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リブランディング成功の6つのポイント失敗を防ぐ進め方

[ ブランド戦略 ]

リブランディング成功の6つのポイント|失敗を防ぐ進め方・成果評価・成功事例

リブランディングを成功させるには、デザインの完成度だけでなく、経営課題の定義、既存資産の評価、調査と未来像の接続、社内合意、各接点への展開、公開後の運用までを一つの流れとしてつなげることが重要です。CHIBICOでは、この6点を成功の基本条件と考えています。

実際のプロジェクトでは、ロゴ変更の相談から始まっても、本当の課題が事業の変化や理念とのズレ、社内認識のばらつき、顧客イメージとの認識ギャップにあることも少なくありません。

本記事では、株式会社チビコ代表取締役/ブランディングディレクターの今田佳司が、実務経験をもとに、成功の6つのポイント、失敗原因、進め方、国内外の事例まで詳しく解説します。


■ リブランディングとは、何を変える取り組みなのか?

リブランディングとは、何を変える取り組みなのか?

リブランディングとは、既存ブランドを捨てて新しく見せることではありません。事業や顧客、組織の変化に合わせて価値を見直し、企業像と社会からの見え方を一致させる取り組みです。

リニューアルとリブランディングでは何が違うのか?

WEBサイトやロゴ、パッケージなど、表現の改善が目的であれば、リニューアルで対応できる場合があります。一方で事業を正しく説明できない、将来像が伝わらない、競合との違いが曖昧といった課題では、ブランドの存在意義や価値、ポジショニングまで遡って考える必要があります。

➤ 関連記事:リブランディングが必要になるサインと判断基準

企業リブランディング研究でも、M&Aや事業戦略など企業構造の変化が主要な契機となることが報告されています。また、見た目の変更だけでなく、従業員を含むステークホルダー全体を視野に入れて進める必要性も指摘されています。( Muzellec & Lambkin, 2006)

■ リブランディングを成功させる6つのポイントは何か?

リブランディングを成功させる6つのポイント

リブランディングを成功させるには、デザインの完成度だけでなく、経営課題の定義、既存資産の評価、調査と未来像の接続、社内合意、各接点への展開、公開後の運用までを一つの流れとして設計することが重要です。CHIBICOでは、この6点を成功の基本条件と考えています。

リブランディング成功の6条件|失敗しやすい状態と確認ポイント

1. なぜ変えるのかを経営課題から定義する

最初に決めるべきなのはロゴではなく、なぜ今ブランドを変えるのかという目的です。事業拡大や採用、M&Aなど背景を整理し、経営・事業上の何を変えたいかを一文で明確に示します。

2. 変えるものと、残すものを明確にする

リブランディングでは、既存ブランドをすべて変える必要はありません。理念、社名、ロゴ、文化、信頼などを丁寧に見極めつつ、「残す」「変える」「加える」「なくす」に整理します。

➤ 詳細記事:CIの変更範囲とレベル

3. データで現在を捉え、ビジョンで未来を決める

顧客調査、社員ヒアリング、競合・市場分析で現在の認識を把握します。CHIBICOでは、現在の事業、社会からの認識、目指す企業像を比較し、戦略とデザインの判断軸を定めます。

4. 経営・事業・ブランド・デザインを一つにつなげる

ブランド戦略も、言葉やデザインへ反映されなければ伝わりません。CHIBICOでは、経営の意思を戦略、言葉、CI・VI、WEB、採用、広告へ展開し、企業活動までつなげます。

➤ 詳細記事:CIの意味・目的・開発手順
➤ 詳細記事:VIの作り方|7つの開発手順・構成要素・運用方法

5. 経営者と社員をプロジェクトに巻き込む

リブランディングを一部門だけに任せると、企業全体の活動につながりにくくなります。経営者の未来への意思と、社員が持つ顧客評価や現場課題等も取り込み、共有することが重要です。

➤ 詳細記事:インナーブランディングの目的と進め方

6. 公開後の浸透・運用・評価まで決める

リブランディングは公開して終わりではありません。社内外への浸透方法、運用ルール、担当体制、評価指標を事前に決め、公開後も継続的に改善できる仕組みまで整えることが重要です。

➤ 詳細記事:ブランドガイドラインの作り方
➤ 詳細記事:ロゴガイドラインの作り方と運用方法

リブランディング研究では、ブランドの連続性、社内の支持、ブランド要素の整合、浸透が重要とされます。Merrilees & Miller(2008)の6原則にも共通点がありますが、CHIBICOの成功6条件は実際のプロジェクト経験から独自に整理した判断基準です。

■ リブランディングは、いつ検討すべきか?

リブランディングを検討すべき5つのタイミング

リブランディングを検討すべきなのは、ブランドが古く見えるときではなく、現在の事業や将来像と、社内外から認識されている企業像にズレが生じたときです。事業拡大、M&A、事業承継、採用強化などの変化をきっかけに、ブランドが今と未来を正しく表しているか確認します。

1. 事業内容と企業イメージが合わなくなっている

事業領域が広がり、社名やメッセージ、WEBサイトだけでは事業を説明しにくい場合、ブランドと企業の実態がズレています。補足説明が常態化したら、見直しを検討すべきサインです。

2. 企業やサービスの違いを説明しにくくなっている

市場が成熟し、価格や機能以外で「なぜ自社が選ばれるのか」を説明しにくくなったときは、提供価値や独自性を整理し直す必要があります。表現だけでなく、ブランドの存在意義まで確認します。

3. 社内でブランドの理解がバラついている

経営、営業、採用、広報などで自社の説明が異なる場合は、ブランドの共通認識が弱くなっています。社員が同じ判断軸を持てているかを確認し、必要に応じて理念やメッセージから見直します。

4. ロゴやWEBサイトが現在の企業像を表していない

事業や組織が変化しているのに、ロゴやWEBサイトが過去の企業像を表し続けている場合は見直しの対象です。ただし古さだけで判断せず、既存の認知や信頼を残す価値も確認します。

5. 次の成長ステージへ進もうとしている

新規事業、事業承継、経営者交代、M&A、海外進出、周年などは、未来の企業像を整理する機会です。変化が起きた後ではなく、次の成長に向けてブランドが機能するかを事前に確認します。

リブランディングのタイミングは、年数ではなく、現在の事業、ブランド、未来の企業像のズレから判断します。検討、着手、公開の時期をどう見極めるか以下の記事で詳しく解説します。

➤ 関連記事:リブランディングのタイミングはいつ?判断基準・始める時期・成功事例

■ リブランディングは、どのような順番で進めるべきか?

リブランディングを検討すべき5つのタイミング

リブランディングは、経営課題の整理、現状調査、未来像の明確化、ブランド戦略の策定、言葉とデザインの開発、社内共有、各接点への展開、公開後の運用という順番で進めます。制作物から始めず、何を解決し、何を残し、何を変えるかを段階的に判断することがとても重要です。

1. 経営・事業課題を整理する

最初に、なぜリブランディングが必要なのかを経営と事業の視点で整理します。事業拡大やM&A、採用、海外展開などの課題を明確にし、経営戦略とつながる目的と優先順位を定めます。

2. 現在のブランド資産と認識を調査する

社名、理念、ロゴ、カラー、メッセージ、WEBサイト、営業資料などを棚卸しし、顧客や社員からの認識を確認します。資産を把握し、残す価値と見直す課題を分け、現在地を示します。

3. 未来像とブランドの核を明確にする

現状調査だけで未来のブランドは決められません。今後伸ばす事業、届ける価値、社会からどう認識されたいかを整理し、存在意義、価値観、強み、未来像をブランドの核に明確化します。

4. 残す・変える・加える範囲を決める

現在のブランドと未来像の差を確認し、社名、理念、メッセージ、ロゴ、カラー、WEBサイトを「残す」「変える」「加える」に整理します。認知や信頼を活かし、必要範囲を決めます。

5. 言葉とデザインへ開発する

整理したブランド戦略を言葉とデザインへ具体化します。メッセージ、ネーミング、スローガン、ロゴ、カラー、フォントを開発し、ブランドの核と目的に合うかを常に基準に判断します。

6. 各接点へ展開し、運用・評価する

リブランディングは公開して終わりではありません。WEBサイト、採用、広告、SNS、サインへも一貫して展開し、誰が担当しても同じブランドらしさを再現できる状態をつくります。

■ リブランディングの成果は、どのように評価すべきか?

リブランディングの成果に関する評価方法

リブランディングの成果は、ロゴやWEBサイト公開直後の反応だけでは判断できません。認知、理解、行動、社内運用の変化を継続して確認し、事業や経営の目的にどこまで貢献したかを評価します。重要なのは、開始前に目的と基準値を決め、公開後同じ指標で比較することです。

1. 最初に「何を成功とするのか」を決める

最初に、リブランディングで何を改善したいのかを明確にします。認知向上、問い合わせ増加、採用強化、社員理解の統一など、経営・事業課題と結びついた目的を定め、その目的に対応するKPIを選びます。

2. 公開前の基準値を記録する

成果を判断するには、変更前の状態も把握します。指名検索数、問い合わせ数、採用応募数、ブランド認知、社員理解度など、公開後に比較する指標を事前に記録し、基準値を定めます。

3. 「認知・理解・行動・運用」の4領域で確認する

「認知・理解・行動・運用」の4領域

評価は一つの数字だけでは決めず、「認知」「理解」「行動」「運用」の4領域で確認します。知られたか、理解されたか、行動につながったか、一貫して使われているかも分けて見ます。

4. 短期的な反応だけで成否を判断しない

リブランディングの効果は公開直後に現れるとは限りません。短期では反応や運用、中期では認知や問い合わせ、長期では信頼やブランド資産の蓄積を確認し、売上だけでも判断しません。

5. 売上だけで成果を判断しない

売上や利益は重要でも、リブランディングだけで変化するものではありません。商品、価格、営業、市場環境、広告など複数要因が影響するため、売上だけで成功や失敗を判断できません。

6. 評価結果を次の改善へつなげる

成果評価は、成功か失敗かを判定するためだけではありません。企業像が正しく伝わっているか、運用しにくい点や認識のズレがないかを確認し、次の改善へつなげていくことが重要です。

【 CHIBICOはリブランディングの成果を何で判断するのか?】

CHIBICOでは、見た目やデザインの評判だけで成果を判断しません。開始時に設定した経営・事業課題に対して、ブランドの認知、理解、行動、運用がどう変化したかを確認します。

重要なのは、すべての企業に共通するKPIを置くことではありません。採用、事業認知、社内理解など目的によって見る成果は異なります。目的と成果指標を最初から一つにつなげます。

■ なぜリブランディングは失敗するのか?

リブランディングが失敗する5つの原因

リブランディングが失敗する最大の原因は、見た目の刷新そのものを目的にしてしまうことです。経営課題とつながっていない、既存資産を否定する、社内合意が不足する、公開後の運用を設計しないといった状態では、ブランドは定着せず、成果にもつながりません。

1. ロゴやWEBサイトの変更から始めてしまう

「ロゴが古い」「WEBサイトを新しくしたい」とすぐ制作へ進まず、表現だけの問題か、事業やブランドそのものにズレがあるのかを確認し、原因を特定して必要な制作範囲を決めます。

2. 経営戦略とブランドを切り離してしまう

リブランディングを広告やデザインのプロジェクトにすると、経営とブランド表現が分断されます。企業がどこへ進み、ブランドが何を担うのかを明確にして、長期的な視点でつなげます。

3. 過去のブランド資産をすべて否定してしまう

リブランディングは、すべてを新しくすることではありません。名称、シンボル、カラー、企業文化などを棚卸しし、築いた認知や信頼を活かせるものは長く残し、価値として継承します。

4. 社内の合意形成を後回しにしてしまう

完成したブランドを公開直前に伝えるだけでは、社員の理解は深まりません。途中でヒアリングや共有を行い、なぜ変えるのか、何を目指すのかを理解できる流れと決定者を明確にします。

5. ローンチをゴールにしてしまう

リブランディングは発表時の話題性だけで評価しません。営業、採用、開発、顧客対応など活動で使われ、顧客や社員の認識が変わることで成果につながります。公開後の運用も重要です。

■ CHIBICOはリブランディングをどのように考えているのか?

CHIBICOのリブランディング判断基準

CHIBICOでは、リブランディングを古いものを新しくする仕事ではなく、企業の過去・現在・未来をつなぎ直す仕事と捉えます。変えることを前提にせず、顧客からの評価や、社員が大切にする文化、積み重ねた信頼を見直し、何を残し、変え、加えるべきかを丁寧かつ慎重に見極めることから始めます。

1. CURRENT BUSINESS|現在の事業

現在の事業や顧客、提供価値、強み、課題、競争環境、今後事業計画を整理します。新規事業では構想や市場機会も確認し、ブランドの出発点となる事業の現在地と可能性を明確にします。

2. CURRENT BRAND|現在の立ち位置

顧客、市場、競合との関係を確認し、自社や事業がどのように見られているかを整理します。新規ブランドでは市場機会や競合との差も捉え、将来築くべき独自の立ち位置を明確にします。

3. FUTURE VISION|未来のビジョン

これからどの領域へ進み、誰にどのような価値を届け、どのような企業や事業、ブランドを目指すのかを整理します。新規・既存問わず、ブランドが目指す未来像と方向性を明確にします。

■ CHIBICOのリブランディング事例から何が分かるのか?

CHIBICOの事例に共通するのは、最初にロゴやデザインの形を決めていないことです。事業がどう変化しているのか、社会にどのような価値を届けたいのかを整理し、その答えを社名、言葉、CI・VIへ変換しています。ここでは3つの事例から判断の違いを紹介します。

NIHON MOBILITY SERVICEのリブランディング事例

NIHON MOBILITY SERVICE|「OIL」から「MOBILITY」へ企業の未来像を再定義

[ 課 題 ]

旧社名のJAPAN OIL SERVICEには「OIL」という言葉が含まれ、従来の事業を理解しやすい一方で、今後広がる事業領域や企業の可能性まで表現することが難しくなっていました。現在の事業だけでなく、将来像まで含めてこれから何の会社を目指すのかをより明確にする必要がありました。

[ 判 断 ]

課題はロゴの見た目ではなく、社名とこれからの事業領域とのズレにあると判断しました。そこで「オイル」という商品カテゴリーから企業を定義するのではなく、より大きな「モビリティ」という視点から事業を捉え直し、未来の企業像を起点に、言葉と視覚の両面から、一貫してCI全体を再構築しました。

[ 残した要素 ]

社名やブランド表現を変更しても、従来の事業で培ってきた知見や顧客との関係まで否定する必要はありません。これまで企業が積み重ねてきた事業基盤を継承しながら、その価値を今後の事業領域へ広げられる企業ブランドへ進化させることを重視しました。過去の強みを未来へつなぐことも重要な判断です。

[ 変えた要素 ]

JAPAN OIL SERVICEという社名をNIHON MOBILITY SERVICEへ変更し、企業を象徴するブランドシンボルとコーポレートロゴタイプを新規開発しました。過去の事業カテゴリーを示すブランドから、未来の事業領域まで包含できる企業ブランドへ見え方を変更しています。

[ 加えた要素 ]

新しい企業像を言葉として共有するため、「新しい移動と技術の進化。モノを超えたサービスとしてのあり方。」というブランドコンセプトを設定しました。さらに、新しいブランドを継続して伝えるためのブランドスローガンや運用基準も加えています。企業の方向性を社内外で共有できる基盤としています。

[ 開発範囲 ]

社名/ブランドコンセプト/ブランドシンボル/コーポレートロゴタイプ/ブランドスローガン/名刺/ロゴガイドラインまで、企業の考え方と言葉、視覚表現、運用を一貫して開発しました。

[ この事例から分かること ]

リブランディングでは、現在の事業をそのまま表現するだけではなく、「これから何の会社になろうとしているのか」から逆算してブランドを考える必要があります。NMSは、事業の未来と既存ブランドのズレを、社名からCI全体まで見直した事例です。未来から逆算して考えることが重要な判断基準です。

➤ CHIBICO WORKS | NIHON MOBILITY SERVICEより

RENEWABLE JAPANのリブランディング事例

RENEWABLE JAPAN|事業の機能から社会的な存在意義へ再定義

[ 課 題 ]

再生可能エネルギーという事業内容だけでは、企業が「何をしている会社なのか」は説明できても、「なぜその事業を行うのか」「社会にどのような価値を生み出したいのか」までは十分に伝わりません。事業の機能を超えて、企業としての存在意義や社会における役割までさらに明確にする必要がありました。

[ 判 断 ]

そこで、発電という事業機能からブランドを考えるのではなく、その先にある社会との関係から企業の役割を捉え直しました。再生可能エネルギーを提供する会社ではなく、人とエネルギーの関係を変えていく企業として意味を再定義し、その考え方を企業活動と表現をつなぐCI全体の明確な基準としました。

[ 残した要素 ]

RENEWABLE JAPANという社名と、再生可能エネルギー事業を通じて社会へ価値を提供するという事業の核は継承しました。リブランディングによって事業そのものを変えるのではなく、既に持っていた価値や強みをより明確にし、さらに広く社会へ正しく伝わる企業ブランドへ発展させています。

[ 変えた要素 ]

従来のブランドシンボルやロゴタイプなどの視覚表現を見直し、企業が目指す姿と社会的な役割を表現できるVIへ変更しました。旧VIから新VIへ刷新することで、再生可能エネルギー事業者としての機能だけではなく、企業としての意志や将来像まで広く明確に伝わるブランドへ見え方を更新しています。

[ 加えた要素 ]

「すべての人を、エネルギーの主人公に。」という考え方をブランドの核に据え、ブランド戦略、ブランドコンセプト、ブランドステートメントを整えました。「何をする企業か」に加えて、「なぜ存在するのか」「社会に何をもたらすのか」を伝える言葉の資産を新たに加え、目指す企業像を社内外で共有できる基盤を整えました。

[ 開発範囲 ]

ブランド戦略/ブランドコンセプト/ブランドシンボル/ロゴタイプ/ブランドステートメント/名刺/封筒/ロゴガイドラインまで、ブランド戦略からVI、実際の運用接点まで一貫して開発しました。

[ この事例から分かること ]

事業内容が社会に理解されていても、「なぜその企業が行うのか」が伝わっていなければ、ブランドとして十分とは限りません。RENEWABLE JAPANは、事業の機能から企業の存在意義まで遡り、社会との関係や役割を捉え直し、その意味をCI全体へ変換した代表的なリブランディング事例です。

※リニューアブル・ジャパン株式会社は、2026年4月1日付で株式会社リエネ・エナジー(ReENE ENERGY Corporation)へ社名変更しています。本事例は、旧リニューアブル・ジャパン時代にCHIBICOが手掛けたCI開発事例です。

➤ CHIBICO WORKS | RENEWABLE JAPANより

LANDPIAのリブランディング事例

LANDPIA|土地活用という機能を、社会に生み出す価値へ再定義

[ 課 題 ]

LANDPIAは不動産の有効利用を事業としていましたが、「土地を活用する会社」という機能的な説明だけでは、企業独自の価値や社会における役割まで十分に伝えられませんでした。競合との違いを明確にし、土地活用の先にある企業としての価値や存在意義まで、明確に社会へ伝える必要がありました。

[ 判 断 ]

そこで、土地活用というサービスそのものではなく、「まだ十分に価値を発揮していない土地を発見し、新しい経済的・社会的価値へ変える」という視点から企業を捉え直しました。事業内容を変えるのではなく、土地の可能性を見つけ、その価値を社会へ生み出す意味を企業ブランドの中心に位置付けました。

[ 残した要素 ]

LANDPIAという社名と、不動産の有効利用を通じて価値を生み出すという事業の核は継承しました。すべてを新しいものへ置き換えるのではなく、これまで企業が取り組んできた土地活用の本質や実績を重要なブランド資産として残し、その意味をより明確に伝えられる企業ブランドへ発展させています。

[ 変えた要素 ]

企業の価値を視覚的に伝えるため、ブランドシンボル、ブランドロゴタイプ、コーポレートロゴタイプを開発し、企業の見え方を刷新しました。単なる不動産会社という印象ではなく、土地の可能性を発見し、新しい価値を生み出す企業と認識できる、一貫した視覚表現へと進化させ、各接点へ展開しています。

[ 加えた要素 ]

新しいブランドを複数の接点で一貫して使用するため、ロゴガイドラインと各種展開ルールを整えました。基本となるブランドロゴだけではなく、名刺、入館証、封筒、サインなど、企業と接するさまざまな場面で同じブランドを認識できるよう、実務で必要となる要素や使用基準までより明確に加えています。

[ 開発範囲 ]

ブランドシンボル/ブランドロゴタイプ/コーポレートロゴタイプ/ロゴガイドライン/名刺/入館証/封筒/サインまで、ブランドの基本要素から実際の企業接点まで一貫して開発しました。

[ この事例から分かること ]

リブランディングでは、事業そのものを変更しなくても、「その事業を社会にとってどのような価値として捉えるか」を見直すことで企業ブランドは変えられます。LANDPIAは、既存事業の意味や強みを改めて発見し、それを企業独自の価値として言葉と視覚の両面から社会へ明確に可視化した事例です。

➤ CHIBICO WORKS | LANDPIAより

■ 国内外のリブランディング事例から何を学べるのか?

国内外の事例を見ると、リブランディングはすべてを新しくする取り組みではありません。事業や企業像の変化に合わせて、これまで築いたブランド資産を見極め、残すもの、変えるもの、加えるものを判断し、未来に必要なブランドへ再構築することが重要です。

Umiosリブランディング

Umios|企業のルーツを残しながら、未来の事業領域へ拡張する

┃ 長年培った「海」という企業の原点を受け継ぎながら、
未来の事業と社会的役割を表す企業ブランドへ2026年に刷新しました。

マルハニチロは2026年3月、社名を「Umios株式会社」へ変更しました。新社名は「umi」「one」「solutions」を組み合わせ、原点である海を残しながら、食を通じて社会課題を解決する意思を表現しています。新しいブランドシンボル「BLUE PLANET」も、海から地球全体へ価値を広げる企業像をも象徴しています。

これまで掲げてきたブランドステートメント「海といのちの未来をつくる」は、新たなパーパス「For the ocean, for life」へ受け継がれました。グループ各社もUmiosブランドへ統一し、一貫したブランド体験を目指しています。この事例のポイントは、歴史や原点を捨てず、その意味を未来の事業領域へ広げたことです。

[ 出典 ] マルハニチロは、Umiosへ。ブランドサイト

OISIXリブランディング

オイシックス|事業拡大の先で、原点となるブランドへ回帰する

┃ 複数企業との統合を経て広がった事業を整理し、
原点となる「オイシックス」を企業ブランドとして2026年に再構築しました。

オイシックス・ラ・大地は2026年7月、社名を「オイシックス株式会社」へ変更しました。大地を守る会、らでぃっしゅぼーやとの経営統合を経て、シダックスの子会社化などでBtoCからBtoBまで事業領域が拡大。グループ全体の価値をシンプルに伝えるため、創業時の社名へ原点回帰する判断を行いました。企業ブランドを再整理しました。

新コーポレートロゴを開発する一方、「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」など、顧客との関係や認知を築いてきた事業ブランドは継続。この事例のポイントは、既存ブランドを一律に統合せず、残す資産と変える資産の役割を明確に分け、事業ごとの価値を守りながらグループ全体の最適化を図ったことです。全体を整えました。

[ 出典 ] オイシックス株式会社|原点回帰の社名変更を機にコーポレートロゴを策定

Spriteリブランディング

Sprite|世界共通のブランド資産を現代へ再構築する

┃ 世界各地のブランド表現を整理し、
世界共通の視覚表現へ統一する再構築を2022年に実施しました。

Spriteは2022年、世界各地で異なっていたブランド表現を整理し、初のグローバル統一VIを導入しました。ワードマークを水平基準へ整え、Sparkを独立したシンボルとして再構築。象徴的なグリーンを軸に、パッケージ、広告、デジタルへ一貫して展開し、世界規模でブランド認知と表現の統一性を高めました。

2026年には、グローバルプラットフォーム「It’s That Fresh」のもと、歴史的資産のLymonシンボルを現代的に再解釈して復活。この事例のポイントは、過去のブランド資産を固定的に守るのではなく、時代や文化に合わせて更新したことです。世界共通の認知を保ちながら、独自性と鮮度を継続的に高めています。

[ 出典 ] Turner Duckworth「Sprite」/The Coca-Cola Company「Sprite Lands Back in the Heart of Street Culture with Launch of New Global Platform ‘It’s That Fresh’」

Walmartリブランディング

Walmart|歴史的なブランド資産を活かし、デジタル時代の小売企業へ進化する

┃ 創業以来のブランド資産を継承しながら、
現在のオムニチャネル企業としての姿へ2025年にブランドを刷新しました。

Walmartは2025年、店舗中心の小売企業から「people-led, tech-powered omnichannel retailer」へ進化した姿を反映し、ブランドを刷新。ワードマークは創業者Sam Waltonのトラッカーハットの文字から着想し、長年使われてきたSparkも象徴資産として継承しました。

ブランドカラーは認知資産であるブルーを「True Blue」として残し、Spark Yellowと組み合わせ、WEB、アプリ、店舗、広告にも展開。この事例のポイントは、歴史を捨ててデジタル企業らしく見せるのではなく、創業以来の資産を現在の顧客体験に合わせて進化させ、企業の変化とブランドの継続性を両立したことです。

[ 出典 ] Walmart「Walmart Introduces Updated Look and Feel: A Testament to Heritage and Innovation」

■ リブランディングを依頼する会社は、どう選ぶべきか?

リブランディングを依頼する会社の選び方

リブランディングを依頼する会社は、デザインの好みだけで選ぶべきではありません。経営や事業課題を理解し、ブランド戦略と言葉、CI・VI、WEB、社内浸透までを一貫して開発・支援できるかが重要です。完成物よりも、課題の整理方法とプロセスを確認することが判断基準になります。

POINT 1 |経営や事業課題から考えられるか

最初から「ロゴを作りましょう」「WEBを変えましょう」と提案するのではなく、なぜリブランディングが必要なのかを一緒に整理できる会社か確認します。経営方針、事業、顧客、競合、組織、将来構想まで理解して、ブランドとして解決すべき課題を設定できることが重要です。

POINT 2 |ブランド戦略からデザインまで一貫して開発できるか

ブランド戦略だけをつくる会社と、デザインだけをつくる会社が完全に分かれている場合、戦略と表現の接続に注意が必要です。ブランドコンセプトやメッセージを、CI・VI、WEBサイト、会社案内、採用ツールなどへどのように落とし込むのかまでを確認することが重要です。

➤ 詳細記事:ブランド戦略とデザインの密接な関係について

POINT 3 |経営者と社員の双方を巻き込めるか

リブランディングでは、経営者の未来への意思と、社員が持つ現場の知識の両方が必要です。経営層へのインタビュー、社員ヒアリング、ワークショップなどを目的に応じて適切に使い分けながら、社内の十分な理解や合意形成まで支援できる会社かどうかを確認することが重要です。

POINT 4 |ブランドの運用まで考えられるか

顧客がブランドを認識する場所はロゴだけではありません。WEBサイト、営業資料、採用、SNS、広告、商品、店舗、オフィスなど、多くの接点によって企業の印象は形成されます。完成後に各接点へ展開し、継続して運用できる仕組みまで考えられる会社を選ぶことが重要です。

➤ 詳細記事:ブランディング会社の選び方と頼み方

FAQ-よくある質問

■ リブランディングに関するよくある質問

リブランディングでは、タイミングや変更範囲、期間、社内体制、費用など疑問が生まれます。企業からよく寄せられる質問をもとに、判断に必要な考え方や実務のポイントを解説します。

Q1. リブランディングはどのタイミングで行うべきですか?

リブランディングは業績悪化時だけでなく、事業拡大、新規事業、M&A、事業承継、経営者交代、海外進出など企業の姿が変わる時に検討し、現在の事業とブランドのズレを確認します。

Q2. ロゴやWEBサイトだけを変える場合もリブランディングですか?

ロゴやWEBサイトの変更もブランド刷新の一部ですが、それだけで完了するとは限りません。存在意義や提供価値、事業の方向性まで変わる場合は、戦略やコンセプトからも整理します。

Q3. 現在のロゴやブランドカラーを残したままリブランディングできますか?

現在のロゴやブランドカラーを残したままリブランディングすることも可能です。認知や信頼があり、今後の戦略にも整合する資産は残し、これからの企業像にも必要な資産か確認します。

Q4. リブランディングにはどのくらいの期間が必要ですか?

リブランディングに必要な期間は、見直す範囲で異なります。ブランド戦略だけの場合と、CI・VI、WEB、会社案内、ガイドラインまで開発する場合では全工程も大きく変わります。

Q5. リブランディングの費用はどのように決まりますか?

リブランディング費用は、ブランド戦略、CI・VI、ネーミング、WEB、会社案内、ガイドライン、社内浸透などの対象範囲で変わります。課題を整理し、必要な開発範囲を定めます。

Q6. リブランディングを相談する前に、何を決めておく必要がありますか?

何を変更するかまで決める必要はありません。現在の事業やブランドの課題、目指す方向、公開時期など分かる範囲を共有し、必要性や見直す範囲を相談しながら一緒に丁寧に整理します。

checklist-チェックリスト

■ リブランディングを始める前のチェックポイント

リブランディングを検討している場合は、次の項目を一度確認してみてください。

□ 現在の事業内容とイメージは一致しているか
□ 10年後どんな企業になりたいか説明できるか
□ 顧客が自社を選ぶ理由を言葉にできるか
□ 競合との違いを価格機能以外で説明できるか
□ 経営者と社員で強みの認識は一致しているか
□ 企業理念と実際の事業活動にズレはないか
□ ロゴやWEBが今を適切に表現しているか
□ 各タッチポイントで表現が統一されているか

複数の項目に課題を感じる場合は、ロゴやWEBサイトを個別に変更する前に、ブランド全体を整理することをおすすめします。

記事のまとめ

■ まとめ

リブランディング成功の本質は、ブランドを新しく見せることではなく、企業の実態と未来像、社会からの認識をそろえることです。そのためには、経営課題から目的を定め、これまで築いてきた資産を整理し、未来に必要なものを見極めることが重要です。

そして、ブランド戦略を言葉やデザイン、企業活動へ一貫してつなげていきます。リブランディングとは過去を否定するのではなく、これまでの価値を活かしながら、「これから何者になるのか」を明確にするプロジェクトです。

■ 参考文献・研究資料

Muzellec, L. & Lambkin, M.(2006)
“Corporate rebranding: destroying, transferring or creating brand equity?”
European Journal of Marketing, Vol.40 No.7/8, pp.803–824.
DOI: 10.1108/03090560610670007

Merrilees, B. & Miller, D.(2008)
“Principles of corporate rebranding”
European Journal of Marketing, Vol.42 No.5/6, pp.537–552.
DOI: 10.1108/03090560810862499

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。


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【 リブランディングが必要か、どこまで変えるべきかからご相談ください 】

社名やロゴ、WEBを変えると決めていなくても構いません。
現在の事業、ブランドの見え方、これから目指す企業像を確認し、
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リニューアルや部分的な改善で十分な場合も含め、必要な範囲からご相談いただけます。

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リブランディングを検討する際は、成功のポイントだけでなく、必要性を判断する基準や始めるタイミング、CI・VIの変更範囲まで合わせて理解することが重要です。以下の記事では、検討段階で迷いやすい論点をテーマ別に整理し、実務で判断するための考え方まで解説します。

リブランディングの必要性や判断基準について知りたい方

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リブランディングのタイミングや始める時期について知りたい方

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CI変更の理由や変更範囲について知りたい方

CI(コーポレートアイデンティティ)を変更する理由

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VI(ビジュアル・アイデンティティ)の意味や目的と開発とは

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    弊社のデザイン実績などをご紹介させていただきます。
    ブランディングを語る際に使用する用語集です。
    分からない用語が出てきた場合などにご活用ください。