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リブランディングで競合に差をつける成功のための実践ステップ

[ ブランド戦略 ]

リブランディングで競合に差をつける|成功のための実践ステップ

リブランディングは、企業や製品、サービスが市場での競争力を保ち、成長を持続させるための戦略です。市場環境や消費者ニーズが変化する中、ブランドが古びた印象を与えたり、メッセージが時代に合わなくなったりすると、リブランディングが必要になります。また、新たなターゲットや市場の開拓や、企業のビジョン・ミッションの転換に合わせてブランドを刷新することも重要です。適切なタイミングでリブランディングを行うことで、ブランドの価値を再定義し、顧客の信頼を取り戻すことができます。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者がリブランディングが必要になる理由やそのタイミング、そして成功させるための具体的な手順について詳しく解説します。


■ リブランディングが必要な3つの背景

リブランディングが必要な3つの背景

市場環境や消費者ニーズが急速に変化する中、従来のブランド戦略では競争力を維持できなくなっています。デジタル化やサステナビリティ意識の高まりにより購買行動が多様化し、SNSや口コミがブランド評価へ大きく影響します。さらに競合が増加する今、リブランディングはブランド価値を再構築し、競争優位を確立するための重要な手段です。

【 市場や消費者ニーズの変化 】

デジタル化による購買行動の変化
サステナビリティ・多様性といった新しい価値観の台頭
口コミやSNSがブランド評価に与える影響の拡大

現代はデジタル化の進展により、消費者の購買行動が劇的に変化しています。オンラインショッピングやSNSの普及により、消費者はブランドを比較・評価するスピードが格段に速くなりました。また、サステナビリティや多様性といった価値観が重視されるようになり、従来のブランド戦略では共感を得られないケースも増えています。さらに、口コミやSNSでの評価がブランドイメージを大きく左右する時代では、一貫したブランドメッセージと顧客体験の提供が不可欠です。これらの変化に対応できない企業は、競争力を失うリスクが高まります。リブランディングは、市場変化と消費者ニーズに適応するための有効な手段です。

【 競合環境の激化 】

類似商品・サービスの乱立
比較サイトやSNSで一瞬で競合と比較される時代
機能や価格だけでは差別化できない現実

近年、市場では類似した商品やサービスが次々と登場し、競合環境はますます激化しています。比較サイトやSNSの普及により、消費者は一瞬で複数ブランドを比較できるようになり、「機能」や「価格」だけでの差別化はほぼ不可能な時代となりました。その結果、価格競争に巻き込まれ、ブランド価値が低下するリスクが高まっています。こうした状況では、「何を売るか」よりも「なぜそのブランドなのか」を明確にする戦略が重要です。リブランディングによって、独自の価値提案(USP)を再定義し、機能や価格以外での差別化を図ることが競争優位性の確立につながります。競合分析を踏まえたブランド戦略が、選ばれるブランドへの第一歩です。

【 社内外でのブランド認識のズレ 】

社内メンバーごとにブランド定義がバラバラ
顧客が抱くイメージと、会社が打ち出したい価値が不一致
ブランドの一貫性が欠如し、顧客体験が分断される

ブランド戦略が適切に機能していない企業でよく見られるのが、社内外でのブランド認識のズレです。社内メンバーごとにブランド定義がバラバラだと、発信するメッセージに一貫性がなくなり、顧客体験が分断されてしまいます。さらに、顧客が抱くブランドイメージと、企業が打ち出したい価値が一致していない場合、信頼性が低下し、ブランド価値の毀損につながります。こうした状態を放置すると、競合との差別化が難しくなり、顧客ロイヤルティも低下します。リブランディングでは、ブランドコンセプトを再定義し、社内外で共有できるブランドガイドラインを整備することが重要です。ブランドの一貫性を保つことで、顧客に選ばれる強いブランドを再構築できます。

■ リブランディングにおける5つの課題

リブランディングにおける5つの課題

リブランディングでは、目的が不明確なままデザイン刷新だけを行うケースが多く見られます。ブランド戦略を再定義せずに進めると、顧客体験に一貫性がなくなり、ブランド価値を損なう危険性があります。また、社内でブランド認識を共有できていないと、発信するメッセージにズレが生じ、リブランディング効果が十分に発揮されません。

1. 市場変化に追いつけていない

デジタル化や価値観の多様化により、消費者ニーズは急速に変化しています。最新の市場調査や顧客インサイト分析を行っていないと、ブランド戦略が現状と乖離し、競合に遅れを取るリスクが高まります。変化に合わせたリブランディングで、顧客に選ばれるブランドへ進化することが必要です。

2. ブランドイメージが古い

ロゴ・Webサイト・パッケージなどが時代遅れになると、ブランドへの信頼性は低下します。特に若年層へのアプローチでは、デザインや世界観の古さが離脱要因になりかねません。リブランディングでは、最新トレンドや顧客価値観を踏まえたブランド再構築が重要です。

▶︎ 詳細記事:ブランドイメージを高めるデザインとは?

3. 競合との差別化が難しい

商品やサービスが乱立する中、機能や価格だけでの差別化は限界があります。「御社ならではの価値は?」と聞かれて即答できない場合は要注意。リブランディングを通じて、独自の価値提案(USP)を再定義し、競争優位を築くブランド戦略へと刷新することが求められます。

4. 顧客接点のズレ

SNS、広告、Webサイトなど複数の接点で発信するブランドメッセージが統一されていないと、顧客体験は分断され、ブランド価値は低下します。リブランディングでは、ブランドコンセプトを再定義し、すべての顧客接点で一貫したコミュニケーションを実現することが重要です。

5. 新たなターゲットに響かない

世代・価値観・ライフスタイルの多様化が進む中、従来のブランド戦略では新たな顧客層を取り込めないことがあります。リブランディングにより、ターゲット像を再設定し、商品・デザイン・コミュニケーションを最適化することで、新規顧客獲得と市場拡大を実現できます。

リブランディング成功への実践ステップ

リブランディング成功への実践ステップ

リブランディングを成功させるには、まず現状分析で課題を明確にし、目指すブランド像とKPIを設定します。次にブランドコンセプトを再定義し、ロゴやコピー、Webサイトなどを一貫性あるメッセージで最適化します。さらに社内外への浸透施策を行い、顧客体験の統一を図ります。定期的な効果測定と改善を重ねることが、ブランド価値向上のポイントです。

1. ブランドの調査・分析の実施

リブランディングを行う前に、自社の強みや弱み、顧客のニーズや競合などを分析し把握する必要があります。この分析・調査には、市場調査や顧客インタビュー、アンケート調査などが用いられます。このような調査を通じて、現状の問題点を明確にし、リブランディングの目的を明確にすることができます。

競合分析:市場での競合ブランドのポジショニング、メッセージ、デザインのトレンドを確認する。
顧客分析:既存顧客のブランド認知・イメージ・期待値を定性・定量の両面から把握する。

▶︎ 詳細記事:ブランディングにリサーチと分析が重要な理由とは?

2. ブランドストーリーの策定

ブランドストーリーは、企業や製品、サービスなどについてのストーリーであり、ブランドの方向性を示すものです。ブランドストーリーは、企業の理念やビジョン、ミッションなどを反映するものであり、リブランディングの成功には欠かせない要素の一つです。

ビジョン:ブランドが目指す未来像
ミッション:ブランドの社会的役割・使命
独自の価値提案:競合と明確に異なる提供価値

▶︎ 詳細記事:売れるブランドに共通する“ブランドストーリー”の作り方

3. ブランディングデザインの開発

ブランディングデザインは、ブランドの視覚的な表現です。ロゴやカラー、フォントなどのデザインを行い、ブランドのイメージを決定します。ブランディングデザインは、ブランドの認知度や信頼度を高めるためにも重要な役割を果たします。

ロゴ:ブランドの象徴として機能するデザインを再設計
カラー:ブランドの価値観やポジショニングを視覚的に伝える色設計
トーン&マナー:広告・Webサイト・パッケージ・社内資料など、すべての表現で一貫性を持たせる

▶︎ 詳細記事:ブランディングデザインとは何か?

4. コミュニケーション戦略の策定

ブランドのイメージを顧客に伝えるためには、適切なコミュニケーション戦略が必要です。具体的には、広告やプロモーション、SNSやブログなどのデジタルマーケティングなどがあります。コミュニケーション戦略を立てる際には、ターゲット層に合わせたメッセージングや媒体の選定が必要です。

社内浸透:ブランドブックの作成、ブランド教育、社内イベント
外部コミュニケーション:広告、SNS、PR、オウンドメディアなど

■ リブランディングの効果

リブランディングの効果

ブランド価値の向上 】

リブランディングによってブランドコンセプトを再定義することで、企業の存在意義や独自性を明確にできます。顧客に選ばれる理由が強化され、ブランド価値の向上につながります。さらに、一貫したメッセージを発信することで、信頼性が高まり、長期的な顧客ロイヤルティも向上。市場の変化に適応し続けることで、ブランドとしてのポジションを確立できます。

▶︎ 詳細記事:ブランド価値とは?高める方法と活用方法

競争優位の確立 】

競合商品やサービスが乱立する中、機能や価格だけで差別化を図るのは限界があります。リブランディングでは独自の価値提案(USP)を明確にし、ブランドならではの強みを打ち出すことで、他社との差別化を実現。顧客がブランドを選ぶ理由を強化し、競争優位を確立できます。結果的に、価格競争に巻き込まれない強いブランド戦略を構築できます。

顧客体験の改善 】

リブランディングは、顧客接点全体での体験価値を高める大きなチャンスです。SNS、Webサイト、広告、店舗などすべてのチャネルで一貫したメッセージを設計することで、顧客はブランドの世界観をより深く理解できます。統一された顧客体験はブランドへの信頼感を高め、満足度とリピート率を向上。結果的に、ファンを増やしブランド価値を強化することができます。

▶︎ 詳細記事:ブランドエクスペリエンスの重要性と成功事例

新規顧客獲得 】

市場環境やターゲット層の変化に合わせてブランドを再構築することで、新たな顧客層へのアプローチが可能になります。リブランディングでは、メッセージ・デザイン・コンテンツを最適化し、これまで接点を持てなかった層にも強く訴求できます。SNSやWebを活用した新規顧客獲得施策と連動させることで、潜在顧客への認知度向上とブランド拡大を同時に実現します。

社内意識の統一 】

リブランディングでは、ブランドガイドラインの整備や価値観の共有を通じて、社員全員がブランドの方向性を理解できるようになります。社内で認識を統一することで、一貫性のあるメッセージを顧客に届けられ、ブランド体現力が高まります。さらに、社員のモチベーション向上にもつながり、ブランド戦略の実行力を強化。結果的に、組織全体でブランド価値を高める体制を構築できます。

▶︎ 詳細記事:インナーブランディングとは?その目的と進め方と成功事例

■ リブランディングのタイミングとは

リブランディングのタイミングとは

リブランディングは思いつきで行うものではありません。企業の成長ステージや外部環境の変化に応じて、適切なタイミングで実行することが重要です。タイミングを誤ると「早すぎて効果が出ない」あるいは「遅すぎて手遅れになる」といったリスクもあります。ここでは、多くの企業がリブランディングを成功させている典型的なタイミングとその理由をご紹介します。ぜひ、自社の現状と照らし合わせてみてください。

事業拡大期 】

事業が拡大し、新たな市場や顧客層に進出するタイミングは、リブランディングの絶好の機会です。既存のブランドイメージが新市場にそぐわない場合、ブランドが成長の足かせになることがあります。事業規模や提供価値が進化する中で、ブランドのメッセージやビジュアル、トーンも一貫性と柔軟性を持って刷新する必要があります。新たな顧客層に対しても自社の独自性と魅力をしっかり届けるために、ブランドの再構築が求められます。

[ 理由 ]
既存のブランドイメージが新市場に合っていない場合、ブランドが障害になり得ます。
ブランドの枠組みが成長スピードについてこれず、ブランド体験が一貫性を欠くリスクが高まります。
スケールに合わせてブランドアセットを再設計することで、社内外の共通認識を築きやすくなります。

[ 典型例 ]
地域密着型だった企業が全国展開・海外進出するタイミング
新たな製品ラインを追加し多角化を進めるタイミング

組織再編・経営陣交代 】

組織再編や経営陣の交代は、企業のビジョンや方向性が大きく変わる局面であり、リブランディングが必要になることが多い場面です。新たな経営方針や価値観をブランドに反映させ、社内外へ明確に発信することが求められます。従来のブランドイメージのままでは、社員や顧客との間にギャップが生じ、エンゲージメント低下や混乱を招く恐れがあります。ブランドの再構築は、組織全体の一体感と新たな方向性の共有に不可欠なプロセスです。

[ 理由 ]
新しいビジョンや価値観をブランドに反映させ、社内外へ明確に発信する必要がある。
組織の変化にブランドが対応していないと、社員のエンゲージメントやブランド整合性が低下する

[ 典型例 ]
M&A後の統合ブランド策定
ファウンダー交代・新経営体制への移行時

新市場展開 】

新たな市場(国・地域・セグメント)へ進出する際は、その市場特有の価値観や文化に合わせたブランド戦略が不可欠です。既存市場で成功したブランドが新市場でそのまま通用するとは限りません。言語や文化的背景、消費者の価値観に配慮し、ブランドの核を保ちながらも柔軟にローカライズする必要があります。適切なリブランディングを行うことで、新たな市場での受容性を高め、ブランドとしての一貫性と新鮮さの両立を図ることができます。

[ 理由 ]
既存市場で成功したブランドが新市場では通用しないことは珍しくありません。
文化的背景、言語、競争環境、消費者期待に対応した柔軟性のあるブランドが求められます。

[ 典型例 ]
国内成功ブランドがアジア・欧米市場に進出する場合
BtoB企業がコンシューマー市場へ拡張する場合

売上低迷・ブランド価値毀損の兆候が見えた時 】

売上の低迷やブランド調査でネガティブなフィードバックが増えてきた時は、ブランドの再評価が必要です。市場や顧客との間にズレが生じている可能性が高く、現状を放置するとブランドの信頼性や価値がさらに低下してしまいます。単なるプロモーション強化だけでは根本的な解決にはなりません。ブランドのポジショニングやメッセージ、ビジュアルの一貫性を見直し、時代や顧客ニーズに合った形へ進化させることが求められます。

[ 理由 ]
市場との「ズレ」が蓄積され、ブランドが消費者との接点を失っている可能性が高い。
ネガティブなブランドイメージは放置すると回復が極めて困難になる。

[ 典型例 ]
認知は高いが好意度・購入意向が低下している場合
SNS等でネガティブな言及が増加している場合

社会環境・価値観の大きな変化 】

社会全体の価値観や規範が大きく変化する局面でも、リブランディングは重要な選択肢になります。SDGs、サステナビリティ、ダイバーシティなどのテーマが注目される中で、過去のブランドメッセージや表現が時代にそぐわなくなることもあります。企業としての姿勢や社会的責任がブランド評価に直結する今、ブランドの在り方を再定義し、新しい価値観に基づいた発信へと切り替えることが、信頼の維持と共感獲得につながります。

[ 理由 ]
サステナビリティ、ダイバーシティといった価値観が重視される。
企業の社会的役割や存在意義を再定義し、発信していく必要がある。

[ 典型例 ]
SDGs対応をブランドの中核に据える場合
時代遅れなジェンダー表現・広告手法を刷新する場合

■ リブランディングの成功事例

インスタグラムのリブランディング成功事例

Instagram|インスタグラム 】

Instagramは2016年に大規模なリブランディングを行い、アイコンやインターフェースのデザインを一新しました。それまでのレトロなカメラのアイコンから、シンプルでカラフルなデザインに変更し、よりモダンで視覚的に洗練されたイメージを打ち出しました。このリブランディングの背景には、プラットフォームの進化があります。Instagramは当初、写真共有アプリとしてスタートしましたが、成長とともに動画やストーリー機能など、より多様なコンテンツを扱うプラットフォームへと変化しました。新しいロゴやデザインは、こうした機能の多様化を反映させ、より広範なユーザー層にアピールすることに成功しています。リブランディングにより、Instagramは現代的で活気あるブランドイメージを確立し、世界的なSNSプラットフォームとしての地位をさらに強化しました。

[ リブランディングが成功した理由 ]

新しいアイデンティティで視覚的魅力を強化
Instagramのリブランディングでは、新しいロゴデザインとカラフルな背景を導入し、視覚的な魅力をさらに引き出しました。これにより、ユーザーの印象に残る一貫したビジュアルアイデンティティを確立し、アプリ全体の使いやすさと美的統一感を強化しています。

シンプルさとインターフェースの改善
リブランディング時にシンプルでフラットなデザインを採用することで、直感的に操作しやすいインターフェースを提供しました。このシンプルさが幅広いユーザー層に好評で、機能が複雑化してもユーザーが使いやすいデザインに貢献しています。

ブランドのモダンさを再定義
Instagramは新たなビジュアルで、モダンでシンプルなデザインを追求しました。このアプローチにより、デジタル世代にアピールし、若年層から支持を得ています。ブランドが時代に合わせて進化し続けていることを強調し、ユーザーに新鮮な印象を与えました。

アイコンとビジュアルの一貫性
アイコンとアプリ全体のデザインを統一することで、Instagramのビジュアルアイデンティティがさらに強化されました。特に、アプリ内でのアイコンやカラーの一貫性はユーザーに視覚的な安定感を提供し、ブランドの信頼性を高める役割を果たしています。

グローバルな魅力と認知の向上
リブランディング後、シンプルでわかりやすいデザインが国境を越えて受け入れられやすくなりました。このグローバル対応が、Instagramの認知度向上とユーザーの増加につながり、多国籍のユーザーに対応するための重要な要素となっています。

[ 画像出典 ] Meta公式サイトGingersauceより

スラックのリブランディング成功事例

Slack|スラック 】

Slackは、チームコミュニケーションツールとしての機能とユーザー体験を重視し、2019年にロゴを中心にリブランディングを行いました。それまでのマルチカラーのハッシュタグ型のロゴから、よりシンプルでモダンなデザインに変更され、柔軟性と視認性を高めました。このリブランディングの背景には、ブランドの成長と国際展開があり、複数の場面でロゴをより効果的に使用するため、シンプルで洗練されたデザインが求められたのです。結果として、Slackはビジュアル面での一貫性を強化し、テクノロジー企業としての信頼性と先進性を強調しました。このリブランディングは、ユーザーからも肯定的に受け入れられ、Slackの市場ポジションをより強固にすることに成功しました。

[ リブランディングが成功した理由 ]

ブランドのシンプルなデザイン統一
Slackはリブランディングでシンプルで柔軟なデザインを採用し、さまざまなメディアやサイズに対応しやすくしました。これにより、視覚的な一貫性が保たれ、ブランドの認知が強化されました。

アイコンデザインの再構築
旧ロゴの複雑なデザインを刷新し、よりモダンで認識しやすいアイコンに変更しました。新しいアイコンは、Slackの多様なツールと統一され、ユーザーに対して親しみやすさを向上させました。

カラーパレットの改善
多彩な組み合わせを使っていたデザインを見直し、よりシンプルなカラーパレットに統一しました。これにより、ブランドイメージの視覚的な一貫性が確保され、よりプロフェッショナルな印象が強まりました。

多用途に適したブランド要素の追加
さまざまなフォーマットで利用されるため、ロゴやシンボルが柔軟に適応できるよう設計。この柔軟性により、モバイルアプリやデスクトップアプリで一貫したブランド体験を提供しています。

ブランドメッセージの再定義
リブランディングでシンプルかつ現代的なメッセージを伝えることを目指し、ユーザーが直感的にブランドの価値を理解できるようにしました。これにより、ブランドの魅力が伝わり、ユーザーの愛着がさらに強まりました。

[ 画像出典 ] Slack公式サイトより

レゴのリブランディング成功事例

LEGO|レゴ

LEGOは1990年代に経営危機に直面しましたが、ブランドの再定義を通じて驚異的な復活を遂げました。リブランディングの一環として、LEGOは伝統的なブロック遊びのブランドから、デジタルエンターテインメントや映画、テーマパークなど、多様なエンターテインメントに進出しました。ブランドメッセージも「遊びを通じて学ぶ」という理念にフォーカスし、創造性や教育的価値を強調しました。LEGOは、映画「LEGOムービー」の成功を通じて、新たな世代にアピールし、幅広い年齢層の支持を集めています。このリブランディングにより、LEGOは単なるおもちゃメーカーから、グローバルなエンターテインメントブランドへと進化し、業績を劇的に改善しました。

[ リブランディングが成功した理由 ]

教育的価値と遊びの再強調
リブランディングでLEGOは「遊びながら学ぶ」価値を再定義しました。教育を軸にしたコンテンツが支持を集め、親や教育関係者の間でLEGOが学びのツールとして位置付けられています。

ターゲット拡大と多世代の支持
子どもだけでなく大人をターゲットに含め、クリエイティブなプロジェクトやデザインシリーズを提供。多世代に支持されることで、ブランドの多様な顧客層が形成されました。

デジタルコンテンツと連携
LEGOはゲームや動画配信などのデジタルコンテンツとの連携を進め、オンラインとオフラインの体験を融合。これによりブランド価値が強化され、デジタル世代にもアプローチしています。

多様なキャラクターとのコラボレーション
LEGOは「スター・ウォーズ」や「ハリー・ポッター」とのコラボレーションでファン層を拡大。ブランドのアイコンであるブロックの世界を広げ、幅広いユーザーに愛される要素を増やしました。

ブランドの持続可能性への取り組み
持続可能な素材の使用や環境に配慮した生産体制の導入により、ブランドの社会的責任が評価されています。この取り組みによって、LEGOはサステナブルなブランドとして支持を得ています。

[ 画像出典 ] Lego公式サイトより

マクドナルドのリブランディング成功事例

McDonald’s|マクドナルド 】

McDonald’sは、健康志向の高まりやファストフード業界の競争激化を受け、2000年代にリブランディングを実施しました。それまでの「ジャンクフード」のイメージから脱却し、メニューにサラダや低カロリー商品を加えることで、より健康的なブランドイメージを強調しました。また、店舗デザインも大幅に改装し、居心地の良いカフェ風のインテリアを採用するなど、ファストフード店のイメージを刷新しました。このリブランディングにより、McDonald’sは新しい顧客層を取り込み、既存顧客にも再びアピールすることに成功しました。ニーズに対応したメニューと体験のアップデートが、世界的に高評価を得ています。

[ リブランディングが成功した理由 ]

健康志向メニューの導入
消費者の健康意識の高まりに対応し、サラダや果物、低カロリーメニューなどを追加。これにより、ファストフードとしてのイメージを刷新し、健康志向の顧客層も取り込むことができました。

店舗デザインの刷新
新たなデザインコンセプトで店舗内装を改装し、居心地の良いカフェ風の空間を演出。ファミリー層や若年層だけでなく、多様な層にリラックスして過ごしてもらえるようになりました。

デジタル体験の強化
注文アプリやセルフオーダー端末を導入し、利便性を向上。デジタル体験を強化することで、効率的なサービスとともに、顧客の満足度を向上させることに成功しました。

地域特化型メニューの展開
各地域に合わせた限定メニューを提供することで、地元の食文化に合わせた柔軟な戦略を実施。これにより、地域特有のニーズに応え、ローカルな顧客基盤を強化しました。

持続可能性への取り組み
環境に配慮した包装材やリサイクル活動、食品ロス削減などの取り組みで企業の社会的責任を強化。環境問題に対する意識の高まりに対応し、持続可能なブランドとしての評価が向上しました。

[ 画像出典 ] RomanMcDonald’s Cyprusより

ナイキのリブランディング成功事例

Nike|ナイキ 】

Nikeは、数十年にわたりリブランディングを重ねており、その中でも特筆すべきは「Just Do It」というスローガンを中心に据えた1980年代後半のリブランディングです。当時、Nikeは競合するReebokに市場シェアを奪われつつありましたが、このシンプルかつ力強いメッセージによって、全世代のアスリートに向けた普遍的なブランドイメージを確立しました。その後も、持続可能性や社会的責任を強調したキャンペーンを展開し、単なるスポーツブランドではなく、社会的メッセージを発信するグローバルブランドとしての地位を固めました。Nikeはこのリブランディングで、スポーツウェアの域を超えたブランド体験を提供し続けています。

[ リブランディングが成功した理由 ]

強力なブランドメッセージ「Just Do It」
Nikeの「Just Do It」というスローガンは、挑戦や努力を促すメッセージとして世界中の消費者に広く認知されています。シンプルながら強いメッセージが多くの人々の心に響き、スポーツブランドとしてのイメージを確立しました。

社会問題への積極的な取り組み
人種差別や平等といった社会問題への支援を行うことで、消費者の共感と支持を獲得。カーネル・カーペニックを起用した広告キャンペーンは議論を呼び、ブランドのアイデンティティを強化しました。

デジタルプラットフォームの活用
Nikeは「Nike+」や「Nike Run Club」といったデジタルプラットフォームでユーザーと接点を持ち、個別の体験を提供。データに基づくパーソナライズ戦略が顧客のロイヤルティ向上に寄与しています。

持続可能な商品開発への取り組み
Nikeはリサイクル素材やエコフレンドリーな製品開発に力を入れ、環境意識の高い消費者層にアピールしています。これにより、持続可能なブランドとしての認識が広がり、支持層を拡大しました。

限定商品やコラボによる希少価値の提供
アーティストやスポーツ選手とのコラボレーションによる限定商品を展開し、希少性と新鮮さを常に提供。これにより、ファッション性も兼ね備えたスポーツブランドとしての地位を強固なものとしています。

[ 画像出典 ] Nike公式サイトSBNationより

■ 弊社のリブランディング実績

ランドピアのリブランディング

【 LANDPIA 】
LANDPIAは、不動産の有効利用を通じて活力ある経済社会の実現に貢献するブランドです。日本には、まだまだ未開拓の土地や、価値を見出されていない土地が多く残されています。それらを発見、有効活用することで、社会全体が潤う仕組みを作ることを掲げています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | LANDPIAより

リニューアブルジャパンのリブランディング

【 RENEWABLE JAPAN 】
すべての人を、エネルギーの主人公に。主人公という言葉には、同じ時代を生きる一人ひとりにエネルギーづくりの主体となって活躍していただける社会を実現したいというブランドの想いを込めています。そして、共にエネルギーについて考え行動し、社会の創生に寄与していく企業ブランドの姿勢を表しています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | RENEWABLE JAPANより

アイロムグループのリブランディング

【 I’ROM GROUP 】
希望と安⼼に満ちた健やかな未来を、すべての⼈へ。アイロムグループは「憂いなき未来のために。」のブランドプロミスのもと、人々の未来が希望と安心そして健康で満ちあふれたものとなるように先端医療事業、SMO事業、CRO事業、メディカルサポート事業の4つの事業でブランドを展開しています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | I’ROM GROUPより

日本モビリティサービスのリブランディング

【 NIHONN MOBILITY SERVICE 】
NIHONN OIL SERVICEからNIHONN MOBILITY SERVICEへの社名変更に伴うコーポレートアイディンティティ開発。新ブランドのコンセプトは、「新しい移動と技術の進化。モノを超えたサービスとしてのあり方。」モビリティには無限の可能性があることを表現しています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | NIHONN MOBILITY SERVICEより

FAQ-よくある質問

リブランディングに関するよくある質問

リブランディングを検討する際、多くの担当者が「何から始めればいいのか」「どのように進めればよいのか」「失敗を避けるにはどうすべきか」と悩みます。このFAQでは、リブランディングの進め方や成功のポイント、よくある失敗事例をわかりやすく解説します。

【 よくある質問① 】

Q :リブランディングが必要になる典型的なケースは何ですか?
A :主に以下の5つです:市場トレンドや価値観の変化へ追随、競合と差異化が困難、ブランドイメージの陳腐化、新規事業やターゲットへの展開、M&A・組織・経営ビジョンの変化へ対応するタイミングです。これらはリブランディングの明確なサインです。

【 よくある質問② 】

Q :リブランディングの進め方はどのようなステップですか?
A :以下のステップで戦略的に進行するのが理想です。

  1. 現状分析(ブランド認知、顧客インサイト、競合/市場環境を含む)
  2. ブランド戦略の再定義(ターゲット、ミッション、提供価値の再設計)
  3. ビジュアル・メッセージの刷新(ロゴやカラー、コピーを含む)
  4. 社内浸透策(研修や浸透用ツールなど)
  5. 市場への再ローンチ(広報、SNS、キャンペーン等)

【 よくある質問③ 】

Q :変更ポイントは「見た目」だけでいいんですか?
A :いいえ。リブランディングとは単なる表層刷新ではありません。「存在意義」を明確化し、その上で「How」「What」を戦略的に再設計する包括的なプロセスです。⎯例えばブランド資産の再定義やメッセージ体系の再構築なども含まれます。

【 よくある質問④ 】

Q :リブランディングを成功させるための注意点は?
・ 顧客との対話を欠かさない(インサイト重視)
・ ブランド資産を丁寧に継承すること
・ ステークホルダー(社員・顧客含む)とのコミュニケーションを密にすることの3点です。

【 よくある質問⑤ 】

Q :リブランディングを短期で成果を上げるための方法は?
A :リブランディングは短期的成果に焦点を置けば失敗の原因になります。信頼・認知・共感を時間をかけて積み上げる長期戦として取り組み、効果を中長期で評価するアプローチこそが成功の鍵です。

checklist-チェックリスト

リブランディングのためのチェックリスト

リブランディングを成功させるには、現状の課題を正確に把握することが重要です。このチェックリストでは、市場分析・ブランド戦略・顧客体験などの観点から、ブランド再構築に必要なポイントを効率的に確認できます。実践的な指針としてご活用ください。

【 ブランドイメージに関するチェック 】

□ 最後にブランドのロゴやビジュアルを見直したのは5年以上前である。
□ サイトや販促物のデザインが「古い」と社内外から言われたことがある。
□ ブランドのストーリーや理念が時代や顧客層とズレていると感じている。

【 ターゲットと市場の適合性に関するチェック 】

□ 創業当時と現在で主な顧客層が大きく変化している。
□ 顧客から「御社って何を一番得意としているの?」とよく聞かれる。
□ ブランドの伝えている価値が実際の顧客ニーズと合っていないと感じる。

【 競合との差別化に関するチェック 】

□ 自社と競合他社のWebサイトや広告の見た目・メッセージが似てきている。
□ 自社の強み・独自性を短く一言で説明できない。
□ 競合ブランドと比較されたときに「選ばれる理由」が曖昧になっている。

記事のまとめ

■ まとめ

現代では、ブランドは単なる識別マークではなく、「企業の価値観や社会への貢献」を体現する存在になっています。そのため、情報過多や購買行動の変化、多様化する価値観に対応できないブランドは、選ばれなくなりつつあります。特に以下の5つのケースでは、リブランディングが有効です。①市場環境の変化、②競合との差別化の喪失、③ブランドイメージの老朽化、④事業拡大や新商品展開、⑤M&Aなどによる組織やビジョンの転換。これらはブランドにとって危機であると同時に、再定義と進化のタイミングです。リブランディングを成功させるには、まず「現状分析」で課題を浮き彫りにし(調査/顧客インサイト)、続いて「ブランドストーリーの策定」「視覚表現の刷新」「社内浸透」「市場再ローンチ」といった手順を踏むことが必要です。戦略的かつ包括的にブランドを見直し、企業の成長と信頼を再構築していくための核となるプロセスといえます。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

株式会社チビコ

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