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トーンオブボイスとは?開発や活用方法と成功事例

[ ブランド戦略 ]

トーンオブボイスとは?開発や活用方法と成功事例

トーンオブボイス(Tone of Voice)は、企業が顧客とコミュニケーションを取る際の言葉の選び方や、メッセージの伝え方を指します。単なる言葉遣いにとどまらず、そのブランドがどのように感じられ、顧客にどんな印象を与えるのかにも深く関わる要素です。トーンオブボイスはブランドの個性や価値観を反映し、消費者との関係を育てるために欠かせません。統一されたトーンオブボイスがあることで、広告、Webサイト、ソーシャルメディア、カスタマーサポートまで一貫したブランド体験を提供でき、消費者の信頼や共感が高まりやすくなります。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、トーンオブボイスとは何か?からその作り方や活用方法ついて詳しく解説します。


トーンオブボイスとは?

トーンオブボイスとは?

[図] 企業ブランドの“らしさ”は「ことば遣い・選び」にも影響する

トーンオブボイスとは、企業やブランドが顧客とコミュニケーションを取る際に使う一貫した話し方や表現スタイルのことです。トーンオブボイスは、ブランドの個性や価値観を顧客に伝え、信頼関係を育てるための大切な要素です。一貫したトーンがあることで、ブランドの認知度や信頼性が高まり、顧客がより親しみを感じやすくなります。また、ターゲット層やシチュエーションに応じて柔軟にトーンを調整することで、さまざまな場面でブランドメッセージを届けやすくなります。たとえば、ソーシャルメディアでは軽快なトーン、ビジネスレポートでは誠実なトーンを採用するなど、状況に合わせて工夫することで、一貫した印象を保ちながら信頼を深めることができます。

トーンオブボイスの構成要素

トーンオブボイスの構成要素

トーンオブボイスとは、ブランドが言葉を通じて一貫して発する「声」の質感を示す概念です。その構成要素は大きく四つに分けられます。第一に「人格(パーソナリティ)」で、ブランドが人であればどんな性格かを表します。第二に「態度(アティチュード)」で、受け手に対してどんなスタンスをとるかを示します。第三に「言葉選び(ボキャブラリー)」で、専門的かカジュアルか、温かいか冷たいかといったニュアンスを決めます。第四に「表現スタイル(スタイル)」で、文章の長さ、リズム、比喩や強調の使い方などが含まれます。これらが組み合わさることで、メッセージの一貫性や信頼性が生まれます。

1. 言葉の選び方

言葉の選び方は、ブランドの人格をそのまま映し出す要素です。専門用語を多用すれば専門性は示せますが、難しくなれば理解の妨げになります。逆に平易な言葉は親しみやすさにつながりますが、状況によっては頼りなく感じられることもあります。大切なのは、相手がどう感じるかを前提に言葉を選ぶ姿勢です。語彙の粒度やトーンがブランドの印象を形づくります。その積み重ねが信頼にもつながります。

相手の理解度に合わせて語彙を選ぶ
専門性と分かりやすさのバランスを取る
ブランド人格に即した言葉を使う

2. 表現のスタイル

表現スタイルは、フォーマルかカジュアルか、親密か中立かといった文体の方向性を決めるものです。BtoBでは落ち着いた信頼感のあるスタイルが求められやすく、BtoCでは親しみを意識した柔らかい表現が効果的な場合があります。スタイルは一度定めたら軸を保ちながら運用し、場面ごとに無理のない範囲で調整していくことが大切です。こうした積み重ねが、表現への安心感を育てていきます。

フォーマル/カジュアルの度合いを明確にする
ターゲットに適した文体を選ぶ
状況に応じた柔軟な調整を行う

3. リズム・テンポ

リズムやテンポは、読み手の体験に影響を与える要素です。長文でじっくり読ませるか、短く区切ってテンポよく伝えるかで印象は大きく変わります。テンポが速ければ軽快さを、ゆっくりであれば落ち着きを感じさせます。ブランドのキャラクターに合ったリズムを意識すると、より記憶に残りやすいコミュニケーションになります。その結果、ブランドメッセージ全体の理解度が高まり、心地よさも生まれやすくなります。

文の長さや区切り方を意識する
ブランドに合ったスピード感を持たせる
読み手にストレスを与えないリズムにする

4. 一貫性

一貫性は、ブランドを認識してもらううえで欠かせない視点です。媒体や担当者によって表現がばらつくと、「そのブランドらしさ」が伝わりにくくなります。反対に、どの接点でも同じ雰囲気や口調が感じられると、信頼や安心感が積み重なります。一貫性は単調さとは異なり、柔軟に応用しつつ軸を保つ姿勢が求められます。その一貫した積み重ねが、長期的なブランド価値を育てる基盤にもなっていきます。

すべての媒体で統一感を持たせる
担当者による表現の差をなくす
ブランドらしさの軸を維持する

5. 共感性

共感性のあるトーンは、情報を伝えるだけでなく、相手との信頼関係を育てます。相手の立場や感情に寄り添い、その思いを言葉に反映させる姿勢が大切です。たとえば「ご不安に思われるかもしれませんが〜」といったひとことがあるだけで、伝わり方は大きく変わります。共感はブランドに人間味を与え、より身近で頼れる印象をつくります。その積み重ねが深い理解を生み、長く選ばれる理由にもつながります。

相手の感情を先に受け止める表現をする
「あなた」を主語にした語りかけを意識する
温かみを持った言葉選びを心がける

トーンオブボイスの開発ポイント

トーンオブボイスの開発は、ブランドの核となる価値観やパーソナリティを言語表現に落とし込むプロセスです。まず、ブランドの存在理由や目指す姿を明確にし、そこから「どんな人柄で語るのか」を整理します。次に、顧客にどう見られたいか、どんな感情を喚起したいかを考え、態度や言葉遣いの方向性を固めていきます。そのうえで具体的な語彙や表現スタイルをルール化し、実際の文章例を用意することで実務へ浸透しやすくなります。重要なのは、マーケティングや広報だけでなく、顧客対応や社内コミュニケーションでも一貫して使われるように設計することです。こうして構築されたトーンオブボイスは、ブランドの信頼性を高め、長期的な関係づくりを支える要素になります。

1. 一貫性の確保

トーンオブボイスを一貫させることで、ブランドの信頼感や認知度が高まりやすくなります。顧客がさまざまなチャネルでブランドに触れる際に同じトーンが保たれていれば、ブランドの存在が自然と感じられます。特に、ウェブサイト、ソーシャルメディア、広告など異なる媒体で統一感を持たせることが大切です。一貫したトーンは顧客に安心感を与え、ブランドとの結びつきをゆるやかに強めていきます。

詳細記事:一貫性のあるブランドメッセージの作り方

2. ブランド個性の表現

トーンオブボイスは、他のブランドとの違いを表現する手段にもなります。親しみやすさ、誠実さ、革新性などの特性を言葉選びや表現の仕方を通じて伝えることで、顧客の印象に残りやすくなります。適切なトーンはブランドの性格を明確にし、顧客との感情的なつながりを自然に深めてくれます。さらに、あらゆる接点で同じ印象を届けることで、ブランドらしさがより強く根づき、長期的な関係構築にもつながります。

3. ターゲットへの共鳴

トーンオブボイスをターゲットの価値観や文化に合わせることで、親近感や信頼感が生まれます。顧客が共感しやすいトーンを設定することで、メッセージが受け入れられやすくなり、リピート顧客や口コミによる新規顧客の増加にもつながります。ターゲットに合うトーンは、「このブランドは自分の気持ちを理解してくれている」と感じさせ、ロイヤルティを育てる要因になります。

4. 場面に応じた調整

ブランドのトーンは基本的に一貫性を保ちつつ、メッセージの内容や受け手に合わせて調整することも必要です。たとえば、プロモーションでは親しみやすいトーンを意識し、企業の発表やレポートでは信頼性を重視するなど、状況に合った表現を選ぶことで、より適切な印象を届けられます。こうした柔軟な調整が、ブランドへの好意を高めます。その結果、より自然なコミュニケーションが可能になります。

トーンオブボイスを機能させるには

トーンオブボイスを機能させるには

[図] 兼ね備えていて当然はトーンオブボイスとしては機能しない

トーンオブボイスを機能させるには、ブランドの価値観と個性を反映しながら、顧客に届きやすい表現を探ることです。ブランドの使命やビジョンを基盤に、トーンオブボイスの方向性を具体化し、親しみやすさや信頼感など、顧客が求める調子を踏まえて設計します。一貫性を保ちながら、すべてのコミュニケーションチャネルで統一されたメッセージを発信することで、ブランド全体にまとまりが生まれ、信頼性も高まります。さらに、市場や顧客の変化に合わせてトーンを適宜見直し、少しずつ進化させることで、ブランドの鮮度を保ちつつ信頼関係を深めることができます。こうしたプロセスを通して、顧客に一貫したメッセージを届けながら、柔軟で立体的なブランド体験を提供するトーンオブボイスが形づくられていきます。

トーンオブボイスの活用方法

トーンオブボイスの活用方法

[図 ] 制作物や製作者を選ばず、統一した企業ブランディング活動が可能になる

トーンオブボイスの活用方法は、ブランドの一貫性を保ちながら、さまざまなチャネルやタッチポイントで統一感のあるメッセージを届けることにあります。まず、会社案内、WebやSNS、広告、展示会など、すべてのコミュニケーションチャネルでガイドラインを適用し、ブランドの価値観やスタイルがきちんと反映されるよう整えます。また、スタッフや関係者にトーンオブボイスの役割を理解してもらうため、社内でガイドラインを共有し、必要に応じてトレーニングを行います。さらに、顧客からのフィードバックを参考に、トーンの適切さや受け取られ方を確認し、状況に応じて調整を加えることも大切です。こうした取り組みによって、顧客との信頼関係が育ち、ブランドロイヤルティの向上にもつながります。

1. チャネルごとの一貫性を確保

ブランドのトーンオブボイスは、ウェブサイト、ソーシャルメディア、広告、メール、カスタマーサポートなど、あらゆるコミュニケーションチャネルで一貫して使うことが大切です。そうすることで、どのチャネルからでも顧客が同じ印象を受け取りやすくなり、自然と信頼感が高まります。

2. ガイドラインの策定と共有

トーンオブボイスのガイドラインを社内に共有し、スタッフ全員が理解しやすい状態にしておきます。そこにはトーンの使い方や、具体的な言い回し、スタイルの例などを含めると実務で活かしやすくなります。トレーニングや定期的なリマインドも役立ちます。こうした工夫が浸透度を高める助けになります。

詳細記事:ブランドガイドラインの作り方 | 構成内容と成功事例

3. 顧客とのエンゲージメント向上

トーンオブボイスを通して顧客との関係を深め、共感を得られるコミュニケーションを意識します。顧客の声を受け止めながら対話を行い、フィードバックに基づいてトーンの調整を検討することで、満足度が上がり、ロイヤルティ向上にもつながります。その結果、継続的な関係構築もしやすくなります。

4. デジタルとリアルの両方での適用

トーンオブボイスはオンラインだけでなく、リアルな顧客接点でも活かされます。店舗スタッフの応対やイベントでのメッセージにも反映することで、ブランドがどの場面でも一貫した人格を持っているように感じてもらいやすくなります。こうした統一感が体験全体の質も高めてくれます。

■トーンオブボイスの開発タイミング

トーンオブボイスの開発タイミング

[ 図 ] ブランドパーソナリティを具現化するトーンアンドマナーとの同時開発が理想的

トーンオブボイスの開発タイミングは、ブランドや企業のコミュニケーション戦略が変わる際や、新たに立ち上がる場合に重要になります。新ブランドのローンチやリブランディング、あるいは異なる市場に進出する際には、ターゲット市場や顧客層に合うトーンを改めて考えることが必要です。また、社内文化の見直しやデジタルチャネルの増加に伴い、企業が一貫したメッセージを発信するためにトーンオブボイスを更新することも有効です。さらに、顧客のニーズや価値観が変わるタイミングでは、ブランドとしての言葉遣いやスタイルが変化に対応できるよう、トーンを再定義することで、信頼の維持と向上につながります。

■ ブランドパーソナリティとの違い

ブランドパーソナリティとの違い

[図] ブランドパーソナリティをそのままトーンオブボイスとするのは無理がある

「トーンオブボイス」と「ブランドパーソナリティ」は、どちらもブランドの表現に関わる要素ですが、それぞれ役割が異なります。「トーンオブボイス」は、ブランドがどのような語調やスタイルでメッセージを伝えるかといった、具体的な言葉遣いや表現スタイルに関する指針です。これは、顧客にメッセージをどう届けるかに影響し、一貫した伝え方を保つためのものです。一方、「ブランドパーソナリティ」は、ブランドが持つ性格や個性を示し、「どんな人に見えるのか」というイメージを消費者に持ってもらうための概念です。友好性、信頼性、革新性といった人間的な属性をベースに形成されます。

詳細記事:顧客を虜にする“ブランドパーソナリティ”の極意

■ トーンオブボイスの成功事例

APPLEトーンオブボイス

【 APPLE | トーンオブボイスの成功事例 】

Appleのトーンオブボイスは、シンプルで洗練された言葉遣いを軸に一貫しています。製品紹介では専門性を感じさせつつ、誰にでも直感的に理解しやすい表現を採用しています。余計な装飾をそぎ落とした文章は、ブランドが掲げる「革新性」や「直感的な操作性」を素直に伝えており、難しさを感じさせない点が特徴です。そのうえで、読み手が迷わず情報にたどり着ける構成を徹底しているため、どのタッチポイントでも同じ体験価値を届けられる点も強みといえます。こうした姿勢がAppleらしさを安定して支えています。

シンプルで無駄を抑えた表現
専門性とわかりやすさの両立
革新性を自然に伝える一貫したスタイル

[ 引用 ] APPLE公式サイト

NIKEトーンオブボイス

【 NIKE | トーンオブボイスの成功事例 】

Nikeは「Just Do It」に象徴されるように、力強く背中を押すトーンを一貫して採用しています。コピーや広告の言葉は、スポーツだけでなく「挑戦」や「自己実現」を促す内容が中心で、世界中の人々に前向きな気持ちを与えています。熱量とシンプルさを兼ね備えた表現は、幅広い層に届きやすく、ブランドの情熱的な姿勢を自然に伝えています。さらに、人々の価値観や文化が異なる環境でも受け入れられやすく、ブランドの理念を直感的に共有できる点も大きな特徴です。

短く力のあるメッセージを意識する
挑戦や自己実現を思い浮かべやすい表現
国境を越えて響く普遍的なトーン

[ 引用 ] NIKE公式サイト

 IKEAトーンオブボイス

【 IKEA | トーンオブボイスの成功事例 】

IKEAは親しみやすくフレンドリーな言葉を使うことで、家具選びを気軽で楽しい体験にしています。複雑な説明は避け、実用性を意識したシンプルな言葉遣いで、消費者の暮らしに自然と寄り添っています。温かみのあるトーンはブランドの「民主的デザイン」という理念とも相性がよく、幅広い層から受け入れられています。さらに、商品タグやカタログ、店内サインまでトーンが統一されており、どの接点でも同じ雰囲気を感じられる点が支持の広がりにつながっています。

親しみやすくフレンドリーな表現
暮らしに寄り添うわかりやすさ
実用性と温かさを併せ持つトーン

[ 出典 ] IKEAグループ公式サイトより

STARBUCKSトーンオブボイス

【 STARBUCKS | トーンオブボイスの成功事例 】

スターバックスは、顧客を「コミュニティの一員」として迎えるトーンを一貫しています。注文時からSNSまで、温かい言葉を選ぶことで、顧客をさりげなく特別な存在として扱っています。人間味のある会話調の表現は、単なる商品提供にとどまらず「居心地の良さ」を感じてもらえる体験につながっています。さらに、店舗空間やスタッフの細やかな声かけにも同じトーンが反映されており、ブランドと顧客の距離が近いまま保たれる点も大きな特徴です。こうした積み重ねが、継続的なファンづくりにつながっています。

温かく共感的な言葉づかい
顧客を特別な存在として迎える
人間味のある会話調を丁寧に取り入れる

[ 出典 ] STARBUCKS公式サイトより

無印良品トーンオブボイス

【 無印良品 | トーンオブボイスの成功事例 】

無印良品は「飾らない」「誠実」を軸にしたトーンを一貫して採用しています。製品説明や広告コピーでは余計な装飾を避け、生活者の視点に寄り添った平易で透明性のある言葉を選んでいます。このまっすぐなスタイルが消費者に安心感を与え、ブランドを「日常に自然となじむ存在」として位置づけています。さらに、オンラインや店舗などあらゆる接点で同じ姿勢を保つことで、無印良品らしい落ち着いた世界観が一貫して伝わり、長く愛される理由にもつながっています。

飾らないシンプルな表現を意識
生活者視点に寄り添う誠実さ
透明性を大切にした言葉選び

[ 出典 ] MUJIストア公式サイトより

FAQ-よくある質問

■ トーンオブボイスに関するよくある質問

トーンオブボイスは、ブランドの伝わり方を左右する重要な要素です。ここでは、よく寄せられる質問をもとに、基礎から実践までをわかりやすく整理しています。

[ よくある質問① ]

Q :トーンオブボイスとは何ですか?
A :ブランドの“話し方や語り口”を指し、見た目だけでなく「どのように感じられるか」まで含めたコミュニケーションのスタイルです。一貫した言葉遣いが信頼と共感を築きます。

[ よくある質問② ]

Q :トーンオブボイスとブランドパーソナリティ、トンマナとの違いは?
A :トーンオブボイスは“言葉の話し方”(Voice)にフォーカス。一方、ブランドパーソナリティは“どんな人か”といったブランドの性格全体、トンマナはトーン&マナーとして、色・デザイン・語調などの雰囲気を指します。

[ よくある質問③ ]

Q :トーンオブボイスを決める際の第一歩は何ですか?
A :ブランドの価値観や個性、そして顧客にどんな印象を与えたいかをチームで明確化し、それに合う言葉遣いや話し方(例:「親しみやすい」「誠実」「ユーモア」など)を選びます。

[ よくある質問④ ]

Q :チャネルごとにトーンを変えても大丈夫ですか?
A :基本のトーンは何でも一致させることが鉄則です。ただし、SNSではカジュアル、レポートではフォーマルといった調整はOK。形式が違っても、一貫した印象を損なわず使い分けましょう。

[ よくある質問⑤ ]

Q :トーンオブボイスはどんなタイミングで見直すべきですか?
A :新ブランド立ち上げやリブランディング、顧客層の変化、デジタルチャネルの拡大などの節目で見直すことが効果的です。市場や顧客の変化に柔軟に対応するためには定期的なアップデートが不可欠です。

checklist-チェックリスト

■ トーンオブボイスを開発する前のチェックリスト

トーンオブボイスを開発する前に、ブランドの核やターゲット理解、競合との差別化などを整理しておくことが欠かせません。判断基準を整えるためのチェック項目です。

[ ブランドの核のチェック ]

⬜︎ ブランドの価値観と個性(ミッション・ビジョン)が明確に言葉で表現されているか?
⬜︎ ブランドパーソナリティ(キャラクター)が、「話し方」の方向性に反映されているか? 
⬜︎ ターゲット顧客にどんな印象を与えたいか(例:親しみやすい、プロフェッショナルなど)が具体化されているか?

[ ターゲット理解のチェック ]

⬜︎ ターゲットオーディエンスの言語感覚や好み、通信スタイルを理解しているか? 
⬜︎ 顧客の期待値や受け取りやすい語り口がリサーチされているか?

[ 競合との差別化チェック ]

⬜︎ 競合他社のトーンや話し方を調査し、自社が明確に差別化できているか?
⬜︎ 自社らしさを強く打ち出すための独自性(ユーモア、情熱、親近感など)が定められているか?

[ 実用性と一貫性のチェック ]

⬜︎ 主たるチャネル(広告、SNS、Webなど)で適切なトーンの一貫性が保たれているか?
⬜︎ チャネルや場面(広告/レポート/投稿など)ごとのトーン調整ルールが明文化されているか?
⬜︎ 一貫したトーンを担保するためのガイドライン(語彙、文体の例、避ける表現など)が整備されているか?

記事のまとめ

■ まとめ

企業ブランディングを言語面から整える規定であるトーンオブボイスについて、できるだけシンプルにまとめました。前述ではさまざまな“例え”を通して説明しましたが、逆に、生活者や顧客にとって『持たれたくない印象』や『なりたくない対象』を共有していくことで、ブランドの世界観がより具体的に見えてくることもあります。これもトーンオブボイスの一部と言えます。理論として理解するだけでなく、ワークショップのように実践しながら考えるほうがつかみやすい側面もあります。トーンオブボイスを開発し運用していくことは、企業としてのメッセージをそろえ、生活者や顧客からの支持や信頼を少しずつ高めていくことにつながります。この機会に、トーンオブボイスの開発を検討してみるのも良いかと思います。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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