[ 引用 ] ZARA公式サイトより
[ 引用 ] Google企業公式サイトより
[ 引用 ] ORACLE公式サイトより

アクセントロゴ

3. アクセントロゴ

アクセントロゴとは、企業やブランド名に加えてシンボルや図形を組み合わせることで、ブランドの個性やメッセージを強調したロゴデザインの一種です。ブランド名や文字だけでは表現しきれないイメージや特徴を、シンプルなシンボルや装飾を加えることで視覚的に補完します。アクセントロゴの強みは、ブランド名を中心に据えながらも、追加のデザイン要素でより強い印象を与える点にあります。例えば、文字の一部に図形やアイコンを取り入れることで、親しみやすさや遊び心、クリエイティブさを強調することができます。アクセントロゴは、シンプルなワードマークに個性をプラスし、視覚的に一層のインパクトを与えるデザインとして、幅広い業界で採用されています。

シンプルながら個性を表現できる

アクセントロゴはシンプルなデザインでありながら、ブランドの個性やメッセージを巧みに伝える力を持っています。例えば、独特なフォントや小さなグラフィックを加えることで、ブランドの独自性を際立たせ、見る人に強い印象を残します。シンプルでありつつも視覚的に魅力的なアクセントが、ブランドの特徴をわかりやすく表現し、消費者にブランドの個性を感じさせます。

様々な媒体に適応でき汎用性が高い

アクセントロゴは、シンプルで明確なデザインにより、印刷物からデジタルメディアまで幅広い媒体に対応できる汎用性が特徴です。色や大きさを変えてもロゴの印象が大きく変わらず、広告、ウェブサイト、SNSなど様々な環境で一貫したブランドイメージを維持します。視認性と柔軟性が高いため、ブランド認知を促進するうえで大きな役割を果たします。

[ 引用 ] Amazon公式サイトより
[ 引用 ] Google公式サイトより
[ 引用 ] city公式サイトより
[ 引用 ] FEDEX公式サイトより

シンボルとロゴタイプ

4. シンボル+ロゴタイプ

シンボル+ロゴタイプとは、シンボルマーク(象徴的な図形)とロゴタイプ(ブランド名や企業名をデザインした文字)を組み合わせたロゴデザインのことです。この組み合わせは、視覚的にブランドのイメージを強く伝えるだけでなく、名前の認知度も高める効果があります。シンボルはブランドのメッセージや価値を象徴し、ロゴタイプはその名前を明確に表現します。たとえば、Adidasの三本線のシンボルとロゴタイプの組み合わせや、ペプシの円形シンボルとロゴタイプのように、どちらも一緒に使用することで、消費者に一貫性のあるブランドイメージを伝えることができます。シンボル+ロゴタイプのロゴは、シンボルのアイコニックさとロゴタイプの明瞭さを併せ持ち、強力なブランディングツールとして機能します。

視覚的にインパクトが強い

シンボルとロゴタイプの組み合わせは、視覚的なインパクトを強化し、消費者にブランドを直感的に認識させます。シンボルが記憶に残りやすい形状を持つことで、ブランドの特性を簡潔に伝え、ロゴタイプがブランド名を明示することで情報を補完します。この組み合わせにより、ブランドの個性とメッセージを短時間で消費者に印象づけられるため、記憶に残りやすくなります。

ブランドのアイデンティティを強化できる

シンボルとロゴタイプの組み合わせは、ブランドの一貫したイメージを伝えやすく、消費者の中でのブランドアイデンティティを確立する効果があります。シンボルがブランドの特徴や価値を視覚的に表現し、ロゴタイプがそのブランド名を補完することで、認識度が高まります。この組み合わせにより、消費者にブランドのイメージやメッセージが一貫して浸透し、長期的なブランドロイヤルティを構築します。

[ 引用 ] ペプシ公式サイトより
[ 引用 ] Microsoft公式サイトより
[ 引用 ] MercedesBenz公式サイトより
[ 引用 ] Audi公式サイトより

■ シンボルデザインやロゴデザインには想いが込められている

シンボルデザインとロゴデザインには、企業やブランドの想いやストーリーが込められています。そのため、一見すると単なるデザインに見えるものでも、深い意味が隠されている場合があります。ここでは、代表的な企業やブランドのシンボルデザインとロゴデザインに込められた想いを紹介します。

[ Coca Cola|ロゴデザイン ]

Coca Colaロゴデザイン

「楽しさ」「クリスマス」といったイメージが込められています。
赤と白の配色は、クリスマスをイメージしたもので、シンプルかつ親しみやすいデザインが特徴です。

[ Amazonロゴデザイン ]

Amazonロゴデザイン

AからZまでのすべての商品を揃えることを表して、矢印がAからZに向かって描かれています。このデザインには、「何でも揃う」というAmazonのコンセプトが込められています。

[ FedExロゴデザイン ]

FedExロゴデザイン

FedExのロゴには、Eとxの間に微妙に隠れた矢印が描かれています。
この矢印は、FedExが輸送や配送の分野で前進していることを表現しています。

[ Appleシンボルデザイン ]

Appleシンボルデザイン

Appleのロゴには、創業者のスティーブ・ジョブズが、人間の脳が認識しやすいデザインを求めて、林檎の形を採用したと言われています。また、1998年にデザインが変更された際には、Appleが「人生を変える革新性」を目指すという思いが込められています。

[ Airbnbシンボルデザイン ]

Airbnbシンボルデザイン

Airbnbのロゴには、頭文字の「A」の中に、人が立っているように見える意匠が描かれています。この意匠は、人々がAirbnbを通じて新しい場所を探索し、体験することを象徴しています。

このように、企業やブランドのシンボルデザインとロゴデザインには、単にデザインだけでなく、その背景にあるストーリーや想いが大きな役割を果たしています。消費者にとっても、商品やサービスを選ぶ際には、その企業やブランドの価値観や理念が重要なファクターとなっているため、シンボルデザインとロゴデザインは非常に重要な意味を持つものと言えます。

■ まとめ

シンボルデザインとロゴデザインには、シンボルマーク、ワードマーク、エレメントマーク、コンビネーションマークという種類があることがわかりました。それぞれに特徴があり、ブランドのイメージや価値観を表現するデザインがされています。シンボルマークはシンプルで覚えやすいアイコンや図形でブランドを表現するデザインであり、ロゴタイプと組み合わせて使用されることもあります。一方、ワードマークはブランド名をデザイン化したもので、エレメントマークはイメージや概念を表現するものです。

また、アクセントロゴデザインはシンボルマークとロゴタイプが組み合わせられたデザインであり、シンボルマークがブランドイメージを表現し、ロゴタイプがブランド名を表現することで、強いアピール力を持ったデザインとなっています。最後に、シンボルデザインとロゴデザインにはブランドの想いやストーリーが込められていることが多く、そのデザインには深い意味が込められている場合があります。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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