
[ ブランディングデザイン ]
【保存版】パッケージデザインの役割や開発プロセスと成功事例
パッケージデザインは、商品ブランドを育て、消費者にしっかりと伝えるための重要なアイテムです。店頭やオンラインで商品を目にした際、最初に印象を与えるのがパッケージであり、その見た目がブランドの第一印象を左右します。良いパッケージデザインとは、商品の魅力を視覚的に伝えるだけでなく、ブランドの価値や想いを感じさせるものです。さらに、使いやすさや環境への配慮といった要素も欠かせません。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、パッケージデザインを通して商品ブランドを印象づけ、購買意欲を高める実践的な考え方とデザインについて詳しく解説します。
CONTENTS | 目次
■ パッケージデザインの役割

1. 競合との差別化のためのデザイン
市場には似たような機能や価格の商品が多く並びます。その中で選ばれるためには、パッケージデザインが大きな役割を果たします。消費者は購入の瞬間、見た目の印象で判断することが多く、独自性のあるデザインは他の商品との差を視覚的に際立たせます。また、ブランドの世界観やコンセプトをデザインに落とし込むことで、競合にはない個性を生み出せます。結果として、差別化されたデザインは売場での存在感を高め、購買意欲を引き出すきっかけになります。こうした積み重ねがブランドの信頼にもつながります。
● 視覚的に他商品との差を際立たせる
● ブランドコンセプトをデザインで表現する
● 売場での存在感を高め購買意欲につなげる
2. 消費者心理に訴えかけるデザイン
パッケージデザインは、消費者の感情や印象に直接影響を与えます。色やフォント、素材感といった要素は、「信頼できそう」「高級感がある」「親しみやすい」といった感覚を自然に呼び起こします。また、商品の特徴を直感的に伝えることができれば、購買の後押しにもつながります。多くの消費者は感覚的に商品を選ぶ傾向があるため、心理に響くデザインづくりはブランドの印象を大きく左右します。
● 色やフォントで感情的な印象をつくる
● 素材感で信頼性や上質さを表現する
● 商品の特徴を直感的に伝える工夫を取り入れる
3. 環境に配慮したデザイン
今の時代、ブランドには環境への配慮が求められています。リサイクル可能な素材や過剰包装を減らしたデザインは、消費者に「環境にやさしいブランド」という印象を与えます。こうした姿勢は社会的責任の実現にとどまらず、ブランド価値の向上にもつながります。環境意識の高い層に共感されることで、信頼を得やすくなり、市場での強みを築くことができます。結果として、長期的なブランド成長にも寄与します。
● リサイクル素材や簡易包装を取り入れる
● 環境意識の高い層から共感を得る
● ブランドの信頼性と価値を高める
■ パッケージデザインの開発プロセス

1. ブランドコンセプトを明確にする
パッケージデザインを成功させるには、まずブランドコンセプトをしっかりと定めることが大切です。ブランドがどんな想いを持ち、どんな価値や個性を伝えたいのかを具体的にし、それをデザインに反映させていきます。例えば、高級感を打ち出したいブランドであれば上質な素材や洗練されたデザインが効果的ですし、健康志向のブランドであれば自然や安心感を感じさせるトーンが向いています。ブランドの軸が明確であれば、パッケージを通じて一貫したイメージやメッセージを伝えることができます。
2. デザインの開発とプロトタイピング
ブランドコンセプトが固まったら、次は具体的なパッケージデザインの開発に進みます。この段階では、複数のデザイン案を比較検討し、ブランドの魅力を最も引き出せる方向性を見つけます。プロトタイプ(試作品)をつくることで、実際の見え方や手に取ったときの印象、使いやすさ、耐久性などを確認できます。早い段階で試作と検証を行うことで、課題を見つけて改善し、より完成度の高いデザインに仕上げることができます。こうしたプロセスを丁寧に重ねることで、デザインの質と説得力が高まります。
3. 消費者テストとフィードバック
デザインが完成したら、実際の消費者に見てもらい、反応を確かめます。見た目の印象や使い勝手、購入意欲への影響などを調査し、フィードバックをもとにデザインを調整していきます。こうした検証を重ねることで、消費者の視点に寄り添った実用的で魅力あるパッケージが完成します。実際の声を反映させることが、より伝わるデザインを生み出す近道になります。最終的には、ブランドと消費者の距離を縮め、信頼関係を深めることにもつながります。こうした積み重ねがブランドの成長を支えます。
■ パッケージデザインの成功事例

【 Campbell’s|スープ缶の成功事例 】
Campbell’sスープ缶のパッケージデザインは、シンプルでありながら強い印象を残すことで知られています。1900年代初頭に採用された赤と白のデザインは、視覚的に認識しやすく、信頼感や家庭的な温かさを感じさせます。特に1960年代にAndy Warholがこのスープ缶をモチーフにしたポップアートを発表したことで、さらに知名度が高まりました。キャンベルのスープ缶は、アートと商業デザインの両面で象徴的な存在となり、長く愛されるブランドの象徴として定着しています。この一貫したシンプルなデザインが、長年にわたりブランドの信頼と親しみを支え続けています。
[ パッケージデザインの成功ポイント ]
● アイコニックな赤と白の配色
赤と白の配色が特徴的なデザインは、一目でCampbell’sと分かる強いブランドアイデンティティを確立し、消費者に深い印象を残しました。
● シンプルでクラシックなデザイン
1898年からほぼ変わらないシンプルなデザインを採用することで、クラシックで信頼感のあるイメージを維持し、代々受け継がれるブランド価値を高めました。
● Andy Warholによるポップアートでの再評価
1960年代にAndy Warholがスープ缶をポップアートとして描いたことで、アートの世界でも注目を集め、ブランドがポップカルチャーの象徴として再評価されました。
● 視覚的な統一感
どのサイズや種類でも統一されたフォーマットを採用し、消費者が商品ラインをひと目で認識できるように工夫されています。これにより、どの商品にも一貫したブランドイメージが伝わります。
● 安心感を与えるクラシカルな書体
「Campbell’s」の手書き風ロゴやクラシックな書体が、温かみや家庭的な安心感を感じさせ、長く親しまれるデザインをつくり出しています。
● 消費者心理を考慮したレイアウト
成分や味の情報が見やすく配置され、購入時に必要な情報を直感的に得られるよう設計されています。これにより、購買行動を自然に後押しする効果が生まれました。
● ノスタルジアを引き出すデザイン
変わらないデザインが、昔ながらの味や懐かしさを思い出させ、消費者に親近感を抱かせることでブランドへの愛着を深めています。
[ 出典 ] Campbell公式サイトより
[ 出典 ] CNN公式サイトより

【 Chanel No. 5 |香水ボトルの成功事例 】
Chanel No. 5のボトルデザインは、シンプルで洗練されたスタイルが特徴の、ラグジュアリーブランドを象徴する存在です。1921年の発売以来、無駄を削ぎ落とした四角いフォルムと控えめなラベルデザインで知られています。当時主流だった装飾的な香水ボトルとは対照的に、エレガンスとモダンさを兼ね備えたデザインは新鮮で革新的でした。シンプルながらも高級感を感じさせるこのボトルは、時代を超えて愛され続け、Chanel No. 5を「香水の女王」と呼ばれる存在へと導きました。アイコニックなデザインが、ブランドの確立に大きな役割を果たしています。
[ パッケージデザインの成功ポイント ]
● シンプルでエレガントなデザイン
直線的で無駄のないフォルムが洗練された印象を与え、装飾を排したデザインが「タイムレスでエレガント」な美しさを際立たせています。
● ミニマルなラベルとロゴ
白地のラベルに「CHANEL No. 5」とだけ記されたデザインは、製品そのものの存在感を引き立てます。余計な要素を削ることで、ブランドの上質さがより際立ちます。
● ブランドの象徴となった幾何学的なボトル
角ばったシルエットが視覚的な個性を生み、他の香水ボトルとは異なる存在感を放ちます。シンプルながら印象に残る形が、シャネルの象徴として定着しました。
● 透明なカットキャップの造形美
多面カットの透明キャップが、ボトル全体に上品な輝きを与えています。香水のラグジュアリーさを引き立てるとともに、ジュエリーのような印象をもたらしています。
● 時代を超えて愛されるクラシックなデザイン
1921年の登場以来、ほとんど変わらないデザインを守り続けることで、永続的な美しさとブランドの信頼感を表現しています。
● 広告やポップカルチャーとのシナジー
マリリン・モンローが愛用を語ったことで一躍有名になり、「香水といえばChanel No. 5」と言われるほどの存在に。ボトルデザインもブランドの象徴として高く評価されました。
● ディスプレイ映えするオブジェ的存在
直線的で美しいデザインは、ショップのディスプレイや自宅のインテリアにも自然に馴染み、見る人に上質な印象を与えます。
[ 出典 ] Chanel 公式サイトより

【 Tiffany & Co. |ブルーボックスの成功事例 】
Tiffany & Co.のブルーボックスは、ラグジュアリーでありながら上品さを感じさせるブランドの象徴として、世界中で知られています。1837年の創業以来、ティファニーブルーと呼ばれる独自のブランドカラーがアイコンとなり、「贈られる喜び」を体現する存在として多くの人に愛されてきました。このパッケージデザインは、シンプルで洗練された美しさを持ち、特別な瞬間を演出する象徴的なアイテムです。徹底したブランディングによって、ブルーボックスはティファニーの製品そのものと同じ価値を持つ存在となり、「ティファニーの贈り物」という体験そのものを記憶に残すことに成功しました。
[ パッケージデザインの成功ポイント ]
● ティファニーブルーのアイコニックなカラー
独自のティファニーブルー(Pantone 1837)は、他にはない特別な色として視覚的に強い印象を与え、ブランドの象徴として消費者の記憶に深く残っています。
● 洗練されたシンプルなデザイン
淡いブルーのボックスに白いリボンを結ぶだけというミニマルな構成が、上品さと高級感を際立たせています。余計な装飾を省くことで、ティファニーらしい美しさを表現しています。
● 贈り物の特別感を演出
ブルーボックスはティファニーでしか手に入らないため、「特別な贈り物」の象徴として受け取る人に期待や喜びを感じさせます。その体験そのものがブランド価値を高めています。
● 高いブランド認知とステータスシンボル
ブルーボックスはブランドの象徴として定着しており、ティファニー製品であることを一目で伝えます。贈る側にも受け取る側にも、特別な所有感や満足感をもたらします。
● 限定感と希少性の演出
ティファニーの店舗でしか手に入らないことが、希少性を高めています。その「ここでしか得られない特別感」が、ブランド体験をさらに際立たせています。
● 文化的なアイコンとしての確立
映画『ティファニーで朝食を』をはじめ、数々の作品やカルチャーの中に登場し、憧れの象徴としての地位を確立しました。ブランドの世界的な認知を一気に広げるきっかけにもなりました。
● 簡素さの中に潜む優雅さと気品
ボックスとリボンという最小限の構成ながら、気品と温かみを感じさせます。控えめな美しさの中に、ティファニーの上質な世界観がしっかりと表現されています。
[ 出典 ] Tiffany & Co. 公式サイトより
[ 出典 ] Robb Reportより

【 Hershey’s |キスチョコレートの成功事例 】
Hershey’s キスチョコレートのパッケージデザインは、1907年の発売以来、独自の存在感を築いてきました。特徴的なしずく型のチョコレートは、銀色の包み紙で包まれ、上部から「KISS」と書かれた細い紙片がのぞいています。このシンプルで個性的なデザインは見た目の魅力だけでなく、「ちょっとした贈り物」や「シェアできる楽しさ」の象徴として多くの人に親しまれています。Hershey’sはこのデザインを長年変えずに使い続けることで、強いブランド認知を築き上げました。シンプルで覚えやすいデザインが、キスチョコレートを世界中で愛されるお菓子にしています。
[ パッケージデザインの成功ポイント ]
● 特徴的な「しずく型」のデザイン
キスチョコの小さなしずく型は他にはない形として強い印象を残し、ブランドの個性を確立しています。視覚的にもわかりやすく、誰もがすぐにHershey’s Kissesだと認識できます。
● シルバーの包み紙とフラッグ
銀色の包み紙と、上部に飛び出た「Hershey’s Kisses」のフラッグ(紙片)が、親しみやすくユニークな印象を与えています。ブランドを象徴するデザイン要素として長年愛されています。
● 1つ1つが個包装でシェアしやすい
小さく個包装されているため、友人や家族と分け合いやすく、「シェアする楽しさ」や「ちょっと特別な気分」を感じさせるデザインです。
● ポップで親しみやすいイメージ
かわいらしいフォルムが子どもから大人まで幅広い層に受け入れられ、ブランドの親しみやすさを高めています。その見た目の楽しさが、世代を超えて愛される理由にもなっています。
● 軽く持ち運びしやすいパッケージ形状
軽くてコンパクトな形状は持ち歩きにも便利で、いつでも気軽に楽しめるスナックとして定着しています。日常のちょっとしたご褒美や休憩時間にもぴったりな存在です。
●「キス」という親しみやすい名前とロゴ
「Kisses」という名前が愛情や優しさを連想させ、ギフトやシェアにぴったりなイメージを与えています。ロゴの柔らかい書体も温かみを感じさせます。
● ブランディングとプロモーションのしやすさ
形とパッケージが長年一貫していることで、広告やキャンペーンでもすぐに認識され、Hershey’s Kissesとしてのブランド価値を高めています。
[ 出典 ] Hershey’s公式サイトより

【 McDonald’s |フライドポテトボックスの成功事例 】
McDonald’sのフライドポテトボックスは、シンプルで機能的なデザインが特徴で、ブランドを象徴するアイテムとして世界中で親しまれています。赤と黄色の鮮やかなカラーに「M」のロゴが印象的に配置されたデザインは、視覚的に非常に認識しやすく、どこで見ても一目でマクドナルドとわかります。このデザインは、ブランドの世界観を視覚的に伝える役割を果たしており、統一感のあるブランド体験を支えています。消費者がポテトを手に取るたびに、マクドナルドの楽しさや親しみを自然と思い出せるデザインであり、ブランドロイヤルティの向上にもつながっています。シンプルでありながら印象に残るデザインが、マクドナルドのブランドを象徴する存在になっています。
[ パッケージデザインの成功ポイント ]
● アイコニックな赤と黄色の配色
ブランドカラーである赤と黄色を使用した配色が強い印象を与え、遠くからでもマクドナルドだとすぐにわかります。店舗外でも視覚的なブランド認識を高めるデザインです。
● シンプルで機能的な形状
手に持ちやすく、片手でも食べやすい形状が特徴です。外食やテイクアウトにも適しており、利便性と使いやすさを両立させています。
● ロゴの効果的な配置
赤いボックスの中央に配置された黄色の「M」ロゴが、ブランドの存在をしっかりと印象づけます。どこで見てもMcDonald’sのポテトとすぐにわかるデザインです。
● SNS映えするデザイン
鮮やかな色合いとシンプルなフォルムが写真映えし、SNSで自然にシェアされやすいのも特徴です。プロモーション効果を高める要素としても機能しています。
● 子どもから大人まで親しみやすいデザイン
明るい赤と黄色の組み合わせは楽しくポップな印象を与え、幅広い世代に親しまれる要因になっています。親しみやすさとブランドの一体感を感じさせるデザインです。
● 広告効果のあるポテトの形状
ボックスからポテトが少しはみ出る見た目が、食欲を刺激します。視覚的においしそうに見える工夫がされており、自然と手に取りたくなるデザインです。
● 持ち帰りに適した耐久性
厚みのある紙素材を使用し、油にも強い構造になっています。持ち帰りの際にも品質を保ちやすく、テイクアウトでも安心して楽しめるよう配慮されています。
[ 出典 ] McDonald’s 公式サイトより

【 Jack Daniel’s |ウィスキーボトルの成功事例 】
Jack Daniel’sのウィスキーボトルは、独特の四角い形状と黒いラベルで知られ、ブランドを象徴する存在です。1866年の創業以来、デザインはほとんど変わらず、アメリカンウィスキーを代表するアイコンとして世界中で親しまれています。黒地に白い文字をあしらったラベルは、ブランドの伝統と品質を感じさせ、クラシックでタイムレスな魅力を放っています。このデザインはウィスキー愛好家だけでなく、幅広い層の消費者に支持され、Jack Daniel’sを世界で最も認知されるウィスキーブランドのひとつへと導きました。視覚的な一貫性とブランドの歴史を感じさせるデザインが、成功の大きな要因になっています。
[ パッケージデザインの成功ポイント ]
● アイコニックなスクエアボトル
角ばったスクエア型のボトルは、他のウィスキーとは異なる個性を持ち、棚に並んでも存在感があります。持ちやすく安定感のある形状で、ひと目でJack Daniel’sとわかるデザインです。
● クラシックでタイムレスなラベルデザイン
黒と白のラベルがクラシックな雰囲気を演出し、伝統と信頼を感じさせます。余計な装飾を省いたデザインが、長い年月を経ても古びない普遍的な魅力を保っています。
●「Old No.7」のミステリアスなメッセージ
ラベルに記された「Old No.7」という言葉は意味が明かされておらず、消費者の好奇心をくすぐります。この小さな謎がブランドへの関心を高めています。
● ハンドスクリプト風のロゴフォント
手書き風のロゴや伝統的な書体を使うことで、職人の手仕事を感じさせる温かみを表現しています。ウィスキーづくりの歴史や丁寧な製法を感じさせるデザインです。
● バランスの取れたシンメトリーデザイン
ボトルの形とラベルの構成が整然としており、全体に安定感と上品さを与えています。視覚的なバランスがブランドの信頼性をより強く印象づけます。
● ブランドストーリーの一貫性
ボトルデザインにはテネシーウィスキーの伝統や創業者の精神が息づいており、Jack Daniel’sらしいクラフトマンシップとアメリカン・クラシックの世界観を感じさせます。
● 黒と白のモノクロ配色が伝える力強さとシンプルさ
モノクロの配色がシンプルながらも力強く、装飾に頼らずウィスキーそのものの品質や深みを際立たせています。落ち着いた雰囲気の中に、確かな存在感とブランドの信念が感じられます。
● ボトルネックに巻かれたシルバーフォイル
ボトルの首元に施されたシルバーフォイルがさりげない高級感を添えています。細部にまでこだわる姿勢が、ブランドの丁寧な姿勢を伝えています。
● アメリカン・カルチャーにおける象徴的な地位
映画や音楽などを通じてアメリカ文化と深く結びつき、Jack Daniel’sは「アメリカを象徴するウィスキー」としての存在感を確立しました。
[ 出典 ] Jack Daniel’s 公式サイトより
[ 出典 ] oaks & corksサイトより

【 Absolut Vodka |ボトルの成功事例 】
Absolut Vodkaのボトルデザインは、シンプルでありながら個性のある形状と透明なガラスが特徴で、ブランドを象徴する存在として広く知られています。1979年にスウェーデンで発売されて以来、このボトルは「薬瓶」から着想を得たデザインで、一目でAbsolutとわかるブランドアイコンとなりました。また、Absolutはボトルそのものをキャンバスとして活用し、多くのアーティストとコラボレーションした限定デザインを展開しています。こうした戦略により、ブランドの個性と創造性を際立たせ、消費者との強い結びつきを生み出しました。シンプルさと革新性を両立したこのパッケージデザインは、世界中で高い評価を受けています。
[ パッケージデザインの成功ポイント ]
● 薬瓶を思わせる独特なシルエット
丸みを帯びた薬瓶のような形状が他のボトルとは一線を画し、シンプルながらも存在感のあるデザインがブランドの個性を確立しています。
● ラベルレスのボトル
ラベルを排し、透明なガラスに直接印刷を施すことで、製品の純度や透明感を表現。「余計な装飾のない誠実さ」がブランドイメージを支えています。
● 印象的な「Absolut」ロゴと手書き風フォント
力強い「Absolut」のロゴと、「Country of Sweden」を示す手書き風の文字が、ブランドのオリジナリティとスウェーデン製品としての信頼を伝えています。
● アートとのコラボレーション展開
アーティストとのコラボレーションを積極的に行い、ボトルをアートの一部として表現。新鮮なデザインが話題を呼び、Absolutを「アートを愛するブランド」として印象づけています。
● 変わらないデザインとブランドの一貫性
発売以来、基本デザインを大きく変えずに守り続けることで、「Absolutといえばこのボトル」という認知を定着させています。長く愛される普遍的なデザインとしての価値も高めています。
●「Absolut City」シリーズでの地域展開
都市ごとに異なるデザインを展開する「Absolut City」シリーズでは、各地の文化や個性を表現。観光客やコレクターにも人気を集め、ブランドの広がりを生み出しています。
● 高いシェルフインパクト
シンプルながらも洗練されたデザインは店頭でひときわ目を引き、並んだ中でも存在感を発揮します。視覚的な印象の強さが、記憶に残るブランド体験をつくります。
● 環境への配慮とサステナブルな取り組み
リサイクル素材を使ったボトルや環境に優しい製造プロセスを取り入れ、持続可能なブランドとしての信頼を築いています。こうした取り組みが企業の姿勢として共感を呼び、ブランド価値をさらに高めています。
[ 出典 ] Absolut公式サイトより
■ 現代のパッケージデザインに求められる要素

1. サステナビリティ
今のパッケージデザインには、環境への配慮が欠かせません。素材の選び方から廃棄の仕方まで、消費者は「環境に優しいかどうか」を重視しています。デザインは美しさだけでなく、循環型社会への姿勢を伝えるブランドメッセージにもつながります。企業の信頼性を左右する要素にもなっています。
● 再生可能素材の使用
● 過剰包装の削減
● リサイクルや再利用を前提とした設計
2. ユニバーサルデザイン
さまざまな世代や環境の人が使いやすいパッケージは、ブランドへの信頼を高めます。視認性の高さや開けやすさ、情報のわかりやすさといった基本的な部分が重視されます。誰にとっても安心して使えるデザインが求められており、アクセシビリティの視点は今後さらに重要になります。
● 大きく読みやすい文字
● 認識しやすい色使い
● 力を使わず開封できる設計
3. オンラインでの見栄え
EC市場の拡大とともに、パッケージには「画面上で映えること」も求められています。写真や動画で見たときに印象的で、SNSやオンラインショップでシェアされやすいデザインが競争力を生みます。リアル店舗以上に“デジタル映え”を意識した工夫が欠かせません。
● 小さい画面でも映える配色
● シンプルで一目で伝わる情報設計
● 写真映えする立体感や質感
■ 弊社のパッケージデザイン実績
株式会社チビコは、ブランドの世界観を体現するパッケージデザインを数多く手がけてきました。見た目の美しさだけでなく、商品の魅力を最大限に引き出し、消費者との関係性を深めるデザインを重視しています。

[ MERSSAGE ]
メルサージュは、新しい口腔衛生文化の確立により、生活者の口腔を健やかにするとともに歯科医療のさらなる振興を実現するためのブランドです。生活者の歯科医療に対する価値を一新し歯科衛生士や歯科医院と生活者のより深く長い結びつきを創出することを目指しています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | MERSSAGEより

[ DOME NUTRITION SYSTEM ]
DNSは、アスリートがアスリートのために開発した真のスポーツサプリメントブランドです。高品質のサプリメントを適正価格で提供し、さらには最新技術を駆使し極上の飲みやすさを実現しました。そして、「日本のスポーツを世界レベルに引き上げるために」をスローガンに掲げブランド展開しています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | DOME NUTRITION SYSTEMより

[ CLARTE ]
Clarteとは、フランス語で光、輝きを意味する言葉です。いつも感謝すること。楽しみとユーモアをみつけること。身近な人たちの幸せを願うこと。この3つのコンセプトから生まれたブランドです。ショップの5周年を記念しプレゼントとしてアロマキャンドルにメッセージカードを添えて配布いたしました。
[ 詳細 ] chobico WORKS | CLARTEより

■ パッケージデザインに関するよくある質問
パッケージデザインに関して多く寄せられるご質問にお答えしています。新商品の立ち上げからリニューアル、環境配慮まで、実務に役立つポイントを分かりやすく解説します。
[ よくある質問① ]
Q :新商品のパッケージデザインを作る際、最初に決めるべきことは何ですか?
A :ターゲット顧客・ブランドコンセプト・差別化ポイントを明確にすることが重要です。ここを曖昧にすると、デザイン全体の一貫性が失われます。
[ よくある質問② ]
Q :パッケージデザインで「売れるデザイン」を作るコツはありますか?
A :商品の価値を直感的に伝えるビジュアルと、購買意欲を刺激するキャッチコピーを組み合わせることです。また、棚やECでの視認性も重要です。
[ よくある質問③ ]
Q :パッケージリニューアルの最適なタイミングは?
A :売上停滞時・ターゲット変更時・ブランドイメージ刷新時が最適です。市場調査を行い、消費者ニーズに合わせた変更が効果的です。
[ よくある質問④ ]
Q :環境に配慮したパッケージデザインはどう取り入れればいいですか?
A :再生可能素材・エコインク・最小限の包装を活用する方法があります。企業のサステナビリティ方針と合わせて検討するのがおすすめです。
[ よくある質問⑤ ]
Q :パッケージデザインでブランドイメージを統一するポイントは?
A :ロゴ・カラー・フォント・トーンを統一し、ガイドラインを策定することです。社内外で共有することで、一貫性のあるブランド体験を提供できます。

■ パッケージデザイン開発のためのチェックリスト
パッケージデザイン開発の過程で押さえておくべき重要なチェックポイントを整理しています。ブランド戦略からデザイン検証、環境配慮まで、一貫した視点で品質を高めるための実践的なリストです。
[ ブランドコンセプトのチェック ]
⬜︎ ブランドコンセプトが明確になっているか?
⬜︎ デザインにブランドの価値やメッセージが反映されているか?
⬜︎ ターゲット層に響く視覚表現ができているか?
[ デザイン案・検証のチェック ]
⬜︎ 複数のデザイン案を比較検討したか?
⬜︎ プロトタイプで見栄え・使い勝手・耐久性を確認したか?
⬜︎ 消費者テストやフィードバックを取り入れているか?
[ 差別化&視認性のチェック ]
⬜︎ 競合商品と明確に差別化できているか?
⬜︎ 店頭やEC上で視認性が高いデザインになっているか?
⬜︎ アイコニックな要素(カラー・形状・ロゴなど)があるか?
[ サステナビリティのチェック ]
⬜︎ 環境に配慮した素材・印刷・包装を使用しているか?
⬜︎ 過剰包装を避け、必要最小限の設計になっているか?
⬜︎ ブランドとしての社会的責任がデザインに反映されているか?

■ まとめ
パッケージデザインは、商品ブランディングにおいて欠かせない要素です。消費者の印象を大きく左右し、競合商品との違いを明確にするためにも重要な役割を担っています。さらに、環境に配慮したデザインや、消費者心理に寄り添ったデザインは、ブランドへの信頼感や安心感を高め、長期的な価値向上にもつながります。成功するパッケージデザインは、明確なブランドコンセプトに基づき、実際の声を取り入れて磨き上げられたものであり、それがブランドの成長を支える大きな力になります。

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

【 ご質問、お打合せ希望など、お気軽にお問合わせください。】
– ブランド戦略からデザイン開発まで –
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