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ブランディングは誰にどう頼めばいいのか?

[ ブランド戦略 ]

ブランディングは誰にどう頼めばいいのか?

ブランディングは、企業や製品の価値を的確に伝え、競争市場での差別化を図るための重要な戦略です。しかし、「ブランディングを誰に頼むべきか?」という疑問を持つ企業も多いでしょう。ブランディングを成功させるためには、自社のビジョンやターゲットに合った専門家やパートナーを選ぶことが大切です。広告代理店、ブランドコンサルティングファーム、デザイン会社、さらには社内のマーケティングチームなど、選択肢はさまざまです。それぞれの専門性や強みに応じて依頼先を見極めることが、ブランディング成功のカギとなります。本記事では、株式会社チビコでブランディングディレクターをしている筆者が、ブランディングを依頼する際のポイントや、それぞれの依頼先の特徴、適切な選び方について解説し、最適なパートナーの選定方法について詳しく解説します。


■ ブランディングの依頼先を選ぶ3つのポイント

ブランディングの依頼先を選ぶ際のポイント

1. 実績や評判をチェックする

実績や評判をチェックする場合、過去のブランディングの実績や顧客満足度、受賞歴などを確認することが重要です。特に、同業他社や業種が異なる企業の実績を参考にすることで、より幅広い視野で判断することができます。また、過去の案件の事例や成功事例、失敗事例を知ることで、その企業の能力やアプローチについて理解することができます。評判については、口コミサイトやSNS、業界専門誌などから情報を収集することができます。過去の顧客のコメントやレビューを読むことで、その企業の信頼性やクオリティについての参考になります。ただし、評判や口コミについては、正確性には限界があるため、複数の情報源を総合的に判断することが大切です。

2. コミュニケーションのスタイルを確認する

ブランディングにおいて、コミュニケーションは非常に重要な要素です。そのため、ブランディングを依頼する際には、コミュニケーションのスタイルを確認することも重要です。具体的には、ブランディングを担当するチームとのミーティングやメールのやりとりなどを通じて、そのチームがどのようなコミュニケーションスタイルをとっているのかを確認することができます。例えば、コミュニケーションのスタイルがフレンドリーで親しみやすい場合は、依頼主のニーズや要望を理解しやすくなります。また、コミュニケーションのスタイルが堅苦しくフォーマルな場合は、依頼内容に対して真摯に向き合っている印象を与えます。こういったコミュニケーションスタイルによって、ブランディングの成果にも影響が出ることがあります。

3. オリジナリティと創造性を重視する

オリジナリティと創造性を重視する場合、ブランドコンサルティングファームやデザインファームが適しています。これらの企業は、顧客の独自性やブランドの特徴を理解し、その特徴を生かしてブランド戦略やデザインを提案することが得意です。例えば、新しい商品やサービスを展開する場合、競合との差別化や独自性が重要となります。このような場合、オリジナリティあふれるデザインや独自のブランドストーリーを提案することが求められます。ブランドコンサルティングファームやデザインファームは、クライアントと共にブランドの特徴を見つけ出し、それを表現するための戦略やデザインを提供します。また、オリジナリティと創造性を重視する場合、ブランドコンサルティングファームやデザインファームの実績や評判をチェックすることも重要です。

■ ブランディングを頼む5つの理由

ブランディングを頼む理由

1. 競合との差別化のため

競合との差別化は、市場での生き残りにとって非常に重要です。同業他社が増える中で、製品やサービス自体が似通っている場合、ブランディングが最も重要な競争要因となることがあります。ブランド戦略を構築することで、顧客に自社の独自性をアピールできます。顧客は、特定のブランドに価値を見出し、そのブランドを選択することがあります。例えば、高級ブランド品は高価であっても、ブランド名の信頼性や品質に対する認識が高いため、市場において高い価値を持つことがあります。競合との差別化に成功することで、ブランドの強化やビジネスの成長に繋がることがあります。

2. ロイヤルティの向上のため

ブランディングによって、企業のブランドイメージを向上させることができます。その結果、顧客にとって魅力的なブランドになり、顧客のロイヤルティを高めることができます。ロイヤルティが高い顧客は、リピート率が高く、長期的な収益につながります。また、顧客の口コミや評判も向上し、新規顧客の獲得にもつながります。さらに、ロイヤルティが高い顧客は競合他社の攻勢に対しても、より忠誠心を持って企業を支持し続ける傾向があります。これにより、競合他社との競争力を強化することができます。そのため、ブランディングは企業の長期的な成長と利益にとって重要な役割を果たしています。

3. 新規顧客の獲得のため

魅力的なブランディングは、企業にとって新規顧客を獲得する上で非常に重要です。ブランド戦略を用いることで、より広い層のターゲットにアプローチすることが可能になります。例えば、若い世代をターゲットにしたい場合、SNSやインフルエンサーを活用して、魅力的なブランドイメージを伝えることが効果的です。また、新しい商品やサービスを発表する際には、ブランド戦略を活用してその魅力をアピールすることで、新規顧客を獲得することができます。ブランドイメージが強い企業は、新規顧客を獲得しやすく、競争優位性を獲得することができます。

4. 企業イメージの向上のため

企業のイメージは、その企業の製品やサービスに対する消費者の評価や知名度、信頼度などを総合的に表します。良好なイメージを持つ企業は、顧客からの信頼や支持を得やすく、消費者が企業の製品やサービスを選ぶ際にも有利な立場にあります。ブランディングを通じて企業のイメージを向上させることができます。例えば、企業が社会的責任を果たす姿勢をアピールすることで、消費者からの支持を得ることができます。また、ブランディングを通じて企業が持つ独自性や強みを強調することで、企業の存在感を高めることができます。企業イメージの向上によって、企業の信頼性や認知度を高めることができ、顧客に対する影響力を向上させることができます。

5. 販売促進のため

ブランディングは、企業の製品やサービスを顧客にアピールする上で非常に重要な役割を担っています。顧客は、魅力的で信頼性の高いブランドを選好する傾向があります。そのため、ブランド戦略を活用することで、商品やサービスの販売促進につなげることができます。例えば、知名度が高く、信頼性があるブランドを持つ企業は、新商品の発売やプロモーションキャンペーンを行う際に、より多くの注目や支持を得ることができます。また、ブランド力が高いと、商品やサービスをより高価格で販売することも可能になります。つまり、ブランド力の高い企業は、同じ商品やサービスを提供している企業よりも高い価格で販売することができ、利益を最大化することができます。

■ ブランディングを依頼する際のステップ

ブランディングを依頼する際のステップ

1. ブランディングの目的を明確にする

ブランディングを依頼する前に、まず具体的な目的をはっきりさせることが重要です。これは、企業の価値観やターゲット市場を明確にし、将来の目標達成のために何を目指すのかを整理する段階です。たとえば、ブランド認知度向上や市場競争力強化など、目的が明確であることで、依頼先とのコミュニケーションがスムーズになり、戦略設計が効果的に進みます。

2. ブランディングプロセスの選定

適切なブランディングプロセスを選ぶことが求められます。外部のブランディング会社に依頼する場合、企業の特性に合わせたプロセスを用いることで、企業ブランドの独自性を最大限に引き出せます。これは戦略立案からデザイン、マーケティング活動に至るまでの工程を包括的に考慮する重要なステップです。

3. 提案書の受領と選定

提案書の受領は複数のブランディング会社から行うと効果的です。各社の戦略、予算、タイムラインなどを比較し、自社の目標に最も適した提案を選定します。この段階で会社の能力や対応、過去の事例も評価し、長期的に信頼できるパートナーを見つけることが大切です。

4. ブランディングの設計

実際のブランドデザインやコンセプトを形にしていく設計段階です。ブランドのメッセージやビジュアル要素、ロゴなどを定義し、企業のビジョンと一貫性があるかを確認しながら進行します。ここではデザインの一貫性と適応性が考慮され、顧客との結びつきが強くなるよう工夫が施されます。

5. ブランディングの実装

実際に市場に対してブランディング活動を行う段階です。ロゴやWEBサイト、広告、製品パッケージなど、消費者に接するすべてのチャネルでブランドが一貫して表現されるようにします。また、従業員がブランドの価値を理解し、行動できるように社内教育も併行します。

6. ブランディングの評価

最後に、実施後のブランディング活動の効果を評価します。KPIや顧客フィードバックを通じ、ブランド認知度や顧客ロイヤルティの向上具合を確認し、必要に応じて改善を行います。この評価サイクルを継続することで、ブランド戦略を持続的に最適化し、さらに効果を引き出すことが可能になります。

■ ブランディングの依頼先は3つに分類される

ブランディングの依頼先は主に「広告代理店」「ブランドコンサルティングファーム」「デザイン会社」の3つに分けられ、それぞれ異なるアプローチでブランドの強化を支援します。ブランドコンサルティングファームは戦略の構築からデザイン、広報までを包括的にサポートし、リブランディングや全面刷新に適しています。デザイン会社は視覚的な要素を中心にロゴやカラーなどのビジュアルデザインに注力し、特定の印象を与えたい企業に効果的です。依頼先の特性を理解し、企業の目的に合ったパートナーを選ぶことで、ブランディングの効果を最大化できます。

広告代理店の場合

【 広告代理店の場合 】

広告代理店は、主に広告キャンペーンの企画や実施を担当し、ブランディングに関するサービスを提供することもあります。広告代理店は、企業やブランドのメッセージを消費者に伝えるために、広告キャンペーンのストーリー、コンセプト、デザイン、メディアプランなどを設計し、実行することが求められます。これにより、企業やブランドは、より効果的な広告戦略を立て、顧客の心をつかみ、競合他社との差別化を図ることができます。広告代理店は、クリエイティブなアイデアを提供し、企業やブランドのブランディングを支援することで、成功を収めることができます。

[ 比較ポイント ]

⚫︎ 広告制作やマーケティングに特化している
⚫︎ TVCMや広告の制作実績が豊富
⚫︎ 企業イメージ向上のための広告戦略を提供可能
⚫︎ 比較的高額な制作費が必要になる場合がある
⚫︎ ブランディングの専門性が低い場合がある

[ 代表的な広告代理店 ]

ブランディング会社の選び方

【 ブランドコンサルティングファームの場合 】

ブランドコンサルティングファームは、ブランドストラテジーの策定やブランドポジショニングの決定、ブランドアイデンティティの設計などを専門的に行う企業です。広告代理店とは異なり、広告制作そのものに関わることは少なく、ブランド戦略に関する戦略立案や、ブランド価値向上のためのプロセスの整備、顧客体験の改善などを主に行います。ブランドコンサルティングファームは、経営戦略、マーケティング、ブランディングなどの専門的なノウハウを持つコンサルタントが多数在籍しており、高度な知識と技術に基づいたブランド戦略の策定やブランドマネジメントを行うことができます。また、企業戦略やマーケティング戦略との一体的な視点からブランドストラテジーを策定することができるため、広告代理店とは異なる価値を提供しています。

[ 比較ポイント ]

⚫︎ 戦略立案や業務プロセス改善に特化している
⚫︎ 幅広い知識と経験を持つコンサルタントが在籍している
⚫︎ ポジショニングやブランド戦略の立案など、戦略的な提案が期待できる
⚫︎ 比較的高額なコンサルティング料が必要になる場合がある
⚫︎ クリエイティブな面や制作には限界がある

[ 代表的なブランドコンサルティングファーム ]

デザイン会社の場合

【 デザイン会社の場合 】

デザイン会社は、主にブランドや製品のデザインに特化した専門家集団で、ラフィックデザイン、パッケージデザイン、商品デザイン、空間デザインなど、様々な分野のデザインを手掛けています。ブランドイメージにおいては、ロゴやアイコン、パッケージのデザイン、広告素材の制作など、視覚的な要素を中心に扱います。また、商品のデザインや空間デザインでは、顧客の体験を重視して、商品や店舗の使いやすさや快適性を追求することが求められます。デザインファームは、顧客の要望や目的に応じて、クリエイティブなアプローチでデザインを行うことが特徴です。

[ 比較ポイント ]

⚫︎ グラフィックデザインやプロダクトデザインに特化している
⚫︎ ロゴやパッケージデザインなどの視覚的要素を得意としている
⚫︎ ブランディングのクリエイティブ面を提供可能
⚫︎ 比較的手軽な制作費で依頼ができる場合がある
⚫︎ マーケティング戦略や広告制作などの分野では専門性が低い場合がある

[ 代表的なデザインファーム ]

以上のように、広告代理店、デザイン事務所、コンサルティングファームは、それぞれ得意とする領域が異なります。ブランディングの目的や戦略に応じて、最適な依頼先を選択することが重要です。

■ 弊社のブランディング実績

【 INSIGHT FACTORY 】
「いかにして本音を集めるか」「集めた本音に何を見るか」を独自の知見によって提案し、クライアントと共に、来たる未来を推し量り、切り拓くこと掲げるリサーチ会社のリブランディング。ブランドシンボルは、社名の頭文字である「I」と「F」をモチーフに「どう見るか。なにを見るか。」をデザインで表現。

[ 詳細 ] chobico WORKS | INSIGHT FACTORYより

【 LANDPIA 】
LANDPIAは、不動産の有効利用を通じて活力ある経済社会の実現に貢献するブランドです。日本には、まだまだ未開拓の土地や、価値を見出されていない土地が多く残されています。それらを発見、有効活用することで、社会全体が潤う仕組みを作ることを掲げています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | LANDPIAより

【 NIHONN MOBILITY SERVICE 】
NIHONN OIL SERVICEからNIHONN MOBILITY SERVICEへの社名変更に伴うコーポレートアイディンティティ開発。新ブランドのコンセプトは、「新しい移動と技術の進化。モノを超えたサービスとしてのあり方。」モビリティには無限の可能性があることを表現しています。

[ 詳細 ] chobico WORKS | NIHONN MOBILITY SERVICEより

【 ASBO STAY HOTEL 】
ASBO STAY HOTELは、沖縄県金武町の豊かな自然が残る東海岸に佇む、全室オーシャンビューのリゾートホテル。澄みわたった空気と、清らかな海辺。五感のすべてに響いてくるのは、大自然からのメッセージ。精神と身体を解放することの素晴らしさを知ることのできるホテルです。

[ 詳細 ] chobico WORKS | ASBO STAY HOTELより

【 JAPANITURE 】
日本発の家具ブランド「JAPANITURE」の海外展開」。JAPANITUREとは、JAPANとFURNITUREの造語に由来し、ブランドコンセプトは「日出ずる国の家具」。日本の伝統と革新的でモダンなデザイン家具を海外に広く発信し新規マーケットを開拓することを目的とするブランドです。

[ 詳細 ] chobico WORKS | JAPANITUREより

FAQ-よくある質問

■ ブランディングは誰に頼めばいいのかに関するよくある質問

【 よくある質問① 】

⚫︎ 広告代理店、コンサルティングファーム、デザイン会社…何がどう違うの?
→ 広告代理店は広告制作・メディア展開に強く、企業のメッセージを消費者に届ける力に秀でています。コンサルティングファームは戦略立案に秀で、ブランド価値やポジショニングを構築・改善するための設計力が強み。デザイン会社は視覚的表現(ロゴやカラーなど)に特化し、印象づくりが得意です。

【 よくある質問② 】

⚫︎ 課題が曖昧なとき、誰に相談すべき?
→ まずは自社のブランド課題を整理し、社内で重点課題を明確にしましょう。その上で、それぞれの依頼先(広告、コンサル、デザイン)が得意とする領域と照らし合わせて相談すると無駄な試行が減ります。

【 よくある質問③ 】

⚫︎ 自社に専任担当者がいない…どうすればいい?
→ 中小企業などではブランド担当が不在なことも多く、その場合は「兼任担当」を立て、必要なブランド知識を教育することで自走できる仕組みを整えるのが効果的です。外部依頼との連携もスムーズになります。

checklist-チェックリスト

■ ブランディング会社を選ぶ際のチェックリスト

【 目的と戦略の明確化のチェック 】

⬜︎ ブランディングの目的(認知向上、差別化、顧客ロイヤルティ)が明確になっているか?
⬜︎ 依頼先に求めるサポート内容(戦略立案、広告、デザインなど)が整理されているか?

【 適切な依頼先の選定のチェック 】

⬜︎ 広告代理店/コンサルティングファーム/デザイン会社など、それぞれの得意領域を理解し選定しているか?

【 提案内容の比較選定のチェック 】

⬜︎ 複数社から提案書を受け取り、戦略・スケジュール・予算などを比較しているか?

【 予算・スケジュールとコミュニケーションのチェッ 】

⬜︎ 予算感と具体的なスケジュールが依頼時に明示され、すり合わせができているか?
⬜︎ プロジェクト進行の伝達方法や納期管理など、コミュニケーション・管理体制が明確か?

記事のまとめ

■ まとめ

ブランディングを成功させるには、自社の目的や課題に合わせて最適な依頼先を選ぶことが重要です。広告代理店は広告制作や運用に強く、ブランドを広く伝える力があります。ブランドコンサルティングファームは戦略立案からブランド設計までを包括的に支援し、企業価値向上を図る際に有効です。デザイン会社はロゴやビジュアルなど視覚的表現に特化し、印象づくりで力を発揮します。さらに、戦略設計から実装、効果測定まで一貫したプロセスを意識することで、ブランド価値を最大化するブランディングが実現します。

株式会社チビコ今田佳司ブランディングディレクター

株式会社チビコ
今田 佳司 (ブランディング・ディレクター)
ブランド戦略とコミュニケーションデザインを掛け合わせることで、企業や商品などのブランド価値の向上や競争力強化に貢献。数多くのブランディングを手がける。

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