
[ ブランド戦略 ]
リブランディングが必要な理由とは?
ブランドは、たとえ大企業や老舗であっても放って置けばいずれは陳腐化してしまいます。機械が劣化するように、人に老化があるように、これはブランドにとっても避けては通れない運命なのです。競合ブランドがあの手この手で仕掛けてくるのは当然のこと、それ以上に時代の進歩や技術革新、消費者の慣れや飽きにより、必ず陳腐化してしまうのです。この状況を打破するための戦略であり手段がリブランディングなのです。
現状のブランドを知ることが重要
リブランディングにおいて重要なのは、「なぜリブランディングが必要なのか」原因や理由を徹底的に考えることです。また、ブランドに飽きたり、マンネリを感じるのは、意外なことにユーザーよりも、発信している本人たちの場合も多いのです。誰の心がブランドから離れているのか、見極めることがポイントです。
リブランディングにおける3つの「Re」

① 「リポジショニング」ブランドの立ち位置を変えること。
② 「リフレッシュ」ブランドの見え方を変えること。
③ 「リバイタライズ」社員と顧客を活性化させること。
リブランディングが必要な5つの要因
① 競合の成長と環境の変化
もともと小さなビジネスだったところに大手企業が参入してくるケースもあれば、全く思いもよらないカテゴリーが突如として競合になる可能性もあります。
② 新技術の登場による陳腐化
自動車や家電などテクノロジーをベースにした技術開発における急激な進化。
③ 新ジャンルの登場による衰退
その商品やブランドというよりは、ジャンル全体が衰退してしまうケースです。例えばワープロやいわゆる携帯電話“ガラケー”のような例。
④ 時代や価値観の変化
日本では「お金より生きがい」という考え方が広がり続けています。また、若い世代を中心に広がる、物質的なモノは身の周りに必要最低限でよいと考える「ミニマリスト」の考え方。
⑤ 社会構造の変化
少子高齢化、ホワイトカラーの失業、グローバル化、現代はこうした大きな変化の中にあります。構造の変化に伴い、人々の価値観も変わっていきます。
ブランドの進化
虎屋グループ
[ 出典 ] 虎屋グループ公式サイトより
https://www.toraya-group.co.jp/toraya/shops/detail/?id=5
ブランドというものは、外的要因によって「変わらないところ」を持たなければなりません。しかし、それと同時に、常に変化し続ける部分もなければなりません。それを成功させている事例としてよく話題にのぼるのが、和菓子のとらやさんです。日本でも最古のブランドの一つであり、コアにある「おいしい和菓子を喜んで召し上がっていただく」という基本理念は一切変わっていませんが、ヨーロッパ出店や新業態「TORAYA CAFE」の展開など、常に新しいことに挑戦し、発信し続けている。それによって顧客を飽きさせないのです。
リブランディングは好調なうちに
リブランディングは、ブランドが不調になってから行うものと思われがちですが、望ましいタイミングは「好調なとき」です。売上が減少し何かテコ入れが必要だとなる前に少し先の未来を見据えて新しいものに挑戦するということもリブランディングの動機として重要なことです。リブランディングを必要になった原因から「ブランドの理想像」を導き出し、その実現のための戦略こそがリブランディングなのです。
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