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建設業ブランドステートメントの開発事例

[ ブランディングデザイン ]

ブランドステートメントの開発事例(建設業)

ブランドステートメントとは、企業のブランドが掲げる理念や使命を簡潔な文として表したものです。ブランドステートメントは、理念や使命を掲げるという役割において企業が掲げる企業理念(コーポレートステートメント)に近いものです。企業理念は、企業が基本とする「どのように在るべきか」を示すものですが、ブランドステートメントはブランドが消費者に何を提供するかを表明し約束するものの意味合いが強い。企業そのものがブランドであるという点では企業理念とブランドステートメントが同じ位置づけとなることもあります。今回は、そんなブランドステートメントを建設業における事例を踏まえながらご紹介させていただきます。


■ 建設業におけるブランドの特殊性

建設業の顧客の大半は、官庁や自治体、企業、法人です。すなわちBtoBビジネスが主体であるため、消費者を顧客に持つ企業に比べ、社会や一般消費者に対するアピールをややなおざりにしてきました。言い換えると発注者である企業や法人に対してのみ技術的な優位性や品質の高さをアピールすればよかったのです。しかし、今後は社会に対して何を提供できるのかを広くアピールし、社会に深く浸透させなければ厳しい時代なのです。

■ ブランドステートメントの開発事例

清水建設|コーポレートメッセージ

[出典]清水建設/企業情報より

子どもたちに誇れるしごとを。

コーポレートメッセージには、こんな想いを込めました。
“子どもたち”―これは次の世代、次の時代へのつながりを示唆するとともに、当社を見つめる社会の純粋な目を象徴しています。私たちは誠実さと強い責任感を持ちながら、社会人として恥じない、そして専門家として誇れるような仕事をし、次の時代に財産となるものを残していかなければなりません。そして、あらゆるプロセスの業務、一人ひとりが取り組むすべての活動や行動に、その姿勢を反映させるという固い決意、約束をこのメッセージで宣言します。

鹿島建設ブランドステートメント

[出典]鹿島建設・CSRより

100年をつくる会社

100年先を見据えた価値の創造

鹿島は、最新の技術や工法を駆使し培った総合力で100年をつくります。
鹿島にとっての「品質」は、建造物の施工品質だけではなく、世代を超えて使われるインフラや建物・サービスが企画から設計・施工・竣工後のメンテナンスまで含めて、総合的に良質であることを指すと考えています。また、「品質」は「安全衛生」「環境」と切り離すことができず、相互作用も非常に大きいため、この3分野が建設事業を中心とする事業活動において最も重要かつ企業の存続に関わる課題であると捉えています。

大成建設グループスローガン

[出典]大成建設・理念体系より

For a Lively World

グループスローガンは、グループ理念・大成スピリット・グループ行動指針等を
象徴的に一言で表現したものです。

グループ理念

人がいきいきとする環境を創造する
グループとして追求し続ける存在目的(目指す姿)です。

大成スピリット

自由闊達/価値創造/伝統進化
グループ理念を追求するためにグループ全役職員が大切にする考え方です。

行動指針系

組織としての行動の基本原則、およびグループの役職員等が
積極的に実践すべき又は厳守すべき行動・判断の基準として、
グループ行動指針を定めています。

大林組コーポレートメッセージ

[出典]大林組・企業情報より

時をつくる こころで創る

その時代を象徴するものを「いま」に刻みつけ、「空間」と共に、過去から未来に至る夢のある新しい「時」を提供していくことが建設会社のものづくりです。ものづくりのあらゆるプロセス、一人ひとりが取り組む活動や行動において、誠実に、丁寧に、心を込めて、熱意を持って、そして自らの手で責任を持って創るという私たちの姿勢を表しています。

長谷工ブランドステートメント

[出典]長谷工・長谷工グループ理念より

住まいと暮らしの創造企業グループ

企業理念

都市と人間の最適な生活環境を創造し、社会に貢献する。

行動指針

● お客さま第一:最良の品質と最善のサービスを提供しよう
● 誠実:誠意を尽くして仕事にあたり、信用をかちとろう
● 挑戦:総合力と行動力で新しい世界を切り拓こう
● 感謝と誇り:感謝の気持ちを忘れずに、自信と誇りをもって働こう
● 品格:志を高く、品格のある社会人をめざそう

■ まとめ

中堅ゼネコンや大手住宅メーカーの倒産は,建設業が本格的な競争・淘汰の時代を迎えたことを示しています。大手といえども会社の存続に関わる深刻な事態に陥りかねないことを改めて認識させられました。技術力や品質の違いによる他社との差別化が難しくなり、コストダウンによる差別化ももはや限界に近づいた今、企業における優位性は『強いブランド力』があるかどうかになっているのではないでしょうか?ブランド力を高めることは、マーケットシェアの拡大と利益に繋がり、強いブランド力を持つ企業のみが,この先行き不透明な競争・淘汰の時代を勝ち抜いていけるのです。

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