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ロゴデザイン変更の理由や目的と成功事例

[ ブランディングデザイン ]

【必見】ロゴデザイン変更の理由や目的と成功事例

ロゴデザインは“作る”だけでなく、“変える”ことも大切です。なぜ変更が必要なのか、その目的を整理し、納得のいく判断と開発プロセスを進めることが求められます。効果的なロゴデザインは、シンプルで再現性が高く、独自のブランドらしさがあります。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、競争が激しい市場でロゴデザイン変更を成果につなげるための具体的な進め方や考え方を、実際の成功事例とともに詳しく解説します。


■ ロゴデザイン変更の理由

ロゴデザイン変更の理由

1. ブランド戦略の刷新のため

企業のビジョンやミッションが変わったとき、ロゴもその変化に合わせて見直すことが必要になります。以前の戦略のままでは、ブランドと顧客のイメージにずれが生まれやすくなります。ロゴは戦略を視覚的に示す役割を持っており、刷新することで新しい方向性をわかりやすく伝えられます。さらに、変化を積極的に発信することで、組織全体の意識改革や社内外へのメッセージ強化にもつながります。

新ビジョン・新理念を反映
方向性の再定義
顧客へのメッセージ刷新

 関連記事:ブランド戦略とデザインの密接な関係について

2. 時代やトレンドへの適応のため

デザインの潮流や社会の感覚は常に変化します。古い印象のロゴは、ブランドを時代に合っていない存在として見せてしまい、若い世代へのアプローチが弱まることもあります。ロゴを現代的にアップデートすることで、ブランドは常に新鮮な印象を保ち、進化し続ける姿勢を示せます。また、変化に柔軟に対応することで、市場との距離感を縮め、より広い層に受け入れられる土台をつくることができます。

古い印象の払拭
若年層へのアピール
現代的で洗練された印象へ

3. 事業拡大・転換のため

新サービスの追加や他分野への展開など、事業内容が広がると、これまでのロゴでは意図を十分に表現しきれない場合があります。事業の変化に合わせてロゴを見直すことで、新しい姿をより正確に表現し、顧客に変化を伝えやすくなります。また、ブランドの方向性を再整理する機会にもなり、メッセージの一貫性を高める効果も期待できます。社内の意識統一にもつながり、組織全体で同じ方向を目指しやすくなります。

事業の多角化に対応
新規市場での認知強化
成長や変革の象徴化

4. グローバル対応のため

海外展開を進める際、既存のロゴが文化的に誤解を招いたり、地域によって視認性が低くなることがあります。多様な文化や言語に対応できるデザインにすることで、世界中で同じブランドとして認識されやすくなり、国際市場での信頼獲得にもつながります。さらに、各国の生活習慣や価値観にも配慮した設計にすることで、より自然に受け入れられ、長期的なブランド浸透にも効果を発揮します。

文化的誤解の回避
多言語・多市場への対応
グローバルな一貫性を確保

5. 競合との差別化のため

似たような商品やサービスが多い市場では、競合のロゴと印象が重なってしまうことがあります。ロゴを見直し、差別化を意識することで、ブランドの個性をよりはっきりと伝えられ、顧客が選びやすい状態をつくれます。さらに、独自性が強まることで、広告やWeb上の表示でも埋もれにくくなり、第一印象の段階で優位に立ちやすくなります。結果として、ブランドの存在感がより明確になります。

類似ロゴからの脱却
独自性の強調
選ばれる理由を強化

6. ブランド認知の強化のため

シンプルで覚えやすいロゴは、顧客にとって記憶しやすく、再認知を促進します。複雑なロゴを整理して、より明快で洗練された形にすることで、ブランドの想起率が向上します。記憶に残るロゴは、長期的なブランド資産として機能します。また、さまざまな媒体での表示に強くなり、ブランド体験の質も安定します。結果的に、日常的な接点の中でも自然と目に留まり、親しみやすさを育てる役割も果たします。

記憶に残りやすい形に
認知スピードを向上
ブランド資産の蓄積

 関連記事:ブランド認知度を高める3つの方法

■ ロゴデザイン変更の目的

ロゴデザイン変更の目的

1. ブランドの再定義

企業のビジョンやミッションが刷新された際、ロゴはその新しい方向性を視覚的に示す役割を持ちます。ブランドの核が変化しても、その内容が外部に伝わらなければ意味がありません。ロゴを見直すことで、顧客や市場に「新しいブランド像」をより明確に伝えられ、内外で共通の理解を持ちやすくなります。また、変化を主体的に発信することで、組織全体の意識を揃える効果も期待できます。

2. 時代適応と鮮度向上

時代の流れとともに、デザインに対する感覚や価値観は変わっていきます。古い印象のままでは、ブランドが停滞しているように見えてしまうこともあります。ロゴを現代的に整えることで、洗練された印象を与え、進化し続けるブランドとして受け取られやすくなります。鮮度を保つことは、顧客との関係維持にも効果的です。また、変化に前向きな姿勢を示すことで、新しい層との接点づくりにもつながります。

3. 認知度・記憶度の強化

複雑で覚えにくいロゴよりも、シンプルで特徴があるデザインは記憶に残りやすいものです。購買や利用の瞬間に思い出されやすい状態をつくることで、ブランド想起率を高め、選ばれる可能性を大きくできます。ロゴの刷新は、長期的なブランド資産を育てる取り組みにもつながります。また、広い媒体で安定して機能するため、日常のさまざまな接点で存在感を発揮しやすくなる点も大きな利点です。

 関連記事:【必読】ブランド認知度を高める3つの方法

4. 競合との差別化

市場に似たテイストのロゴやデザインが増えると、消費者はブランドを識別しづらくなります。差別化のためにロゴを見直すことで、独自の立ち位置をより明確にし、視覚的に“選ばれる理由”をつくりやすくなります。個性を適切に打ち出すことは、競争環境での強みを育てる上でも重要です。また、第一印象の段階で他社と自然に区別されるため、ブランド想起のスピード向上にもつながります。

■ ロゴデザインの重要性

ロゴデザインの重要性

【 ブランドの顔になる 】

ロゴはブランドを象徴する「顔」であり、顧客が最初に触れる視覚的な要素です。人が相手の顔を覚えるように、消費者はロゴを通してブランドを認識します。どれだけ優れた商品やサービスでも、その入口であるロゴの印象が弱ければ、ブランドの存在感は伝わりにくくなります。ロゴは企業やサービスを代表する重要なシンボルです。また、その後の体験全体の印象にも影響を与える重要な役割を担います。

第一印象を形づくる
ブランドを象徴する役割
顧客接点の起点になる

【 認知と記憶を高める 】

効果的なロゴは、言葉よりも先に視覚で記憶に残ります。色や形の特徴は記憶と結びつきやすく、購買の場面でふと思い出されるきっかけになります。シンプルで一貫したロゴは繰り返し目に触れることで徐々に刷り込まれ、認知度が高まり、忘れられにくい存在になります。また、どんな媒体でも安定して伝わるため、日常の接点で自然と親しみが育ちやすくなります。こうした積み重ねがブランドの力になります。

シンプルさは記憶を助ける
見るたびに認知が強まる
購買時の想起を促す

【 差別化の武器になる 】

競合が多い市場では、ロゴが差別化の大きなポイントになります。似た商品やサービスが並ぶ中で、特徴的なロゴは一目で違いをつくり、選ばれるきっかけになります。独自性を持ったロゴは、ブランドが選ばれる理由を自然に伝えてくれます。また、視覚的な印象が強まることで、広告や店頭などあらゆる場面で存在感を発揮しやすくなります。さらに、ブランドの方向性を明確に示す指標としても機能します。

市場での独自性を示す
顧客の選択を後押し
類似ブランドとの差を明確化

【 ブランド価値を象徴する 】

ロゴは単なるマークではなく、企業の理念や世界観を凝縮した象徴です。高級感、革新性、親しみやすさなどの印象を視覚的に伝え、「そのブランドらしさ」を一瞬で感じてもらえます。ロゴを見ただけでブランドのイメージが浮かぶことは、大きな資産になります。また、ブランドのストーリーや価値観を直感的に理解してもらえるため、言葉では伝わりにくい魅力を補完し、共感を生みやすくなる点も大きな強みです。

理念や世界観の凝縮
信頼性・品質感を伝える
ブランドらしさの象徴

➤ 関連記事:ブランド価値とは?高める方法と活用方法

【 一貫性を担保する 】

ロゴは広告・Web・パッケージ・店舗など、あらゆる接点で使われます。統一されたロゴ運用は、顧客に安定した体験を提供し、信頼感を育てます。逆に表現がバラつくと、ブランドイメージが揺らぎやすくなります。ロゴはブランド全体の一貫性を支える中心的な存在です。また、社内のデザインルールを整える指針にもなり、組織全体で統一した発信を行うための基盤として機能します。

すべての接点で統一感を維持
ブランド体験の一貫性を強化
信頼性を守るための基盤

【 長期的なブランド資産となる 】

ロゴは長い時間をかけて認知され、資産として価値を持つようになります。継続して使われるロゴは「安心感」や「信頼」を積み重ね、ブランドエクイティを形成します。ロゴは単なるデザインではなく、時間とともに価値が高まる重要な要素です。また、長期的に蓄積される認知は他社が模倣できない強みとなり、ブランドの競争力を下支えする基盤にもなります。こうした積み重ねが大きな差を生みます。

認知の積み重ねが資産化
信頼を長期的に築く
ブランドの価値向上に寄与

■ ロゴデザイン変更のメリット

ロゴデザイン変更のメリット

1. ブランドイメージの刷新

ロゴデザインを見直すことで、これまでのイメージを新しくし、ブランドの方向性をより明確に伝えられます。特に、時代に合わなくなったデザインを更新すると、古い印象や停滞感を和らげ、企業が前に進んでいる姿を示しやすくなります。刷新したロゴは、社内外に向けたメッセージとなり、新しい信頼を築くきっかけにもなります。また、変化への姿勢を明確に示すことで、組織全体の意識改革にもつながります。

古い印象を払い、新鮮さを生む
時代に合ったブランド像を提示
変化や進化をわかりやすく伝える

➤ 関連記事:ブランドイメージを高めるデザインとは?

2. ブランド認知の強化

ロゴデザイン変更は話題を生みやすく、ブランドへの注目を高める効果があります。新しいロゴは消費者との接点で新鮮な印象を与え、ブランド名や存在を改めて認識してもらうきっかけにもなります。さらに、キャンペーンや広報活動と合わせることで認知が広がり、ブランドを再び印象づけることができます。また、社内のモチベーション向上にもつながり、組織全体で前向きな空気を生み出しやすくなります。

新デザインで注目を集める
顧客に再認識してもらう機会をつくる
広報施策と連動して認知度を向上

3. 顧客層の拡大

ロゴデザインの刷新は、新しいターゲット層へアプローチする手段としても有効です。従来の顧客に加えて、若い世代や海外市場など新しい層にも響くデザインにすることで、接点が増え、新規顧客を取り込みやすくなります。デザインが与える印象の力は、ブランドの入口を広げる大きな役割を果たします。また、時代に合った表現へ見直すことで、ブランドの柔軟性や開かれた姿勢もより伝わりやすくなります。

新しいターゲット層に届くデザインへ
グローバルにも対応できる表現へ
新規顧客獲得のきっかけをつくる

4. 競争力の向上

競争が激しい市場では、ロゴデザインの見直しが差別化の有効な手段になります。独自性のある新しいロゴを取り入れることで、競合との差を視覚的にわかりやすくし、ブランドの存在感を高められます。また、今後も成長していくブランドである印象を与え、選ばれる理由を増やすことにもつながります。さらに、ブランドの方向性を再確認する機会にもなり、戦略全体の整合性を高める効果も期待できます。

競合との差別化を視覚的に強化
前向きな企業姿勢を伝える
選ばれる根拠をより明確にする

■ ロゴデザイン変更のデメリット

ロゴデザイン変更のデメリット

1. 既存顧客の混乱や不信感

長く親しまれたロゴを変える場合、既存顧客が違和感を覚え、「なぜ変えたのか」と疑問を持つことがあります。場合によっては「別の会社になったのか」と誤解され、信頼が揺らぐ可能性もあります。特にブランドへの愛着が強い顧客ほど反発しやすいため、丁寧な説明や段階的な浸透が重要になります。また、変更の意図を正しく届ける工夫が、混乱を抑えるうえで欠かせません。

長年の愛着が薄れ不安を生む
別企業と誤解される恐れがある
信頼が一時的に揺らぐ可能性

2. ブランド資産のリセットリスク

旧ロゴが積み上げてきた認知やイメージは大切な資産ですが、変更によってそれらが一部リセットされる場合があります。積み重ねてきた一貫性が崩れると、顧客の記憶が弱まり、改めて認知を積み上げる必要が出てきます。そのため、短期的にはブランド力が下がる可能性があります。また、新ロゴへの切り替え期間は旧ロゴと併存するケースもあり、混乱を避けるための計画的な移行が求められます。

長年の認知が薄れるリスク
ブランドの一貫性が崩れる恐れ
再認知のため追加施策が必要

3. コストと時間の負担

ロゴ変更はデザイン費用だけでなく、看板・印刷物・Webサイト・広告など多くの差し替えコストが発生します。すべてを更新するには時間が必要で、社内への浸透にも労力がかかります。結果として、企業全体のリソースに大きな負担がかかる点は避けられません。さらに、取引先やパートナーへの周知も必要になるため、想定以上に調整業務が発生しやすいことも見逃せないポイントです。

制作や展開に大きな費用が必要
各種媒体の更新に時間を要する
浸透のため社内外での対応が必要

4. 失敗のリスク

新しいロゴが必ず市場に受け入れられるとは限りません。デザインが顧客に響かなかったり、ブランドの方向性と合わない場合は、逆に価値を損ねる可能性があります。また、旧ロゴに戻す場合も再びコストが発生し、信頼の低下を招くため、慎重な判断が欠かせません。そのため、事前の検証やユーザー調査を行いリスクを見極めたうえで実施することが重要であり、むやみに変更しない姿勢も求められます。

新ロゴが受け入れられない可能性
ブランドイメージを傷つけるリスク
戻す場合も費用と損失が発生

■ ロゴデザイン変更の手順

ロゴデザイン変更の手順

1. 目的と背景の明確化

ロゴ変更を成功させるためには、まず「なぜ変えるのか」を明確にすることが欠かせません。ブランドイメージの刷新、ターゲット層の拡大、組織変革の象徴など、背景と目的を丁寧に整理し、社内外で共有します。理由が曖昧なまま進めてしまうと、顧客に意図が伝わりにくく、混乱を招く可能性があります。また、判断基準が揃うことでプロジェクト全体の方向性も安定しやすくなります。

変更の理由と背景を整理する
目指すブランド像を定義する
社内外に意義を共有する

2. 現状分析と課題整理

既存ロゴの評価や課題を客観的に洗い出します。顧客がどう受け取っているか、競合はどんなデザインを採用しているかを調査し、強みと弱みを明確にします。これにより、残すべき要素と見直すべき点が整理され、新ロゴ開発の方向性がはっきりします。また、事実に基づいた判断ができるため、感覚だけに頼らない検討が進めやすくなります。さらに、社内の意見も整理しやすく、迷いの少ないプロセスをつくれます。

既存ロゴの強みと弱みを分析する
市場や競合の動向を調査する
顧客の評価や印象を把握する

3. コンセプト策定

調査結果を踏まえて、ブランドの理念や方向性を反映したコンセプトをまとめます。ロゴが何を象徴すべきかを明文化することで、デザイン開発の土台が固まり、迷いのない判断がしやすくなります。理念と市場ニーズの双方を踏まえたコンセプトは、一貫性のあるロゴづくりに欠かせません。さらに、関係者間で共通認識を持ちやすくなり、プロジェクト全体の進行がスムーズになります。

ブランド理念を表現に落とし込む
デザインの方向性を言語化する
市場ニーズと整合させる

4. デザイン開発

設定したコンセプトを基に、複数のシンボルやロゴタイプ案を制作します。その過程では、視認性や再現性を確認し、多様な媒体で機能するか検証することが大切です。感覚的な魅力と機能面の使いやすさのバランスを取ることで、長く使えるロゴへと仕上げていきます。また、初期段階で多角的に検証しておくことで、後工程での修正リスクを減らし、完成度をさらに高めやすくなります。

複数案を制作・比較検討する
視認性・汎用性を検証する
感覚性と機能性を両立させる

 関連記事:ブランディングデザインとは?目的や重要性を成功事例で解説

■ ロゴデザイン変更の成功事例

Starbucks ロゴデザイン変更の成功事例

Starbucks | ロゴデザイン変更の成功事例

Starbucksは2011年にロゴデザインを刷新し、従来の緑と黒のロゴから、緑一色で構成されたシンプルなデザインへ移行しました。中心に配置された“Siren(サイレン)”はそのまま残しつつ、全体をよりミニマルに整えています。新ロゴは新店舗・新メニュー展開に合わせたもので、変更に伴いカップや店内のデザインも統一され、より洗練された印象が生まれました。ブランドイメージを現代的に保ち、親しみやすさを高めることを目的に行われた刷新であり、長期的な戦略にもつながっています。

[ ロゴデザインの変更ポイント ]

2011年のロゴデザイン変更
スターバックスは創業40周年のタイミングでロゴを大きく見直しました。社名「STARBUCKS COFFEE」を外し、サイレンのみを残すことで、象徴そのものがブランドを語るデザインへシフトしています。この変更によって、ブランドが持つ認知の強さを自然に示すかたちとなりました。

ブランディングの一環としての刷新
社名を取り除いたことで、国や言語に左右されずに認識されるロゴになりました。シンボルだけで伝わるデザインは、グローバルでの展開をスムーズにし、市場ごとの文化差にも柔軟に対応できるようになっています。また、多様な環境でも一貫したブランドイメージを保ちやすくなる点も大きなメリットです。

ミニマルデザインの採用
ロゴをよりシンプルにしたことで、商品・パッケージ・広告など幅広い媒体への展開がしやすくなりました。ミニマルな設計は視認性と汎用性を高め、ブランド全体の一貫した印象づくりに大きく貢献しています。また、デザインの負荷が減ることで、新しい施策にも柔軟に対応しやすくなります。

[ 出典 ] スターバックス公式HPより

Mercari ロゴデザイン変更の成功事例

【 Mercari | ロゴデザイン変更の成功事例 】

日本のオンラインマーケットプレイスであるMercariは、2019年にロゴデザインを刷新しました。従来の赤いボックスを廃止し、白と青を基調としたよりシンプルなデザインへと移行しています。全体のタッチも軽やかになり、より現代的な印象を与える仕上がりになりました。変更の背景には、グローバル展開を見据え、認知されやすくクリーンでモダンな印象を持つロゴにしたいという意図があります。また、スマートフォンでの利用が主流になる中、小さな画面でもはっきり見えるデザインを目指した点も特徴です。

[ ロゴデザインの変更ポイント ]

シンプルで親しみやすいデザイン
新ロゴデザインはシンプルさを重視し、視認性の高いフォントやカラーを採用しています。多様なデバイス環境でも認識しやすく、ユーザーに親しみを持ってもらいやすい点がポイントです。また、細部の表現を整理することで、小さな表示でも鮮明に見え、使われる場面を選ばない柔軟さも備えています。

mアイコンの強調
「m」をシンボル化したアイコンを中心に据え、シンプルでも印象に残るようデザインされています。アプリのアイコンとしても扱いやすく、視覚的に覚えやすい構造になっています。また、余白や形状バランスを丁寧に調整することで、小さな表示でも鮮明に見える実用性が確保されています。

グローバル展開を意識したデザイン
シンプルで普遍性のあるデザインにすることで、海外市場でも受け入れられやすくなりました。文字要素を抑え、シンボルを中心に置くことで、言語に左右されにくいロゴになっています。また、文化的な解釈の差異が生まれにくく、どの地域でも同じ印象で受け取られやすい点も大きなメリットです。

[ 出典 ] メルカリ公式HPより

Mastercardロゴデザイン変更の成功事例

【 Mastercard | ロゴデザイン変更の成功事例 】

Mastercardは2019年1月にロゴを刷新し、赤と黄色の2つの円を軸にしたシンプルなデザインへと移行しました。1979年以来の大きな変更で、文字要素を整理しながら現代的でグローバルに通用しやすい印象へ整えています。変更にあたっては、社内外への丁寧な共有や運用管理の徹底が求められ、Mastercardは新ロゴを軸にブランドマネジメントの強化にも取り組んでいます。

[ ロゴデザインの変更ポイント ]

シンボルを強調したミニマルデザイン
新ロゴデザインはシンプルな構成を意識し、視認性の高いフォントやカラーが使われています。多様なデバイスでも見やすく、初めて接する人にも理解されやすいデザインへと調整されています。また、細かい装飾をそぎ落とすことで、場面を問わず安定して機能し、長期的に使いやすいロゴとして成熟させています。

文字を省き、アイコンのみで認識できる設計
「Mastercard」の文字が入っていましたが、新ロゴでは文字を外し、シンボルだけで認識されるブランドを目指しました。グローバル環境でも受け取られやすい視覚的なわかりやすさがあります。また、言語に依存しない設計にすることで、地域や文化が異なる市場でも一貫した体験を提供しやすくなっています。

デジタル対応の柔軟性を強化
デジタル時代を踏まえ、より簡素で扱いやすいデザインへと最適化されています。スマホや小さな画面でも視認性が保たれ、どの環境でもブランドを伝えられる設計になっています。また、動きのあるUIや動画広告にも対応しやすく、幅広いタッチポイントで統一した印象を保てる点も大きなメリットです。

[ 出典 ] マスターカード公式HPより

ロゴデザイン変更弊社実績

株式会社チビコは、ブランドの課題や目的に合わせてロゴデザインを刷新し、方向性や価値をより伝わりやすくする開発を行っています。これまで多様な業界でロゴデザイン変更のプロジェクトを手がけ、戦略からデザイン開発まで一貫して行ってきました。

 詳細記事 : 株式会社チビコ・ブランディング実績一覧

ランドピアのリブランディング

[ LANDPIA ]
LANDPIAは、不動産の有効利用を通じて活力ある経済社会の実現に貢献するブランドです。日本には、まだまだ未開拓の土地や、価値を見出されていない土地が多く残されています。それらを発見、有効活用することで、社会全体が潤う仕組みを作ることを掲げています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | LANDPIAより

リニューアブルジャパンのリブランディング

[ RENEWABLE JAPAN ]
すべての人を、エネルギーの主人公に。主人公という言葉には、同じ時代を生きる一人ひとりにエネルギーづくりの主体となって活躍していただける社会を実現したいというブランドの想いを込めています。そして、共にエネルギーについて考え行動し、社会の創生に寄与していく企業ブランドの姿勢を表しています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | RENEWABLE JAPANより

アイロムグループのリブランディング

[ I’ROM GROUP ]
希望と安⼼に満ちた健やかな未来を、すべての⼈へ。アイロムグループは「憂いなき未来のために。」のブランドプロミスのもと、人々の未来が希望と安心そして健康で満ちあふれたものとなるように先端医療事業、SMO事業、CRO事業、メディカルサポート事業の4つの事業でブランドを展開しています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | I’ROM GROUPより

日本モビリティサービスのリブランディング

[ NIHONN MOBILITY SERVICE ]
NIHONN OIL SERVICEからNIHONN MOBILITY SERVICEへの社名変更に伴うコーポレートアイディンティティ開発。新ブランドのコンセプトは、「新しい移動と技術の進化。モノを超えたサービスとしてのあり方。」モビリティには無限の可能性があることを表現しています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | NIHONN MOBILITY SERVICEより

FAQ-よくある質問

■ ロゴデザインの変更に関するよくある質問

ロゴデザイン変更には多くの判断ポイントがあり、適切な進め方を理解することが欠かせません。ここでは、実際の相談でよく寄せられる質問をまとめ、ロゴデザイン刷新の検討や実行時に知っておきたいポイントをわかりやすくまとめました。

[ よくある質問① ]

Q :ロゴ変更を検討すべきタイミングは?
A :ブランドの価値観や方向性の転換、新たな顧客層への展開、デジタル領域への対応強化など、戦略や環境の変化が生じたときが適切なタイミングです。たとえばスターバックスは創業40周年にサイト名を削除し、象徴的なサイレンのみに刷新しました

[ よくある質問② ]

Q :成功するロゴにはどんな特長がありますか?
A :シンプルで視認性が高く、ブランドの価値やメッセージが一瞬で伝わるデザインが成功の鍵です。多様な媒体でも一貫して機能し、信頼性を高めます

[ よくある質問③ ]

Q :グローバル対応を意識したロゴには何が求められますか?
A :言語に依存しない視覚記号としてのアイコンが重要です。メルカリは「m」シンボルを強調し、シンプルかつグローバルに通用するデザインへ刷新しました(スマホ対応も配慮)

[ よくある質問④ ]

Q :ロゴ変更で競合との差別化を図るには?
A :独自性の強い象徴性あるデザインが必要です。他社と似たロゴではインパクトが弱く、曖昧さにつながるため、差別化できる形・色・構成を検討すべきです。

[ よくある質問⑤ ]

Q :ロゴ変更の際に注意すべきリスクは?
A :費用や運用負荷、顧客の混乱といった負の影響があります。変更の目的と効果を明確にし、段階的な展開と説明戦略を用意することが不可欠です。

checklist-チェックリスト

■ ロゴデザイン変更に関するチェックリスト

ロゴデザイン変更を成功させるには、戦略・デザイン・運用の各側面を丁寧に確認することが欠かせません。ここでは、変更プロセス全体を通して押さえるべき要点を整理したチェックリストをご紹介します。

[ ブランド戦略のチェック ]

⬜︎ ロゴ変更の目的(市場刷新・ターゲット変更・グローバル展開など)が明確になっているか?
⬜︎ ロゴ変更が企業理念・ブランドビジョンと一貫しているか?
⬜︎ 競合他社との差別化を意識したデザイン方針になっているか?

[ ブランド認知・顧客対応のチェック ]

⬜︎ 既存顧客に対してロゴ変更の意図を十分に説明できているか?
⬜︎ ブランド資産を損なわないための段階的移行プランを用意しているか?
⬜︎ 社内外で新しいロゴの意図や活用ルールを共有しているか?

[ ロゴデザインのチェック ]

⬜︎ ロゴの視認性・汎用性(Web・アプリ・印刷物での再現性)が高いか?
⬜︎ シンプルかつブランドのメッセージを直感的に伝えるデザインになっているか?
⬜︎ グローバル展開を想定し、言語に依存しないアイコン性を備えているか?

[ ガイドライン・運用のチェック ]

⬜︎ 新しいロゴの使用ルールをまとめたガイドラインが整備されているか?
⬜︎ 社内外の関係者に向けた教育・周知が徹底されているか?
⬜︎ ロゴ変更後も定期的に効果測定を行い、改善プロセスを回せる体制になっているか?

記事のまとめ

■ まとめ

ロゴデザインの刷新は、単なるデザイン変更ではなく、ブランドの進化や戦略をわかりやすく示す大きなタイミングです。主な理由としては、①ブランド価値や方向性の見直し、②新たな顧客層への対応、③競合との差別化、④デジタル環境や時代に合わせた視覚最適化などが挙げられます。成功するロゴデザインには、シンプルで視認性が高く、ブランドの本質を一目で伝えられる明快さが求められます。さらに、どんな媒体やサイズでも崩れない汎用性も重要です。たとえばスターバックスは、認知が十分に育った段階で文字を外し、サイレンのシンボルだけで成り立つロゴデザインへと進化させました。メルカリも箱の要素を減らし、フォントを整えることで遊び心と認知しやすさを両立しています。こうした戦略的なロゴデザイン変更は、ブランドに新しい印象や信頼を生むきっかけになりやすいといえます。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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