
[ ブランディングデザイン ]
コーポレートカラーが重要な理由とは?決め方と成功事例9選
コーポレートカラーは、企業のアイデンティティを象徴する重要な要素で、消費者に対して企業のイメージやメッセージを視覚的に伝えます。適切なコーポレートカラーを選ぶことは、ブランドの認知度と信頼感を高めます。色は感情や印象に大きな影響を与えるため、企業の価値観やターゲット市場を深く理解した上での選定が必要です。例えば、青は信頼と冷静さ、緑は自然や健康を象徴するなど、色の心理的効果を最大限に活用することが重要です。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、コーポレートカラーの決め方における具体的なポイントと、成功した企業の事例を通じて、その重要性と実践的なアプローチについて詳しく解説します。
CONTENTS | 目次
■ コーポレートカラーが重要な理由

【 企業イメージを大きく左右する 】
企業のブランドイメージを形成するうえで、コーポレートカラーは非常に重要です。コーポレートカラーは、企業のブランドイメージを視覚的に表現し、一貫した印象を顧客に伝えることができます。たとえば、青は信頼性や安定感を、赤は情熱や活力を示します。こうした色の選択がブランドメッセージと一致している場合、企業の個性や価値観がより明確に伝わり、顧客とのエンゲージメントが強化されます。企業が持つ理念やビジョンに合ったカラーを選ぶことが、ブランディングの基盤となります。また、色は記憶に残りやすいため、企業の認知度を高める要因にもなります。
▶︎ 詳細記事:ブランドカラーとは?設定方法とロゴの配色について

【 人に与える色の心理的影響 】
人は、色によってさまざまなものを連想したり、感情を抱いたりします。それは、時代や地域性に左右される場合もありますが、一定の規則性をもっています。色には感性に直接的働きかける特質があります。たとえば、赤は炎、緑は自然のような現実のものにつながる連想があると同時に、赤はエネルギッシュ、緑は豊かさのような抽象的なイメージもあります。抽象的イメージの中には、感情的概念と感覚的概念があります。感情的概念は喜怒哀楽、感覚的概念は、寒暖感や軽重感などがあげられます。色の持つイメージを知って上手く使いこなせるようになれば、伝えたいメッセージを誤解なく伝えることができます。
色彩心理学の観点から、企業のターゲット層がどのような感情を抱くかを考慮し、適切な色を選ぶことが重要です。色の選択によって顧客にポジティブな印象を与えることができれば、ブランドへの信頼が強まり、長期的な関係が築かれます。
■ コーポレートカラーの役割

1. ブランドの象徴
コーポレートカラーは企業のアイデンティティを最も直感的に伝える要素のひとつです。言葉よりも早く視覚で伝わるため、理念や価値観を色彩で表現するシンボルとなります。例えば青は信頼感や誠実さ、赤は情熱やエネルギーといった印象を与えるように、色には固有のメッセージ性があります。ブランドの象徴として定義されたカラーは、企業の存在そのものを想起させる力を持ちます。
2. 一貫性の維持
企業活動においては広告、Webサイト、商品、ユニフォーム、店舗デザインなど、顧客との接点が多岐にわたります。コーポレートカラーを統一的に使うことで、どの媒体でも同じブランドイメージを維持できます。一貫性が確保されることで、企業の発信がバラバラに見えず、顧客にとって安定感のある信頼できる存在として認識されます。長期的にブランドの認知を蓄積するための基盤です。
3. 認知度の向上
人は色を視覚的に強く記憶するため、繰り返し目にするコーポレートカラーはブランド想起を大きく高めます。看板や広告、製品パッケージなどで一貫して使用されると、文字やロゴを見なくても「あの会社だ」と気づかれるようになります。こうした視覚的な刷り込みは、競争が激しい市場において選ばれるブランドになるために不可欠です。色がそのまま認知度を押し上げる武器となります。
4. 競合との差別化
市場には類似する商品やサービスが多く存在するため、コーポレートカラーは差別化の強力な手段となります。競合他社が使う色と意図的に違いを持たせることで、視覚的に明確な区別が可能になります。同じ業界の中でも「この色といえばこのブランド」と直結させることができれば、価格や機能だけに依存しない独自のポジションを築けます。色はブランドの差別化戦略における重要な資産です。
5. 感情的な訴求
色は心理的な影響力が強く、人々の感情に直接働きかけます。青は信頼や冷静さ、緑は安心や自然、黄色は親しみや明るさといったように、それぞれが固有の感情を喚起します。コーポレートカラーを通じて「このブランドと接すると安心する」「挑戦的で刺激的だ」といった印象を与えられれば、単なる機能的価値を超えて心に残ります。感情に訴求する色はブランドの魅力を深める要素です。
■ 上場企業のコーポレートカラーの割合

東証一部上場企業のコーポレートカラーの割合です。圧倒的に赤と青の割合が多いです。「躍動感」や「信頼感」を想起させるカラーが定番と言えます。また、日本企業はコーポレート・アイデンティティー(CI)を変更することに消極的ですが、アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾンなど、適宜変えている企業は少なくありません。
[ 参考 ] 色彩検定協会サイトより
[ 参考 ] 色彩検定協会「色彩検定公式テキスト」
■ コーポレートカラーの決め方

コーポレートカラーを決める際には、いくつかのポイントがあります。まず、自社の理念やビジョンに合った色を選ぶことが重要です。企業が何を目指しているか、どのような価値を提供しているかを視覚的に表現するためにも必要です。次に、ターゲット層が感じるであろう色のイメージを考えます。さらに、競合他社との違いを明確にするため、差別化を図る色選びも重要です。決定したコーポレートカラーは、ロゴ、WEBサイト、広告など、全てのブランドの接点で一貫して使用することで、ブランドアイデンティティを構築できます。
【 市場調査と競合分析 】
コーポレートカラーを決定する前に、まず市場調査と競合分析を行うことが欠かせません。市場のトレンドを把握し、競合他社がどのような色を使用しているのかを分析することで、どの色が市場で過剰に使われているか、逆にどの色がチャンスを秘めているかを理解できます。競合と似た色を選ぶと埋没するリスクがあるため、差別化を図ることが重要です。市場調査は、ターゲットとなる消費者の色彩に対する反応を見極めるための有効な手段でもあり、色選定の基盤となります。
▶︎ 詳細記事:ブランディングにリサーチと分析が重要な理由とは?
【 ターゲットを考慮したカラー選定 】
コーポレートカラーを選定する際、最も重要なことがターゲットオーディエンスです。顧客層の年齢、性別、趣味嗜好などを考慮し、最も響く色を選ぶ必要があります。例えば、若年層向けのブランドでは明るくポップな色が好まれる一方、シニア層には落ち着いたトーンが安心感を与えます。また、国や地域によって色の象徴する意味が異なるため、グローバルに展開する企業はその文化的背景も考慮する必要があります。ターゲットに適した色を選ぶことで、より深いエンゲージメントを生むことが可能です。
【 ブランドイメージに基づいたカラーパレット作成 】
コーポレートカラーを決定する際、ブランドのイメージに基づいたカラーパレットを作成することが効果的です。単一の色にこだわる必要はなく、メインカラーに加えてサブカラーやアクセントカラーを組み合わせることで、企業の多様な側面を視覚的に表現できます。このカラーパレットは、ロゴやウェブデザイン、広告、パッケージなど、すべてのブランド接点で統一的に使用することで、強固なブランドイメージを形成します。パレット全体で調和が取れた配色は、視覚的に記憶に残りやすく、ブランドのアイデンティティを強化する要素となります。
▶︎ 詳細記事:ブランドイメージを高めるためのデザインとは?
■ コーポレートカラーの活用方法

1. ロゴやシンボルへの使用
コーポレートカラーをロゴやシンボルマークに適用することで、ブランドの核を視覚的に一貫して伝えることができます。色は瞬時に認識されやすく、他の要素よりも強く印象に残ります。そのため、ロゴ自体が使われるあらゆる場面でブランドの存在を想起させる力を持ち、視覚的シンボルと企業のイメージを強固に結びつける役割を果たします。
2. 商品・パッケージに使用
商品やそのパッケージにコーポレートカラーを活用することで、店頭やオンラインショップで消費者に即座にブランドを認識させることができます。競合商品が多い環境でも、色が持つアイキャッチ効果により差別化が可能です。また、購入体験を通じて繰り返しブランドカラーに触れることで、消費者の記憶に強く定着し、選ばれる理由を築く要素にもなります。
3. 各種制作物に統一的に使用
ポスター、パンフレット、名刺、広告、Webバナーなど、あらゆる制作物にコーポレートカラーを統一的に取り入れることで、一目で「そのブランドらしさ」を感じさせることができます。多様な媒体においても色が軸になることで、発信内容にぶれがなく、ブランドの信頼性や安定感が高まります。結果として、制作効率も向上し、認知度の一貫した積み重ねにつながります。
4. イベント・展示会に使用
展示会ブースやイベント会場の装飾にコーポレートカラーを積極的に使用することで、遠くからでもブランドの存在を視覚的に訴求できます。来場者は無意識に色を手がかりに記憶するため、強い印象を残せます。また、配布物やスタッフのユニフォームにも同じカラーを適用することで、会場全体で統一感が生まれ、ブランド世界観を直接体感させることが可能になります。
5. 映像・プレゼン資料に使用
動画のタイトルバックやグラフィック要素、社内外で使うプレゼン資料のキーカラーにコーポレートカラーを設定することで、情報が視覚的に統一され、説得力と印象が高まります。発表者が話す内容と色の一貫性が相乗効果を生み、聴衆に安心感や信頼感を与えます。短い時間で強く印象づけたい場面ほど、ブランドカラーが効果的に機能します。
■ コーポレートカラーの成功事例

【 Coca-Cola | コーポレートカラーの成功事例 】
Coca-Colaのコーポレートカラーである赤は、ブランドの象徴として長い歴史を持ち、消費者に強く認識されています。この赤色は、情熱、エネルギー、活気を象徴し、Coca-Colaが持つポジティブで元気なイメージと結びついています。赤は視覚的に目立ち、興奮や行動を促す効果があるため、広告やパッケージに使用されることで消費者の注意を引きつけ、購入意欲を高める役割も果たしています。
Coca-Colaの赤色は19世紀末、商標が誕生した当初から使用され、サンタクロースのイメージを定着させる広告キャンペーンなどでも広く利用されました。結果として、Coca-Colaの赤は世界中で認知され、同社のグローバルな成功の一因となっています。
[ コーポレートカラーの成功ポイント ]
● 赤色の一貫した使用
視認性が高く、消費者に強い印象を与える赤を使用し、ブランドの認知度を最大化。
● 心理的効果の活用
赤が消費者に情熱や楽しさを感じさせ、ブランドイメージと一致。
● 多様なメディア対応
パッケージから広告、デジタルコンテンツまで、どのメディアでも色を忠実に再現。

【 Starbucks | コーポレートカラーの成功事例 】
Starbucksのコーポレートカラーである緑は、同社のブランドアイデンティティにおいて重要な役割を果たしています。緑は、環境への配慮や自然との調和を象徴し、スターバックスが持つサステナビリティ(持続可能性)への強い取り組みを反映しています。また、緑はリラックス感や安心感を与える色であり、店舗の落ち着いた雰囲気や、顧客がくつろげる空間づくりに反映されています。
スターバックスのロゴや店内デザインに多く使われるこの緑は、ブランドの一貫性を保ちながら、自然やコミュニティとの結びつきを強調します。これにより、スターバックスは単なるコーヒーショップではなく、環境を意識したライフスタイルブランドとしても認識されるようになっています。
[ コーポレートカラーの成功ポイント ]
● 緑色の象徴的な使用
緑色が自然志向、持続可能性、リラックスした雰囲気を表現し、安らぎを与えます。
● 一貫性のある視覚的アイデンティティ
店舗内装からロゴ、カップまで、緑色を一貫して使用し、ブランドの統一感を強化。
● 差別化と認知度向上
競合との差別化を図り、グローバルでの認知度を維持しています。

【 McDonald’s | コーポレートカラーの成功事例 】
McDonald’sのコーポレートカラーである赤と黄色は、ブランドのエネルギー、楽しさ、親しみやすさを象徴しています。赤は、食欲を刺激し、活気や情熱を感じさせる色です。特に、赤は視覚的に目立つため、McDonald’sの店舗や看板が遠くからでもすぐに認識されやすくなっています。また、赤は顧客にポジティブな感情を喚起し、速いサービスや楽しい食事体験をイメージさせます。
黄色は、喜びや幸福感を象徴し、明るく親しみやすいイメージを提供します。McDonald’sのゴールデンアーチ(Golden Arches)は、世界中で認識されるシンボルであり、ブランドのアイデンティティを強固にしています。黄色はまた、子供や家族向けのフレンドリーな雰囲気を強調し、楽しさやリラックス感を提供する場所としてのMcDonald’sの魅力を高めます。この赤と黄色の組み合わせは、ブランドの認知度を高め、世界中の消費者に愛される要因となっています。
[ コーポレートカラーの成功ポイント ]
● 赤と黄色の心理的効果
赤色は食欲を刺激し、黄色は幸福感や楽しさを連想させ、店舗に活気を与えています。
● 視認性とブランド認知
赤と黄色の組み合わせが遠くからでも目立ち、マクドナルドをすぐに認識させます。
● 一貫性とグローバル展開
全世界の店舗や広告で同じカラーを使用し、ブランドの統一感を維持。

【 HONDA | コーポレートカラーの成功事例 】
Hondaのコーポレートカラーである赤は、情熱、エネルギー、革新を象徴しています。赤は、Hondaの製品や企業文化におけるチャレンジ精神や活力を反映しており、創業以来続く「The Power of Dreams(夢を追い求める力)」という理念を体現しています。この色は、特にモータースポーツにおいてHondaの象徴として広く認知されており、パフォーマンスや先進技術へのこだわりを表現しています。
また、Hondaのロゴや広告などで使用される赤は、消費者に力強い印象を与え、ブランドの存在感を際立たせています。赤は感情に訴えかける色であり、Hondaの製品が持つ躍動感や信頼感、そして情熱的なブランドイメージを消費者に伝える重要な要素です。このコーポレートカラーにより、Hondaはグローバル市場で強いブランド認知を確立しています。
[ コーポレートカラーの成功ポイント ]
● 赤色での情熱と革新の表現
ロゴや製品に赤色を使用し、技術革新と情熱を象徴。
● 一貫性あるブランド認知
広告、製品、イベントで赤色を使用し、ブランドの統一感と信頼性を強化。
● グローバル展開での適応性
世界中で同じカラーを使用し、どの市場でもHONDAと一目でわかる認知度を確立。

【 Mercedes-Benz | コーポレートカラーの成功事例 】
Mercedes-Benzのコーポレートカラーであるシルバーは、ブランドの高級感、洗練さ、先進技術を象徴しています。シルバーは、金属的な輝きや未来的なイメージを与える色であり、Mercedes-Benzが追求する精密なエンジニアリングや革新性を強調します。この色は、ブランドが提供する車の上質さや耐久性、卓越したパフォーマンスを視覚的に表現しています。
また、シルバーはMercedes-Benzの歴史的なモータースポーツの背景とも結びついています。特に1930年代の「シルバーアロー(Silver Arrows)」というレーシングカーの成功が、ブランドとシルバーの強い関連性を生み出しました。この伝統は現在も続いており、シルバーはMercedes-Benzのアイデンティティの中核を成しています。洗練されたデザインと技術の象徴として、シルバーは世界中でブランドの認知度を高めています。
[ コーポレートカラーの成功ポイント ]
● シルバーとブラックの高級感
シルバーが技術革新と先進性、ブラックが高級感と信頼性を象徴し、イメージを強化。
● 一貫した高級ブランドの認知
広告、ショールーム、製品での統一感が、ブランド認知を促進。
● グローバルでの普遍性
シンプルかつ時代を超越する色使いで、世界中で一貫性を維持。

【 Caterpillar | コーポレートカラーの成功事例 】
Caterpillar(キャタピラー)のコーポレートカラーである黄色と黒は、ブランドの力強さ、信頼性、安全性を象徴しています。黄色は特に、建設現場や重機の視認性を高めるために選ばれた色であり、工業分野での安全性と警告の意味を持っています。Caterpillarの重機が使われる環境では、黄色が遠くからでも目立ちやすく、安全対策としても機能しています。
一方、黒は力強さ、頑丈さ、プロフェッショナリズムを表現しています。Caterpillarの製品が持つ耐久性や、どんな厳しい環境にも耐える堅牢さを視覚的に伝えるため、黄色と黒のコントラストが用いられています。この組み合わせにより、Caterpillarは世界中で信頼される建設機械メーカーとしての認知を確立し、製品の堅牢さと安全性を強く印象づけています。
[ コーポレートカラーの成功ポイント ]
● 黄色と黒での力強さと視認性の確保
黄色は工業機械の力強さを表現し、安全性と高い視認性を提供。
● ブランド認知と識別性
遠くからでもCaterpillarの重機とわかる色使いで、競合との差別化を図る。
● グローバルでの一貫性
全世界で統一されたカラー使用により、ブランドの信頼性と一貫性を維持。

【 Apple | コーポレートカラーの成功事例 】
Appleのコーポレートカラーであるシルバーは、ブランドの洗練されたデザイン、革新性、高級感を象徴しています。シルバーは、Appleが提供する製品のミニマリズムとシンプルな美しさを反映し、特にMacBookやiPhoneなどの主要なハードウェアで広く使われています。このカラーは、未来的でクリーンなイメージを与え、Appleの製品が持つ先進技術と直感的な操作性を強調しています。
Appleは、1990年代後半からこのシルバーをブランドアイデンティティの中心に据え、製品の統一感と視覚的な印象を高めました。シルバーは、Appleの理念である「Think Different」を体現し、洗練されたデザインと機能美を追求する姿勢を表現しています。また、シルバーにより、Apple製品はシンプルでありながら高品質というブランドイメージを消費者に強く印象づけています。
[ コーポレートカラーの成功ポイント ]
●ミニマリズムと洗練
シンプルな白、黒、シルバーの配色が高級感と先進性を強調。
● 一貫性と識別性の高いデザイン
製品、広告、店舗で一貫したカラーで、Appleと一目で認識できるブランディング。
● 製品デザインとの調和
カラーテーマが製品のデザインと統一され、ブランド体験を強化。

【 IKEA | コーポレートカラーの成功事例 】
IKEAのコーポレートカラーである青と黄色は、スウェーデンの国旗の色に由来しており、ブランドのスカンジナビアのルーツと価値観を強調しています。青は、信頼性や誠実さ、安定感を象徴し、IKEAが提供する製品やサービスの信頼性を強く印象づけています。特に、シンプルで機能的なデザインや手頃な価格帯で高品質な家具を提供するというブランドメッセージと一致しています。
黄色は、明るさ、活気、喜びを表し、IKEAが提供するカジュアルで親しみやすいショッピング体験を象徴しています。青と黄色の組み合わせは、IKEAの店舗やロゴに強い視覚的インパクトを与え、顧客にスカンジナビアデザインの魅力や、心地よい家庭空間を手に入れるというポジティブなイメージを提供しています。このカラーパレットは、世界中でIKEAを象徴する重要な要素となっています。
[ コーポレートカラーの成功ポイント ]
● 青と黄の親しみやすさと信頼性
青が信頼性と落ち着きを、黄色が温かさと活気を表現し、親しみやすさを強調。
● 高い認知度と識別性
世界中で青と黄の配色がIKEAを一目で認識させ、店舗や広告での統一感を強化。
● グローバルな一貫性
すべての市場で同じカラーを用い、ブランド価値と信頼を確立。

【 Amazon | コーポレートカラーの成功事例 】
Amazonのコーポレートカラーであるオレンジと黒は、ブランドのエネルギーと信頼性を象徴しています。オレンジは、活気、楽しさ、親しみやすさを表現し、Amazonが提供する顧客中心のサービスやショッピング体験を反映しています。特に、ロゴのスマイルの矢印は、AからZまでの全てを提供するというAmazonの幅広い商品ラインナップを示し、オレンジがその柔軟性と利便性を強調しています。
一方、黒はプロフェッショナルさと信頼性を表し、Amazonの効率的で信頼できる配送サービスや、革新的なテクノロジー企業としての側面を強調しています。このカラーの組み合わせは、Amazonが単なるオンラインショッピングプラットフォームではなく、革新と信頼を提供するグローバル企業としてのブランドイメージを確立する上で重要な役割を果たしています。
[ コーポレートカラーの成功ポイント ]
● シンプルで信頼感のある配色
黒とオレンジの組み合わせで、信頼感と親しみやすさを演出。
● オレンジのスマイルロゴ
オレンジが楽しさとポジティブなイメージを与え、ユーザー体験を視覚的に強化。
● 一貫したグローバル認知
WEBやパッケージなど、あらゆるタッチポイントで統一された配色を使用。
[ 出典 ] Amazon公式サイトより
[ 出典 ] Sustainable Japansサイトより
■ ブランドカラーとコーポレートカラーの違い
コーポレートカラーは企業そのものを象徴し、理念や信頼感を長期的に表現するための色です。会社案内や名刺、オフィス、採用活動など全社的な場面で一貫して使われ、普遍性と安定感を重視します。一方、ブランドカラーは商品やサービスごとに設定され、ターゲットや市場特性に合わせて柔軟に選ばれます。パッケージや広告、店舗デザインなど顧客接点で活用され、個性や世界観を訴求する役割を担います。
■ 弊社のコーポレートブランド開発実績
弊社では、多様な業種・規模のクライアント様に対して、ブランド戦略、ロゴデザイン開発、ブランドステートメント策定、名刺・封筒・Webサイトなどのデザイン開発を一貫して手がけています。ネーミングやパッケージ、サインデザインなども包括的に開発しブランドの統一感と差別化を実現しています。
[ R.T.HEMMA ]
「 毎日を自分らしく、心地よく 〜 Your room, Your Life 〜 」をブランドビジョンに掲げ、インテリアデザインを通して、毎日をより自分らしく、楽しく、心地よいものにしていく企業ブランド。機能、デザイン、低価格、サステナビリティを兼ね備えたサービスをBtoB、BtoCに向けて幅広く展開。
[ 詳細 ] chobico WORKS | R.T.HEMMAより
[ INSIGHT FACTORY ]
「いかにして本音を集めるか」「集めた本音に何を見るか」を独自の知見によって提案し、クライアントと共に、来たる未来を推し量り、切り拓くこと掲げるリサーチ会社のリブランディング。ブランドシンボルは、社名の頭文字である「I」と「F」をモチーフに「どう見るか。なにを見るか。」をデザインで表現。
[ 詳細 ] chobico WORKS | INSIGHT FACTORYより
[ LANDPIA ]
LANDPIAは、不動産の有効利用を通じて活力ある経済社会の実現に貢献するブランドです。日本には、まだまだ未開拓の土地や、価値を見出されていない土地が多く残されています。それらを発見、有効活用することで、社会全体が潤う仕組みを作ることを掲げています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | LANDPIAより
[ NIHONN MOBILITY SERVICE ]
NIHONN OIL SERVICEからNIHONN MOBILITY SERVICEへの社名変更に伴うコーポレートアイディンティティ開発。新ブランドのコンセプトは、「新しい移動と技術の進化。モノを超えたサービスとしてのあり方。」モビリティには無限の可能性があることを表現しています。
[ 詳細 ] chobico WORKS | NIHONN MOBILITY SERVICEより
[ RENEWABLE JAPAN ]
すべての人を、エネルギーの主人公に。「主人公」という言葉には、同じ時代を生きる一人ひとりにエネルギーづくりの主体となって活躍していただける社会を実現したいというブランドの想いを込めています。そして、共にエネルギーについて考え行動し社会の創生に寄与していく企業の姿勢を表しています。
[ 詳細 ] chobico | RENEWABLE JAPANより

■ コーポレートカラーに関するよくある質問
[ よくある質問① ]
Q :コーポレートカラーは、そんなに重要なんですか?
A :はい。色はブランドイメージを瞬時に視覚化し、信頼性や認知度に大きな影響を与えます。
[ よくある質問② 】
Q :コーポレートカラーの選び方に基準はありますか?
A :はい。企業の理念やビジョンと一致する色を選び、競合との差別化を考慮することが不可欠です。
[ よくある質問③ ]
Q :色は記憶に残ると聞きますが、それって本当ですか?
A :本当です。色は視覚の中で最も記憶に残りやすく、ブランド認知を高める重要な要素となります
[ よくある質問④ ]
Q :文化や環境によって色の印象って変わりますか?
A :はい。色は文化、性別などによって異なります。そのためターゲットに合わせた色選びが必要です。
[ よくある質問⑤ ]
Q :ロゴやブランドへのカラーはどう扱えばいいですか?
A :ロゴは色と密接に結びついており戦略的に使用することでブランドの差別化を促進できます

■ コーポレートカラーに基づくチェックリスト
[ コーポレートカラー選定のチェック ]
⬜︎ コーポレートカラーが企業の理念・ビジョンに適切にフィットしているか?
⬜︎ ターゲット層の感情や印象に訴える色となっているか?(年齢・性別・文化・地域差などを考慮)
⬜︎ 市場や競合他社のカラートレンドを調査し差別化はできているか?(他社と似通っていないか)
⬜︎ コーポレートカラーの選定に心理的効果や色彩心理学の知見を踏まえているか?
⬜︎ 色が記憶に残りやすいことを利用しブランド認知向上に貢献できているか?
[ 表現の一貫性を担保するチェック ]
⬜︎ ロゴ、ウェブ、広告、社内資料などあらゆる接点においてカラーが一貫して使用されているか?
⬜︎ メインカラーに加え補助的に使えるセカンダリーカラーやサブカラーも定められているか?
⬜︎ カラー使用に関する基本ルール(明度、彩度、背景対比など)が明確に定められているか?
[ CIガイドラインと教育のチェック ]
⬜︎ コーポレートカラーに関するCIガイドラインが文書として整備されているか?
⬜︎ 社内外の関係者に対しカラー使用規定の共有および教育が行われているか?
[ 定期的なレビューとアップデートのチェック ]
⬜︎ トレンドやブランドの変化に応じてカラーの効果や印象を定期的に見直しているか?
⬜︎ 必要があれば成功事例を参考にマイナーチェンジを検討しているか?

■ まとめ
コーポレートカラーは、企業の顔としてブランドの価値や個性を視覚で伝え、認知度・信頼感を高める重要な要素です。色には心理的効果があり、たとえば青は信頼を、緑は自然や健康を象徴するように、感情やイメージを直感的に引き起こす力があります。このため、コーポレートカラーを選ぶ際は、企業の価値観やターゲットへの理解に基づき、戦略的に色をマッピングすることが不可欠です。また、色は一度見ただけで記憶に残りやすいため、統一した色使いがブランドの浸透につながります。成功事例では、色選定とその運用の一貫性によって、消費者との共感形成や市場での差別化を実現した企業が紹介されています。つまり、コーポレートカラーはただのデザインではなく、戦略と感情に働きかける強力なブランドの資産なのです。

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

【 ご質問、お打合せ希望など、お気軽にお問合わせください。】
– ブランド戦略からデザイン開発まで –
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