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ブランド認知度を高める3つの方法

[ ブランド戦略 ]

【必読】ブランド認知度を高める3つの方法

どれほど良い商品やサービスを提供していても、知られていなければ選ばれることはありません。顧客の購買行動は「認知→興味→比較→購入→リピート」という流れが基本です。つまり、最初の「認知」がなければ、その後のビジネスチャンスをすべて失うことになります。特に競合が多い市場やオンラインでの集客が必要なビジネスほど、認知度アップは欠かせません。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、初心者でも今日から実践できる具体的な方法や、効果的な取り組みをわかりやすく解説します。


1.「誰に伝えたいか」を明確にする

認知度を上げるために最初に必要なのは、やみくもに情報発信を始めることではなく、「誰に知ってほしいのか」を明確にすることです。ターゲットが曖昧だと、メッセージも届かず効果が薄くなります。たとえば、若年層向けなのか、ビジネスマン向けなのか、地域住民向けなのかによって、発信方法や内容は大きく変わります。具体的な人物像(ペルソナ)をイメージし、その人が「知りたい」「共感する」と感じる情報や言葉で伝えることが、認知拡大の最初の一歩となります。

【 伝える相手が決まっていないと届かない 】

  • 年齢・性別・ライフスタイルを具体化
  • 代表的な顧客像(ペルソナ)を設定
  • その人が「共感する言葉・内容」を考える

【 例 】

× 誰でも大歓迎
小学生のお子さまを持つママ向け「子どもの習い事に悩むママのための無料体験教室」

× 全国のお客様大歓迎
地元・神奈川在住のシニア世代向け「健康志向の地域密着型弁当宅配サービス」

× すべてのビジネスマン向け
リモートワーク疲れの30代男性向け「肩こり・腰痛改善パーソナルストレッチ」

× すべてのスポーツ好き向け
40代ランナー向け「膝への負担を減らすランニングシューズ専門店」

× 誰でも応募OK求人
主婦・主夫向け「午前中だけ・短時間OK!地元スーパーのパート求人」

2. SNSやWEBメディアを活用して情報発信を強化する

デジタル時代にブランディングが変わった理由

SNSやWEBメディアを活用した情報発信は認知度アップに欠かせません。特にX(旧Twitter)、Instagram、TikTok、YouTubeなどは、無料で始められ、多くの人にアプローチできる強力なツールです。ポイントは「自社目線」ではなく「相手目線」で発信すること。売り込みではなく、役立つ情報や共感される内容を発信することで、フォロワーやファンを少しずつ増やせます。投稿の継続が認知拡大につながるため、無理なく続けられる仕組みをつくりましょう。

【 今すぐ始められるオンライン発信 】

Instagramアカウント開設・投稿開始
Instagramは写真や動画で世界観を伝えられる無料ツール。アカウントを開設し、商品やスタッフ紹介、日常の様子を気軽に投稿してみましょう。

X(旧Twitter)アカウント開設・つぶやき開始
X(旧Twitter)はリアルタイムで気軽につぶやける無料ツール。アカウントを作り、最新情報や日常の小ネタを投稿して、フォロワーとの交流を始めましょう。

TikTokアカウント開設・ショート動画投稿
TikTokは短い動画で手軽に多くの人へアプローチできるツール。アカウントを開設し、商品の使い方やスタッフ紹介など、楽しく見てもらえる動画投稿を始めましょう。

YouTubeチャンネル開設・解説動画投稿
YouTubeは長尺動画や解説コンテンツで信頼感を高められるツール。チャンネルを開設し、商品紹介や使い方解説、インタビュー動画などを投稿して情報発信を始めましょう。

Googleビジネスプロフィール登録・情報更新
Googleビジネスプロフィールは地域検索や口コミ集客に効果的な無料ツール。店舗情報や写真、最新のお知らせを登録・更新して、近くのお客様に見つけてもらいましょう。

❻ ブログ・オウンドメディア記事作成
ブログやオウンドメディアは、専門知識やノウハウを記事で発信し、検索から見つけてもらう集客ツール。自社の強みや役立つ情報を投稿し、信頼とアクセスを積み上げましょう。

LINE公式アカウント開設・友だち登録促進
LINE公式アカウントは、顧客と直接つながり情報を届けられる無料ツール。アカウント開設後、友だち登録特典やクーポン配信を活用して、リピートや来店を促しましょう。

❽ メールマガジン(メルマガ)配信開始
メールマガジンは、見込み客や既存顧客へ定期的に情報を届けるツール。商品情報やお得なニュースを配信し、リピート促進やファンづくりに活用しましょう。

【 成功する情報発信のポイント 】

【 相手目線の情報発信 】

⚫︎「こんな悩み、ありませんか?」から始める発信
「こんな悩み、ありませんか?」という問いかけから始めると、相手が自分ごととして受け止めやすくなります。共感を引き出し、続きを読みたくなる流れを作る効果的な切り口です。

⚫︎ ユーザー目線の「使い方・活用事例」紹介
ユーザー目線で「こんな風に使える」「こんな人が活用している」と具体的に紹介することで、自分にも役立つとイメージしやすくなり、共感や行動を促すことができます。

⚫︎「知って得する」豆知識・トリビア
「知って得する」豆知識やトリビアを発信することで、気軽に楽しめて役立つ情報として印象に残りやすくなります。思わず誰かに話したくなるネタは、シェアや拡散も期待できます。

⚫︎「お客様の声」「体験談」のシェア
実際に使ったお客様の声や体験談は、リアルな説得力があります。第三者の評価として信頼されやすく、「自分も試してみたい」と共感や行動を促す効果的な発信内容になります。

⚫︎ お客様に感謝や喜びを伝える投稿
お客様への感謝や喜びを伝える投稿は、共感や好感を生み、関係性を深める効果があります。「選んでくれてありがとう」「また会いたい」という気持ちが伝わる発信がファンづくりにつながります。

【 良い発信内容例 】

⚫︎ お客様の声・口コミ紹介
お客様の声や口コミを紹介することで、実際の利用者のリアルな体験が伝わり、新たな顧客の信頼や安心感を高めます。第三者の評価は宣伝よりも説得力があり、行動促進に効果的です。

⚫︎ スタッフ紹介・舞台裏の様子
スタッフ紹介や舞台裏を見せることで、ブランドや商品に「人」を感じてもらえ、親近感や信頼感が高まります。日常の様子を発信することで、応援したくなる関係づくりが生まれます。

⚫︎ 使い方・活用事例の解説
商品の使い方や活用事例を具体的に紹介することで、購入後のイメージが湧き、実際に自分でも使えそうと感じてもらえます。利用シーンを提案し、購入や利用を後押しできます。

⚫︎ ビフォーアフター・効果事例
ビフォーアフターや効果事例を見せることで、使う前と後の変化や成果が具体的に伝わり、信頼感や期待感を高めます。視覚的にわかりやすく、購買意欲を刺激する強力な発信です。

[ 関連記事 ] ブランディングにおけるオウンドメデイアの重要性

3. 顧客体験を通じて“リアルな声”を広げてもらう

誰に伝えたいかを明確にする

自社発信だけでなく、実際に利用したお客様の「リアルな声」を広げてもらうことも効果的です。レビューや口コミ、SNSでのシェアなど、第三者の発信は信頼性が高く、多くの人の目に留まりやすい特徴があります。そのためには、顧客が「誰かに伝えたくなる体験」を提供することが重要です。例えば、思わず写真を撮りたくなるパッケージや、嬉しいサプライズ対応など、話題にしたくなる工夫を考えてみましょう。顧客の声こそ、最強の広告になります。

【 口コミ・レビュー・SNSシェアを活用するメリット・狙い 】

  • 第三者のリアルな声は広告より信頼されやすい
  • 実際の体験談が購入・利用のハードルを下げる
  • 検索・SNSで「いい評判」が可視化されやすくなる
  • 利用前の不安や疑問を実体験ベースで解消できる
  • 「話題性」が生まれ、自然な拡散効果が期待できる
  • お客様が“勝手に宣伝してくれる”循環を作れる
  • 自社が気づかない魅力や改善点を発見できる
  • ポジティブな評価が新規顧客への説得材料になる
  • 多くの声が集まることで「実績・人気」が証明される
  • 顧客との接点が増え、リピートやファン化が促進される

【 口コミ・レビュー・SNSシェアを促進する具体的な仕掛け・設計例 】

  • 写真を撮りたくなるビジュアルパッケージや店内演出
  • 「#〇〇でシェアしよう」と促すハッシュタグ設計
  • 「投稿画面提示で特典」など投稿インセンティブ設計
  • フォトコンテストや「いいね数バトル」企画の実施
  • ユーザー投稿を公式アカウントで紹介・リポスト
  • オリジナルグッズ・クーポンが当たるSNSキャンペーン
  • 利用シーンをイメージしやすいフォトスポット設置
  • 「あなたの投稿が掲載されます」参加型企画
  • お客様の声・口コミ紹介を投稿ネタとして活用
  • スタッフからの手書きメッセージやサプライズ演出

[ 関連記事 ] ブランドエクスペリエンスの重要性とは?

■ オンラインとオフラインをつなぐクロスマーケティング戦略

オンラインとオフラインをつなぐクロスマーケティング戦略

デジタル施策だけでなく、リアルな接点を活かすことも認知拡大には有効です。たとえば、店舗でのキャンペーンをSNSで告知したり、チラシや名刺にQRコードを掲載してオンラインへ誘導するなど、オンラインとオフラインを組み合わせた「クロスマーケティング」が効果的です。お客様の行動はオンライン・オフラインを行き来しているため、両方で接点をつくることで接触機会が増え、認知だけでなく、来店や購入など次のアクションにつなげやすくなります。

【 オンラインだけに頼らずリアル接点も活用 】

⚫︎ レジ横POPにSNSアカウント・QRコードを掲示
レジ横にSNSアカウントやQRコードを掲示することで、会計中や待ち時間に気軽にフォローやアクセスを促せます。リアル接点からオンラインへの自然な誘導に効果的な工夫です。

⚫︎ オンライン予約で来店特典を提供
オンライン予約限定で来店特典を提供すると、WebやSNSからリアル店舗への来店を促進できます。特典をきっかけに初来店やリピートにつなげ、体験を広げる効果が期待できます。

⚫︎ チラシや名刺にWebサイト・SNS・クーポン情報を記載
チラシや名刺にWebサイトやSNS、クーポン情報を載せることで、オフライン接点からオンライン誘導が可能になります。渡した後も情報提供や集客を継続できる仕掛けになります。

⚫︎ 来店・購入時に「SNS投稿で特典プレゼント」企画を実施
来店や購入時に「SNS投稿で特典プレゼント」を実施すると、リアル体験をその場で拡散してもらえます。お客様が発信者となり、新たな認知や集客につながる仕掛けになります。

⚫︎ イベントや展示会でフォローキャンペーンを展開
イベントや展示会で「SNSフォローで特典プレゼント」などのキャンペーンを実施すると、リアル来場者をオンラインフォロワーへ誘導できます。関係性を継続しやすくなる効果的な施策です。

⚫︎ リアルイベントで撮影した写真をSNSやWebで発信
リアルイベントで撮影した写真や様子をSNSやWebで発信することで、実際の盛り上がりや楽しさを広く伝えられます。参加者との一体感やイベントの魅力を多くの人に届けられます。

効果測定の重要性と成果を高める改善アプローチ

効果測定の重要性と成果を高める改善アプローチ

認知度アップは「やって終わり」ではなく、取り組みを振り返り、改善を重ねることが大切です。SNSのフォロワー数、投稿の反応、アクセス数、口コミ数など、目に見える数値を定期的に確認しましょう。思ったより効果が出ていない場合は、発信内容やターゲット設定、投稿タイミングなどを見直してみることがポイントです。数字に一喜一憂せず、続けながら改善を積み重ねることで、着実に成果が高まっていきます。

【 測定すべき指標(KPI) 】

⚫︎ Webサイトへの訪問者数(セッション数)
Webサイトへの訪問者数(セッション数)は、どれだけ多くの人が情報に触れたかを測る基本指標です。認知拡大や集客施策の成果を把握し、改善につなげる重要なデータになります。

⚫︎ SNSフォロワー数の増加
SNSフォロワー数の増加は、ブランドや情報発信に興味を持つ人が増えている証拠です。将来の顧客やファン候補を育てる基盤となり、認知拡大や販促効果を高める指標として重要です。

⚫︎ SNS投稿へのいいね・コメント・シェア数
SNS投稿へのいいね・コメント・シェア数は、発信内容がどれだけ共感や興味を集めたかを示す反応指標です。数字を確認することで、効果的な投稿の傾向や改善点を見つけることができます。

⚫︎ 投稿・広告のリーチ数・インプレッション数
投稿や広告のリーチ数・インプレッション数は、どれだけ多くの人に情報が表示されたかを示す指標です。まず「知ってもらう」ための到達度を測る重要な目安となります。

⚫︎ クリック率(CTR)
クリック率(CTR)は、投稿や広告を見た人のうち、どれだけの人が興味を持ってクリックしたかを示す指標です。内容の魅力や誘導の設計が適切かを測る判断材料になります。

⚫︎ 資料請求・問い合わせ・予約数
資料請求・問い合わせ・予約数は、顧客が「もっと知りたい」「利用したい」と具体的に行動した数を示す指標です。購買や来店への意欲を測る重要な成果指標となります。

【 効果が出ないときは 】

⚫︎ ターゲット設定の見直し
ターゲット設定が曖昧だと誰にも響かない発信になりがちです。「誰に届けたいのか」を具体的に再確認し、年齢・性別・悩み・行動パターンまで絞り直すことが改善の第一歩です。

⚫︎ メッセージやコピーの見直し
メッセージやコピーが自社目線すぎると響きません。お客様が「自分のことだ」と感じる言葉になっているか、メリットや共感ポイントが伝わる表現かを見直すことが重要です。

⚫︎ 発信内容の質・切り口を改善
発信が売り込みや宣伝ばかりだと興味を持たれにくくなります。相手が知りたい情報、楽しめる話題、共感できる体験など、内容や切り口を見直して魅力を高めましょう。

⚫︎ 発信タイミング・頻度の見直し
発信のタイミングや頻度が不適切だと届くべき人に届きません。ターゲットが見ている曜日や時間帯を分析し、投稿間隔やタイミングを最適化することが成果向上のカギです。

⚫︎ 配信チャネル・ツールの選択を見直す
効果が出ないときは、ターゲットに合ったチャネルを使えているかを見直しましょう。若者向けならTikTok、ビジネス層ならXやLinkedInなど、届ける相手に合わせて使い分けることが重要です。

⚫︎ クリエイティブ(画像・動画・デザイン)の改善
画像や動画が暗い、文字が読みにくいなど、見た目に魅力がないと興味を引けません。明るく分かりやすいデザインや、目を止めたくなるビジュアルに改善することが大切です。

■ まとめ

ブランド認知度を高めるためには、「誰に、何を、どう届けるか」を明確にし、情報発信を続けることが重要です。最初から大きな投資をする必要はなく、SNSや口コミ、地元のネットワークなど、身近な手段を活用して小さく始めることが成功の近道です。また、反応を見ながら改善し、少しずつ認知の輪を広げていくことで、やがて「選ばれるブランド」として成長していくことができます。焦らず、楽しみながら取り組んでいきましょう。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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