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パッケージデザインの役割と成功事例

[ ブランディングデザイン ]

【保存版】パッケージデザインの役割と成功事例7選

パッケージデザインは、商品ブランドを強化し、消費者に訴求するための強力なツールです。消費者が店頭やオンラインで商品に出会う際、パッケージは最初に目に入る要素であり、ブランドの第一印象を決定づけます。成功するパッケージデザインは、製品の魅力を視覚的に表現し、ブランドの価値やメッセージを消費者に効果的に伝えるものです。また、機能性や環境への配慮、使いやすさなども重要なポイントです。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、パッケージデザインを通じて商品ブランドを高める具体的な方法を解説し、消費者の購買意欲を高めるためのデザイン戦略について詳しく解説します。


■ パッケージデザインの役割

パッケージデザインの役割と重要性

1. 競合との差別化のためのデザイン

パッケージデザインは、競合商品と自社商品の差別化を図る重要なアイテムです。市場には似たような機能を持つ商品が数多く存在しますが、消費者が選ぶ際に最も影響を与えるのがパッケージデザインです。美しいカラーやユニークな形状、印象的なロゴデザインやネーミングは、消費者の記憶に強く残り、購入のための理由となります。競合との差別化を図るためには、商品ブランドの独自性やメッセージをデザインとして表現することが重要です。

2. 消費者心理に訴えかけるデザイン

消費者の購買行動は、インパクトやイメージによって大きく別れます。そのため、パッケージデザインは視覚的に魅力的であるだけでなく、消費者の心に訴えかける必要があります。例えば、高級商品にはラグジュアリー感を感じさせるデザインが必要で、健康食品にはナチュラルで安心感のあるデザインが求められます。こうしたデザインは、消費者に安心感や信頼感を与え、購買意欲を高める効果があります。

3. 環境に配慮したデザイン

環境意識が高まる今日において、エコロジーを考慮したパッケージデザインはブランドの信頼性を高めるためにも重要になっています。再生可能な素材の使用したり、プラスチックを削減するなど、環境に配慮した取り組みは、企業ブランドの社会的責任を果たすものでもあり、消費者からの評価や評判を高めることにもなります。持続可能なデザインは、単なる企業ブランドのアピールだけではなく、消費者がブランドを選ぶ際の重要なポイントとなります。

■ パッケージデザインの開発プロセス

パッケージデザインの開発プロセス

1. ブランドコンセプトを明確にする

パッケージデザインが成功するためには、まずブランドコンセプトを明確にすることが必要です。ブランド自体が何を伝えたいのか、どのような価値や独自性があるのかを具体的にし、それをパッケージデザインに反映することが重要です。例えば、高級感を重視する商品ブランドであれば、洗練されたデザインや素材選びが求められ、健康志向のブランドであれば、ナチュラルなイメージ連想させるデザインが向いています。ブランドコンセプトが明確であれば、パッケージデザインが消費者に一貫したイメージやメッセージを伝えることができます。

2. デザインの開発とプロトタイピング

ブランドコンセプトが決まったら、次の段階として具体的なパッケージデザインの開発に進みます。この時点では、複数のデザイン案を作成検討し、最もブランドに適したデザイン案を選びます。プロトタイピングを通じて、実際のパッケージがどのように見えるか、使いやすさや耐久性なども確認します。プロトタイプを試作することで、問題点を早期に発見し、改善を図ることができます。

3. 消費者テストとフィードバック

パッケージデザインが完成したら、消費者テストを行い、実際の市場で受け入れられるのかを確認します。消費者テストでは、パッケージデザインの見た目や使い勝手、購入の際への影響などを調査し、フィードバックをします。このフィードバック内容を基に、パッケージデザインのブラッシュアップを行い、最終的に最適なパッケージを完成させます。消費者の意見を取り入れることで、より効果的なパッケージデザイを制作することができます。

■ パッケージデザインの成功事例

キャンベルスープ缶-パッケージデザイン成功事例

【 Campbell’s|スープ缶の成功事例 】

Campbell’sスープ缶のパッケージデザインは、シンプルかつインパクトのあることで知られています。1900年代初頭に導入された赤と白のデザインは、視覚的に非常に認識しやすく、信頼性や家庭的な温かさを表現しています。特にAndy Warholのポップアートによってさらに知名度がいっきに高まり、キャンベルのスープ缶はアートと商業デザインの両方でアイコン的な存在となりました。このシンプルで一貫したデザインは、長年にわたり消費者に親しまれ、ブランドの一貫性と信頼性を築くことに成功しました。

[ パッケージデザインの成功ポイント ]

⚫︎アイコニックな赤と白の配色
赤と白の配色が特徴的なデザインは一目でCampbell’sと分かるブランドアイデンティティを確立し、消費者に強く印象づけました。

⚫︎シンプルかつクラシックなデザイン
1898年からほぼ変わらないシンプルなデザインを採用することで、クラシックで信頼感のあるイメージを維持し、代々受け継がれるブランド価値を高めました。

⚫︎Andy Warholによるポップアートでの再評価
1960年代、Andy Warholがキャンベルのスープ缶をポップアートにしたことで、アートシーンでも評価され、デザインが「ポップカルチャーの象徴」としてブランド価値を高めました。

⚫︎視覚的な統一感
サイズや種類に関わらずパッケージデザインのフォーマットが統一されており、消費者に商品ラインナップを一目で認識させる効果があります。これにより、どの製品でも一貫したブランドイメージが伝わります。

⚫︎安心感を与えるクラシカルな書体
「Campbell’s」という手書き風のロゴやクラシカルなフォントを使用し、消費者に温かみや家庭的な安心感を与えるデザインに成功しています。

⚫︎消費者心理を考慮したレイアウト
成分や味の情報が見やすい位置に配置されており、商品を選ぶ際に必要な情報が簡単に得られるデザインが工夫されています。これにより、購買意欲を高める効果をもたらしました。

⚫︎ノスタルジアを引き出すデザイン
変わらないデザインが、消費者に昔ながらの味や懐かしさを感じさせ、ブランドへの親近感を高めることに成功しています。

[ 出典 ] Campbell公式サイトより
[ 出典 ] CNN公式サイトより

シャネルno5-パッケージデザイン成功事例

【 Chanel No. 5 |ボトルの成功事例

Chanel No. 5のボトルデザインは、シンプルかつ洗練されたパッケージデザインでラグジュアリーブランドの代表として広く知られています。1921年の発売以来、このボトルはシンプルな四角い形状と、ミニマルなラベルデザインで知られています。このデザインは、当時の香水ボトルが装飾的であったのに対し、エレガンスとモダニズムを表現しています。シンプルさの中にも高級感を感じさせるこのボトルは、時代を超えて愛され続け、Chanel No. 5そのものが「香水の女王」としての存在を確立することとなりました。アイコニックなパッケージデザインが、ブランドの成功に大きく影響しています。

[ パッケージデザインの成功ポイント ]

⚫︎シンプルでエレガントなデザイン
ボトルは直線的でシンプルなフォルムでありながら、洗練された美しさを持ち、余分な装飾を排したデザインが「タイムレスでエレガント」な印象を与えます。

⚫︎ミニマルなラベルとロゴ
シンプルな白地のラベルに「CHANEL No. 5」と記載されたミニマルなデザインが、製品そのものの価値とラグジュアリーさを引き立て、余計な情報がないことで高級感が増しています。

⚫︎ブランドの象徴となった幾何学的なボトル
角ばったシルエットのボトルは視覚的にも独特で、他の香水とは一線を画しています。シンプルながらも印象に残るフォルムが、シャネルのアイコンとしての地位を確立しました。

⚫︎アイコニックなブラックキャップ
角ばった黒いキャップがシンプルなボトルデザインを引き締め、高級感を演出。これにより、香水のボトルとしてだけでなく、デザインの芸術品としての地位も築きました。

⚫︎時代を超越したクラシックなデザイン
1921年の発売からデザインがほぼ変わらないことで、永続的な美しさと信頼性を強調し、ブランドとしての一貫性を象徴する存在になりました。

⚫︎広告やポップカルチャーとのシナジー
マリリン・モンローが愛用を公言したことで、Chanel No. 5は「香水の代名詞」として認知され、ボトルデザインも高いステータスシンボルとなりました。

⚫︎ディスプレイ映えするオブジェ的存在
直線的でシンプルなデザインは、店舗や家のディスプレイに置いても美しく、インテリアとしても高い価値を持ちます。

[ 出典 ] Chanel 公式サイトより

tiffanyブルーボックス-パッケージデザイン成功事例

【 Tiffany & Co. |ブルーボックスの成功事例

Tiffany & Co.のブルーボックスは、ラグジュアリーでエレガンスなブランドの象徴として世界中で知られています。1837年の創業以来、ティファニーブルーと呼ばれる独自のブランドカラーがブランドのアイコンとなり、ブルーボックスは「贈られる喜び」を体験するアイテムとして愛されています。このパッケージデザインは、シンプルで洗練された美しさを持ち、ブランドの高級感と特別感を表しています。徹底したブランディングにより、ブルーボックスはティファニーの製品そのものと同じくらい価値あるものとなり、消費者にとって「ティファニーの贈り物」として、記憶に残る成功を収めました。

[ パッケージデザインの成功ポイント ]

⚫︎ティファニーブルーのアイコニックなカラー
独自のティファニーブルー(Pantone 1837)が他にはない色として視覚的に強く印象を残し、ブランドの象徴として消費者の記憶に刻まれています。

⚫︎洗練されたシンプルなデザイン
シンプルなボックスに白いリボンをかけただけのミニマルなデザインが、上品で高級感を強調。過度な装飾がないことでティファニーの美意識を表現しています。

⚫︎贈り物の特別感を演出
ブルーボックスはティファニーでしか手に入らないことから、「特別な贈り物」の象徴とされ、受け取った人にワクワク感と期待を抱かせる演出効果があります。

⚫︎高いブランド認知とステータスシンボル
ブルーボックスはブランドアイコンとなり、ティファニー製品であることを即座に認識させるシンボルに。贈り物を通じて所有者がステータスを感じられる効果もあります。

⚫︎限定感と希少性の演出
ティファニーの店舗で購入しなければ手に入らないため、希少性が強調され、より価値の高いものとして認識されます。

⚫︎文化的なアイコンとしての確立
映画「ティファニーで朝食を」など、ポップカルチャーに登場し、憧れの象徴としての地位を確立。ブランドの知名度を大きく引き上げました。

⚫︎簡素さの中に潜む優雅さと気品
ボックスとリボンのシンプルな組み合わせで、エレガンスと伝統を表現し、ティファニーの上品なイメージを強調しています。

[ 出典 ] Tiffany & Co. 公式サイトより
[ 出典 ] Robb Reportより

HERSHEYSキスチョコレート-パッケージデザイン成功事例

【 Hershey’s |キスチョコレートの成功事例

Hershey’s キスチョコレートのパッケージデザインは、1907年の発売以来、独自のポジショニングを確立しました。特徴的なティアドロップ型のチョコレートは、銀色の包装紙で包まれ、上部に「KISS」と書かれた細い紙片が突き出ています。このシンプルでユニークなデザインは、見た目の魅力だけではなく、特別な贈り物の代表例としての消費者に浸透しています。Hershey’sは、このパッケージデザインをほぼ変更せず長い間使用することでブランド認知を獲得しました。シンプルで記憶に残るデザインが、キスチョコレートを世界中で愛される製品にしました。

[ パッケージデザインの成功ポイント ]

⚫︎特徴的な「しずく型」のデザイン
キスチョコレートの小さなしずく型が他にない独自の形状として強いアイデンティティを形成。視覚的に記憶に残りやすく、消費者にすぐに認識されるデザインです。

⚫︎シルバーの包み紙とフラッグ
シルバーの包み紙と上部に飛び出た「Hershey’s Kisses」のフラッグ(小さな紙片)が、ユニークで親しみやすい見た目を提供し、キスチョコを象徴するデザイン要素となっています。

⚫︎1つ1つが個包装でシェアしやすい
キスチョコは小さく個包装されているため、友人や家族とシェアするのに便利です。これにより「シェアする楽しさ」や「特別感」を消費者に提供しています。

⚫︎ポップで親しみやすいイメージ
小さくてかわいらしいフォルムが、子供から大人まで幅広い層に親しみやすい印象を与え、ブランドの親近感を高めています。

⚫︎軽く持ち運びしやすいパッケージ形状
小さく持ち運びやすいパッケージで、いつでもどこでも楽しめるおやつとしての利便性を高め、日常に取り入れやすい商品になっています。

⚫︎「キス」という親しみやすい名前とロゴ
「Kisses」という名前自体がロマンティックで親しみやすく、消費者に温かさや愛情を感じさせることで、贈り物やシェアに最適な印象を与えています。

⚫︎ブランディングとプロモーションのしやすさ
パッケージと形状の一貫性があることで、プロモーションや広告で商品をすぐに認識でき、Hershey’s Kissesとしてのブランド価値を高める効果があります。

[ 出典 ] Hershey’s公式サイトより

マクドナルドポテトBOX-パッケージデザイン成功事例

【 McDonald’s |フライドポテトボックスの成功事例

McDonald’sのフライドポテトボックスは、シンプルで機能的なデザインで、ブランドの象徴となっています。赤と黄色の鮮やかなカラーに、Mのロゴが配置されたパッケージデザインは、視覚的に非常に認識しやすく、消費者に強いインパクトを与えています。このパッケージデザインは、McDonald’sのブランドを視覚的に表現しており、世界中で統一されたイメージで展開しています。消費者がポテトを手に取るたびに、McDonald’sのブランドを思い出すことができ、ブランドロイヤルティの強化にも繋がっています。シンプルながらも印象的なデザインが、McDonald’sの成功を支える重要な要素となっています。

[ パッケージデザインの成功ポイント ]

⚫︎アイコニックな赤と黄色の配色
視覚的に強く印象に残る赤と黄色の配色が使われており、McDonald’sのブランドカラーと一致しているため、店舗外でも「マクドナルドのポテト」と即座に認識されるデザインになっています。

⚫︎シンプルで機能的な形状
手軽に持ちやすい形状が特徴で、片手で簡単に持てるため、外食やテイクアウトにも最適。利便性と機能性を兼ね備えたデザインで、食べやすさが向上しています。

⚫︎ロゴの効果的な配置
赤いボックスに黄色の「M」ロゴが大きく配置されており、ブランドの象徴を強調。消費者がどこにいてもMcDonald’sのポテトであることがわかりやすいデザインです。

⚫︎SNS映えするデザイン
鮮やかな色とシンプルな形状が視覚的に魅力的で、SNSに投稿されやすく、消費者が自然にブランドをシェアするプロモーション効果が期待できます。

⚫︎子どもから大人まで親しみやすいデザイン
赤と黄色の配色は明るくポップなイメージを与えるため、子どもから大人まで幅広い層に親しみやすいパッケージとして認知されています。

⚫︎広告効果のあるポテトの形状
ポテトが上から見える形状になっており、ポテトがはみ出す見た目が食欲をそそる。視覚的に食べたい気持ちを引き出す効果があり、消費者に強く訴求します。

⚫︎持ち帰りに適した耐久性
紙製でありながら厚みがあり、油にも強い素材を使用することで、持ち帰りにも適したパッケージとして機能的。品質が維持されるため、テイクアウトでもブランドの満足度が保たれます。

[ 出典 ] McDonald’s 公式サイトより

jack-daniels-パッケージデザイン成功事例

【 Jack Daniel’s |ウィスキーボトルの成功事例

Jack Daniel’sウィスキーボトルは、独特な四角い形状と黒いラベルで広く知られ、ブランドを象徴する存在となっています。1866年の創業以来、このパッケージデザインはほとんど変わらず、アメリカンウィスキーの象徴として知られています。黒いラベルに白い文字で書かれたデザインは、ブランドの伝統と品質を表現し、クラシックでタイムレスな魅力を持っています。このパッケージデザインは、ウィスキー愛好者だけでなく、幅広い消費者にアピールし、Jack Daniel’sを世界で最も有名なウィスキーブランドの一つにしました。視覚的な一貫性とブランドの歴史を感じさせるデザインが成功に大きく影響しています。

[ パッケージデザインの成功ポイント ]

⚫︎アイコニックなスクエアボトル
角ばったスクエアボトルは、他のウィスキーと一線を画すユニークな形状で、棚に並べても際立ちます。このデザインは持ちやすく、視覚的にJack Daniel’sとして認識しやすいことも成功要因です。

⚫︎クラシックでタイムレスなラベルデザイン
ブラックとホワイトのラベルはクラシックな雰囲気を醸し出し、伝統的で信頼性のある印象を与えます。余分な装飾を控えたシンプルなデザインが、長年にわたって時代に左右されない普遍性を確立しました。

⚫︎「Old No.7」のミステリアスなメッセージ
ラベルに記載されている「Old No.7」という文言が、消費者に謎めいたイメージを与え、ブランドへの興味を引きつける要因となっています。

⚫︎ハンドスクリプト風のロゴフォント
手書き風のロゴと伝統的なフォントを使用することで、手作り感や工芸品としての温かみが感じられ、ウィスキーの品質と歴史を伝える効果があります。

⚫︎ボトル全体のシンメトリーとバランスの良さ
ボトルの形状とラベルデザインがシンメトリックに整っており、見た目に安定感と高級感を与えます。バランスの取れたデザインが、ブランドの上質なイメージを補完しています。

⚫︎ブランドストーリーの一貫性
ボトルデザインがテネシーウィスキーの伝統とブランド創業者の精神を体現しており、Jack Daniel’sが持つアメリカン・クラシックのアイデンティティを強化しています。

⚫︎黒と白のモノクロ配色が伝える力強さとシンプルさ
黒と白のモノクロ配色は、シンプルで力強い印象を与え、余計な装飾を排除することでウィスキーそのものの品質を際立たせています。

⚫︎ボトルネックに巻かれたシルバーフォイル
ネック部分にあしらわれたシルバーフォイルがラベルの高級感を高め、プレミアムな印象を与えます。細部のディテールにもこだわる姿勢が、消費者の満足度を向上させます。

⚫︎アメリカン・カルチャーにおける象徴的な地位
映画や音楽など、アメリカン・カルチャーとの深い結びつきがあり、Jack Daniel’sはアメリカを象徴するウィスキーとしてのアイデンティティを確立しています。

[ 出典 ] Jack Daniel’s 公式サイトより
[ 出典 ] oaks & corksサイトより

absolut-vodka-パッケージデザイン成功事例

【 Absolut Vodka |ボトルの成功事例

Absolut Vodkaのボトルデザインは、シンプルで個性的な形状と透明なガラスを特徴とし、ブランドを象徴する存在となりました。1979年にスウェーデンで発売されて以来、このボトルは「薬瓶」をインスピレーションするデザインで、一目でAbsolutとわかるブランドアイコンとして知られています。そして、Absolutはボトルをキャンバスとして活用し、数多くのアーティストとのコラボによる限定デザインを展開しています。この戦略は、ブランドの個性とアーティスト性を際立たせ、消費者に強く訴求することとなりました。シンプルさと革新性が融合したこのパッケージデザインは、世界中で成功を収めました。

[ パッケージデザインの成功ポイント ]

⚫︎薬瓶を思わせる独特なシルエット
他のボトルとは異なる丸みを帯びた薬瓶のような形状が視覚的に際立ち、シンプルで機能的なデザインが、ブランドアイデンティティを形成しています。

⚫︎ラベルレスのボトル
ラベルがない透明なボトルに直接印刷されたデザインが、製品の純度とシンプルさを象徴し、「透明で純粋な」ブランドイメージを強調しています。

⚫︎目立つ「Absolut」ロゴと直筆風フォント
太くはっきりとした「Absolut」のロゴと、「Country of Sweden」を示す手書き風フォントが、ブランドのオリジナリティとスウェーデン製の信頼感を伝えます。

⚫︎大胆なアートコラボレーション
アーティストと積極的にコラボレーションし、ボトルデザインにアートを取り入れることで、新しいデザインが常に注目を集め、Absolutを「アートを愛するブランド」として定着させました。

⚫︎タイムレスで一貫したデザイン
発売以来、基本のデザインはほとんど変えずに、ブランドアイデンティティを守り続け、消費者に「Absolutといえばこの形」と認識させることに成功しています。

⚫︎「Absolut City」シリーズによる都市ごとのデザイン展開
各都市の特徴をデザインに取り入れた「Absolut City」シリーズが、地域ごとの文化を反映し、観光客やコレクターにも支持されるブランディングとなっています。

⚫︎高いシェルフインパクト
シンプルで美しいデザインが店頭でひときわ目立ち、棚に並べられた際にも、他のボトルと一目で区別がつきます。視覚的な印象が強く、記憶に残りやすいことも成功の要因です。

⚫︎環境への配慮とサステナビリティ
リサイクル素材を使ったボトルや、環境に配慮した製造プロセスを採用し、持続可能なブランドとしての信頼感を構築しています。

[ 出典 ] Absolut公式サイトより

■ まとめ

パッケージデザインは、商品ブランディングにおいてとても重要な役割があります。消費者のイメージを左右し、競合商品との明確な差別化を図るための重要なデザインです。また、環境に配慮したデザインや消費者心理に訴えるかけるデザインは、ブランドの信頼感や安心感を高め、長期的にブランド価値を高める効果もあります。成功するパッケージデザインは、明確なブランドコンセプトに基づき、消費者のフィードバックを反映させたもので、それがブランドの成長にとって重要なのです。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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