
[ ブランド戦略 ]
リブランディングのタイミングとは?進め方と成功事例(国内外)
企業活動を続けていると、いつしかブランドの鮮度が落ち、市場や顧客の変化に対応できなくなることがあります。そのまま放置してしまうと、徐々に存在感を失い、売上減少や顧客離れを引き起こしかねません。そんな状況を打破するカギが「リブランディング」です。リブランディングは、単なるデザイン変更ではなく、企業の価値やポジショニングを見直し、再び市場に強く訴求するための大きなチャンスです。しかし、適切なタイミングを逃すと、手遅れになるリスクもあります。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、リブランディングの最適なタイミングと成功させるためのポイントを実例を交えてついて詳しく解説します。
CONTENTS | 目次
■ リブランディングのタイミングとは?

1. 売上や認知度が伸び悩んだ時
売上や認知度の停滞は、ブランドが市場やお客さまとの関係の中で少し鈍くなっているサインかもしれません。商品やサービスの品質に問題がなくても、ブランドの伝え方や印象が時代の流れや価値観の変化に合わなくなっていることがあります。特にSNSやデジタルの発展によって、人々の共感のポイントは常に変化しています。昔ながらのデザインやメッセージが古く感じられたり、他ブランドに埋もれてしまうこともあります。そんな時こそ、リブランディングによって「いまの時代にどう価値を届けるか」を見直すことで、ブランドが再び息を吹き返すきっかけになります。少し方向を整えるだけでも、再び注目される流れをつくることができます。小さな変化の積み重ねが、大きな再評価につながることもあります。
2. 事業内容やターゲットが変化した時
ブランドは事業の方向性とともに進化していくものです。新しい市場への参入やターゲットの変化があるにもかかわらず、ブランドの表現が昔のままだと、少しズレが生まれます。たとえば、BtoB中心だった企業がBtoCにも展開したり、若い層を狙うようになったりすると、これまでのメッセージでは伝わりにくくなることがあります。そんな時にリブランディングを行うと、新しい方向性をきちんと伝える助けになります。ブランドの理念やデザイン、メッセージを今の事業に合わせて整理し直すことで、社内外の理解も深まり、一体感が生まれやすくなります。変化をきっかけにブランドを整えることは、前に進む力を生み出してくれます。方向性の変化を素直に受け入れ、柔軟に進化させることが、信頼されるブランドの姿です。
3. 競合との差別化が難しくなった時
市場が成熟してくると、競合他社との違いが見えづらくなってくることがあります。どの企業も似たような言葉やビジュアルを使う中で、「なぜこのブランドを選ぶのか」が曖昧になってしまいます。そうなると価格やキャンペーンに頼ることが増え、ブランドの魅力が伝わりにくくなります。リブランディングは、見た目を変えるだけではなく、自分たちの強みや個性をもう一度掘り下げて、「らしさ」を再確認するためのプロセスです。自社の文化や想い、提供している体験を丁寧に見つめ直すことで、自然と差別化の軸が見えてきます。無理に戦うのではなく、自分たちの魅力をはっきりと示すことができるようになります。結果として、ブランドが持つ信念や世界観がより鮮明に伝わるようになります。
4. 市場環境が変化したとき
社会やテクノロジー、消費者の価値観は常に動いています。サステナビリティへの意識、デジタル体験の重視、個性の尊重など、ほんの数年で大きく変わることもあります。こうした変化にブランドが追いついていないと、「昔のまま」という印象を持たれてしまいがちです。リブランディングは、そうした時代の変化に合わせてブランドをアップデートする良い機会です。流行を追うというよりも、「今の時代における自分たちの意味」を改めて考える作業です。変化を恐れずに見直すことで、新しい顧客や共感を生むチャンスが生まれます。ブランドを時代とともに成長させる、前向きな選択と言えるでしょう。その姿勢こそが、長く愛され続けるブランドの原動力になります。
■ リブランディングの進め方

1. 現状分析と課題抽出
リブランディングを成功させるためには、まず現状分析と課題抽出が不可欠です。自社ブランドの資産や市場でのポジション、競合状況を整理し、顧客ニーズとのギャップを明確化します。売上データや顧客インサイト、SNS評価などを多角的に調査し、ブランドが抱える「認知」「競争力」「共感」の課題を抽出。課題を優先度ごとに整理することで、リブランディングの方向性を的確に定められます。
● ポイント
- 売上、顧客層、競合状況、ブランド認知度などのデータを収集・分析
- ブランドの現状ポジションを明確に把握する(市場・顧客・社内視点)
- ブランドイメージや体験に関するアンケート・ヒアリングを実施
- ブランド課題を洗い出し、リブランディングの必要性を定義
➤ 詳細記事:ブランディングにリサーチと分析が重要な理由とは?
2. ブランド戦略の再構築
ブランド戦略の再構築では、まずブランドの存在意義を明確にし、ミッション・ビジョン・バリューを再定義します。次に、ターゲット層や市場ポジションを見直し、競合との差別化要素を設定。ブランドストーリーを策定し、顧客に共感される一貫したメッセージを設計します。ビジュアルやコミュニケーションの方向性も戦略に沿って統一し、ブランド体験全体を再構築することで、市場での独自性と競争力を強化します。
● ポイント
- ブランドの存在意義を再定義
- ミッション、ビジョン、バリューを再確認・再設定
- 競合との差別化ポイントを明確化
- 新たなターゲット層と市場ポジションを策定
- ブランドストーリーを設計し、共感を生む核を作る
3. ブランドアイデンティティの開発
ブランドアイデンティティの開発では、ブランドの核となる価値や世界観を視覚・言語で表現します。ロゴ、カラー、フォントなどのビジュアル要素を再構築し個性を際立たせます。同時に、タグラインやメッセージのトーン&マナーを統一し、一貫したコミュニケーションを実現。さらに、ブランドガイドラインを策定することで、社内外での表現を統制し、すべての顧客接点で統一感のあるブランド体験を提供します。
● ポイント
- 新しいブランド名、タグライン、スローガンの検討
- ロゴ、カラー、フォント、写真トーンなどのビジュアル要素を再設計
- ブランドガイドライン(VI・CIマニュアル)を策定
- ブランドメッセージを一貫性のあるトーンで統一
➤ 詳細記事:VI(ビジュアル・アイデンティティ)の目的と開発ステップ
➤ 詳細記事:ブランドガイドラインの作り方や構成内容と成功事例6選
4. 社内浸透と体制構築
リブランディングを成功させるには、まず社内への浸透が不可欠です。経営陣から現場スタッフまでブランドの理念や方向性を共有し共通認識を築きます。ワークショップ等を実施し、社員一人ひとりが行動できる体制を整備。名刺や社内資料などツール類も新ブランドに統一し、組織全体で一貫性を維持します。社内からブランド価値を根付かせることで、外部への発信力と顧客体験の質を高めます。
● ポイント
- 経営陣から現場まで一貫したブランド理解を共有
- ブランドトレーニングやワークショップを実施
- 社内資料・名刺・メール署名など、内部ツールのブランド統一
- ブランド体現者としての社員の意識を高める施策を導入
➤ 詳細記事:インナーブランディングとは?その目的と進め方と成功事例
5. 外部発信と実行フェーズ
外部発信と実行フェーズでは、新しいブランドを市場に浸透させる施策を展開します。Webサイト、SNS、広告など、すべてのチャネルを新ブランドに合わせて刷新し、一貫したメッセージを発信。ローンチイベントやキャンペーンを実施し、話題性を高めて認知拡大を狙います。また、店舗・パッケージ・カスタマーサポートなど顧客接点を統一し、ブランド体験を最適化。市場での存在感を強化し、顧客との関係性を深めます。
● ポイント
- Webサイト・SNS・広告など、外部チャネルをブランドに合わせて刷新
- プレスリリースやイベントでリブランディングを発表
- 顧客体験のすべての接点(店舗・パッケージ・カスタマーサポート)を統一
- 新ブランドメッセージの効果的な浸透施策を展開
➤ 詳細記事:一貫性のあるブランドメッセージの作り方
➤ 詳細記事:ブランドサイトの目的と構築方法とは?
■ リブランディングのメリットとリスク

【 リブランディングのメリット 】
リブランディングは、ブランド価値を高め、独自ポジションを確立する有効な手段です。競合との差別化を強化し、新たなターゲット層へのアプローチを可能にします。ビジュアルやメッセージを刷新することで認知度を高め、顧客との共感を生み出し、ブランドロイヤルティを高めます。また、社内のブランド意識を統一し、社員のモチベーション向上や採用力強化にもつながります。さらに、ブランドの方向性を明確にすることで、経営判断やマーケティング施策の精度も高まり、持続的な成長基盤を築くことができます。
● 戦略面のメリット
- 市場でのポジション強化:競合との差別化を明確にし、独自の立ち位置を確立できる
- ブランド価値の向上:ブランドの世界観や存在意義を再定義し、市場からの評価を高める
- 新規市場・ターゲット開拓:新たな顧客層へのアプローチや事業領域拡大のきっかけになる
- 時代適応力の向上:社会変化やトレンドに合わせたブランド刷新で、古い印象を払拭できる
● 顧客面のメリット
- 認知度の向上:新しいビジュアルやメッセージでブランドの露出を高め、想起されやすくなる
- 顧客ロイヤルティ強化:ブランドストーリーや価値観を再構築することで共感を生み、ファンを育成
- 顧客体験の最適化:Web、店舗、商品パッケージなどあらゆる接点を統一し、顧客満足度を向上
- ブランドイメージ刷新:古い印象やマイナスイメージを払拭し、新鮮で魅力的な印象を与える
● 社内面のメリット
- 社員のブランド意識向上:理念やビジョンを再定義することで、社員が一体となりやすい
- 採用力の強化:企業イメージの向上により、優秀な人材の獲得につながる
- 社内コミュニケーション活性化:リブランディングを通じて部門間の連携が促進される
- ブランド体現文化の醸成:社員がブランドを理解し、日常業務で自然に体現できるようになる
【 リブランディングのリスク 】
リブランディングは効果的な一方で、進め方を誤るとブランド価値を損なうリスクがあります。従来のロゴや名称変更により、積み上げた認知や信頼を失う可能性があります。また、既存顧客がブランドの変化に共感できず離反する恐れもあります。さらに、ロゴ刷新や広告展開、Webサイト改修などに多大なコストと時間がかかり、費用対効果が見合わないケースもあるため慎重な計画が必要です。リブランディングは勢いで行うものではなく、目的・背景・影響範囲を明確にし、段階的に進める姿勢が成功の鍵になります。
● 戦略面のリスク
- ブランドアイデンティティの混乱:方向性を明確にしないと、ブランド価値が曖昧になる
- 既存ブランド資産の毀損:従来のロゴや名称変更で、積み上げた認知・信頼を失う可能性
- 市場との不一致:新戦略が市場のニーズとズレると、逆にブランド力低下につながる
- 過剰投資のリスク:ロゴ刷新・広告・サイト改修などのコストが高く、効果が見合わないケースも
● 顧客面のリスク
- 既存顧客の離反:リブランディングにより「以前のブランドらしさ」が失われると顧客が離れる恐れ
- ブランドメッセージの誤解:新しいメッセージがターゲット層に伝わらず、混乱を招く可能性
- 一時的な認知低下:名称変更やデザイン刷新で、顧客がブランドを認識しづらくなる場合がある
- 顧客体験の不整合:Web・店舗・広告などで新旧ブランドが混在し、体験の一貫性が崩れるリスク
● 社内面のリスク
- 社員の理解不足:社内浸透が不十分だと、新しいブランド方針が現場に活かされない
- 現場オペレーションの混乱:名刺・資料・システムなどの更新が遅れ、業務効率が低下する恐れ
- 社員のモチベーション低下:ブランド変更への納得感がないと、士気が下がるリスク
- 部門間の対立:マーケティング、営業、デザインなどで方針が食い違うと、社内で摩擦が生じやすい
■ リブランディングの成功事例(国内編)

【 富士フイルム | リブランディング成功事例 ]
フィルムから「総合ヘルスケア企業」へ転換。ブランド自体の再定義に成功。
写真フィルム需要が激減する中、富士フイルムは生き残りをかけて大胆なリブランディングを実施しました。自社が持つ化学技術・ナノテクノロジーの知見を活かし、医療・ヘルスケア・高機能素材・化粧品といった新領域に参入。「NEVER STOP」のスローガンのもと、挑戦し続ける姿勢を世界に発信しています。今では、化粧品ブランド「アスタリフト」や医療用画像診断機器でも高いブランド価値を確立。かつてのフィルム会社の枠を超えた、事業変革型リブランディングの成功例です。
● リブランディングの成功ポイント
- フィルムから医療・ヘルスケアへ事業転換
- 既存技術資産を異分野へ展開
- NEVER STOPの一貫したブランド発信
- 新領域でも高いブランド評価を獲得
- 危機を好機に変えた戦略的リブランディング

【 キユーピー | リブランディング成功事例 ]
創業100年を機に、「愛される生活ブランド」として感性訴求を強化。
創業90周年を迎えたキユーピーは、ブランドの存在意義を見直し「愛は食卓にある」をコーポレートスローガンに刷新。従来のマヨネーズメーカーという枠組みを超え、「食と健康」に関するブランドメッセージを強化しました。新たなCI・ロゴデザインの採用に加え、広告ビジュアルや商品パッケージ、ウェブサイトでもブランドの一貫性を重視。家族の健康や食卓での幸福感を訴求し、企業価値を再構築しました。老舗でありながら時代性に適応した好例といえる、極めて完成度の高いリブランディングです。
●リブランディングの成功ポイント
- 食と健康軸のブランド再定義
- スローガン「愛は食卓にある」を明確化
- 一貫性ある広告・デザイン展開
- 家族・健康イメージで新たなファン層開拓
- 時代に即した老舗ブランドの進化

【 中川政七商店 | リブランディング成功事例 ]
「日本の工芸を元気にする」を掲げ、全国展開に成功。パーパス起点の再構築。
中川政七商店は「日本の工芸を元気にする」という理念のもと、老舗問屋から現代のライフスタイルブランドへ転換。商品企画、パッケージデザイン、店舗空間まで一貫性のある世界観を築き上げました。ECサイトやメディア露出も活用し、若年層や都市部の感度の高い層に訴求。老舗の伝統を守りながら、新たな市場価値を創出することに成功しています。地方工芸に新しい息吹を吹き込み、持続可能な日本文化の未来を示したリブランディング事例であり、地域産業活性化の好例です。
● リブランディングの成功ポイント
- 「日本の工芸を元気にする」理念の明確化
- パッケージ・店舗空間のデザイン刷新
- EC・メディア活用によるブランド認知拡大
- 若年層・都市部ターゲットへの訴求
- 伝統と革新のバランスをブランドに反映

【 白鶴酒造 | リブランディング成功事例 ]
若年層に向けたデザイン刷新・プロモーションで老舗の価値再生。
白鶴酒造は、伝統的な日本酒ブランドから現代的なライフスタイルブランドへリブランディングを推進。パッケージデザインを刷新し、若年層や女性層に向けた新商品開発を強化。SNSを活用したコミュニケーション戦略にも注力しています。伝統ある品質の高さを維持しつつ、親しみやすくスタイリッシュなブランドイメージを構築。海外市場でも日本酒文化の普及とブランド浸透に貢献し、時代に合わせて進化し続ける企業姿勢を体現しています。老舗の信頼を土台に、新たな市場開拓と価値創造を実現した成功事例です。
● リブランディングの成功ポイント
- パッケージデザイン刷新で若年層開拓
- SNS活用によるブランド発信強化
- 女性層・海外市場向け商品展開
- 伝統品質と現代感覚の両立
- 日本酒文化のブランド価値を強化
■ リブランディングの成功事例(海外編)

【 MINI | リブランディング成功事例 ]
英国発のレトロな価値を活かしつつ、都市型・プレミアムへ転換。
BMW傘下となったMINIは、単なる小型車ブランドから都市型ライフスタイルブランドへの進化を図りました。ブランドDNAであるクラシックなデザインは維持しつつ、最新のデジタル技術やスマート機能を搭載。広告展開やコラボレーションでも若年層を意識したライフスタイル提案を強化しています。車というプロダクトを超えて「MINIらしい世界観」を作り上げ、ファン層の拡大と高付加価値化に成功した好例であり、ブランドの持続的成長を支える象徴的な変革として高く評価されています。
● リブランディングの成功ポイント
- ライフスタイルブランドへの進化
- デジタル機能とクラシックデザインの融合
- 若年層向けマーケティング強化
- コラボレーション戦略で新規層獲得
- 世界観を重視したブランド体験構築

【 スターバックス | リブランディング成功事例 ]
日本市場での「第三の場所」戦略を、空間・接客・ビジュアルすべてで一貫化。
スターバックスは「サードプレイス=家庭でも職場でもない心地よい空間」という新たな価値提案により、コーヒーショップの枠を超えたブランドポジションを確立しました。2011年にはロゴから「COFFEE」の文字を削除し、商品ラインアップや体験価値の幅を拡大。店舗デザインやサービス面でも地域性と一貫性を両立させ、グローバルブランドとしての地位を築いています。単なる商品提供ではなく、体験を通じたブランド価値の創造を実現した代表例であり、世界中で愛され続けるブランドとなりました。
● リブランディングの成功ポイント
- サードプレイスというブランドコンセプト導入
- ロゴから「COFFEE」の文字削除
- 商品・空間・体験の総合価値を訴求
- 地域文化との共生戦略を推進
- 世界で通用するブランド体験を確立

[ Meta | リブランディング成功事例 ]
Facebookから「次世代テクノロジー企業」へ。未来志向のブランド再構築に成功。
Meta(旧Facebook)は2021年に社名変更を行い、メタバース時代を見据えた大規模なリブランディングを実施しました。SNS中心の企業イメージから脱却し、「人々をつなぐ次世代のインターネット」を創造するという新たなビジョンを提示。無限大(∞)をモチーフにしたロゴは、つながりと可能性を象徴しています。Facebook、Instagram、WhatsAppを包括するブランド体系を再構築し、テクノロジーと人間の共存を軸にした新しい企業像を世界へ発信しました。
● リブランディングの成功ポイント
- メタバース時代を見据えた企業ビジョンの明確化
- 旧Facebookブランドからの脱却による再出発
- 無限大ロゴで「つながり」と「革新性」を視覚化
- 事業群を統合するブランドアーキテクチャの再構築
- テクノロジー企業としての信頼と可能性を再定義

[ Uber | リブランディング成功事例 ]
「移動を、もっとシンプルに。」ブランドの再定義でグローバルな信頼を獲得。
Uberは2018年に大規模なリブランディングを実施し、黒と白を基調としたミニマルなロゴデザインへ刷新しました。旧来の「U」マークを廃止し、シンプルな文字ロゴに統一することで、国や文化を超えて伝わる普遍的なブランドへと進化。配車サービスからフードデリバリー、物流など幅広い事業を展開する中で、「人と場所をつなぐモビリティブランド」としての立ち位置を明確にしました。「Movement ignites opportunity」のもと、世界規模での信頼性・安全性を重視したブランド再構築に成功しています。
● リブランディングの成功ポイント
- グローバル市場で一貫性を持たせたシンプルなブランドデザイン
- 「U」マークを廃止し、普遍的な文字ロゴへ刷新
- モビリティ全体を包括するブランドアイデンティティを確立
- 安全性・信頼性を軸にブランドイメージを再構築
- 「移動が機会を生む」という新たな価値提案を浸透
■ 弊社のリブランディング実績
弊社では、多様な業種・規模のクライアント様に対して、ブランド戦略、ロゴデザイン開発、ブランドステートメント策定、名刺・封筒・Webサイトなどのデザイン開発を一貫して手がけています。ネーミングやパッケージ、サインデザインなども包括的に開発しブランドの統一感と差別化を実現しています。

[ LANDPIA ]
LANDPIAは、不動産の有効利用を通じて活力ある経済社会の実現に貢献するブランドです。日本には、まだまだ未開拓の土地や、価値を見出されていない土地が多く残されています。それらを発見、有効活用することで、社会全体が潤う仕組みを作ることを掲げています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | LANDPIAより

[ RENEWABLE JAPAN ]
すべての人を、エネルギーの主人公に。主人公という言葉には、同じ時代を生きる一人ひとりにエネルギーづくりの主体となって活躍していただける社会を実現したいというブランドの想いを込めています。そして、共にエネルギーについて考え行動し、社会の創生に寄与していく企業ブランドの姿勢を表しています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | RENEWABLE JAPANより

[ I’ROM GROUP ]
希望と安⼼に満ちた健やかな未来を、すべての⼈へ。アイロムグループは「憂いなき未来のために。」のブランドプロミスのもと、人々の未来が希望と安心そして健康で満ちあふれたものとなるように先端医療事業、SMO事業、CRO事業、メディカルサポート事業の4つの事業でブランドを展開しています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | I’ROM GROUPより

[ NIHONN MOBILITY SERVICE ]
NIHONN OIL SERVICEからNIHONN MOBILITY SERVICEへの社名変更に伴うコーポレートアイディンティティ開発。新ブランドのコンセプトは、「新しい移動と技術の進化。モノを超えたサービスとしてのあり方。」モビリティには無限の可能性があることを表現しています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | NIHONN MOBILITY SERVICEより

■ リブランディングのタイミングに関するよくある質問
リブランディングの相談で最も多いのが「今がその時か」という問いです。多くの企業を支援してきた経験から、適切なタイミングを見極めるための視点を紹介します。
[ よくある質問① ]
Q :リブランディングするタイミングって、どう判断すればいいですか?
A :状況によって判断基準がありますが、主に3つです:売上や認知が伸び悩んだとき、新規ターゲットや市場への展開に合わせるタイミング、そして競合との差別化が難しくなったときです。
[ よくある質問② ]
Q :売上停滞だけでなく、何かサインがあれば考えるべきですか?
A :はい。たとえば市場の反応が鈍くなっている、顧客や採用で「古い印象だ」と感じられている瞬間は、リブランディングを真剣に検討すべきサインです
[ よくある質問③ ]
Q :経営層が変わったタイミングでも良いんですか?
A :経営者交代や組織再編など、舵を切る重要なタイミングはリブランディングの“好機”とも言えます。新たな意思とともにブランドの刷新を図るタイミングとして有効です。
[ よくある質問④ ]
Q :タイミングを逃すとどうなるんですか?
A :ブランドの鮮度が落ち、市場での存在感が薄れるリスクがあります。結果として売上や顧客忠誠の喪失につながる可能性も高いです。早期判断が求められます。
[ よくある質問⑤ ]
Q :とはいえ、リブランディングを始めるにはまず何をすべき?
A :まずは“今どう見られているか”の現状分析と市場/顧客の声を把握すること。社内共感と方向性の共有が不可欠であり、その上で戦略として動き始めるのが正解です。

■ リブランディングのタイミングに関するチェックリスト
多くのリブランディングを支援してきて痛感するのは、「思いつきの変更」は失敗のもとだということ。ここでは、実際の経験から導いた適切な判断基準をチェックリスト化しました。
【 会社名のチェック 】
⬜︎ 事業内容や提供価値が、社名から誤解なく伝わっているか?
⬜︎ 社名が時代遅れな印象や古臭さを放っていないか?
⬜︎ 社名に読みづらい/覚えづらい/発音しにくい要素はないか?
【 理念・ビジョンのチェック 】
⬜︎ 企業理念が全社員に浸透し、共通認識として共有されているか?
⬜︎ ブランドビジョンが現在の事業戦略と整合しているか?
⬜︎ 社員の行動や言動がブランドの理念に一致しているか?
【 ブランドデザインのチェック 】
⬜︎ ブランドの訴求メッセージが、売上や認知の伸び悩みを解消できる内容か?
⬜︎ リブランディングは段階的に進んでいるか?顧客を巻き込める設計か?
⬜︎ 既存ブランドの信頼感を損なうことなく、新しい価値を構築できているか?

■ まとめ
企業がブランドの鮮度を保ち、市場に効果的に訴え続けるには、戦略的なリブランディングの判断が不可欠です。特に見直しを検討すべきタイミングは、①売上や認知度が頭打ちになったとき、②事業内容やターゲット層が変化したとき、③競合との違いが曖昧になったときです。これらの兆候は、ブランドが旧態依然としているサインであり、変化のチャンスでもあります。ただし、リブランディングは単なるロゴ刷新ではなく、価値やポジショニングの見直しを含む重厚なプロセスです。成功に向けた進め方としては、現状分析に基づく市場理解、社内外の共感形成、定量的な意思決定が重要です。適切なタイミングで戦略を再構築できれば、ブランドが再び魅力を取り戻し、顧客との絆を強化できます。逆に、判断が遅れれば、存在感を失いかねないリスクもあるため、早めのアクションが求められます。

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

【 ご質問、お打合せ希望など、お気軽にお問合わせください。】
– ブランド戦略からデザイン開発まで –
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