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プライベートブランドとは?

[ ブランド戦略 ]

プライベートブランド(PB)とは?その手法と成功事例とは

プライベートブランド(PB)とは、小売業者が自社ブランドとして商品を開発・販売することを指します。自社ブランドのため、小売業者が商品の品質や価格を自由に設定することができます。プライベートブランド(PB)は、小売業者が高い利益率を確保することができるため、近年ますます重要視されるようになっています。また、消費者が小売業者のブランドに対して信頼を抱くことができれば、他社ブランドに比べて安価な価格設定でも販売が伸びることがあります。ただし、小売業者自身が商品開発から販売までを一貫して行うため、競合他社と比較して認知度が低く、ブランド力の構築には時間がかかるといった課題もあります。


■ プライベートブランドとは

プライベートブランド(PB)とは、小売業者が自社で開発した製品にを自社の販売チャネルで販売する商品ブランドのことです。一般的には小売業者が自社ブランドで販売する商品を指し、OEM(他社ブランドでの生産)との違いは、製品開発から販売までの全てのプロセスを自社で行う点にあります。

■ プライベートブランドの種類

プライベートブランドの種類

プライベートブランドには、
品質、価格、コンセプトなどによって大きく分けて以下のような種類があります。

  • バリュープライベートブランド:低価格帯の商品
  • ミドルプライベートブランド:中価格帯の商品
  • プレミアムプライベートブランド:高価格帯の商品
  • エクスクルーシブプライベートブランド:専門店限定の高品質・高価格帯の商品

■ プライベートブランドのメリットとデメリット

3つのメリット

  • 小売業者にとって独自の商品を提供できることで差別化が図れ、利益を増やすことができる。
  • 製造業者にとって小売業者の信頼を得ることで、大量生産によるコスト削減効果が期待できる。
  • ブランド品よりも価格が安いことが多く、コストパフォーマンスが高い商品が手に入る。

3つのデメリット

  • ブランドの認知度が低く消費者にとって信頼性が低いと感じられる場合がある。
  • 製品の品質が低いと思われがちでブランド品に比べて需要が限られることがある。
  • 小売業者によっては商品開発コスト高く大手メーカーの製品を取り扱う方が利益率が高いことがある。

以上のように、プライベートブランドにはメリットとデメリットがありますが、小売業者や製造業者、消費者にとってそれぞれメリットがあるため、需要が拡大しています。

■ プライベートブランドのブランディング

プライベートブランドのブランディング

プライベートブランドのブランディングとは、小売業者が自社ブランドを立ち上げ、商品やサービスに独自のブランド名を付け、独自のマーケティング戦略で商品を販売することを指します。これにより小売業者は、競合他社との差別化を図り、収益を増やすことができます。

[ ブランディングの重要性 ]

プライベートブランドのブランディングは、商品やサービスに独自のブランド名を付けることで、消費者に認知されることが重要です。ブランドは、商品やサービスの価値を証明するためにも、消費者にアピールするためにも、必要不可欠な要素です。また、プライベートブランドのブランディングは、商品やサービスの購入意欲を高め、顧客のロイヤルティを向上させることができます。

[ ブランディングの戦略 ]

プライベートブランドのブランディングにおいては、商品の特徴を明確にし、独自のブランドイメージを作り出すことが重要です。具体的には、ブランド名やロゴのデザイン、パッケージング、広告戦略、プロモーション戦略など、マーケティング戦略を練り上げる必要があります。また、商品の品質や価格帯、販売チャネルなども重要な要素です。プライベートブランドのブランディングに成功するためには、消費者のニーズに合わせた商品開発やマーケティングが必要です。

■ プライベートブランドのマーケティング

プライベートブランドのマーケティング

プライベートブランドのマーケティングとは、商品の販売促進を行うための戦略のことです。自社ブランド商品と違い、プライベートブランドは他社の製造工場で生産された商品を自社ブランドとして販売するため、マーケティングの戦略によって商品の魅力を高める必要があります。

[ プライベートブランドのマーケティングの戦略 ]

プライベートブランドのマーケティングの戦略には以下のようなものがあります。

⚫︎ ブランドの独自性を強調する

プライベートブランドは他社との差別化が難しいため、自社の独自性を強調することが大切です。自社のブランドコンセプトを明確にして、消費者に伝えることが重要です。

⚫︎ ブランドイメージを構築する

プライベートブランドのブランドイメージを構築することで、消費者にアピールすることができます。ロゴやパッケージのデザイン、広告などを活用して、自社ブランドのイメージを確立することが大切です。

⚫︎ 商品の品質を維持する

プライベートブランドは低価格帯の商品が多いため、商品の品質を維持することが重要です。消費者からの信頼を得るために、品質に対する取り組みを積極的にアピールすることが必要です。

■ プライベートブランドのマーケティングにおける課題

プライベートブランドのマーケティングにおける課題

● 認知度を高めること

自社ブランドと異なり、プライベートブランドはブランド認知度が低いため、消費者に認知されるまでに時間がかかります。プロモーション活動を通じてブランド認知度を高めることが必要です。

競合商品との差別化

プライベートブランドは他社と同じ製品を提供する場合が多く、商品の差別化が難しいことが課題です。価格、品質、デザインなど、他社とは異なる付加価値を提供することが求められます。

品質管理の徹底

プライベートブランドの製品は自社ブランドと異なり、製造を委託することが多いため、品質管理が重要です。製造業者との信頼関係を築き、品質の徹底を図ることが必要です。

消費者の信頼獲得

プライベートブランドの製品は自社ブランドと異なり、製造業者が異なるため、消費者からの信頼獲得が課題となります。信頼性の高い製造業者との取引を行い、製品の品質や安全性を確保することが必要です。

市場シェアの拡大

プライベートブランドは自社ブランドに比べ、市場シェアが低いことが多いため、市場シェアの拡大が課題です。市場調査を行い、消費者のニーズに合った製品を提供することが必要です。

以上のように、プライベートブランドのマーケティングには様々な課題がありますが、適切な戦略を立て、課題を解決することで、消費者の支持を得ることができます。

プライベートブランドの品質管理

プライベートブランドの品質管理

プライベートブランドは、ブランドオーナーが自社で商品を開発・生産し、販売する商品のことを指します。プライベートブランドを展開する企業にとって、品質管理は重要な課題です。ここでは、プライベートブランドの品質管理について解説します。

[ プライベートブランドの品質管理の重要性 ]

プライベートブランドは、自社のブランドイメージを損なわないよう、高品質な商品を提供することが求められます。品質の低い商品を提供すると、消費者からの信頼を失い、ブランドイメージの低下につながります。品質管理は、このようなリスクを回避するために欠かせない要素です。

[ 品質管理の方法品質管理の方法 ]

品質管理の方法としては、以下のような手法があります。

● 生産工程の管理

生産工程において、品質をチェックすることで、欠陥品を製造しないようにすることができます。また、品質管理の観点から生産ラインの改善や設備のメンテナンスも重要です。

● 商品の検査

出荷前に商品を検査し、不良品を取り除くことで品質の確保を行います。また、定期的に市場から商品を回収し、品質に問題がないかどうかの検査を行うことも重要です。

● サプライヤーの管理

プライベートブランドの商品は、自社で生産する場合とサプライヤーからOEM生産する場合があります。サプライヤーの品質管理も重要であり、自社基準に合致しているかどうかの確認や、品質管理システムの整備などが求められます。

プライベートブランドの成功

[ 成功事例の分析 ]

プライベートブランドの成功事例として有名なのは、コストコの「カークランドシグネチャー」などが挙げられます。これらのブランドは、自社ブランドと同等以上の品質やデザインを提供し、消費者から高い評価を得ています。

品質へのこだわり

自社ブランドと同等もしくはそれ以上の品質を提供することで、消費者からの信頼を得ています。

独自性の追求

他社と差別化するため、独自のデザインや機能を追求しています。

ブランドイメージの構築

プライベートブランド自体をブランドイメージとして構築し、消費者に認知されるようになっています。

[ 成功事例の要因 ]

ブランドポジショニングの明確化

自社ブランドとの差別化を図るため、明確なブランドポジショニングを打ち出しています。

生産プロセスの管理

品質管理に重点を置くことで、品質向上に努めています。

消費者とのコミュニケーション

消費者のニーズを把握し商品開発に反映させることで支持を得ています。

プライベートブランドの成功事例

matsukiyoプラーベートブランド

matsukiyoマツモトキヨシ

マツモトキヨシは、ドラッグストアチェーンとしてプライベートブランド商品を多数展開しています。その中でも「matsukiyo(マツキヨ)」は、化粧品や日用品など様々な商品カテゴリーにおいて展開されており、特にコスメ製品は多数のヒット商品を生み出しています。マツキヨのプライベートブランドは、品質・安全性に配慮し、リーズナブルな価格で提供されることが特徴です。また、商品開発に際しては顧客ニーズの調査や商品テストを行い、顧客との共創を大切にしている点も魅力的です。今後もマツキヨは、プライベートブランド商品の開発・強化を進め、顧客に満足いただける商品を提供していくことが期待されます。

[ 出典 ] マツモトキヨシ公式サイトより
[ 出典 ] matsukiyo公式サイトより

TOPVALUプラーベートブランド

TOP VALUEイオン

TOP VALUE(トップバリュー)は、イオンが展開するプライベートブランドの一つです。食品や日用品、衣料品、家電製品など多岐にわたる商品ラインナップを持ち、イオンの直営店舗やオンラインストアで販売されています。TOP VALUEは、コストパフォーマンスの良さと高品質を両立した商品を提供することで、価格競争の激しい小売市場での差別化を図っています。また、消費者からの商品開発に関する意見を積極的に取り入れ、商品の改善や新商品の開発にも力を入れています。これらの取り組みにより、TOP VALUEはイオンのプライベートブランドの中でも高い評価を得ており、多くの消費者に支持されています。

[ 出典 ] AEON企業サイトより
[ 出典 ] TOP VALUE公式サイトより

セブンプレミアムプラーベートブランド

セブンプレミアム|セブンイレブン

セブンプレミアは、セブンイレブンが展開するプライベートブランドです。食品や日用品、衣料品などの幅広い商品を取り揃え、品質・デザインにこだわり、消費者に高い信頼を得ています。また、セブンイレブンの店舗数の多さを活かし、店頭での販売だけでなく、オンラインショップでも購入できるなど、幅広い販売チャネルを持っています。セブンプレミアは、セブンイレブンのコンビニエンスストアと共に成長しており、今後も多くの消費者から支持されるプライベートブランドとして注目されています。

[ 出典 ] セブン&アイホールディングス公式サイトより
[ 出典 ] セブンイレブン公式サイトより

KIRKLANDプラーベートブランド

KIRKLAND SignatureCOSTCO

KIRAKLAND Signatureは、米国の大型卸売り会員制倉庫店コストコが展開するプライベートブランドです。食品、日用品、衣料品、家電製品、オフィス用品、化粧品、薬品などの幅広い商品ラインナップを持ち、高品質でリーズナブルな価格が特徴です。コストコは、商品の原材料から製造、パッケージング、ブランド名、販売までのすべてを一貫して管理し、KIRAKLAND Signatureブランドを展開することで、コストコ独自の商品価値を提供しています。KIRAKLAND Signatureは、コストコの売上高の約25%を占めるなど、同社の成長戦略に大きく貢献しています。

[ 出典 ] COSTCO公式サイトより
[ 出典 ] KIRAKLAND公式サイトより

amazonbasicsプラーベートブランド

Amazon BasicsAmazon

Amazon BasicsはAmazonが展開するプライベートブランドで、コンピューターアクセサリーや家電製品、家具などの幅広い製品ラインナップを持っています。Amazonが自社で開発・製造した製品を販売することで、コスト削減や自社ブランドの強化を図っています。また、Amazonが提供する信頼性の高い配送サービスや返品・交換のしやすさも魅力の一つです。そのため、Amazon Basics製品はコストパフォーマンスが高く、多くの消費者から支持されています。

[ 出典 ] amazon企業サイトより
[ 出典 ] amazon basics公式サイトより

■ プライベートブランドの今後の展開

プライベートブランドは今後も消費者のニーズに合わせた製品を提供し、さらに普及が進むことが予想されます。特に、価格競争力や品質向上による満足度の向上が期待され、消費者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。また、デジタル化の進展により、オンラインストアやECサイトでの販売が増加することも見込まれます。一方で、競合が増える中で差別化を図るためには、独自の商品開発やマーケティング戦略の構築が求められます。

■ まとめ

プライベートブランドは、製造業者や小売業者が自社のブランドを立ち上げ、独自の商品ラインナップを展開することで、独自の競争優位性を構築することができます。プライベートブランドのメリットとしては、メーカーの利益率向上や小売業者の差別化などが挙げられます。しかし、プライベートブランドにはブランド認知度の低さや競合商品との差別化の難しさといった課題も存在します。品質管理やマーケティングの戦略を緻密に立てることで、プライベートブランドの成功事例も多く存在します。今後は、サステナビリティやデジタル化などのトレンドに注目し、プライベートブランドの新たな展開が期待されます。

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