[ ブランド戦略 ] Apr 15, 2023

ブランドブックの開発プロセスと活用方法

ブランドブックの開発プロセスは、まずブランドの目的・ビジョン・ミッションを明確化し、その後、ブランドイメージを反映し一貫性を持つ冊子を作成します。ブランドブックは、ブランドの統一性を保つための重要なドキュメントであり、社内外で活用されます。この記事では、ブランドブックの開発プロセスと活用方法、開発にあたっての注意点を解説します。

■ ブランドブックとは

画像引用：Creative Soupより

[ ブランドブックの定義と役割 ]

ブランドブックとは、企業やブランドが持つ価値観やブランドイメージ、マーケティング戦略、ビジュアルデザインなどを総合的にまとめたものです。ブランドブックには、ブランドが持つ独自性や強み、そのブランドを象徴するシンボルやロゴマーク、コミュニケーションに必要なメッセージなどが記載されています。ブランドブックは、ブランドの統一性を保つための指針であり、社内外の関係者がブランドを理解し、共有することを目的としています。また、ブランドブックは、ブランドのアイデンティティを明確にすることで、市場での競合力を高めることができます。

■ ブランドブックの開発プロセス

ブランドブックの開発プロセスには、ブランドの戦略的位置づけの確立、ブランドブックの構成要素の決定、ブランドブックのデザインと作成の3つの主要なステップがあります。最初に、ブランドの戦略的位置づけを確立することで、ブランドの理念やビジョン、ミッション、価値観を明確化し、そのブランドがどのような存在であるかを明確にします。次に、ブランドブックの構成要素を決定することで、ブランドのアイデンティティやブランドストーリー、ターゲットオーディエンスなど、ブランドに関する情報を整理し、ブランドイメージを統一します。最後に、ブランドブックのデザインと作成を行うことで、ブランドブックを完成させます。このステップでは、ブランドブックのデザインやレイアウト、言語や表現など、ブランドブックの表現方法を決定し、ブランドのアイデンティティをより明確に表現します。以上が、ブランドブックの開発プロセスの概要です。

1. ブランドの戦略的位置付けの確立

ブランドのビジョンやミッション、バリューなどを明確にし、
競合ブランドとの差別化ポイントや強みを見出します。
その上で、ブランドの戦略的位置付けを決定します。

2. ブランドブックの構成要素の決定

ブランドブックには、ブランドのストーリー、
ビジョンやミッション、ブランドアイデンティティ、
コミュニケーションのためのガイドライン、
デザインなど様々な要素が含まれます。
これらをブランドブックの枠組みとして決定します。

3. ブランドブックのデザインと制作

ブランドブックの見た目や内容を決定しデザイン制作を行います。
デザインには、ロゴマーク、ブランドカラー、フォント、
イラストや写真などが含まれます。

以上が、ブランドブックの開発プロセスの一般的な流れです。ただし、企業やブランドによっては、異なるプロセスで開発されることもあります。

■ ブランドブックの活用方法

ブランドブックは、企業やブランドのイメージを一貫性のあるものに保つために必要です。ブランドブックを活用することで、社内外のステークホルダーに向けたブランディングに関する情報を共有することができます。まず、社内外の関係者に向けて、ブランドブックを共有し、共通の理解を確立することが重要です。また、ブランドブックをコミュニケーションツールとして活用することで、ブランドイメージに対する理解度を高めることができます。さらに、新しいプロジェクトや商品開発の際には、ブランドブックをガイドラインとして活用することで、ブランドイメージを一貫して保つことができます。重要なポイントは、ブランドブックを継続的に改善・更新することです。市場環境や企業の戦略などの変化に対応して、ブランドブックを定期的に見直し、改善することで、企業やブランドの長期的な成長に貢献することができます。

⚫︎ 社内外におけるブランドブックの共有

ブランドブックを作成したら、社内外で共有することが必要です。社内であれば、社員や関係部署に向けて、ブランドブックの存在や内容を周知し、共有することが大切です。ブランドブックがどのような内容を含んでいるかを理解し、それに基づいて業務を遂行することで、ブランドイメージを統一し、ブランドの価値を高めることができます。また、社外においてもブランドブックの共有は重要です。ブランドブックを用いて、パートナーやサプライヤーなどの外部関係者にブランドイメージを伝えることができます。このように、ブランドブックは企業と関係を持つすべての人々にとって、ブランドの価値を共有する重要なコミュニケーションツールとなります。

⚫︎ ブランドブックの継続的な改善と更新

ブランドブックは、企業の成長とともに変化することがあります。新しい製品やサービスの開発や、マーケットの変化などがあった場合には、ブランドブックの改訂が必要になります。また、ブランドブックはあくまでガイドラインであり、その内容に縛られることはありません。ブランドブックを改善することで、より効果的なブランド活動が行えるようになります。定期的なブランドブックの見直しを行うことで、ブランドの成長や変化に適応し、常に最適なブランド戦略を実行することができます。

■ ブランドブック開発の注意点

ブランドブックの開発にあたって注意すべき点はいくつかあります。まず、ブランドブックは継続的に改善・更新することが重要です。ブランドの戦略やビジネス環境が変化するたびに、ブランドブックを更新することでブランドの一貫性を保ち、ブランドイメージの損失を防止することができます。また、ブランドブックの作成には時間と手間がかかることが多いため、プロジェクトマネージャーやコンサルタントと密に連携することが必要です。さらに、ブランドブックはできるだけ簡潔明瞭なものにする必要があります。

⚫︎ ブランドブックの更新頻度について

ブランドブックは、ブランドの戦略やアイデンティティーに大きな影響を与えるものであるため、定期的に見直す必要があります。ブランド戦略やブランドイメージが変わった場合は、ブランドブックの改訂を行い、全社員に共有することが重要です。また、商品ラインナップやロゴマークなどの変更があった場合も、速やかにブランドブックを更新するようにしましょう。

⚫︎ ブランドブックの改訂手順について

ブランドブックの改訂には、複数のステップが必要です。まずは、ブランドブックの改訂を行う目的を明確にし、改訂内容を検討します。その後、改訂案を社内で共有し、フィードバックを集めます。最終的には、改訂案を取締役会などの組織内の上層部で承認し、改訂内容をブランドブックに反映させます。

⚫︎ ブランドブックの共有について

ブランドブックは、社内だけでなく外部パートナーとのコミュニケーションにも活用することができます。例えば、広告代理店やクリエイティブエージェンシーと協力する際には、ブランドブックを提供し、ブランドの理解を深めてもらうことができます。また、提携先との契約書にも、ブランドブックの遵守を義務付けることで、ブランドアイデンティティーの一貫性を保つことができます。

■ まとめ

ブランドブックは、ブランドの方向性やメッセージを明確化することで、一貫性のあるブランドイメージを構築するための重要なツールです。ブランドブックを作成する際には、ブランドの戦略的位置付けの確立、ブランドブックの構成要素の決定、ブランドブックのデザインと作成を行い、さらにブランドブックを効果的に共有することが重要です。定期的な更新プランを策定することで、ブランドブックを継続的に改善し、ブランドイメージを向上させることができます。

また、ブランドブックは単なる指示書ではなく、ブランドの価値観やビジョンを明確に表現し、共有するための重要なコミュニケーションツールでもあります。社員やパートナー、お客様など関係者全員がブランドブックを通じてブランドの本質を理解し、一貫性のあるコミュニケーションを図ることができます。