[ ブランド戦略 ]
周年ブランディングの重要性と成功事例
周年ブランディングは、企業やブランドにとって重要な節目を祝うだけでなく、過去の成功を振り返りながら未来への期待を高める絶好の機会です。企業の歴史や成長を強調し、顧客や取引先に感謝を伝えることで、ブランドの信頼感を高めることができます。また、周年のタイミングを活かして新商品やキャンペーンを打ち出すことで、企業の存在感をさらに強化し、新たなファン層を獲得することも可能です。成功する周年ブランディングには、一貫したメッセージとクリエイティブな表現、社内外への積極的なコミュニケーションが不可欠です。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、周年ブランディングを成功に導くための具体的な方法や事例を紹介し、その効果を最大化するためのポイントを解説します。
■ 周年ブランディングの重要性とは
周年を祝うことは、企業やブランドにとって重要であり、その達成を記念することで、ブランドイメージの向上や顧客との結びつきの強化など、様々な利益が得られます。例えば、企業が創業50周年を迎えた場合、その50年間に蓄積された実績や歴史、ブランドの信頼性を再確認する機会となります。また、周年記念のイベントやキャンペーンを実施することで、新しい顧客の獲得や既存顧客のリテンションにつながり、ブランド価値の向上に繋がることが期待されます。
さらに、周年を祝うことは、社員やパートナー、取引先など、関係者全員に感謝の気持ちを伝えることができます。企業が取り組むべき社会的責任や、顧客に提供する価値観を改めて共有し、企業文化の向上にもつながります。周年を祝うことは、企業やブランドの発展に不可欠な要素であり、戦略的に計画し、適切に実行することが求められます。
【 ブランドの歴史や価値観を伝える機会 】
周年ブランディングは、ブランドが歩んできた歴史や価値観を伝える絶好の機会です。長年積み重ねてきた実績や革新の歩みを振り返りながら、ブランドが守り続けてきた理念やミッションを改めて示すことができます。周年キャンペーンを通じて、ブランドの成り立ちや進化の過程を公開することで、顧客やファンにとっての理解が深まると同時に、ブランドへの信頼も強化されます。歴史や価値観に共感した顧客は、ブランドに対する愛着や応援する気持ちが高まるため、長期的なブランドロイヤルティの向上に寄与します。
【 ファンや顧客への感謝の気持ちを表す機会 】
周年は、長く支えてくれた顧客やファンに対して感謝の意を表す絶好のタイミングです。特別なイベントや記念商品、限定キャンペーンなどを通じて、顧客がブランドにとってどれだけ大切な存在かを伝えます。また、ファンからの声や体験談を取り上げたり、交流の場を設けたりすることで、顧客のブランドに対する期待や愛情に応えることができます。感謝を具体的に伝えることは、顧客とのつながりを深め、ブランドへの信頼感や支持を一層高めることにつながります。
【 ブランドのアピールポイントを再認識する機会 】
周年イベントは、ブランドのアピールポイントや強みを改めて確認し、それを明確に伝える機会でもあります。周年プロモーションを通じて、ブランドが提供する価値や独自性を強調することで、既存の顧客だけでなく、新規顧客にもブランドの魅力を再認識してもらえます。例えば、これまでに開発された代表的な商品や革新的な取り組みを紹介することで、ブランドが他にはない価値を提供していることを示し、競合との差別化を図ります。この再認識がブランドのポジショニングをより確固たるものにし、ファン層をさらに拡大するための基盤となります。
【 PRやマーケティングの機会 】
周年は、大規模なPRやマーケティングキャンペーンを展開する絶好の機会です。メディア露出やイベントを通じて、ブランドの魅力を広くアピールし、新たな顧客層に訴求することが可能です。また、ソーシャルメディアや広告など多様なチャネルを活用し、周年限定のキャンペーンやプロモーションを行うことで、ブランドの認知度を一気に高められます。さらに、周年のストーリー性を活かすことで、より強い感情的なつながりを消費者と築くことができ、ブランドイメージの強化や市場でのポジション向上にも寄与します。
■ 周年ブランディングの成功事例
【 ルイ・ヴィトン創立160周年記念 】
ルイ・ヴィトンは、フランスの高級ブランドであり、創立160周年を迎えた際には、特別な記念イベントやキャンペーンを行いました。また、この記念に合わせて、ルイ・ヴィトンの創業者であるルイ・ヴィトン自身が手掛けた「トランク」が、モノグラム・キャンバスのバッグや小物に再解釈されたコレクションが発表されました。また、ルイ・ヴィトンはこの記念を記念して、オリジナルデザインのトランクを作成し、展示会を開催するなど、歴史や伝統に敬意を表しました。さらに、創業当時から使用されているモノグラム・キャンバスのデザインを復刻し、限定商品として販売しました。このように、ルイ・ヴィトンは自身の歴史や伝統を大切にし、特別な記念イベントや商品を通じて、創立160周年を祝いました。
[ 周年ブランディングの成功ポイント ]
⚫︎「アイコニック・モノグラム」プロジェクト
160周年記念として、「アイコニック・モノグラム」プロジェクトを発表。ルイ・ヴィトンの象徴であるモノグラムパターンを、世界的なデザイナーやアーティストと協力して再解釈し作品を制作しました。
⚫︎著名デザイナー・アーティストとのコラボレーション
カール・ラガーフェルドやクリスチャン・ルブタン、シンディ・シャーマン、フランク・ゲーリー、マーク・ニューソン、川久保玲などの有名デザイナーがプロジェクトに参加。各アーティストが、モノグラムをテーマにルイ・ヴィトンのクラシックなデザインに新しい価値を付加しました。
⚫︎限定アイテムの発売
160周年を記念して、コラボレーションによる限定アイテムが発表されました。これらのアイテムは、各アーティストの独自のスタイルとモノグラムが融合した作品で、非常に高い注目を集めました。
⚫︎ブランドの伝統と革新の融合
創業160年を迎えるにあたり、ブランドの伝統と革新を象徴するプロジェクトとして位置づけられ、ルイ・ヴィトンが常に新しい挑戦とクリエイティビティを追求していることを強調しました。
⚫︎「ルイ・ヴィトン160年の歴史」展示イベント
160周年を記念して、ルイ・ヴィトンの歴史や伝統を紹介する特別展示イベントが各地で開催され、ルイ・ヴィトンの歴史を多くの人々に伝えました。
⚫︎グローバルなPRキャンペーン
160周年記念を祝うため、グローバルなPRキャンペーンを展開し、SNSや広告を通じて、ブランドのアイコンであるモノグラムと新しいデザインを世界中に発信しました。
⚫︎記念書籍の出版
ブランドの歴史や160周年のプロジェクトに関する記念書籍が出版され、ルイ・ヴィトンの伝統や、アーティストとのコラボレーションに対するインサイドストーリーが記録されました。
[ 出典 ] Pixelisteより
[ 出典 ] RETOY’Sより
【 ロレックス創立100周年 】
ロレックスは1905年にスイスで創業され、2005年に創立100周年を迎えました。この記念すべき年に、同社は様々な周年記念モデルを発売し、世界中のロレックスファンから注目を集めました。創立100周年を記念して発売されたモデルには、「GMT-Master II」「Submariner」「Day-Date」「Datejust」「Explorer」などがあります。これらのモデルには、従来のモデルとは異なるカラーリングやデザインが採用され、限定生産などの販売戦略も行われました。また、ロレックスは創立100周年を機に、自社の歴史や製品開発の過程を紹介する展示会を開催し、社史や記念誌などを出版するなど、様々な周年記念イベントを実施しました。さらに、創立100周年を記念して、社員や関係者に向けた記念品や限定品も発表され、ロレックスのブランドイメージの強化につながりました。創立100周年という節目を迎えたロレックスは、これまでの軌跡を振り返りながら、新たな展開に向けた布石を打つ機会となりました。
[ 周年ブランディングの成功ポイント ]
⚫︎創立100周年を記念した特別モデルの発表
100周年記念として、ロレックスの象徴である「オイスター」や「デイトジャスト」、「サブマリーナ」などの人気モデルをベースにした限定モデルが登場し、ファンやコレクターに向けて特別感のあるデザインが話題を呼びました。
⚫︎ブランドの歴史と進化を振り返る特別イベント
世界各国で100周年を記念する展示会やイベントが開催され、ロレックスの歴史や技術革新、象徴的なモデルに関する展示が行われ、ブランドの進化を幅広く紹介しました。
⚫︎ロレックスのイノベーションを祝うメディアキャンペーン
ブランドの技術的革新や耐久性を強調するメディアキャンペーンを展開し、オイスターケースやパーペチュアルムーブメントといったロレックスならではの技術を改めて伝え、ブランド価値を再確認しました。
⚫︎「エクスプローラー」としてのイメージ強化
探検家や冒険家に愛用されてきた歴史を強調し、「エクスプローラー」などのモデルを通じて、タフなブランドイメージを再確立。これにより、過酷な環境にも耐える信頼性と耐久性をアピールしました。
⚫︎限定記念書籍の発行
創立100周年を記念して、ロレックスの歴史やモデル、創業者ハンス・ウィルスドルフのビジョンなどを記した記念書籍が発行され、ブランドの歩みと革新の軌跡が記録されました。
⚫︎CSR活動の強化と発表
100周年を機に、環境保護や冒険家支援などのCSR活動にさらに注力し、海洋保護団体や探検家プロジェクトとの連携を強化。社会貢献活動を通じて、ブランドの社会的な価値を高めました。
⚫︎時計製造技術のイノベーション強調
精密さ、耐久性、信頼性において他社に先駆ける技術革新を続けてきたことを改めて訴求。100年にわたる製造技術の歴史と品質の追求を称賛しました。
[ 出典 ] ロレックス社100周年記念モデルより
【 マクドナルド日本での創業50周年 】
マクドナルド日本での創業50周年は、1971年に日本で最初のマクドナルド店舗がオープンしてから50年を迎えたことを記念して行われたイベントです。この記念日に合わせて、マクドナルド日本は様々なキャンペーンや限定商品を展開し、多くのファンやお客様に感謝の気持ちを伝えました。この記念日に合わせて、マクドナルド日本は「50年目のトリビュート」というキャンペーンを展開しました。このキャンペーンでは、マクドナルドの代表的なメニューである「ビッグマック」をアレンジした特別メニューが提供されました。また、マクドナルドのマスコットキャラクターである「ロナルド・マクドナルド」のフィギュアや、限定グッズなども販売されました。また、マクドナルド日本はこの記念日に合わせて、日本国内の全店舗で「マクドナルド・フェスティバル」というイベントを開催しました。このイベントでは、マクドナルドのメニューをはじめ、様々なアクティビティやイベントが展開され、多くの人々が参加しました。
[ 周年ブランディングの成功ポイント ]
⚫︎限定メニューの登場
50周年を記念して、人気メニューの復刻版や新しい限定メニューが登場。過去の人気メニューや、新しい味を加えた特別メニューが話題となり、ファン層を広げました。
⚫︎特別キャンペーンの実施
創業50周年を祝うためのキャンペーンとして、「50年分の無料クーポン」など大規模なプレゼント企画を展開。SNSを活用したプロモーションも行い、話題性を高めました。
⚫︎50周年記念グッズの販売
マクドナルドのロゴや人気メニューをモチーフにした記念グッズを販売。バッグやステッカー、フィギュアなど多様なアイテムが用意され、ファンやコレクターに向けて特別感のあるアイテムが提供されました。
⚫︎感謝の意を込めた広告キャンペーン
創業50周年を支えてきた日本の顧客への感謝を込めた広告キャンペーンを展開。テレビCMや屋外広告などで、「いつもありがとう」のメッセージを発信し、長年の顧客に対して感謝を表明しました。
⚫︎店舗での記念イベント
各店舗で50周年を記念した特別イベントが開催され、家族連れや常連客を招いた特別な体験を提供しました。店舗装飾やスタッフの衣装など、店内も50周年仕様に変更され、訪れた客に特別感を演出しました。
⚫︎社会貢献活動の強化
50周年を機に、地域社会への貢献活動をさらに拡充。フードバンク支援や子供たち向けの食育プログラムなど、社会貢献活動を通じてブランドイメージを向上させました。
⚫︎日本での歴史を振り返るコンテンツの配信
マクドナルドの日本上陸からの歩みを紹介する動画や記事をオンラインで配信。50年間の成長と挑戦を振り返るコンテンツで、顧客や従業員にブランドの歴史と理念を伝えました。
⚫︎記念メニューの価格割引
50周年記念として、人気メニューの特別価格キャンペーンを実施。消費者にとって馴染み深いメニューを手頃な価格で提供し、感謝の気持ちを伝えました。
[ 出典 ] 日本マクドナルド50年の歴史より
【 資生堂150周年 】
資生堂は新たなブランドステートメント「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」を発表しました。これは、美容の革新を通じて世界をより美しくするという資生堂のビジョンを表しています。また、同時に、新しいブランドマークを導入し、世界中で使用されるようになりました。この新しいブランドマークは、「人々の多様性を受容し、美しさを創造する」という資生堂の理念を反映したものとなっており、花のような形状を持つオリジナルマークから一新されました。また、新たなブランドカラーも採用され、透明感あふれるシルバーと、豊かな感性を表すブルーが組み合わされています。創業150周年という大きな節目を迎えた資生堂は、新たなビジョンを示し、世界中に向けてその存在感をアピールしました。
[ 周年ブランディングの成功ポイント ]
⚫︎150周年記念ロゴとスローガンの発表
「Beauty Innovations for a Better World(美しさの力でより良い世界へ)」というスローガンと特別な150周年記念ロゴを発表し、企業の使命とビジョンを表現しました。
⚫︎限定商品や復刻アイテムの発売
歴代の名品や人気のスキンケア、メイクアイテムの復刻版の限定商品が発売され、長年のファンから注目を集めました。150周年を記念した特別パッケージで、ブランドの伝統を感じられる商品を提供しました。
⚫︎グローバルPRキャンペーンの実施
世界中でオンラインおよびオフラインのPRキャンペーンを展開し、150年にわたる美と革新の歴史を広く発信。SNSを通じて、ブランドストーリーや記念動画、歴史的なビジュアルコンテンツを配信しました。
⚫︎アートとテクノロジーの融合プロジェクト
美と技術の革新をテーマに、アートインスタレーションやデジタル技術を駆使した展示会を開催。美の未来と資生堂のビジョンを示すことで、ブランドの革新性を強調しました。
⚫︎記念イベントとポップアップストアの開催
資生堂の150年の歩みを振り返る展示や、ブランド体験ができるポップアップストアを東京や世界各地で開催。製品体験や特別なサービスを提供し、顧客との直接的な接点を増やしました。
⚫︎150周年記念の特別ウェブサイトの開設
資生堂の歴史や革新の歩みを紹介する専用サイトを開設。ブランドの誕生から現在までの歴史的な瞬間や名品、創業者のビジョンなどをまとめ、資生堂ファンに深いブランド理解を促しました。
⚫︎記念ドキュメンタリーの制作と公開
創業からの150年間の歴史や、資生堂のビジョン・哲学を紹介する記念ドキュメンタリーを制作し、オンラインで公開。視覚的なストーリーで、資生堂の進化を伝えました。
⚫︎社員やパートナーへの感謝イベント
長年にわたりブランドを支えてきた社員やビジネスパートナーに感謝を表す特別なイベントを開催し、資生堂の一員としての誇りと結束を深めました。
[ 出典 ] 資生堂150周年スペシャル企業サイトより
[ 出典 ] 未来へのメッセージ「美ししあわせは、人のしあわせを願うこと」より
【 ディズニーランド60周年記念 】
ディズニーランドの60周年記念イベントは、2015年に開催されました。イベントのテーマは「ダイヤモンド・セレブレーション」と名付けられ、ディズニーランドの象徴的なシンボルである“眠れる森の美女城”を中心に、パーク内のあちこちで様々なエンターテインメントが行われました。例えば、パレード「ディズニー・オン・パレード60」では、ディズニーのキャラクターたちが、大きなダイヤモンドを掲げてパレードを行い、ディズニーランドの歴史を振り返る内容となっていました。また、ショー「ディズニー・フォーエバー」では、パークの象徴である“眠れる森の美女城”を映像や花火などを使って美しく演出し、感動的なショーを観客に提供しました。また、期間限定のフードやグッズも販売され、ファンからは大きな注目を集めました。記念イベントの成功によって、ディズニーランドはより一層多くのファンを獲得し、世界中で愛されるテーマパークの一つとしての地位を確立しました。
[ 周年ブランディングの成功ポイント ]
⚫︎「ダイヤモンド・セレブレーション」としてのテーマ設定
「ダイヤモンド」をテーマに、パーク全体が60周年記念に合わせて装飾され、華やかで特別な祝祭感を演出しました。特にシンデレラ城やメインストリートは、ダイヤモンドのような装飾で彩られました。
⚫︎新しいナイトショー「ペイント・ザ・ナイト」の実施
LEDライトを使用したペイント・ザ・ナイトパレードがスタート。従来のパレードよりも豪華で視覚的な演出が強化され、色とりどりのライトに彩られたキャラクターやフロートがパークを華やかにしました。
⚫︎花火ショー「ディズニーランド・フォーエバー」の導入
花火だけでなく、プロジェクションマッピングをシンデレラ城や建物に投影することで、より立体的でダイナミックな演出を取り入れました。60周年のために制作された特別な花火ショーとして、大きな話題を集めました。
⚫︎アトラクションのアップグレード
人気アトラクションの一部が60周年に合わせてリニューアル。新技術を取り入れた「マッターホルン・ボブスレー」や「スペース・マウンテン」がアップグレードされ、来場者に新たな体験を提供しました。
⚫︎特別限定グッズの販売
60周年を記念したダイヤモンドモチーフの限定グッズやアパレルが発売され、ファンやコレクターに大人気となりました。特にダイヤモンドデザインのミッキーイヤーハットやピンバッジが注目されました。
⚫︎特別なフォトスポットの設置
60周年記念のロゴやダイヤモンドをテーマにしたフォトスポットがパーク内に多数設置され、来場者が記念写真を撮影できる人気スポットとなりました。
⚫︎全体的なパーク装飾とスタッフの衣装変更
パーク全体がダイヤモンドのテーマに沿って装飾され、キャストも特別な60周年記念の衣装を着用して来場者を迎えました。徹底した装飾によって特別感が高まりました。
⚫︎SNSやメディアでの大規模なプロモーション
60周年記念のイベントを大々的にPRし、SNSやテレビCM、特別番組などを通じて、世界中のファンや観光客に向けてディズニーランドの魅力と祝祭感を発信しました。
[ 出典 ] カリフォルニア・ディズニーランド60周年公式発表より
[ 出典 ] Disney Parks Blogより
■ 周年ブランディング成功への3つのポイント
1. 独自性とエンゲージメントの追求
独自性とエンゲージメントは、周年ブランディングの成功に欠かせない要素です。独自性は、他社との差別化や顧客の興味を引くために重要です。独自のアイデアやコンセプトを持ち、それをブランドのエッセンスに反映させることが必要です。また、エンゲージメントは顧客との関係を築き、ブランドへの忠誠心を高めるために重要です。SNSやイベントなどを通じて顧客との対話や参加型の体験を提供することで、ファンや顧客との絆を深めましょう。
2. ブランドストーリーテリングの重視
ブランドストーリーテリングは、周年ブランディングにおいて重要な手法です。魅力的なストーリーを通じてブランドの核となるメッセージや価値観を伝えることで、顧客との共感や共鳴を生み出します。ストーリーは人々の心に響き、ブランドの記憶に残りやすくなります。周年を迎える節目は、ブランドのストーリーを振り返り、これからの展望を語る絶好の機会です。感情的なストーリーテリングを通じて、顧客の心を捉えましょう。
3. ファンや顧客への感謝の表現
周年ブランディングの成功には、ファンや顧客への感謝の表現が不可欠です。ブランドの成長や節目を祝うだけでなく、これまでの支援や応援に感謝の意を示すことが重要です。特別なイベントやキャンペーンを通じて、ファンや顧客に特典や特別な体験を提供しましょう。また、SNSやメールマガジンなどのコミュニケーションチャネルを活用して、直接的に感謝の気持ちを伝えることも効果的です。感謝の気持ちを忘れずに、ファンや顧客との絆を深めましょう。
■ 周年ブランディングのコンセプト開発
周年にふさわしいコンセプトを設定することで、企業やブランドのイメージアップやブランド認知度の向上につながります。コンセプトを設定する際には、周年の目的や意義、企業やブランドの歴史や伝統、ターゲット層などを考慮し、オリジナルのコンセプトを作り上げることが大切です。周年を祝ううえで、特別なコンセプトを設定することは重要です。
周年は、企業やブランドの長い歴史と伝統を称え、新たな出発点となる節目の年であり、そこにふさわしいコンセプトを設定することで、企業やブランドのイメージアップやブランド認知度の向上につながります。コンセプトは、周年に合わせて特別な商品やサービス、イベントなどを開催する際の指針となり、企業やブランドのイメージを表現するためのものです。例えば、企業やブランドが持つ歴史や伝統、理念などを反映させたコンセプトを設定することで、周年のイベントやキャンペーンをより意味のあるものにすることができます。
1. 企業やブランドの歴史や伝統、理念などを反映させる
周年ブランディングのコンセプト開発において、企業の歴史や伝統、理念を反映することは非常に重要です。長年にわたる活動で培ってきた企業の価値観や創業時の精神をコンセプトに盛り込むことで、ブランドが持つ一貫したアイデンティティを強調し、顧客に信頼感や共感を与えます。ブランドの歩んできた道のりや進化、変わらぬ信念などを伝えることで、消費者にはブランドの「らしさ」が明確に伝わり、ファン層を強化することにもつながります。こうした歴史や伝統が周年ブランディングの独自性を高め、他のブランドとの差別化要素にもなります。
2. ターゲット層に合わせたコンセプトを設定する
周年ブランディングはターゲット層のニーズや嗜好を反映したコンセプトを設定することで、より多くの共感を得やすくなります。顧客の年齢層やライフスタイル、関心事に応じたテーマを盛り込むことで、ブランドが親しみやすくなり、興味や関心を引きやすくなります。また、ターゲット層に寄り添う姿勢は、顧客に対して「自分たちを理解しているブランド」との印象を与え、共感や愛着が深まります。ターゲット層のニーズを踏まえた周年コンセプトは、プロモーションの効果を高めるだけでなく、ブランドの価値を一層際立たせる重要な要素となります。
3. コンセプトに合わせたイベントやキャンペーンを企画する
周年ブランディングでは、設定したコンセプトに基づいたイベントやキャンペーンの企画が重要です。周年の意義を消費者に実感してもらうために、体験型イベントや限定商品、記念キャンペーンなどを通じて、ブランドの魅力を消費者に体感してもらいます。また、SNSや広告を活用し、周年に関連する情報を発信することで、ブランドの認知度を一層高められます。コンセプトに合った企画は、消費者の記憶に残りやすく、ブランドへの愛着や信頼を深める要素となります。
■ 周年ブランディングのイベントを開催する
【 イベントの目的を明確にする 】
周年イベントを開催する目的を明確にすることが大切です。例えば、新商品の発表や既存商品のセールスプロモーション、顧客との交流イベントなど、様々な目的があります。目的を明確にすることで、イベントの企画や実施方法がより具体化され、成功への近道となります。
【 イベントの内容を工夫する 】
周年イベントは、商品やサービスの魅力を伝える場であると同時に、顧客とのコミュニケーションの場でもあります。イベントの内容を工夫し、顧客が楽しめるプログラムを用意することで、顧客との結びつきを強めることができます。
【 イベントの告知をしっかり行う 】
周年イベントを開催する際は、広告やSNSなどを活用し、イベントの告知をしっかり行うことが大切です。告知の際には、イベントの目的や内容をわかりやすく伝えることがポイントです。また、早めに告知を行い、イベントに参加するための情報を提供することで、顧客の参加を促すことができます。
【 イベント後のフォローアップを行う 】
周年イベントが終わった後は、参加した顧客へのフォローアップを行うことが大切です。例えば、イベントで得た情報を元に、今後の商品やサービスの改善点を検討するなど、顧客のフィードバックを活用することができます。また、イベント参加者に対して、特別なプレゼントやキャンペーンを行うことで、再度の来店を促すことができます。
■ まとめ
周年ブランディングの成功には、独自性とエンゲージメントの追求、ブランドストーリーテリングの重要性、そしてファンや顧客への感謝の表現が重要です。独自性は他社との差別化を図り、顧客の興味を引くために必要です。エンゲージメントは顧客との関係を築き、忠誠心を高めるために重要です。ブランドストーリーテリングは魅力的なストーリーを通じて共感や共鳴を生み出し、顧客の心に残る印象を与えます。そして、周年の節目は感謝の表現の機会であり、ファンや顧客への支援への感謝の気持ちを示すことが大切です。特典や特別な体験の提供、直接的なコミュニケーションを通じて感謝の意を伝えましょう。これらのポイントを意識しながら周年ブランディングを進めることで、ブランドの成長と顧客との絆を深めることができます。周年を成功に導くために、独自性を追求し、魅力的なストーリーを伝え、感謝の気持ちを忘れずに、ファンや顧客との絆を築いていきましょう。
株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。
【 ご質問、お打合せ希望など、お気軽にお問合わせください。】
– ブランド戦略からデザイン開発まで –
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