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ブランドカラーとは?設定方法とロゴの配色について

[ ブランディングデザイン ]

ブランドカラーとは?設定方法とロゴの配色について

ブランドカラーは、企業や製品、サービスの本質的な価値を視覚的に伝えるうえで欠かせない要素です。単なる色選びではなく、ブランドの個性や価値観をわかりやすく表現し、消費者の記憶に残りやすくする役割があります。戦略的に色を管理することで、ブランドの認知度を高め、狙う相手に適切なメッセージを届けることができます。たとえば、青は信頼感、赤は情熱といったように、色にはそれぞれ心理的な意味があります。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、効果的なブランドカラーの決め方、色が持つ心理的な意味、そしてロゴデザインでの配色について、実践で培った知見をもとに体系的に詳しく解説します。


■ ブランドカラーとは?

ブランドカラーとは?

ブランドカラーとは、企業や商品・サービスのアイデンティティを象徴する色のことです。単なる見た目のデザイン要素ではなく、理念や価値観を視覚的に示し、顧客の記憶や感情に訴えかける役割があります。例えば、赤は情熱や活力、青は信頼や安心感を思い起こさせるように、色は人の心理に強い影響を与えます。ブランドカラーを一貫して使うことで、広告やパッケージ、Web、店舗などあらゆる接点で「その企業らしさ」が伝わり、認知度や信頼性を高める効果があります。また、適切な色選定はブランドの方向性を定め、今後のコミュニケーションを検討する際の指針としても機能します。

■ ブランドイメージの多くは「色」で記憶されている

人間の視覚情報処理において、色彩は非常に大きな影響力を持っています。具体的には、視覚から得られる情報の80%以上が色彩に関連するとされ、この点からも色が戦略的に重要であることがわかります。適切に選ばれた色は良い印象を生みやすく、逆に合わない色はマイナスの印象につながることがあります。つまり、人の記憶の仕組みの中で、色彩は情報を整理し、記憶を形づくるうえで欠かせない要素として働いているのです。また、日常的なブランド接点でも色は繰り返し視認されるため、他の要素より早く記憶に定着し、ブランドを思い出すきっかけにもなります。こうした積み重ねが長期的な印象形成にも影響します。

➤ 詳細記事:ブランドイメージを高めるデザインとは?

■ ブランドカラーの役割

ブランドカラーの役割

【 ブランド認知の向上 】

ブランドカラーは、一目でその企業や商品を思い出させる大きな要素です。特定の色を継続的に使うことで顧客の記憶に定着し、ロゴや商品名がなくても「そのブランドらしさ」が自然と伝わります。広告やWeb、店舗、パッケージなどすべての接点で統一して使えば、視覚的な認知度が大きく高まり、競合に埋もれにくい存在感を発揮できます。その積み重ねが長期的な認知形成にもつながります。

 詳細記事:ブランド認知度を高める3つの方法

【 企業の価値観や個性の表現 】

色は単なる装飾ではなく、企業の価値観や理念を象徴するメッセージを持ちます。例えば、青は誠実や信頼、緑は自然や調和、赤は情熱やエネルギーといった印象を与えます。ブランドカラーを通して「自分たちは何を大切にしているのか」を視覚的に示すことで、顧客の共感を得やすくなり、ブランドの独自性や世界観をより明確に表現できます。こうした表現は長期的な関係構築にも役立ちます。

【 感情や印象のコントロール 】

人は色から瞬時に感情的な印象を受け取ります。落ち着いた青は安心感を生み、鮮やかな赤は購買意欲を高めるなど、色彩は心理面で強く作用します。ブランドカラーを戦略的に使うことで、顧客に感じてほしい体験や価値を意図的にデザインできます。その結果、見た目だけに終わらない「感情に残るブランド体験」をつくり出せます。さらに、こうした印象は購入後の満足度にも影響します。

 詳細記事:エモーショナルブランディングとは?[ 感情に訴えかける手法 ]

【 ブランド体験の一貫性確保 】

顧客がブランドに触れる機会は、広告、Web、店舗、商品パッケージなど多岐にわたります。ブランドカラーをすべての接点で一貫して使用すると、顧客は「どこで触れても同じ世界観が感じられる」体験を得られます。この一貫性は信頼感を高め、長期的なロイヤルティの形成につながり、選ばれ続けるブランドになるための土台になります。結果として、認知から利用までの体験がより滑らかになります。

 詳細記事:ブランドエクスペリエンスの重要性と成功事例

【 競合との差別化 】

多くの競合が存在する市場では、ブランドカラーが「他社と自社を一瞬で区別する」役割を持ちます。似たような商品やサービスでも、独自の色彩戦略を徹底することで、顧客は自然とそのブランドを識別できます。また、差別化された色は視覚的な強みとなり、激しい競争環境でも独自のポジションを築き、長期的なブランド資産の形成にもつながります。継続的に発信すれば、その効果はさらに大きくなります。

■ ブランドカラーの設定方法

ブランディングにおけるブランドカラーの設定には多面的な戦略的意義がありますが、中でもブランドの本質的な価値を視覚的に表す役割はとても重要です。そのため、効果的な進め方としては、まずブランドの核となる価値観や理念を明確に言語化し、それを最も適切に表現できる色を丁寧に選ぶことが求められます。このブランドカラーの設定プロセスは、個々のブランディング戦略や目的に合わせて柔軟に調整する必要がありますが、基本となるフレームワークは存在します。また、この工程を丁寧に行うことで後のデザイン判断がぶれにくくなり、一貫したブランド表現を築きやすくなります。

言語イメージスケール

図:言語イメージスケール

ブランドカラーとデザイン

図:ブランドカラーの選定と検証

1. キーワードの抽出

ブランドカラーの設定において最初のステップとなるのが、ブランドの本質を表すキーワードを体系的に抽出する作業です。これは単なる言葉集めではなく、ブランドの核となる価値観や理念を丁寧に言語化するプロセスといえます。抽出されたキーワードは、その特性や意味的な関連性に基づいて戦略的にグルーピングされ、さらにそれらを包括的に示す形容詞によって整理されます。このプロセスを通じて、ブランドの本質的価値がより明確に構造化され、次の工程にもつながりやすくなります。

2. キーワードのマッピング

キーワードのマッピングは、ブランドコンセプトを視覚的な方向性へ変換するための重要なステップです。抽象的な言語表現を、具体的な色彩選択へとつなぐ実践的なフレームワークとして役立ちます。グルーピングされた形容詞群をイメージスケール上に配置することで、ブランドの本質的価値を色彩として表現するための指針が得られます。このプロセスによって、感覚だけに頼らず、根拠のあるカラー検討が可能になります。また、議論の軸が整理されるため関係者間の共有もしやすくなります。

3. ブランドカラーの抽出

ブランドカラーの抽出は、言語表現と色彩を結びつける重要な工程です。このステップでは、色相ごとに備わる心理的効果や印象を形容詞を通じて整理し、マッピングしていきます。このプロセスは、単なる色の割り当てではなく、ブランドの価値観と色の心理的影響力を組み合わせて最適な表現をつくる作業です。各色相の特性を理解し、それをブランドの方向性と適切に照らし合わせることで、より効果的な視覚表現が実現します。さらに、この整理が後のデザイン判断を安定させる基盤にもなります。

4. ブランドカラーの検証と選定

ブランドカラーの最終選定では、戦略的かつ丁寧な判断が必要になります。いくつかの候補が揃った段階では、「ユーザーへ届けたい本質的なメッセージ」「商品・サービスとの相性」といった評価基準に沿った検討が欠かせません。実践的な方法として、候補カラーを使ったデザイン展開をシミュレーションすることがとても有効です。これにより、各色が生み出す視覚的な効果や実際の印象を客観的に確認でき、より確かな判断が可能になります。また、実際の利用環境での再現性も把握しやすくなります。

[ 画像引用 ] 日本カラーデザイン研究所より

■ ブランドカラーの展開

ブランドカラーの展開

【 ロゴ・シンボルデザインへの展開 】

ブランドカラーの最も象徴的な使い方がロゴやシンボルへの展開です。ロゴは企業や商品の顔であり、顧客が最初にブランドを識別する重要な要素です。ここにブランドカラーを反映させることで、企業の価値観や世界観を視覚的に瞬時に伝えることができます。さらに、名刺や看板、デジタル媒体などあらゆる場面で使用されるため、ブランド認知を育てるうえで強い基盤になります。

【 広告・販促物への展開 】

広告や販促物にブランドカラーを統一し活用することで、一目でそのブランドの情報だと理解できます。ポスターやパンフレット、チラシなどに一貫した色を使うと、情報があふれる中でも視覚的なフックとして機能します。また、販促物全体に統一感が生まれることで信頼性が高まり、企業の姿勢や丁寧さをより自然に伝えることができます。さらに、ブランドとしての一体感も強まりやすくなります。

【 Web・デジタル媒体への展開 】

WebサイトやSNS、アプリといったデジタル媒体は、顧客が最も頻繁に触れるブランド接点です。ブランドカラーを適切に展開することで、画面上でもリアルの世界観と整合性のある印象を届けられます。さらに、色彩はユーザー体験に大きく影響し、安心感や信頼感を高めたり、購買意欲を促したりします。統一感のあるデジタル展開は、ブランドの現代的な魅力をより自然に引き出します。

【 商品・パッケージへの展開 】

広告や販促物にブランドカラーを統一的に活用することで、顧客は一目でその企業の情報だと理解できます。ポスターやパンフレット、チラシ、イベントツールなどに一貫した色を使うと、情報があふれる中でも視覚的なフックとして機能します。また、販促物全体に統一感が生まれることで信頼性が高まり、企業の姿勢や丁寧さをより自然に伝えることができます。結果として、情報発信の質も安定しやすくなります。

【 オフィス・店舗空間への展開 】

オフィスや店舗の内装、サイン、ユニフォームなどにブランドカラーを展開することで、社員や来訪者、顧客に一貫した世界観を感じてもらえます。空間デザインに色を取り入れることは、ブランドの理念や姿勢を「体験」として伝えるうえでとても有効です。働く環境にブランドカラーを反映させることで社員の意識統一が進み、顧客には安心感や信頼につながる心地よい空間をつくることができます。

■ ブランドカラーとブランドロゴの関係とは

ブランドカラーとブランドロゴの関係とは

グローバルブランドのロゴは、その視覚的象徴性によって即座にブランドを認識させる役割を持ちます。例えば、AppleやMcDonald’sのロゴを目にした瞬間、消費者は迷うことなくそのブランドの世界観や価値を思い起こします。これは、ブランドロゴがブランドアイデンティティを視覚的に表すうえで非常に重要な要素であることを示しています。特に、ブランドカラーの選定はブランドイメージの形成に大きな影響を与えます。企業規模が大きくなるほど、このブランドカラーの戦略的重要性はさらに高まります。例えば、Starbucksの緑色のロゴと白いカップの組み合わせは、強い視覚的記憶として多くの消費者に刻まれています。この緑色は、Starbucksのブランドアイデンティティを象徴する中心的な要素として機能しています。つまり、ブランドロゴの目的は、消費者の認知と記憶を素早く促すことであり、これはブランドを戦略的に築くうえで欠かせないポイントといえます。こうした効果は市場全体でも一貫して観察されます。

[ 画像引用 ] Canava公式サイトより

■ ブランドロゴから見えてくるブランドカラーの傾向

ブランドロゴから見えてくるブランドカラーの傾向

ブランドロゴにおいてブルーが最も広く採用される背景には、はっきりとした戦略的な理由があります。ブルーは安全性、安定性、信頼性といった価値をわかりやすく表現できるため、金融機関や保険会社など、顧客との信頼が特に重要な業界でよく使われます。一方、レッドは情熱や活力を象徴する強い印象を持つカラーです。食品・小売業界で多く採用されるのは、消費者の感情や欲求に直接働きかける効果が高いためです。このように、ブランドカラーの選定は、業界特性や伝えたい価値に応じた戦略的な判断が欠かせません。単なる色の選択ではなく、ブランドの本質を視覚的に示す大切な決定だといえます。

[ 画像引用 ] Brand Colors公式サイトより

■ ロゴカラーとブランドアイデンティティの関連性

「The Journal of the Academy of Marketing Science」に掲載されたラブレックとミルンの研究は、色彩とブランドアイデンティティの密接な関係性を科学的に実証しています。彼らの分析によれば、ブランドカラーはブランド名と同様、アイデンティティの核心的要素として機能し、消費者認知における決定的な影響力を持つことが明らかになっています。彼らの論文「市場での色の差別化」は、業界特性に応じた色彩選択の傾向を明確に示しています。例えば、クレジットカード業界の75%以上がブルーを採用する一方、ファストフードチェーンでは約20%にとどまります。また、小売業界の60%以上がレッドを基調とする一方、アパレル業界ではその使用が極めて限定的です。特筆すべきは、大量の広告に晒される消費者が、ロゴカラーを通じて無意識的に業界やサービス内容を判別しているということです。これは、戦略的なカラーマネジメントが、ブランドのポジショニングにおいて極めて重要であることを示唆しています。

 詳細記事:The Journal of the Academy of Marketing Science

■ イメージによる配色例

ブランドロゴの色使いにおいて、3色までという基準は長年の経験から導き出された鉄則です。4色以上を採用すると、視覚的な複雑さが増し、ブランドの即時認識を妨げる要因となります。また、カラースキームを検討する際は、色相だけでなく彩度にも細心の注意を払う必要があります。特に高彩度色は、アクセントとしては効果的ですが、広範囲での使用は画面上でのちらつきを生み、ユーザーの視覚的ストレスを引き起こす可能性があります。洗練されたロゴデザインには、色数と彩度の適切なバランスが不可欠です。

イメージによる配色例1

左:明るさ・知的なイメージを与える配色 右:明るさ・活発・美味しそうなイメージを与える配色

イメージによる配色例2

右:穏やかさ・癒やしのイメージを与える配色 左:シック・高級なイメージを与える配色

[ 画像引用 ] 配色の見本帳より

■ ブランドカラーの持つイメージと展開事例

ブランディング戦略において、カラーマネジメントは非常に重要な役割を担っています。企業のCI(コーポレート・アイデンティティ)やVI(ビジュアル・アイデンティティ)は、形状や数字、言語など多様な視覚要素で構成されますが、その中でも色彩は人の記憶に最も残りやすい要素です。色彩が持つ影響力は、感情的な面と機能的な面の双方で大きな効果をもたらします。具体的には、消費者の感性に直接影響を与えると同時に、適切な色を選ぶことでブランドの視認性や記憶定着率を大きく高めることができます。このように、戦略的なカラーマネジメントは、ブランド価値を築くうえで欠かせない要素といえます。

詳細記事:CI(コーポレート・アイデンティティ)の意味や目的と開発とは
詳細記事:VI(ビジュアル・アイデンティティ)とは何か?効果と成功事例

ブランドカラー赤レッド

[ 赤 色|レッド ]

赤色は視覚的インパクトが非常に強い色として知られており、人間の知覚に大きく作用する特徴があります。学術研究でも、赤い壁面のある空間では体感温度が上がることが確認されており、これは炎のイメージと結びついた色彩特性が影響していると考えられています。実務の場でも活用の幅は広く、化粧品や贈答品、エネルギー関連製品、セール広告など、多様な分野でよく使われています。特にセールスプロモーションでは効果が高く、赤色を用いるかどうかで売上が20%変わるというデータもあります。こうした背景から、日本の企業ブランディングでも採用されることが多い色の一つとなっています。

心理的な効果

興奮させる、闘争心を沸き立たせる、温かみを感じる、
目を引く、苛立たせる

ポジティブなイメージ

情熱、興奮、熱狂、挑戦、元気、明るい、力強い、生命、
エネルギッシュ、鮮烈、闘争心、祝い事、幸福、暖かい

ネガティブなイメージ

情熱、興奮、熱狂、挑戦、元気、明るい、力強い、生命、
エネルギッシュ、鮮烈、闘争心、祝い事、幸福、暖かい

連想するアイテム

太陽、炎、火事、血、バラ、口紅、イチゴ、りんご、さくらんぼ、
消防車、ポスト、鳥居、バーゲンセール

相性のよい色

白、黒、グレー、ベージュ、カーキ、緑、紺

ブランドカラー青色ブルー

[ 青 色|ブルー ]

青色は、人間の生理的反応に対して落ち着きをもたらす作用があることが科学的に示されています。実験では、青い空間で体温や心拍数が下がる傾向や、青色照明の導入によって犯罪抑止につながった例も報告されています。また、海や空をイメージさせる色であるため、広がりや開放感を感じさせる特性も持ち合わせています。さらに、清涼感や清潔感、信頼感といった肯定的な印象を与えやすく、こうした理由からグローバルブランドのロゴで最も多く採用される色といわれています。加えて、日本人の嗜好色としても常に上位に位置している点は注目すべきポイントであり、その普遍性の高さがよく表れています。

心理的な効果

鎮静、闘争心を鎮める、集中力を高める、睡眠の促進、
リラックスさせる、清涼感を与える、冷たさを感じる

ポジティブなイメージ

知的、クール、かっこいい、ストイック、謙虚、神秘的、
品がある、清らか、クリーン、純粋、慎重、信頼感、誠実、
公平、広い、開放感、包み込む、忠実、安息、清涼感、
平和、眠り、若さ

ネガティブなイメージ

寂しさ、悲しみ、孤独、不安、冷たい、病、保守的、絶望

連想するアイテム

水、海、空、氷、雨、ガスの炎、信号機、男性、プール、
かき氷、地球、青の洞窟、サファイヤ、ラピスラズリ、青い鳥

相性のよい色

白、黒、グレー、黄、ピンク

ブランドカラー黄色イエロー

[ 黄 色|イエロー ]

黄色は有彩色の中でも特に高い輝度を持ち、強い視覚的刺激を与える色として知られています。周囲の明るさに左右されにくく、高い視認性を保てる特性があるため、警告色として広く使われています。特に黒との組み合わせは非常に効果的なコントラストを生み、道路標識や建設現場、踏切施設など、安全性が求められる場面でよく採用されています。ブランディングでは、黄色が象徴する希望や活力といった明るいイメージを生かし、ダイナミックな企業イメージづくりに利用されることが多くあります。

心理的な効果

気分が明るくなる、活動的になる、注意を促す、
判断力が上がる、緊張を和らげる、注目させる、
活力が湧いてくる

ポジティブなイメージ

明るい、華やか、天真爛漫、無邪気、陽気、軽快、ポジティブ、
楽しさ、喜び、活発、素直、純粋、幸福、幸運、希望、
フレンドリー、ユーモアさ、躍動感、幼い

ネガティブなイメージ

危険、緊張、軽率、イライラ、落ち着きがない、
無神経、浪費、奇抜、批判的、神経質、独善的

連想するアイテム

太陽、ひまわり、光、雷、信号機、金、金貨、
レモン、カレー、バナナ、マンゴー、とうもろこし、
プリン、イチョウ、道路標識、ヘルメット、
イエローカード、ひよこ、キリン、イエローキャブ

相性のよい色

白、黒、グレー、オレンジ、緑、青、紫

ブランドカラー緑色グリーン

[ 緑 色|グリーン ]

緑色は色相環における中間色として、さまざまな色と調和しやすい特性を持っています。心理的には安定感や癒しを与えるとされ、医療関連施設や衛生用品メーカー、フードサービス業、ウェルネス産業などでよく活用されています。語源的にも、日本語での「瑞々しさ」や、英語圏における “grow(成長)” や “grass(草)” といった言葉とのつながりが指摘されており、いずれも「フレッシュネス」という共通の価値を想起させます。こうした多面的な特性から、ブランディングにおいても重要な選択肢として扱われています。

心理的な効果

リラックスさせる、身体と心のバランスを整える、
身体と心の緊張を和らげる、鎮静、集中力を高める

ポジティブなイメージ

穏やか、癒やし、健康、休息、平和、安全、安息、
爽やか、生命力、成長、再生、新鮮、若さ、エコ、
環境に優しい、自然、安眠、努力、粘り強い、
豊穣、永続性

ネガティブなイメージ

苦い、青臭い、未熟、地味、暗い、保守的、重い、優柔不断

連想するアイテム

森林、草、クローバー、ミント、山、公園、
カエル、カメ、わかめ、メロン、ほうれん草、
緑茶、信号機、エメラルド

相性のよい色

白、黒、グレー、茶色、ベージュ、黄色、赤、ピンク、紺色

ブランドカラー朱色オレンジ

[ 橙 色|オレンジ ]

オレンジは赤と黄の中間に位置する色で、温かさと活力をあわせ持つ、幅広く受け入れられやすい色として評価されています。その生命力を感じさせる特性から「ビタミンカラー」とも呼ばれています。デザインの分野では「配色の万能解」とされることも多く、その扱いやすさは多くの専門家に支持されています。心理学的には、対人コミュニケーションを促し、気持ちを前向きにする効果があるといわれています。こうした特性から、エンターテインメント産業やキャリア支援サービスなど、人とのつながりを重視する業態でよく採用される色になっており、親しみやすさを演出したい場面でも特に効果的です。

心理的な効果

陽気な気持ちになる、親しみを感じる、
温かさを感じる、緊張を和らげる、活力を感じる、
食欲を促進する

ポジティブなイメージ

暖かい、温もり、親しみやすい、美味しそう、
挑戦、エネルギッシュ、元気、陽気、賑やか、
喜び、健康、家庭的、幸福、カジュアル、
開かれている、ノリがいい

ネガティブなイメージ

自惚れ、くどい、安っぽい、見栄っ張り、おせっかい、目立ちたがり屋

連想するアイテム

太陽、炎、暖炉、夕日、紅葉、マリーゴールド、
オレンジ、みかん、柿、マンゴー、かぼちゃ、
にんじん、ハロウィン、レンガ、室内灯

相性のよい色

白、黒、グレー、赤、黄色、ベージュ、茶色、紺

ブランドカラー桃色ピンク

[ 桃 色|ピンク ]

ピンクは赤に白を混ぜてつくられる色で、赤と同様に高い視認性を持っています。色の特性としては女性性や母性を強く連想させ、安心感を生み出すと同時に、甘味のイメージを引き起こしやすいことも確認されています。そのため、女性向けの商品や菓子類のブランディングでよく使われます。ただし、彩度の扱いには注意が必要で、強すぎるピンクは安っぽさやアダルトな印象につながる可能性があります。一方で、欧米では乳幼児の肌を連想させることから、親しみやすい色として受け止められる文化的背景も知られています。

心理的な効果

幸福を感じる、愛しい気持ちになる、安らぎを覚える、
緊張を和らげる、血行が良くなる

ポジティブなイメージ

女性的、可愛らしい、可憐、華やか、優しい、
甘い、恋、愛情、エレガント、美しい、まろやか、
繊細、若さ、美容に効果がある、感謝

ネガティブなイメージ

性的、妖しい、派手、下品、いやらしい、媚びる、ぶりっ子、甘え

連想するアイテム

女性、ハート型、春、桜、梅、バラ、ハイビスカス、
コスモス、リボン、アイドル、ヒロイン、口紅、
チーク、デート、イチゴ、フラミンゴ、ネオン、マイメロディ

相性のよい色

白、黒、グレー、ベージュ、青、紺、緑、カーキ

ブランドカラー紫色パープル

[ 紫 色|パープル ]

パープルは赤と青が混ざって生まれる純色のひとつで、ほかの色よりも見る人によって受ける印象の差が大きい色です。高貴さや神秘性を感じさせることから、女性向けの化粧品やファッション、デザイン、音楽、演劇など、芸術系の分野で採用されることが多くあります。日本では古くから身分の高い人が身につける色とされてきた背景があり、その影響で「高貴」「上品」といった印象が根づいています。一方、海外では「不気味」「気持ち悪い」「下品」など、マイナスのイメージを持たれる場合もあり、文化によって評価が大きく分かれる点が特徴で、使用時には文脈への配慮も求められます。

心理的な効果

感受性が豊かになる、感覚が鋭くなる、直感が鋭くなる、
睡眠を促進する、身体の回復機能を高める

ポジティブなイメージ

神秘的、神聖、不思議、高貴、高級、上品、美しい、
優雅、華麗、魅力的、感性がするどい、繊細、芸術、
古風、知的、中性的、思慮深い

ネガティブなイメージ

不気味、気持ち悪い、毒々しい、不吉、下品、不安定、
プライドが高い、孤独、意地悪、欲求不満、欲望、
二面性がある、複雑、理解しがたい、近寄りがたい

連想するアイテム

大人の女性、占い師、魔法使い、芭蕉、アサガオ、
アジサイ、すみれ、藤、ぶどう、ブルーベリー、
紅芋、紫キャベツ、オオムラサキ、アメジスト、紫水晶

相性のよい色

黒、白、グレー、紺、ピンク、黄色、青

ブランドカラー銀色シルバー

[ 灰 色|グレイ・シルバー ]

グレーは白と黒の中間に位置する無彩色で、高い調和性を持つ点が大きな特徴です。アクセントカラーというよりは基調色として使われることが多く、全体のデザインに落ち着きや安定感を与える効果があります。その洗練された静けさから、教育機関や法務・会計事務所といったプロフェッショナルサービス、さらに自動車や高級時計などのプレミアム製品のブランドでもよく用いられています。特に日本市場では、自然に馴染む印象やバランスの取れた雰囲気が好まれ、高い支持を得ている色のひとつです。

心理的な効果

気持ちを落ち着かせる、忍耐がつく、
現実を受け入れやすくする、信頼感を持たせる、
警戒心を和らげる、もやもやした気分にさせる

ポジティブなイメージ

上品、高級感、クール、お洒落、都会的、
洗練されている、穏やか、調和が取れている、
信頼感、安定感、知的、大人、

ネガティブなイメージ

暗い、陰気、憂鬱、曖昧、不安、寂しい、
悲しい、無気力、地味、不透明、薄い、
不味そう、目立ちたくない、疲労感、徒労感

連想するアイテム

曇り、雲、煙、灰、砂、冬、コンクリート、
ビル、銀、金属、ハト、ねずみ、
ロシアンブルー、狼、ゾウ、サイ、トレーナー

相性のよい色

黒、白、青、赤、黄色、ピンク、紺

ブランドカラー黒色ブラック

[ 黒 色|ブラック ]

黒色は全波長の光を吸収する無彩色とされ、ほかの色に比べて重量感や奥行きを強く感じさせる特性があります。この威厳さや重厚さから、格調あるブランドイメージを目指す企業で戦略的に使われることが多い色です。欧米圏では高級性や上質さを象徴する色として受け取られる一方、日本を含むアジア文化圏では死や闇を連想させる面もあり、ネガティブな印象につながる場合もあります。そのため、文化的背景を踏まえた慎重な使い方が求められる色でもあり、場面に合わせた配慮が特に重要です。

心理的な効果

圧力を感じる、高級感がある、気分が暗くなる、
後ろ向きになる、終わりを感じさせる、
重さを感じさせる、神聖さを感じさせる、神秘性を感じさせる

ポジティブなイメージ

高級感、威厳、重厚、クール、スタイリッシュ、
シンプル、上品、真面目、上質感、神秘的、絶対感、
強さ、中世、力がある、大人っぽい、無限の可能性

ネガティブなイメージ

暗い、陰気、寂しい、不安、冷酷、拒絶、
孤独、恐怖、闇がある、不気味、沈黙、
絶望感、終わり、閉塞感

連想するアイテム

宇宙、ブラックホール、夜、夜空、影、未知、
権力者、男性、大人、黒髪、喪服、葬式、備長炭、
墨、書道、カラス、黒猫、黒豹、黒揚羽、タイヤ、悪魔

相性のよい色

どんな色でも可(※どの色でも黒はニュートラルです)

引用:メーカーブランドカラーが購入意向に与える影響
引用:ファッションブランドの色彩についての定量的解析と予測

FAQ-よくある質問

■ ブランドカラーに関するよくある質問

ブランドカラーに関する疑問は、ブランディングを進める中で多くの企業が直面するテーマです。ここでは、実務でよく寄せられる質問に絞り、基本から判断のポイントまでわかりやすくまとめました。

[ よくある質問① ]

Q :なぜ「ブランドカラー」はそれほど重要なのでしょうか?
A :視覚による情報の約80%以上が色彩によるものでカラー設定はブランドの認知と印象に直結します。

[ よくある質問② ]

Q :ブランドカラーを決める際に何から始めればいいでしょうか?
A :ブランドの価値や理念を明確化し、それを表すキーワードを抽出、色にマッピングすることです。

[ よくある質問③ ]

Q :色ごとの心理的効果って本当にあるの?どう活かせばいい?
A :青=信頼、赤=情熱、といった色彩心理は存在します。ブランドにあった色を選ぶことが重要です。

[ よくある質問④ ]

Q :ブランドカラーがロゴやVI全体に適切に反映されているか確認するには?
A :ロゴや各展開物で色が統一されブランドが視覚的に一貫して表現されているか見ることです。

[ よくある質問⑤ ]

Q :ブランドカラーを変える決断が必要になるのはどんなときか?
A :ブランドの理念や戦略が変更したとき、あるいはデザインの刷新が求められたタイミングです。

checklist-チェックリスト

■ ブランドカラーに関するチェックリスト

ブランドカラーを戦略的に活用するには、感覚だけでなく客観的な基準でチェックしていくことが欠かせません。以下は、選定から運用までを見直すための実践的なチェックリストです。

[ ブランドの本質を視覚で表現するチェック ]

⬜︎ ブランドの価値観や理念を、言語化したキーワードから抽出しているか?
⬜︎ その言語化されたキーワードを、色彩にマッピングするプロセスを踏んでいるか?
⬜︎ 色相がもつ心理効果(例:青=信頼、赤=情熱)と自社のブランド価値が論理的に整合しているか?

[ ブランドカラーの実用性を検証するチェック ]

⬜︎ 複数のカラー案を、ロゴや広告などで「視覚的なシミュレーション」を行い、効果を検証しているか?
⬜︎ ロゴや各接点(Web、パッケージ、店舗など)に、カラーが統一・一貫して適用されているか?

[ 業界特性や競合差別化への対応チェック ]

⬜︎ 業界標準のカラー(例:金融=青、食品=赤)と自社の訴求したい価値を踏まえた選定ができているか?
⬜︎ 色数は基本的に3色以内に収め、彩度や配色バランスに配慮した設計になっているか?

[ ブランドカラーを戦略化する継続性のチェック ]

⬜︎ ブランドカラーを公式なガイドラインに落とし込み、社内外の関係者に共有・教育しているか?
⬜︎ 企業理念や戦略の変化、市場環境の変化に応じてブランドカラーを見直す仕組みがあるか?

記事のまとめ

■ まとめ

ブランドカラーとは、企業・製品・サービスの本質的な価値や個性を視覚を通じて表現する大切な要素です。人間の視覚は色から強い影響を受け、視覚情報の80%以上が色彩によるとされる事実は、その戦略的な重要性を裏付けています。カラーを決める際の基本的な進め方は、まずブランドの核となる価値観や理念を言語化し、抽出したキーワードを「言葉→色」へと丁寧にマッピングすることです。これにより、感覚だけに頼らず、論理的で整合性のあるブランドカラーを選びやすくなります。さらに、複数の候補を実際のロゴや広告で試し、視認性や印象を確認しながら比較するプロセスも欠かせません。つまり、ブランドカラーは偶然ではなく、価値観と心理効果、実用性を組み合わせて戦略的に開発していくものだといえます。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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